2018/8/13 丸木谷遡行
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
丸木谷遡行計画書 ver.1.0
作成者:丸山
■日程 8/13(月)(荒天の場合延期または中止)
■山域 尾鈴山
■在京本部設置要請日時 2018/8/13 20:00
■捜索要請日時 2018/8/14 10:00
■メンバー(計3名)
CL丸山 SL木口 迫野
■アプローチ
丸山車で入渓点付近へ行き前泊
■行程(予定時間)
猪渡橋より丸木谷入渓 7:30
丸木谷二俣 13:00
丸木谷遡行終了 15:30
帰着 17:30
(計10:00)
(https://www.yamareco.com/modules/yr_plan/detail-558444.html)の一部
■エスケープルート
並行する林道に上がって下山
■地図・遡行図
2万5千分1地形図「都農」
遡行図・ガイド:「九州の沢と源流」p.244-254
■共同装備
救急箱(苺):木口
8.6mm×30mロープ:迫野
ハーケン・カム・ナッツ・アブミ:丸山
ハンマー(ロカ):丸山
ハンマー(チコ):丸山→木口
アッセンダー:木口・迫野
■遭難対策費
100円×3人
計300円
■備考
日の出(8/12)5:37
日の入(8/12)19:01
日向警察署 0982-53-0110
■参考記録
宇部山岳会2017丸木谷:(http://ubealpine.fc2web.com/29houkoku/40-marukitani.html)
2015石並川本流:(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-686821.html)
丸木谷右俣右沢遡行記録
作成者:丸山
■日程 2018/8/13(月)
■山域 尾鈴
■天候 晴れ
■メンバー(計3人、敬称略)
CL丸山 SL木口 迫野
■総評
軽い泳ぎと滝登攀の両方を楽しめ、下山も林道をただ歩くだけで良い好渓。前夜の雨でモチベーションが下がって遅出したり、地図を流されたりと、序盤は微妙な点もあったが、全行程を遡行できて、終わってみれば大満足の山行であった。
■ヤマレコ記録
(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1600558.html)
■時間(括弧内は予定時間)
8:40 出発・入渓
10:39 林道の橋をくぐる
13:31 二俣
14:21 奥の二俣
15:28 林道に出て遡行終了
17:04 帰着
■ルート・周辺概況
※遡行図は九州の沢と源流を使用。滝の表記・落差も同資料に基づく。
・遡行時はかなり増水していた。
・最初の6m滝は、増水時は落口左側が(IV-)程度だが、増水していなければもっと易しいルートがありそう。
・15m幅広滝は右からも左からも巻ける。
・12m滝は左から巻けるが、小さく巻こうとすると懸垂下降を要する。
・CS3mは左壁からトラバースして落口に行けるが、水から上がるところがやや難。
・この先の滝はいずれも直登できる(IV以下)か小さく巻けるのでそれほど悩むようなところはない。
・450mで右岸に林道があり、エスケープ可能と思われる。
・右俣右沢を詰めると650mで地形図にない林道に出る。右へ進めば90分程度で猪渡橋に戻る。林道網を知り尽くしていれば、近道して早く戻れるかもしれない。
■行動記録(敬称略)
・入渓まで
前夜、猪渡(いのと)橋まで入って前泊しようとすると、急に雨が降ってくる。急いでテントを立て、増水への不安の中就寝。起きると晴れているが、橋から谷を見てみるとやはり増水している模様。ベストコンディションではないのでいまいちモチベーションが上がらず、準備に時間をかけ、8:40になって漸く出発。まあ、増水で撤退しても時間切れで撤退してもいいので、とりあえず行けるところまで行ってみようということで。
・6m滝まで
