2018/8/5 海沢川中流・月夜見沢中流遡行
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
海沢川中流・月夜見沢中流遡行計画書 ver. 1.0
作成者:久光
■日程 8/5(日)
■山域 奥多摩
■在京本部設置要請日時 2018/8/5 20:00
■捜索要請日時 2018/8/6 7:00
■メンバー(計3名)
CL久光 SL朝倉 石川
■集合・交通
狭山ヶ丘駅西口ロータリー 6:45集合
久光車で天地沢出合(海沢川中流)まで約60分
海沢川中流遡行終了後、久光車で月夜見沢入渓点(落合橋)まで移動(1時間15分)
■行程
8:20 天地沢出合
10:10 東屋
10:30: 天地沢出合
(車移動)
12:00 落合橋
13:40 林道終点
15:10 二俣
16:10 林道終点
16:40 落合橋
※コースタイムは「ウォーターウォーキング」p.78、p90を参考にした。
■エスケープルート
海沢川: 平行する林道へ上がる
月夜見沢:
林道終点まで 平行する林道へ上がる
林道終点から 引き返す
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「日原」
遡行図:「奥多摩・大菩薩のの沢123」p.50、p54
■共同装備
ツェルト(アルファ):久光
救急箱(エーデルワイス):石川
8.6mm×30mロープ:久光
お助け紐:久光
アッセンダー:石川→朝倉
※九州遠征組への受け渡しのため、共同装備は久光が持ち帰る
■遭難対策費
100円×3人
計300円
■備考
東京 日の出(7/22) 4:52
東京 日の入(7/22)18:42
青梅警察署 03-3581-0110
五日市警察署 042-595-0110
海沢川中流・月夜見沢遡行記録
■作成: 久光
■日程: 2018/8/5(日)
■山域: 奥多摩
■天候: 晴
■メンバー: CL久光 SL朝倉 石川
■行動記録
□海沢
9:22 入渓点
9:35 最初の淵
10:51 大きな釜を持つ3m滝
11:58 林道出合
□月夜見沢
14:16 入渓点
15:04 釜淵
16:10 林道出合
■記録
6時45分に狭山ヶ丘駅集合。石川が寝過ごして数分遅れるハプニングはあったが、ほぼ定刻に出発できた。海沢林道に入り、天地沢出合付近の林道が広くなったところに駐車。入渓準備をして出発する。駐車地点から沢床の高低差は10m程度で、明瞭な踏み跡があった。初沢の石川のため、遡行開始前に斜面を使って懸垂下降のレクチャー、および二重8の字結びの練習を行ってから出発。
入渓点周辺は平凡だが、ほどなく両岸が狭まり立派なゴルジュになる。最初の淵は深く、淵奥には2m程度のナメ小滝がある。一旦淵奥まで全員泳ぎ、その後久光ー石川ー朝倉の順で小滝を登った。ホールドが少なく、水中からの取り付きが困難なため見た目より難しい(III+)。久光は右壁に取り付いてへつり気味に突破、石川をで引き上げた。朝倉は10分ほど水中で粘っていたが、結局諦めてお助けを使用した。
滝上も深い淵があり、泳いで通過する。ほどなくしてCS2m滝。メインロープを出して泳いで取り付き、ボディビレイで石川・朝倉を上げた。ロープを出したものの、結果的には階段状のため簡単だった。なお、巻く場合は右岸から簡単に巻けるようだ。ここで後続パーティーに追い抜かれた。
ゴルジュの湾曲部を抜けると前方が開け、大きな釜を持った3m滝。泳いで取り付いて右の水流を登り、後続にはお助けを出した。滝手前には林道に抜けると思われる立派な梯子があるため、ここでエスケープも可能。
この先も淵と小滝が続く。そろそろ体も冷えてきたので、本流直登を堅持しつつ、泳がずに済むところは適当にこなす。やがて左岸から立派な滝をかけて井戸沢が流入すると、海沢園地手前の堰堤。右に巻き道があり簡単に超えられる。堰堤の上に林道からロープで工作された道が下りているので、ここで遡行終了とする。
林道を歩いて久光車に戻り、装備を装着したまま車で月夜見沢出合の檜原村藤倉へ。一旦青梅を経由して移動したため、1時間以上を要した。さらに、予定していた落合橋の駐車スペースが埋まっていたため、駐車場所を探すうちに誤って白岩林道に入ってしまい、何気なしに降りて白岩沢を遡行しかける。そうこうしているうちに、入渓時間がだいぶ遅くなってしまった。
改めて、月夜見林道の広くなっている路肩に車を停め、落合橋から入渓する。月夜見沢はとにかく平たい沢で、驚くほど何もない。「ウォーターウォーキング」の本により選んだ沢だが、文字通り水の中を歩くだけである。遡行図の「姫淵」は、横を普通に歩いて通過できる1m程度の段差。泳ぎを期待していたが、頑張らないと体すら浸すことができなさそう。暑いうえに何もなく、おまけに虫が多い。アブが全身にまとわりつき、服の上から攻撃してくる。「ウォーターウォーキング」の宣伝文句「ライフジャケット装着で、…月夜見沢を泳ぎまくろう!」とは、いったいどの沢のことを言っているのか。
何も出てこないうちに、行程の前半部分はあっという間に終了。遡行図では後半部分に差し掛かったあたりから、ようやく渓相はマシになってくる。「釜淵」は落差2m程度で深い釜を持つ滝。側壁はハングしていてへつり困難のため、泳いで滝に取り付く。登攀も一苦労で、落ち口に立てかかっていた倒木を利用して何とか這い上がった。後続は念のためお助けで確保し突破。
釜淵から先、1つか2つほど泳げる淵が現れる。しかしその後は再び平凡な沢歩き。入渓が遅かったこともあり、当初予定していた二俣まで行ってしまうと、日没までに車に戻れないかもしれない。このまま進んでも、大して面白いものは出てこなさそうである。そう考え、適当なところで離脱を決定。並行する林道に抜けて遡行終了。
余談ではあるが、地形図を見ていて、月夜見沢の左岸上方に車道の通じていない集落があることに気づいた。あとで調べた情報によれば、この集落「猿江」は、林業用モノレールが住民の足になっているという。東京の山も深いものである。
※滝名は「ウォーターウォーキング」に従う。ただし同書未記載のものは久光がつけた。
■反省・備考
・月夜見沢入渓前に誤って白岩沢へ入りかけた。そもそも車で誤った道を進んだのが原因。GPS確認により遡行開始前に気づけたが、車を停める前に気づくべきだった。
■感想
・海沢川中流は真夏の水遊びを楽しめる沢。ここだけでは短いので、上流まで続けて遡行すれば、なお充実した一日になると思われる。
・月夜見沢は平凡な上に刺す虫が多く、お勧めできない。特に釜淵より下流は滝一つなく、完全なる平たい河床の「ウォーターウォーキング」になる。おまけにアブがまとわりつき、服越しに刺してくるので最悪だった。少なくとも泳ぎを目的に行く沢ではないだろう。