2018/8/3-5 白馬岳
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
白馬岳山行 確定計画書(8月2日)
作成者 木下
□日程 8月3日(金)-5日(日)・6日(月) 二泊三日予備日一日
□山域 北アルプス後立山連峰
□在京本部設置要請日時 2018/08/06 1700
□捜索要請日時 2018/08/07 0900
□メンバ(計4名)
CL木下 SL吉田 寺垣 児玉
□地図
■2万5千図 「白馬町」「白馬岳」
■山と高原地図 「34/35白馬岳」
□行程
■一日目
猿倉1400
→白馬尻小屋1500(幕営)
[歩行計1時間]
・白馬尻小屋テン場が一杯の場合、白馬尻小屋または引返して猿倉荘で小屋泊する
※エスケープ
猿倉へ引返す
■二日目
白馬尻小屋0500
→岩室跡0730・0740
→白馬岳頂上宿舎0940・1020
→杓子岳1120・1130
→鑓ヶ岳1230・1240
→杓子岳1320
→白馬岳頂上宿舎1430(幕営)
[歩行計8時間20分]
・頂上宿舎以後のサブザック行動は任意の地点で引返し可、白馬岳往復1時間に代替可、丸々カット可
※エスケープ
雪渓が下りられる場合は白馬尻へ引返す、出来ない場合は頂上宿舎に避難し、翌日以降に白馬大池・栂池方面へ下山する
天狗山荘(売店のみ営業)が近い場合は一時避難可能だがそうならぬようにサブザック行動は慎重に判断する
■三日目
白馬岳頂上宿舎0500
→白馬岳0535・0600
→三国境0630
→白馬大池山荘0840・0900
→栂池自然園駅1130
[歩行計5時間45分]
・余裕があれば自然園を散策してもよい(入園300円、周遊最大3時間半ほど)
※エスケープ
白馬大池・栂池方面へ進む、白馬岳より手前などで頂上宿舎へ避難した場合、雪渓が下りられれば白馬尻・猿倉へ下山する
■予備ルート二日目
二日目に9時ころまで出発を遅らせても濃霧や降雨などにより雪渓を登るのが適当でない場合、以下のルートをとる。一度下界へ出るため、在京責任者に連絡する。なお白馬尻で停滞し三日目に雪渓を登ると予備日に下山できない可能性があるため、これは避ける。
白馬尻小屋0630~0920
→猿倉(50′)0720~1010
・0740/0855/1015(/1220)
~栂池高原駅0833/0955/1100(/1310)
~栂池自然園駅0900~1130
→白馬大池山荘(3°20′)1220~1450(幕営)
[歩行計4時間10分]
※エスケープ
下界へ引返す
■予備ルート三日目
二日目に予備ルートをとった場合、三日目は以下のルートをとる。ただし条件が悪い場合は白馬岳へ向わず栂池へ戻り、可能であれば栂池自然園などを散策したのち下山する。
白馬大池山荘0500
→白馬岳0830・0900
→白馬大池山荘1140・1210
→栂池自然園駅1440
[歩行計8時間40分]
※エスケープ
栂池自然園駅へ引返して下山する
□集合
8月3日0750新宿駅中央東口改札外
□交通
■行き
・JR中央本線・篠ノ井線
新宿0800→松本1038 スーパーあずさ5号
乗車券特急券セットの「えきねっとトクだ値」4610円で4枚購入済み、当日CLが配布
・JR大糸線
松本1119→白馬1305
1140円 IC不可
・アルピコ交通バス
白馬駅1315→猿倉1342
1000円 IC不可
■帰り(休日)
○白馬駅まで
・栂池パノラマウェイ
栂池自然園→栂大門 栂池ロープウェイ 0700-1720
所要5分 20分間隔で運転(増発あり)
栂の森→栂池高原 栂池ゴンドラリフト「イヴ」0630-1700
所要20分 随時運行
片道セットで1920円 栂池高原駅からJR白馬大池駅まで徒歩50分ほど
・アルピコ交通バス
栂池高原 0710/0815/0915/1028/1123/1135/1300/1318/1355/1418/1505/1528/1630/1723
→白馬八方 0733/0835/0938/1050/1145/1155/1323/1340/1415/1440/1528/1550/1653/1745
