2018/8/30 水根沢谷遡行

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
水根沢谷遡行計画書二版
作成者:木口

■日程 8/30(木) 日帰り・予備日なし
■山域 奥多摩
■在京本部設置要請日時 2018/8/30 20:00
■捜索要請日時  2018/8/31 09:00
■メンバー(計4名)
 CL木口 SL橋本 梶原 加藤

■集合・交通
 7:30 奥多摩駅に集合
《行き》
 奥多摩駅南口2番乗り場(7:38)-[西東京バス奥12小菅の湯行き]-水根(7:51) 350円IC可
 ※遅れた場合
 奥多摩駅(08:05/08:42/09:30/10:15/…)-[2番乗り場から行き先不問]-水根バス停(約13分)
《帰り》
 水根バス停(14:13/15:11/16:18/16:49/17:25/…/20:19)-[西東京バス奥多摩行き]-奥多摩駅(約16分)

■行程
 バス停-(10)-キャンプ場(入渓点)-(2:20)-半円の滝-(2:30)-木橋(遡行終了)-(1:00)-バス停 (計6:00)

■エスケープルート
 並走する水根沢林道で水根バス停に戻る。
 半円の滝上部から林道に上がる踏み跡があり、そこからバス停までは約45分。

■地図
 2万5千分1地形図「奥多摩湖」
 山と高原地図「奥多摩」

■遡行図
 東京起点120 p.43

■共同装備
 救急箱(苺)
 8.6mm×30mロープ
 お助け紐
 アッセンダー

■遭難対策費
 100円/人
 計400円

■備考
 悪天候の場合は前日12時頃までに判断
 日没 18:15 奥多摩(8/30)
 日出 05:14 奥多摩(8/31)
 青梅警察署0428-22-0110
 もえぎの湯 2時間780円
  (http://www.okutamas.co.jp/moegi/)

■参考
 2016年度記録

水根沢谷遡行記録
作成:木口

■日程 2018/8/30(木)
■山域 奥多摩
■天気 晴れ
■メンバー・オーダー
 CL木口 加藤 梶原 SL橋本

■時間
  9:47 水根バス停発
  9:56 むかし道休憩所着 入渓準備
 10:26 入渓
 14:33 半円の滝下
 15:14 半円の滝上
 15:22 林道に出る
 16:00 むかし道休憩所着

