2018/9/9 竜喰谷遡行
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
竜喰谷遡行計画書初版
作成者:木口
■日程 9/9(日) 日帰り・予備日なし
■山域 奥多摩
■在京本部設置要請日時 2018/9/9 20:00
■捜索要請日時 2018/9/10 9:00
■メンバー(計5名)
CL木口 SL杉山 久光 朝倉 橋本
■集合・交通
朝倉・杉山 6:26 仏子駅北口
木口・橋本 6:46 軍畑駅入口交差点
久光車で石楠花橋付近の駐車スペースへ(約1時間15分)
■行程
駐車スペース(入渓点)-(10)-竜喰谷出合-(50)-精錬場ノ滝-(35)-下駄小屋ノ滝-(1:15)-曲り滝-(1:20)-中ノ平沢出合-(2:20)-大常木林道(遡行終了)-(1:30?)-三ノ瀬登山口-(20?)-駐車スペース
(計8:20)
■エスケープルート
曲り滝まで 引き返す
それ以降 そのまま進むか、引き返すか、中ノ平沢に入って大常木林道に出る
■地図
2万5千分1地形図「柳沢峠」「雁坂峠」
山と高原地図「雲取山・両神山」
■遡行図
東京起点120 p.151
奥多摩大菩薩高尾の谷123 p.117
■共同装備
救急箱(苺)
8.6mm×30mロープ
アッセンダー
お助け紐
■遭難対策費
100円/人
計500円
■備考
悪天候の場合は前日12時頃までに判断
日没 18:02 (9/9)
日出 05:23 (9/10)
日下部警察署 0553-22-0110
竜喰谷遡行記録
作成:木口
■日程 2018/9/9(日)
■山域 奥多摩
■天気 晴れ
■メンバー・オーダー
CL木口 朝倉 久光 橋本 SL杉山(変更あり)
■時間
8:59 駐車スペース発
9:35 竜喰谷出合
10:20 精錬場ノ滝
11:05 下駄小屋ノ滝
11:51 曲り滝
12:54 中ノ平沢出合
13:57 大小屋沢出合
14:56-15:08 大常木林道(休憩)
15:57 三ノ瀬登山口
16:15 駐車スペース着
■行動記録
※滝の名称と遡行図は「東京起点沢登りルート120」のものを使用しています。
・入渓まで
西武線が人身事故で止まり、予定を変更して所沢駅と東青梅駅で久光車に拾ってもらう。途中で道の駅たばやまに寄って入渓点へ。2台は余裕で停められる駐車スペースがあった。入渓準備。ここで他パーティーに会う。
・竜喰谷出合まで
駐車スペースの奥に分かりやすい踏み跡があって、降りると一ノ瀬川本流に。流れのゆるい場所を狙って末端交換三角法で渡渉する。30mロープでギリギリぴったりの長さだった。少し遡行して本流の竜喰谷出合滝を右から巻くと、その中段が竜喰谷出合。滝の中間で支流が入るのは増水していたこともありなかなかの壮観だった。
・精錬場の滝まで
出合の後はすぐに幅広5m滝。水流の右を登る。ここは増水していても何とかなった。次の4mCS状滝は何とかならず、簡単に巻いてナメを歩くと精錬場ノ滝8m。杉山くんが右をフリーで突破。後続もお助け紐をもらって登る。前が見えないくらいの激シャワーだった。
・下駄小屋ノ滝まで
下駄小屋ノ滝は竜喰谷最大落差の12m。黒光りしていて滑りそうで嫌がっていたら久光さんがリードしてくれた。左壁を登る。木にスリングで2箇所中間支点をとれる。30mロープをちょうど使い切った。ここは落ち口に出るトラバースが少しいやらしくて、残置ロープがある。使わなくても登れる。
・曲り滝まで