→白馬駅 0738/0840/0943/1055/1150/1200/1328/1345/1420/1445/1533/1555/1658/1750
八方まで520円 白馬駅まで560円 IC不可
○中央東線方面
・JR大糸線
白馬→松本1140円
白馬1024/1226/1537/1549/1639/1814/1925
→松本1236/1420/1714/1729/1811/1953/2059
白馬大池発は約10分前
1537発はリゾートビューふるさと号 指定料金520円が必要 白馬大池は通過
普通列車のみで帰る場合、新宿へ至る最終は白馬1639発
しなの84号 白馬1453→松本1559 自由席1180円
あずさ26号 白馬1437→新宿1834 自由席2380円
信州特急料金回数券4枚つづり 2040円(しなの号自由席特急券の効力)
・JR篠ノ井線・中央本線
白馬→松本→新宿5400円
松本1242/1430/1621/1701/1935
→新宿1714/2030/2133/2221/2358
松本からの特急は毎時2本程度 新宿まで所要2時間半~3時間 自由席2380円
新宿松本間あずさ回数券6枚つづり(乗車券特急券セット) 27780円
100kmまでの区間で特急を利用する場合の料金(運賃+自由席特急料金)
塩尻 →甲府 1490円+1180円
岡谷 →甲府 1320円+1180円
上諏訪→甲府 1140円+1180円
甲府 →立川 1660円+ 930円
○長野まわり
・アルピコ交通バス
白馬→長野
栂池高原→白馬八方→白馬駅→長野駅東口
白馬駅発時刻0825/1055/1150/1345/1445/1555/1750
所要1時間10分
1800円(栂池から2000円) 回数券4枚つづり6400円(同7200円)
・JR線
白馬→長野→上野5940円 長野→上野4000円
松本→長野 普通列車 毎時1本 1時間15分程度
特急しなの 毎時1本 50分程度
自由席1180円 新幹線乗継で590円
白馬から長野へ、しなの84号→しなの15号の
改札内乗換えは信州特急料金回数券で通算可能
長野→大宮・上野・東京 北陸新幹線 頻発 1時間~1時間40分
自由席大宮まで2590円 東京まで3470円
かがやきは全席指定(立席あり) 繁忙期指定料金720円
例 しなの15号 松本1604→長野1655
かがやき510号 長野1703→上野1822
あさま628号 長野1709→上野1846
○高速バス利用
・白馬からアルピコ交通バス
白馬八方バスターミナル0700/0915/1415/1515/1630/1715
→バスタ新宿 1213/1428/1928/2028/2143/2228
4850円 回数券4枚つづり17400円
「予約制」だが空席あれば乗れそう
・松本からアルピコ交通バス
松本バスターミナル→バスタ新宿
4時台から9時台の毎時20分・50分、10時台から18時台の毎時20分
及び1900/1950/2020/2100に発車
早朝の数本を除き所要3時間18分 片道3500円 回数券4枚つづり12200円
■予備ルート使用時
・アルピコ交通バス
猿倉 0740/0855/1015(/1220)
→白馬八方0802/0917/1037(/1242)
→白馬駅 0807/0922/1042(/1247)
1000円
白馬駅 0805/0930/1035(/1245)
→白馬八方0810/0935/1040(/1250)
→栂池公園0833/0955/1100(/1310)
白馬駅から560円 八方から520円
・栂池パノラマウェイ
往復3600円、自然園入園券付き
■交通連絡先
アルピコ交通バス
路線バス
白馬営業所 0261-72-3155 0630-2000
長野駅前総合案内所 026-227-0404 0800-1900
高速バス
高速バス長野予約センター 026-229-6200 0800-2000
高速バス松本予約センター 0263-35-7400 0800-2000
白馬観光開発(栂池パノラマウェイ)
0261-72-3150
□共同装備
■テント(エスパース)本体・フライ
■テント(エスパース)ポール・ペグ