■行動記録
・水根バス停まで
 立川駅で橋本くんと加藤さんと、青梅駅で梶原さんと合流して奥多摩駅に向かう。電車に揺られながら、地形図の確認をしたり今後の沢山行の話をしたりする。曇りがちだった空からは晴れ間が見えてきて順調なスタートと思えたが、沢井-軍畑間で人身事故が発生。8:20頃運転再開見込みとなった。
 足止めされた二俣尾駅から入渓点の水根沢キャンプ場まではタクシーで2000円弱/人。けして高くはないが、途中の半円の滝までがこの山行の醍醐味であり、半円の滝で遡行を打ち切る場合は4時間足らずの山行となることから運転再開を待つことに決定。寝たり、今後の沢の計画を練ったりして時間を潰す。結局、運転再開は8:40頃で奥多摩駅に9:15着。9:30のバスに乗れた。
・入渓まで
 水根バス停から「むかし道入口」の道標のある舗装路に入る。10分ほどで水根キャンプ場に到着。すぐ隣にむかし道休憩所があって、ネットの記録によればここに着替え部屋とトイレがあるはずが、部屋には鍵がかかっていた。残念。トイレは水洗和式で綺麗で快適。
 休憩所の前で入渓準備をする。どこからか現れたおじいさんに「最近この先で滑落が起こったから注意してね」と声をかけていただいた。要らない荷物をデポして入渓点に向かう。休憩所付近には「ここは水根沢の入渓点ではありません。150m先です」という立て看板があり、その通りに進むと沢に下りる明瞭な踏み跡があった。「ここが入渓点です」という案内はない。入渓点手前の草地でルートの確認をし、半円の滝で14時半を過ぎていたらエスケープすることを決定して、入渓。計画より2時間ほど遅くなった。
・半円の滝まで
 予想より多い水量にびびりながら進む。前日の雨で増水したようだ。「この先作業中通行注意」のロープをくぐって3m滝を右から超えると2条CS3m滝。右の流れは水が多すぎて明らかに登れそうになく、右岸をへつって左を登ることに。木口がフリーでトライ。釜は時計回りに渦を巻いていて、右岸はへつらなくても流された。腰まで浸かる深さでなかなか怖い。水流に逆らってマントルを返そうとしたがツルツルの岩と水流で体が上がらず、苦戦している間に釜の流れに乗って入り口まで戻された。遡行図を確認すると左右の流れの間から上がるということで、リベンジ。流れの間は白く波立っていて前を向けないくらいの水しぶきで、腕力で無理やり上がった。そのあとは簡単で、左を適当に登る。セカンドの加藤さんにはメインロープを出したが、支点にした岩が微妙な場所にあったこととそこまで苦労した様子ではなかったことから、梶原さんと橋本くんにはお助け紐を出した。梶原さんは水流に苦戦して橋本くんに下から押し上げられて登っていた。橋本くんはこのような滝の登り方を沢の本を読んで学んだらしい。勉強熱心で素敵です。この滝は長身の橋本くんでもやはりマントルが難しいようで、後から聞いたところ全員ここが一番難しかったということだった。
 次のCS滝(これも2条)は、右壁に残置スリングとトラバースできそうなスタンスがあったが、やはり水流が強く足がすくみそうで怖い。釜の中央を歩いて取り付き、チョックストーンに無理やり足を上げてカチを拾って登った。加藤さんと梶原さんをお助け紐で強めに引き上げる。梶原さんは左の水流の左を登った。橋本くんにもお助け紐を出したが、足が長いと楽々超えられるようだ。ここで後続パーティーに追いつかれ、先に行ってもらう。
 続いて3連続2m滝。一つめの滝は右壁上方に残置スリングがあり、先ほどのパーティーは斜め上にトラバースして落ち口までクライムダウンしていた。高度感のあるトラバースが怖いので、左岸をへつって水線を全員フリーで直登。後の二つは右岸からフリーで。いずれも残置スリングがあるが、使わなくても登れる。
 次はつっぱりで登るCSトイ状4m滝だと思って歩いていたら、深い釜が渦を巻きまくっている4m滝。これをつっぱりで登るのは頭がおかしい。遡行図を確認したが特に注意書きはなく、CSトイ状4mを見逃して2段3+5m滝に来てしまったかなと思いながら右の斜面を巻いた。土が濡れていて柔らかく、崩れやすい。加藤さんにお助け紐を出した。これを越えるといかにもつっぱりな4m滝が見えた。この滝はなんだったんだ。
 CSトイ状4m滝は、釜が半分くらい白く泡立っていて水量も多く、迫力満点な様子。右壁のガバを掴んで流れに逆らって取り付き、つっぱりで突破した。加藤さんは左を巻いたが、ザレた斜面をトラバースする一歩が悪いようでお助けを出した。他の二人はつっぱりで突破。水流こそ強いもののつっぱるのにちょうど良い幅で、落ちたら怖いが見た目ほど難しくはない。続く小滝は右から適当に越える。釜にかかった倒木を渡るところがあって、後輩たちには新鮮だったようだ。遡行図で「無理せず右から巻く」となっていた2段3+5m滝はどれのことだか分からなかった。
 ここで第一ゴルジュが終わり、開けた渓相になる。平凡でつまらないなと思っていたら「陽が差し込んで綺麗ですね」と加藤さん。純粋な心が眩しい。
 第二ゴルジュの手前にも小さなゴルジュがあり、小滝と釜が連続している。陽が当たるし水も綺麗で泳ぎたくなる感じ。橋本くんは途中2回ドボンしていた。小さいゴルジュの後も泳ぎたくなる滝が続く。簡単に巻ける滝も多いが、3人とも積極的に水に浸かっていて元気。
 第二ゴルジュは第一ゴルジュほどゴツゴツしていなくて、難しい滝もない。適当に進んでいくと水根沢谷名物(?)のつっぱりで越える半円の滝6m。確かに釜はあるが、半円かと問われれば微妙。この滝、上流から見て左にカーブしていて向かって左の壁には平水時にはあり得ないだろう強さで水が叩きつけられている。右岸から簡単に巻けるが、この時点で14時33分。この滝を登ったら下山すると決定していたので、せっかくなのでゆっくりトライすることにした。木口がフリーで取り付く。左から取り付きつっぱりで上がっていくが、左足を水流に取られて剥がされそうになり右壁に移る。意外とガバが豊富であっさり簡単に登れた。加藤さんは巻いて、橋本くんと梶原さんはメインロープで登る。橋本くんは私物のビレイデバイスを揃えたということで、梶原さんのビレイをやってもらった。梶原さんは左壁から右壁に移るのに苦労したが、柔軟性と素晴らしいバランス感覚でうまくクリアしていた。
・バス停まで
 半円の滝を越えると左岸にピンクテープがあって、超わかりやすい踏み跡が見つかる。登るとすぐによく踏み固められた道に出た。さすが人気の沢、下山が楽だと喜んで下流側に歩いていくと道がなくなってしまい、慌てて引き返す。地形図を確認し、橋本くんの指摘を受けて上の方にあったピンクテープを目指すと、踏み跡が続いていて林道に出た。そこからは楽々で雑談しながら歩いてるとあっという間に休憩所に戻った。在京に連絡し、無事下山できたことに安堵してのんびり沢装備を解除していると次のバスが6分後なことに気づく。荷物を素早くまとめて猛ダッシュして乗車成功。最後まで達成感のある山行になった。
■反省
・始発集合を頑張ってくれた1年生の3人が報われない山行となってしまった。このメンバーだと半円の滝まででも十分に楽しめたので、半円の滝までの計画にして集合をもっと遅くしても良かったかもしれない。
・メインロープを出すか、お助けを出すか、フリーでいくか、支点をどこで取るかなど、判断を迷って時間がかかってしまった。また、登ってみて滝の上から指示を出すことが多く、大声を出しても聞こえなくてこれも時間がかかる要因となった。
・流れの強い釜などは、メインロープをつけると沈んでしまって重くて泳げず、かといってお助け紐だと長さが足りなかったりする。フリーだと流れに巻き込まれた時に危険で、次からはフローティングロープを用意したい。

■感想
・アクセス抜群、詰めなし、下山も楽でかなり楽しい。増水して、遡行図に書いてないような小滝も登りがいがあって良かった。
・たくさん濡れるので普通のスポーツウェアでは寒かったようだ。
・奥多摩の沢とは思えないほどラバーソールと相性が良く、雑に足を置いても滑らない。フェルトでは「普通」ということだった。
・駒場の部室にお茶大生が入れず、橋本くんにたくさんの共装を運んでもらいました。ありがとうございます。