末広がりのナメ滝10m、階段状2段8×10m滝を左から快適に登ると核心の曲り滝10m。もっと高いように見える。「上部がハング気味だがホールドがしっかりしていて登れる」らしいが、増水で取り付く気にもならない。下部にあるらしい残置ハーケンも見つけられない。巻きは遡行図では「少し戻って左の尾根から」ということだが、悪く滑落事故も起きているというので久光さんの先導で右に上がってみた。初めは踏み跡もあり順調だが徐々に怪しくなってお助け紐を2ピッチ出してもらう。尾根に出ると踏み跡があり、左岸の少し手前にあった枝沢が見えた。この枝沢を上がった方が楽だったかもしれない(久光さん談)。そこから少し登ってトラバースし斜面を下って沢に戻る。沢に戻るときもお助け紐を出したが、ここで橋本くんの新品のお助け紐が切れる事件が発生。元々切断されたロープをセロテープでくっつけた状態で売られていて、それに気付かず使ってテンションをかけたということだ。幸い誰も怪我しなかった。
・林道の橋まで
次々に出てくる滝を登ったり巻いたりして進む。2段4×10m滝では橋本くんが下段中央にトライするためお助け紐を欲したが、セルフビレイを取れる支点がなかったのでお助けできず諦めて左を登ってもらった。楯ノ沢と井戸沢に分かれる二俣はより下山する方向に近い楯ノ沢に入り、林道の橋がかかるところで遡行終了。ツメもなく水も枯れず素晴らしい。ここで装備解除と栄養補給の時間をとった。
・駐車場まで
この林道は地形図には記載がないが並の登山道以上に歩きやすくてどんどん進む。途中二ノ瀬に下りる道と三ノ瀬に下りる道の分岐があるが、二ノ瀬への道はクマの目撃情報が多いので遠回りだが三ノ瀬に向かった。快調に進むと地形図に記載のある林道に合流して一段と歩きやすくなる。さらにテンポを上げてコースタイムの44%ほどで三ノ瀬登山口に着いた。易しすぎる下山に満足して駐車スペースまで2km少々の車道をダラダラ行く。なんと優しいおじさまが現れて軽トラの荷台に乗せてくれた。嬉しすぎる。橋本くんが「軽トラの荷台に乗るのが夢だった」と。実は私も夢だった。ここで興奮しすぎて記録に書こうと思っていたことの多くが頭から飛んでしまった。他のメンバーも大興奮で、カメラを向けるとこの日一番の笑顔で答えてくれた。グーグルフォトに写真を上げたのでぜひご覧ください。おかげさまであっという間に駐車スペースに到着。山梨ナンバーの軽トラのおじさま、ありがとうございます。
■反省
・お助け紐が切れた。ギアの手入れと点検は山行前と後に毎回必ずしなければならない。
・渡渉に時間がかかりすぎた。原因は勉強不足と経験不足で、渡渉する沢に行くと決めた時点で渡渉方法をメンバー間で確認するべきだった。
・渡渉のあと下流側に行こうとして久光さんに止めてもらった。読図に自信を持てなければGPSを確認するべきだった。
・登攀力と登る気のあるメンバーが揃っていて、トップを一人に任せることなく負担を分散できて良かった。
・軽トラ下山が印象に残りすぎて小滝をどう登ったかなどを忘れてしまった。本当は記録に書いたより多くの滝がある。
■感想
・滝とナメが連続し、そのうえ沢底で砂金がキラキラしていて美しい。どうやら金鉱が近くにあるらしい。水も綺麗。上流は苔も綺麗。
・小滝では適宜お助け紐を出したり出してもらったりした。メインロープを出したのは渡渉と下駄小屋ノ滝のみ。渡渉は見た目ほど怖くも難しくもなくロープはなくても良さそうで、ロープを使えば良い訓練になる。
・泳ぎはないがシャワーで全身濡れる。
・曲り滝の巻きのみ2級下を感じるが(おそらく直登も2級下かそれ以上)、その他は易しく(1級〜1級上)、特に下山は本当に楽。電車バスでのアプローチは厳しく、車を出してくれる素敵なメンバーがいるときはとてもお勧めできる沢。
・帰りに道の駅たばやまで「鹿ばぁーがー」等を食べたければ食堂のラストオーダー16:45に間に合う必要がある。今回は間に合わなかった。ローラー滑り台の受付は16:30まで(大人400円)。
・奥多摩はガソリンスタンドに乏しく、土日はエネオス奥多摩サービスステーション(奥多摩町氷川177)を逃すと他にないようだ。似たような名前の店舗がたくさんあるので注意。