■救急箱(エーデルワイス)
■鍋(竹・小竹)
■調理器具セット(ガジャ・マダ)
■ストーヴ(緑7号)
■ストーヴ(チビ)
■ガス缶*4
■ヘルメット(CAMP白)
■ヘルメット(キョロちゃん)
■ヘルメット(CAMP赤)
■ヘルメット(ギャラクシー)
□山小屋など
・猿倉荘
0261-72-4709
素泊り6300円? 水場あり
〇白馬尻小屋
0261-72-2002
幕営1000円 素泊り6800円 水あり テン場狭い
〇白馬頂上宿舎
0261-75-3788
幕営1000円(トイレ込) 素泊り6800円 水あり 診療所あり
・天狗山荘
0261-75-3788
売店と幕営のみ営業
・白馬山荘
0261-72-2002
素泊り6800円 水あり 診療所あり
・白馬大池山荘
0261-72-2002 素泊り6800円
・栂池山荘
0261-83-3113
・栂池ヒュッテ
0261-72-2002 0261-83-3136
水場あり
□日帰り温泉
・倉下の湯
白馬八方の手前「倉下の湯」下車
1000-2200 600円
0261-72-7989
食堂なし
・八方の湯
白馬八方バスターミナル下車
0900-2200 800円
0261-72-5705
軽食あり
・郷の湯
白馬八方バスターミナル下車徒歩5分
1200-2100 600円
0261-72-6541
食堂なし?
・みみずくの湯
白馬駅徒歩10分
1000-2130 600円
0261-72-6542
軽食あり
□遭難対策費
400円/人*4人
計1600円
□日没日出
8/5日没(長野):1851
8/6日出(富山):0501
□ラジオ周波数
■NHKラジオ第一:白馬1026 kHz/長野819kHz/松本540kHz/富山648kHz/糸魚川999kHz
■NHKラジオ第二:長野1467kHz/松本1512kHz/富山1035kHz
■NHK FM:白馬83.3MHz/長野84.0MHz/松本84.8MHz/宇奈月84.9MHz/糸魚川85.1MHz
□警察署電話番号
長野県警 大町警察署 0261-22-0110 (白馬村)
富山県警 黒部警察署 0765-54-2060 (黒部市宇奈月・頂上宿舎以南の稜線西側)
入善警察署 0765-72-0110 (下新川郡朝日町・頂上宿舎から三国境までの稜線西側)
新潟県警 糸魚川警察署 025-552-0110 (糸魚川市・三国境以東の稜線北側)
白馬岳 山行記録
9月9日 木下 作成
□日程 8月3-5日(金-日)
□天候 晴 5日早朝ハ霧・風強シ
□メンバ
CL木下 SL吉田 寺垣 児玉
□計画
■一日目
猿倉1400
→白馬尻小屋1500(幕営)
[歩行計1時間]
■二日目
白馬尻小屋0500
→岩室跡0730・0740
→白馬岳頂上宿舎0940・1020
→杓子岳1120・1130
→鑓ヶ岳1230・1240
→杓子岳1320
→白馬岳頂上宿舎1430(幕営)
[歩行計8時間20分]
■三日目
白馬岳頂上宿舎0500
→白馬岳0535・0600
→三国境0630
→白馬大池山荘0840・0900
→栂池自然園駅1130
[歩行計5時間45分]
□実行程
■一日目 児玉-寺垣-木下-吉田
猿倉1333・1355
→白馬尻小屋1455
■二日目前半 吉田-児玉-寺垣-木下
白馬尻小屋0450
→雪渓入口0505・0515
→雪渓終点0640・0655
→岩室跡0713
→(小休止)0730・0742
→避難小屋0807・0827
→階段手前ノ岩上デトカゲ0905?・0925
→白馬岳頂上宿舎0947
■二日目後半 (木下以外の三人で行動、記録は寺垣さんによる)
白馬岳頂上宿舎1120
→杓子岳前1200(小休止)
→杓子岳1220
→杓子岳トラバース分岐1230・1245
→(小休止)1324
→白馬岳頂上宿舎1400
■三日目 木下-児玉-吉田-寺垣
白馬岳頂上宿舎0542
→白馬岳0620・0635
→小蓮華山手前ピーク肩(2719m?)0720・0730
→小蓮華山0750
→2612m点手前0818・0830
→白馬大池山荘0909・0925
→乗鞍岳1000?