いざ入渓してみれば、昨日の由布川とは違って水が綺麗で気持ちいいし、苦労しない程度の泳ぎや小滝が出てきて楽しい。暫くで遡行図の6m滝が出てきて、ハング気味で結構難しそう。とりあえずトライしてみることにして、左から取り付き右上していくと、落口左側が登れそう。ちょいと気合を入れれば登れた(IV-)。ここは確かお助け紐を出したような気がする。
・林道の橋まで
その先も軽く泳いだり登ったりして進むと、遡行図の15m幅広滝(幅広ではないし、実測12m程度)。これはどう見ても登れない。遡行図では右から巻いているが、遡行図を流失していたので自分たちで判断し、左から巻いた。少々藪っぽいものの特に問題は無し。ここからは暫く平凡になり、泳ぎを交えて小釜・小滝を越えると、林道をくぐる。
・「明るい河原」まで
林道を越えると急に小滝・釜が連続しだし、楽しいところ。次々と快適に泳いで登っていくと(概ねIII+以下)、明らかに登れない12m滝が現れる。どちらを巻いても面倒そうだが左を選び、小さく巻こうとした結果、滝は巻けたが岩壁の上に出てしまい、懸垂下降2ピッチで沢床に降りる。いくつか小滝を越えるとCS3m滝があり、これは左からトラバースして越える。しばらくすると平凡(遡行図の「明るい河原」)になり、ここで休憩。ぶどうを食べる。
・二俣まで
急に沢がゴルジュ状になると、この沢で最長の泳ぎ「40m長瀞」であった。昨日の由布川に比べれば側壁がホールドだらけであり、それを伝って進めるので楽。難なく越えて、次の6m滝は丸山・木口が右壁を登り(III)、迫野は左から巻いた。続く4m+8m2段滝は、恐ろしい洗濯機状の釜をもつが、右から巻く。その先もいくつかの釜やナメ滝を越えていくと、二俣。水量比1:1。
・奥の二俣まで
急峻で滝の多そうな右俣を予定通り選択し、2m斜+10m2段滝は、まず下段を直登。上段も直登しようと丸山がトライしたが、途中で厳しくなって引き返し、右から巻く。この先は多少のゴーロとなる。その先12m滝は登れず、導水路に従って右から巻く。すぐの10m滝は快適に直登でき(III+)、その上には取水堰がある。右岸には林道も伸びてきていて、ここからのエスケープも可能。ここで再度ぶどう休憩。時間・体力的にまだ行けそうなので、更に進むと、すぐに奥の二俣。
・遡行終了まで
ここは左のほうがやや水量が多いが、下山の短くなりそうな右沢を選択。結局遡行図通りの遡行となった。この辺り、動物の死骸があって臭かったので、さっさと進む。右沢に入ると水はぐっと減るが、急に柱状節理自体に小滝が架かるようになり、ホールドが少なく難し目の滝が増える(III+~IV)。そんな小滝を5個ほど楽しく越えていくと、590mの二又となり、ここも右を選択。楽しかった丸木谷も遂に藪っぽい渓相となり、そろそろ林道に出ないかと思っていると、水が涸れてきて、ウェットスーツを脱ぐ。そのまま進んでいくと、結局650mで林道に出た。
・帰着まで
この林道は現役の林道っぽいが、地図に載っておらず、どこへ続いているのか分からない。勘で右を選択し、進んでいくが一向に標高を下げず、ただ歩かせられるばかりで嫌になってくる。時々現れる分岐も、行き先が全然わからないので無難そうな方を選択していくと、結局随分北まで進んだ所で地形図にある林道に出て、一安心。道も下り始め、ただただ歩いていくと、17時過ぎには車に着いた。
■備考・感想
・周辺の林道網は複雑で地図や空中写真に載っていないものもあるので、要注意。今回も予定とは違うところを歩いた。
・前日までの雨で随分増水していたようだが問題なかった。むしろ迫力があってちょうど良かった。
・フェルトソール推奨。
・ヤマビルなし。
・九州三大ゴルジュの石並川本流もそのうち行ってみたい。
■反省
・丸山は、入渓してすぐに遡行図と地形図の入った袋を流された。他の2名は遡行図をもっていなかったため、これにより遡行図なしで遡行する事になった。これは良くないので、地図を流されないようにすること、遡行図をちゃんと印刷してくることが求められる。ただ、遡行図は無い方が自分たちで考える山行ができ、それはそれで勉強になる。
・林道の橋を過ぎて少しした小滝で最後尾の迫野が手間取っていたが、その時CLは先に行っており、目が届いていなかった。メンバーの登攀力への過信は良くない。容易な小滝でも離れないようにすべき。