2018/9/15 石塚小屋沢遡行・淀川下降

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
石塚小屋沢遡行・淀川下降計画書 ver. 1.0
作成者:丸山

■日程 2018年9月15日
■山域 屋久島
■在京本部設置要請日時 当日 20:00
■捜索要請日時 翌日 10:00
■メンバー(6名)
 CL丸山 SL吉田 迫野 加藤 橋本 鶴田

■アプローチ
 とまり木よりレンタカー2台で淀川登山口駐車場へ

■行程(予定時間)
  7:30 淀川登山口駐車場出発
  8:00 石塚小屋沢入渓
 11:30 石塚小屋(遡行終了)
 12:30 淀川下降開始
 16:00 淀川小屋
 16:40 淀川登山口駐車場帰着
 (計9:10)
 (https://www.yamareco.com/modules/yr_plan/detail-565764.html)
 淀川は右俣または中俣を下降する。右俣源流の藪が酷い場合は中俣を下降。

■エスケープルート
 石塚小屋沢入渓まで:引き返すか、淀川を遡行して淀川小屋へ
 石塚小屋沢:引き返すか、そのまま登山道へ詰める
 淀川入渓まで:登山道で下山
 淀川:登山道に詰めるか、そのまま進む
 それ以降:そのまま進む

■地図・遡行図
 2万5千分1地形図「栗生」
 山と高原地図「屋久島」
 遡行図:なし

■共同装備
 救急箱(有紗)
 8.6mm×30mロープ
 アッセンダー
 お助け紐

■遭難対策費
 100円×6人
 計600円

■備考
 日の出(9/14)6:02
 日の入(9/14)18:26
 屋久島警察署 0997-46-2110

石塚小屋沢左俣遡行・淀川中俣下降記録
作成者:丸山

■日程 2018/9/15(土)
■山域 屋久島
■天候 晴れ
■メンバー(計6人、敬称略)
 CL丸山(35)、SL吉田(38)、迫野(35)、橋本(40)、鶴田(40)、加藤(40)

■総評
 超絶美渓。遡行沢と下降沢を合わせた美しさでは日本一と言っても過言ではないかもしれない。予定より多少時間がかかったものの、溜め息の出るほど美しい沢を丸一日楽しむことが出来て大変素晴らしい山行であった。

■ヤマレコ記録
 (https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1600526.html)

■時間(括弧内は予定時間)
  7:21(7:30) 淀川登山口駐車場出発
  8:00(8:00) 石塚小屋沢入渓
 12:54(11:30) 遡行終了
 13:30(12:30) 淀川下降開始
 16:29(16:00) 淀川小屋(下降終了)
 17:10(16:40) 淀川登山口駐車場帰着

■ルート・周辺概況
 ※遡行図を作成した。
・全体として易しく、ロープを要する滝はない。
・石塚小屋沢は、右俣に入るとすぐに登山道に出られるようだが、左俣に入ると途中に大変美しい苔滝があるので、時間に余裕があれば左俣を薦める。ただし藪こぎがある。
・淀川にはゴルジュがあるが、容易に高巻ける。ゴルジュの突破は難しそうである。