→天狗原1050・1100?
→栂池ヒュッテ1137?
□三日目の天候
三日目は夜が明けぬうちから強風で、背の高いエスパースにはちょっと不安だった。前室に出していた荷物の内、朝食の食材は取り込んでまた辛抱したが、日の出近くなっても風は収まらないようだった。またガスもかなり濃かった。
「陽が出て明るくなる」「風が収まる」「ガスが晴れる」の内、二つ解決してくれたら出掛けたいと思いながら暫く待って、遅めの朝食をとったが、余り状況は変わらないようだった。寺垣さんと児玉さんが小屋の人に聞いたところでも午前中はあまり変化ないらしかったので、強風の中テントを畳んで出発することにした。周りのソロテントの人は撤収にかなり難儀しているようだった。
頂上を越えて暫くするまではずっと強風の中だったが稜線の上ではガスが無くまずまずの展望、下方のガスにうっすらとブロッケンも見えた。小屋泊の人と時間が被ってしまい頂上付近でやや混雑したが、団体を抜きながら快調に下山する時分にはおだやかに晴れ、概ねよいタイミングで行動出来たのだと思う。
□ルート状況
■交通
えきねっとトクだ値は便利!万一山行中止の場合に乗車変更することを考えると一枚ずつ予約した方がよさそう。普通列車で移動する場合、100km未満の区間で特急を利用すると1時間程度早いスジに乗換えられる場合が多い。ただし夏の休日などは自由席大混雑の可能性も高い。
白馬駅から猿倉までタクシーだと3700円なので、4人で乗ればバスと大差ない。従ってバス時刻に合わせる必要もない。駅ロータリィで客待ちしていた白馬観光タクシーを利用。
栂池高原のロープウェイ駅から白馬駅周辺までもタクシーは3000円で運んでくれた。バス停が見当たらずそろそろタクシーを呼ぼうかという頃に偶々やって来たアルプス第一交通を利用。愛想は白馬観光タクシーより断然よかった。
栂池パノラマウェイの荷物料金は、たしか15kg以上で250円だった。
■小屋とテン場
白馬尻小屋のテン場はさほど狭くなく、平らで張りやすい。後から張る方が端の方の場所がとれて便利かもしれない。大雪渓と雪解けの川を見るロケーションもよい。トイレも綺麗。
頂上宿舎は大きいばかりでよいことが無い。近くにテン場がないから殿様商売で、1000円も取る割に水場は蛇口一つのみ、テント用トイレは汚く、臭いがテン場まで流れてくる。テン場は風が通らない窪地なので昼間は暑く、うっかり昼寝でもすると熱中症になりかねない。しかし朝の風は強かった。土地も岩が多く、整地された部分も狭いので大型テントには向かないし、密集してテントが建つので中に場所を取ると不便。少人数のパーティならずっと奥の離れた土地に張ると多少静かで良いかもしれない。なおヘリの荷揚げ場がすぐ近くで、飛来の際にはテントが飛ばされないように注意が必要らしい。
白馬山荘も大きい。頂上の直下に建つ要塞は異様な雰囲気だ。白馬大池山荘のテン場は池と湿地の近くでよいロケーションだった。
■雪渓通過と頂上宿舎まで
雪渓はなかなかしんどい!わざわざ行かなくてもいいよという感じ。初めのうちはサクサクと楽しく涼しく歩けるが、果てがなかなか見えない。上半分では左右の山肌から断続的にカラカラと礫の崩れる音がする。雪渓の終点で右手に上がり、続々と到着する登山者が狭い土地でアイゼンを外すのも危なっかしい。
雪渓が終ってからの急登も長く辛い。本当に果てしなく登りつづける。全般に昭文社のコースタイムは悪くない、多少は巻いてやろうなどと思わない方が楽に歩けそうだ。
大方登ってしまって、あとは階段が一続きか、というあたりがお花畑になっている。小屋から30分ほどというあたり、左右を支尾根に挟まれたところで、沢の音と小鳥の囀りを聴きながら岩に寝ころべば、ここで一日過ごしてもいいかなとさえ思う。
■山頂を経て栂池へ
