2018/12/2 小櫃川水系土沢遡行・四郎治沢下降

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
小櫃川水系土沢遡行・四郎治沢下降計画書(Ver 1.0)
作成者:朝倉

■日程 12/2(日) ※予備日 12/8(土)
■山域 房総
■在京本部設置要請日時 2018-12-02 20:00
■捜索要請日時 2018-12-03 07:00
■メンバー(計4名)
 CL朝倉 SL丸山 久光 石川

■集合
 朝倉・丸山・久光 小島新田駅 6:25
 石川 巌根駅 6:55

■交通
 丸山車で滝原公園駐車スペースまで(7:45頃の到着を予定)
 アクアライン片道640円

■行程(予定時間)
 滝原公園駐車スペース-(0:20)-土沢入渓点-(4:00)-土沢/四郎治沢境界尾根-(2:50)-車道横断点-(0:10)-櫃川出合-(0:10)-滝原公園駐車スペース
 ※12:30までに土沢遡行終了点に到達しない場合,四郎治沢下降はせずにエスケープ

■エスケープルート
 土沢遡行:引き返す or 右岸に詰め上がり,境界尾根を使って下山
 四郎治沢下降開始後しばらく:そのまま進む or 左岸に詰め上がり,境界尾根を使って下山
 それ以降:そのまま進む or 四郎治沢と交差する道を使って下山

■地図・遡行図
 2万5千分1地形図「坂畑」
 概念図 (http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/sonosoranoshitade7-2/orikisawagainennz.jpg)
 ※遡行図なし

■共同装備
 救急箱(苺):丸山
 8.6mm×30mロープ:丸山→朝倉
 お助け紐:朝倉,丸山,久光

■遭難対策費
 100円×4人
 計400円

■備考
 日の入(東京 12/2)16:27
 日の出(東京 12/3)06:34
 君津警察署 043-201-0110

■参考記録
 2015年2月7日 房総 小櫃川 土沢→四郎治沢下降 - その空ので。。。 (http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/sonosoranoshitade7-2/newpage2.html)

小櫃川水系土沢遡行・四郎治沢下降記録
作成者:朝倉

■日程 2018/12/02(日)
■山域 房総
■天候 晴れ
■メンバー・オーダー(4人・敬称略)
CL朝倉(36/M1),石川(36/B4),久光(34/OB),SL丸山(35/M2)
※オーダーは一時的な変更あり

■時間
7:55 駐車場発
8:37 入渓
10:10 中間尾根
12:35 駐車場着

■行動記録
・アプローチ
丸山車で滝原公園駐車スペースへ.アクアラインがやや混雑しており,速度が落ちたタイミングもあったが,概ね時間どおりに到着した.

・入渓〜中間尾根
小櫃川本流を渡渉できるととても楽に土沢遡行を開始できるのだが,その辺りは流れこそ速くないものの水量が多く,とても寒そうなので断念.駐車場から伸びる橋を渡り,登山道から左にそれて適当な箇所から十数メートル懸垂下降(下降順は丸山・久光・石川・朝倉).ここは下降開始点もやや悪く,どこに支点を取るか少し判断に迷った.結局,位置が高く,寝てはいるものの,最も安全に到達できる木を支点にした.その結果,最初に丸山さんが降りたところではロープが5mほど足りず久光さんにロープのかけかえをしてもらった.その後もロープは地面までは到達せず,数mのクライムダウンを要した.

入渓後は単なる「沢歩き」状態で,ほぼ滝もない.1つ3mナメ滝があったが右側を容易に登れる.ほかに滝と言えるかも怪しいナメの「坂」がいくつかあったが,いずれも突破は容易.かなり滑るとの事前情報もあったが,少なくともフェルトソールでは特に滑りやすいということはなかった.経験上,房総の沢床は洗濯板状のところが多いが,土沢はそういった箇所よりも泥が固まったような川床の箇所の方が多かった.計画時の予想よりもだいぶ早く10:15頃に二俣に至る.そこは左に入り,さらに細かな分岐が続くがひとまず本流をたどる.どれに入っても同じ中間尾根に出るはずなので,本流が埋まって面倒そうなところで左の枝沢に入り,そのまま2, 3分で中間尾根に詰め上がった.極めて楽な詰め.

・中間尾根〜駐車場
予定コースタイムよりかなり時間が早いので中間尾根では沢山行中としてはかなり長めに15分ほど休憩を取り,それぞれ昼食を摂った.石川さんの持参していたカレーライスが美味しそうだった.中間尾根から,先ほど詰め上げたのとは逆側に下降し,まず枝沢に降りる.この枝沢への下降も2, 3分で到達でき容易.枝沢を少し下ると顕著な沢線に出会い,四郎治沢本流に出たことがわかる.記録によっては「四郎治沢は土沢と雰囲気は似ているが,流域面積は大きいので『土沢のスケールを大きくしたもの』」と表現されているが,歩いてみると土沢と大差はなかったように思う.土沢と同様滝という滝もなく,ただ歩くのみ.土沢では房総特有の「川廻し」と高い側壁がほとんど見られなかったが,四郎治沢にはかなり下降したところでそれらが見られた.まず川廻しが現れ,これを潜って通過した.さらに進むと右岸に高い側壁があり,そこからほどなく小櫃川本流に出会う.土沢の入渓点付近と異なりこの辺りはナメで水深も浅く,容易に渡渉できる.渡渉すると駐車場はすぐそこで,12:35頃に下山.

■反省
・懸垂下降時にロープが地面に達していなかった.ロープは45mを持参するべきだった.
・コースタイムの事前調査が極めて不十分で,計画時点ではかなり急いでも日没までに下山できるか怪しい(厳しい場合はエスケープする予定だった)と思っていたが,実際には昼過ぎにも下山できた.参考にしていた記録では焚火休憩をしていたが,そうした情報を見落としてコースタイムを異常に長く見積もったのは問題だった.
・川廻しの先は深いのではと警戒したが,実際に近づいて見ると確かに深い部分はあるものの,そこを避けて容易に突破可能であった.突破可能かどうかの判断は,きちんと近づいて行うことも大切.
・石川さんの懸垂下降の手順を上で確認しいると,ロープがねじれた状態で ATC に通して下降しようとしていたので慌てて止め,修正した.どんな簡単な沢に行くにしても,懸垂下降は御殿下で完璧にしてから沢に行くべき.
・房総は地形が入り組んでいることもあり,しばしば GPS を用いて現在地を確認した.読図を怠ったわけではないが,やや GPS 頼みの山行であった.
・地形図(紙媒体も電子媒体も)を持っていないメンバーがいた.いかなる理由があっても地形図を持たずに沢に入るのはやめましょう.