■行動記録(敬称略)
・入渓まで
 車2台でのアプローチ。丸山車は愛子岳隊の3人を登山口に送り届け、ぶっ飛ばして途中で迫野車を抜き、淀川登山口駐車場まで行くが、満車。少し引き返して路肩に停める。暫くして迫野車が来たので、駐車場が満車であることを伝えて隣に停める。準備をして出発し、途中淀川登山口で協力金徴収のおじさんに挨拶するが、支払済かどうかの確認はされず、そのまま入山。1パーティ抜いて少しした所で淀川の枝沢の下降を開始する。すぐに水が出てくるが、小規模なナメがある他は殆ど何もない沢で、下りやすい。ウォーミングアップにはちょうどよく、20分ほどで淀川に出合う。いきなり、美しい淀がお出迎え。早速癒やされて、浅いところを選んで川を下っていくと、5分も経たずに左から石塚小屋沢が入る。
・1525二俣まで
 石塚小屋沢に入ると、すぐに傾斜が強まり、滝が出現。樋状CS滝で直登は望めず、右から巻く。上には岩を潜って登るポイントがあり、意外と厄介で(IV)ザックを別にして通過。暫くゴーロとなるが、屋久島らしいポットホールや巨岩帯もあり、それなりに面白い。これを終えると傾斜が緩まってナメが続き、たいへん美しく癒やされる。素晴らしい日本庭園。上機嫌で歩いていくと多条5m滝があり、これは左から巻き気味に越える。ここで左から小さい支流が入るが、既に1525の二俣に来たものかと勘違いした。滝上は急峻な巨岩ゴーロとなり、せっせと岩を渡り、登っていく。途中お助け紐も出た。このゴーロを終えると、またしても癒やしの空間。相変わらず美しい。ちょっとした廊下(これまた美しい)を越えると、漸く1525二俣(1:1)。
・詰め終わりまで
 この二俣は右を取った方が早く登山道に出られるが、登山道よりもこの美しい沢をもっと歩きたいので、左俣を選択。少し進むと予想通りまた巨岩ゴーロが現れ、これを越えて少しで開けた6m滝。開放的な青空の下、苔むす滝は映え映えである。有頂天になってこの滝を左から直登(III+)。滝上からの景観も素晴らしいことこの上ない。後続も問題なく続き、そろそろこの沢も終わりかと思ったが、大変なのはここからであった。次第にシャクナゲの藪が沢にかぶるようになり、屈まないと進めない。それでも時々開けて美しい景観を見せてくれるのは救いだが、大変さの方が勝ってくる。最後にはトゲ植物を含んだ激藪まで現れ、嫌になった頃、登山道に出た。
・淀川中俣入渓まで
 花之江河登山道は、あまりよく整備されておらず、沢状になっているところもあったが、沢靴なので問題ない。少し進んだ花之江河小屋跡で休憩とする。時間が押しているので、丸山が4年前に遡行して難所がないことが分かっている淀川中俣を下降することに決定。前日に通ったばかりの人が4人もいる花之江河を通過し、湯泊歩道へ入る。高盤岳を左に見て、道が十分下った所で、淀川中俣に入渓。
・淀川中俣
 入渓すると早速小滝があるが、左岸から巻き下って、少しすると本流が合流してきてナメが出現。クライムダウンできる滝を交えながら長く続くナメで、快適に下っていく。進んでいくとゴーロが出てくるが、石塚小屋沢のほど長く急峻でもないので楽々通過し、沢を一跨ぎにする圧巻の巨岩を潜ると、深めの瀞がある。泳ぎたくもないので右岸から巻いて、暫くは平凡なれども美しい沢を下っていく。途中で深い淵とクライムダウン出来ない4m滝を左から巻いて、もう一度岩を潜ると、右俣との出合。
・淀川下降
 平凡なれども美しい沢を下り、左俣が出合うと、沢の傾斜が強まってくる。するとゴルジュが現れて、沢通しの下降が厳しくなり、ここは右岸から巻く。淀川の核心と言えるが、それでも容易である。この先はもう難所はなく、ただただ美しい極上の日本庭園に癒やされるばかりで、贅沢なことにこの美しさにも飽きてきた頃、淀川歩道橋が見えてくる。
・淀川登山口まで
 淀川小屋でトイレを済ませてから、帰途につく。宮之浦岳に登った4人は前日も歩いたばかりの道。特に何の面白みもないが、雑談しながらゆっくりと、ほぼCT通りの時間で歩いた。

■備考
・屋久島で登山をする場合は協力金が必要だが、今回は協力金の支払いが済んでいるかどうかを確認されなかった。沢登りの場合は登山道を殆ど歩かないこともあって、徴収しないのかもしれない。
・何度でも書くが、極めて美しい。屋久島に行くなら必見の沢。しかも易しく、初心者でも歩ける。
・石塚小屋沢遡行・淀川中俣下降は、無駄のない激賞ルート。意外と同ルートの記録は見当たらないが、もっと歩かれるべきルートである。
・沢中での人との遭遇なし。
・ヤマビルなし。

■感想
・ヤクスギランド~淀川小屋間も非常に美しいらしいので、次回屋久島を訪れる際は歩いてみたい。

■コメント
・長めかつ連続3日目の山行だったが、皆よく歩けていたと思う。

■反省
・GPSログが途中で切れていたので時々確認したほうが良い。
・読図がいい加減だった。