稜線伝いのいい道が続くが、狭いところが多いので団体がいると難儀する。歩きづらいところはほとんどない。山頂は狭いが360度の展望。小蓮華を越えたあたりから白馬山頂や大雪渓の展望がよく、迫力はこのあたりが一番だろうと思う。大池へ下りるあたりからは妙高方面の山も見える。
快調に降りが続くので乗鞍岳を越えるのはちょっとしたアルバイトに感じる。雪田横断は長さ斜度ともに割と大きく、特に混んでいるとちょっと怖い。下山路にはごろごろの大岩が続くが、降りならさほど苦ではない。下の方はずっと樹林の中なので登りには多少しんどいと思う。
■白馬駅付近の風呂と飯
白馬の街にはいくつか温泉があるが、タクシーの運転手にはロイヤルホテルを勧められた。スキー時期には混むのだろうが夏はゴルフ客がたまにあるかという様子、運転手さんも「名前は立派だけど岳人も多く使っているから気兼ね要らないよ」とのことだったから、タクシーと協力して山帰りの客を回しているのかもしれない。かつては(?)東京や名古屋への高速バスがこのホテルを発着していたらしい遺構(?)もあった。いづれにせよ、駅や高速バス停留所のすぐ近くで日帰り入浴650円なので便利だ。ホテルマンのオジサンも「岳人」には慣れている様子だった。
このホテルにはレストランが併設されているが今回は閉まっていた。すぐ近くの「絵夢」(えむ)という食堂に、やはりタクシー運ちゃんのオススメで行った。15時閉店だったがそのあたりは緩いようだ。定食には半ラーメンがつく。下山直後にモリモリ食える。近くには他にそば屋などもあった。
□雑感
木下は二日目にだいぶバテた。一気に高度を上げた高山病なのか、気温と日差しによる熱中症なのか、単に体力の衰えなのか。小屋に上がる頃にはヘロヘロで、三山縦走が叶わなかったのは口惜しい。
白馬はさすがに夏山の定番で人気らしい。関西から来ている人も多かったし、ツアーの団体も多かった。周りが見えていない団体がズラズラと詰まって思うように進めないというのは久しぶりだった。大池以下の地域には中国や韓国からのお客さんも多かった。また白馬尻小屋には甲斐駒に続いて、ドローンを飛ばしている人がいたが、傍から見ていると気分の良いものではない。近くを飛ばれるのは怖いし、ここまで何をしに来ているんだという気がする。
何より、稜線から見上げる山頂のすぐ下に石垣を積んででかでかと建っている山荘の不気味さには吐き気さえ覚える。白馬岳は展望ありお花畑ありで大変美しい山だが、これほど大勢の人を受け入れてなおその魅力を保つほどキャパシティの大きな山ではなかった。東京から行くにはやはり遠いこともあるし、そう何度も来ることはなかろう。そう思うとなお一層、今回三山縦走が出来なかったことが悔やまれる。
ただ、メンバにも天候にも恵まれ、行き帰りのアクセスにも色々なイヴェントがあって夏山を演出する思い出としてあまり飽きることもなく、二日半の山行にしては充実したものになった。やはり山には年中、そして毎年、継続して歩かねばならない。
□寺垣さんによる二日目後半の記録
1120テン場出発
吉田、児玉、寺垣の3人で15:30までに戻ることを決め、テン場出発。
荷物の軽さを(特に吉田くんが)喜びながら進む。気持ちのいい縦走路で、両側の緑が美しい。カラフルなテン場が見えたので、ここまで計画を立て連れてきてくれ、そして今はテント番をしているCLにありがとうと叫んだが、聞こえなかったらしい。
1200杓子岳前で一本。
それなりに急いだつもりだったが、コースタイムを全くまけない。白馬鑓に行けなくてもまあ仕方ないねということを3人で決める。1225までに、杓子岳を越えたトラバース分岐についていなかったら撤退することを決める。
1220杓子岳山頂。
写真を撮ってもらおうとしたが近くに人がおらず、自撮りで撮る。さっさと出発。
1230杓子岳のトラバース分岐到着。
無理して行けなくもなかったが、ここまでのスピードから休憩も含めるとテン場到着が15:30を過ぎる可能性があり、時間に追われて歩きたくないということ、目視で見える鑓ヶ岳までのアップダウンに気持ちが萎えたことなどから撤退を決定。急ぐ必要がなくなったので分岐でまったり休憩。
1245 分岐出発
1324ひと休憩。
1400テン場到着。
■感想
・個人的に泊まりの山は一年ぶりで、体力的に心配でしたが、景色もよくとても楽しい山行でした。月並みですが、空気がおいしくやっぱり山はいいなあとしみじみ感じました。いろいろデトックスになるように思います。
・ドタキャンを一度ならず何度かやらかしているにも関わらず山に誘ってくれるCLには大変感謝しています、口だけですみません。
・CLの木下氏、メンバーの児玉さん、吉田くん、そして在京の川瀬さん、どうもありがとうございました。
#木下コメント;3人元気でよかった。やはり山へ連れ出したくなる人、共に山へ行きたくなる人というのはいるもので。学生じゃなくなってもたまには山を歩いた方がいいよね。なんで僕だけ氏で呼ぶのかしらん。
□児玉さんによる山行記
・行き、1日目
どうやらスーパーあずさに乗っていたようで、快適だったためすぐに寝てしまった。その後の大糸線でもよく寝た。
猿倉から白馬尻小屋までの登りは暑くてしんどかった。味噌豚丼を作り、私はすぐ就寝。吉田くんはほぼ寝れず。
・2日目
秋の星空がよく見えた。朝食のトマトチーズリゾットを焦がす。
大雪渓は傾斜がきつく、落石への緊張感もあるのでかなり疲れた。一方ソロ登山者はどんどん我々を抜かしていく。左手から頻繁に落石。
大雪渓を登り終えてからも急登が続き、つらいし暑い。ここら辺で飲んだOS-1を美味しく感じてしまった。
しばらく登ると山と山の間が開けて綺麗なお花畑が広がる。お花畑の描写はなにを書いても陳腐な表現になってしまうので、ここは写真を参考されたい。
頂上宿舎に到着しテントを張るも、ここまでの行程でかなり疲れてしまい、亮平さんや吉田くんはこの後のサブザック行動での白馬鑓・杓子ピストンに積極的でない様子。寺垣さんはかなり元気で行きたそう。私も行きたかったので、とりあえずサブザックの準備をしていたら吉田くんも行くということに。亮平さんは留守番。
出発時間が遅く、白馬鑓までは行けなかったが、ゆったりのんびり座っておしゃべりできて、結構楽しかった。
夕飯はおいしいミートソースパスタ。その後就寝となるも、私は全然寝られず。夜10時ごろから暴風になり、益々寝られず。外に置いた水入りの鍋が倒れないか、朝ご飯のマルちゃん正麺が飛ばされてなくならないか、不安だった。一方吉田くんは暴風の中よく寝ていた。
・3日目、帰り
朝食を済ませた後も風は弱まらず、しばらく待機。私と寺垣さんで小屋に天気予報を聞きに行ったところ、今後良くなることはないということで、予定通り下山することに。
山頂までは風が強く、踏ん張っていることに必死でチラッと見えた雷鳥や剱岳のことはあまり覚えていない。山頂は混んでいた。
山頂から下り始めると最初は風も強かったが、だんだん弱まっていく。道が混んでいる。小蓮華山を越えると、唐松・五竜・鹿島槍などが望める。そのあとは白馬大池を横目に下り、登り、そのあと乗鞍からバーっと下り栂池高原駅へ、さらにロープウェイとゴンドラリフトでババーっと下りる。タクシーを捕まえ、運転手のおじちゃんオススメの(ここは結託してる疑惑)ロイヤルホテルの温泉(こじんまり)でさっぱりし、近くの大衆食堂?で大量のご飯を食べた。
吉田くんは翌日インターンなので特急で帰り、我々はリゾートビューふるさとを使いながら鈍行で帰ることに。寺垣さんと私はリゾートビューふるさとに大はしゃぎし、亮平さんも写真を撮りまくってオタクっぷりを発揮していたが、途中篠ノ井線が止まった影響で松本まで乗れず。色々ありかなり時間がかかってしまったが、なんとか帰宅。疲れたし眠たかったけど、楽しかったです。
#木下コメント;そうスーパーあずさですよ!計画書にも書きましたよ!最近ちょっと乗り鉄気味だけどオタクという程ではないです。リゾートビューの件については別記します。児玉さんのごはんはやはり美味しかったです。
□備忘録
リゾートビューふるさと号と篠ノ井線不通の顛末を付記する。
リゾートビューふるさと号は長野・南小谷間を松本まわりで走る座席指定制の臨時快速列車だ。電化区間ながらディーゼルエンジンで発電し蓄電池と併せてモータを回すハイブリッド気動車の2両編成を用いている。そのあたりはWikipediaなどを参照されたい。
今回は白馬からの帰路に、全区間または大半の区間で18きっぷを使うつもりだった。その場合、このリゾートビューに乗ると、すぐ後に走る定期普通列車よりも松本からひとつ前のスジに乗れて小一時間早く帰京できるようだったから、先に特急で帰った吉田君以外の三人分の指定券をその場でえきねっとから予約購入して乗車した(ザックが置きやすい後端席を確保したことを褒めてほしい!)。
車内はゆったりシートピッチのリクライニングシートで、全面展望を映すモニタが天井に付き、アテンダントのお兄さんによる車内販売もあり、展望ラウンジのようなフリースペースもありと、指定料金520円以上の価値がある快適列車だった。松本ではぎりぎりで特急に乗継げるダイヤらしく、ほぼ満席だったが乗客の大半は我々のような山帰りで、JR東日本の思惑は多少外れているのかもしれない。
さて快適なリゾートビューだったが、穂高の手前だったかで急に停車し、「篠ノ井線はレール歪みが発見され当分運休、篠ノ井線に直通する当列車は松本へ進入できないため、松本までの間で下車する人は穂高で後続の普通列車に乗換えてくれ」という案内があった。特急に乗継ぎたい人(早く快適に移動する為だけに課金している人)が大半の乗客は不安を怒りと変え、各々運転手とアテンダントに詰め寄るから収拾がつかない。我々はどうせ普通列車で帰るのなら後続でも2本目でも変わりがなかったので、怒れる乗客で混むことになる後続列車を見送って、2本目が来るまで車内待機することに決めて乗務員にもその旨をそれとなく伝えておいた。
ところがその後、対向列車との交換と件の後続2本目の待避とのために、ふるさと号は一日市場まで進むということになった。そしてふるさと号は一日市場では客扱いをしない列車なのでそこでドアを開けられる保証はできないとのこと(遅延し臨時に運転停車するだけで、運転打切りになったわけではない!)。われわれはどうとでもなれと、快適リゾート列車と自決することにした。
結局、一度大きく繰上がった篠ノ井線の復旧見込みがまた延期されたこともあって、一日市場では運転士が我々の「どうしても下車・乗換えしたい」意思を確認して指令に電話し、ドアを開けてくれた。「外は暑いから中で待っていていい、列車が来たら知らせますので」とも世話してくれた乗務員氏二人には、「穂高で乗換えろ」の案内を無視した我々のために始末書を書かされたかもしれないのに、大感謝だ。
中央線内で乗換える大月行も長野から篠ノ井線で来る列車だったが、これは臨時に松本始発として運転しており、問題なく乗継げた。全て各駅停車で新宿には23時過ぎに到着、三人それぞれの路線へ別れた。なお日曜の夕刻とて特急は満席、自由席も途中駅では乗り難いくらいに混雑していたので、部分的に特急を使う手はそもそもなかったようだ。
□装備について
テントはゴミを出し床面やペグの泥を拭いよく乾かしてから返却しましょう。ヘルメットも水洗いして乾かさないとたいへん臭いです。また不備や故障があれば装備ノートにきちんと書いてください。