2019/3/23 四阿山
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
四阿山山行計画書 第二版 (2019/3/22時点)
作成者:杉山
■日程 2019/3/23(土) 日帰り
■山域 志賀高原
■在京本部設置要請日時 2019/3/23 20:00
■捜索要請日時 2019/3/24 9:00
■メンバー 3名
CL杉山 SL久光 橋本
■集合
久光・杉山:赤羽駅 5:45
橋本:練馬駅 6:15
■交通
□行き
練馬駅から関越・上信越自動車道経由であずまや高原ホテル登山口へ(約3時間)
□帰り
同上
■行程
あずまや温泉 -2:30- 根子岳分岐 -15- 四阿山 -10- 根子岳分岐 -2:00- あずまや温泉
計4:55
※CTはヤマタイムの夏道基準。エアリアより短く設定されている。
※四阿山山頂に14:00までに到着できなかった場合、その場で引き返す。
■エスケープルート
根子岳分岐まで:引き返す
四阿山から:そのまま進む
■地図
2.5万分の1:「四阿山」
山と高原地図:「17 志賀高原」
■食当
全て各自
■共同装備
救急箱(エーデルワイス)
10.2mm * 50mロープ
ヘッド、カート
ツェルト(アルファ)
ツェルト(ブラヴォー)
ツェルト
スノーバー、ヒップソリ
※場所と時間があれば、下山後もしくは登山口間際の斜面でスタンディングアックスビレイの練習を行う。
■個人装備
□ベースレイヤー(上下) □ミドルレイヤー(上下) □防寒着 □手袋(毛) □靴下(毛or速乾繊維) □目出帽 □ゴミ袋 (□コッヘル
□タオル) □ライター □トイレットペーパー (□細引き) □ナイフ(紐付)) □予備電池 □予備靴紐 □非常食 □行動食
□エマージェンシーシート □常備薬 □日焼け止め(□リップクリーム) □ピッケル(リーシュ付) □アイゼン(10本爪以上) □アイゼンケース
□ワカン □ハードシェル(or雨具)上下 □オーバーグローブ □スパッツ □雪山用登山靴 □ザック □コンパス □笛(紐付き) (□腕時計)
□ヘッドランプ □ゴーグル □サングラス □ポリタンorプラティパス □テルモス □2.5万地形図 □ビーコン □ゾンデ □スコップ
□筆記用具 □身分証明書 (□運転免許証) □保険証の写し □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む) (□カメラ)
□ハーネス □安全環付きカラビナ □120cmスリング
※ビーコンは事前に動作確認
■遭難対策費
100×3円 計300円
■悪天時
前日19:00までに判断。
※決行です。
■備考
□日の出日の入(全て四阿山)
日の入(3/23) 18:09
日の出(3/24) 5:37
□警察署電話番号
〇上田警察署 0268-22-0110
〇長野原警察署 0279-82-0110
■日程 2019/3/23(土) 日帰り
■山域 志賀高原
■天候 曇り
■メンバー 3名
CL杉山(39/B2) SL久光(34/OB) 橋本(40/B1)
■行程・記録(敬称略)
09:52 あずまや山登山口駐車場
11:01-11:03 里宮分岐
12:15-12:17 四阿山・根子岳分岐
12:38-12:48 四阿山
13:06 四阿山・根子岳分岐
13:14-14:39 雪上訓練
15:11 里宮分岐
15:50 あずまや山登山口駐車場
午前中は弱い冬型の気圧配置であったが、低気圧が太平洋沖に抜けていく午後には晴れ間が出るだろうと踏んで決行した。山麓の林道に設置された温度計は0℃を示しており、予報通りの冷え込みが車の窓を曇らせていた。
あずまや高原ホテルの駐車場は登山者用とホテル利用者用で分かれている。無料で使えるのはありがたいが、冬季はたいてい満車すれすれらしい。この日も若干雪に乗り上げながら強引に駐車した。なお、登山者用の駐車場は無料だが、お手洗いは有料(200円)。
数多の登山者のおかげでトレースは明瞭。登山口から少しばかり歩くと突然一面の雪原に飛び出し、スノーシューでも付けて歩き回りたい気分になる。冬山は危ない、という印象ばかりが先行しているのが現状だが、こういう雪原を歩き回るだけなら危険は殆どない。雷鳥でももっと冬山人口が増えるといいのだが。
稜線に上がると、幾ばくも進まないうちに謎の分岐を示す道標が現れた。トレースは1つもついていなかったが、夏道だろうか?素通りして歩みを進める。尾根が広くなったあたりでピッケルを出した。すれ違ったおじさんに「今日はノーアイゼンで行けるよ」と言われ、果たしてその通りとなった。四阿山はアクセスも容易で初心者も登れる山であるから、入山者が非常に多くトレースは明瞭である。しかし、晴れている分にはともかく、ガスると尾根が広くて迷いそうな箇所は多数あった。入門者向けとはいえ油断禁物である。CLはこの日妙に体力がなく、根子岳分岐へ着くころにはヘロヘロであった。根子岳方面のトレースは一切なかったため、縦走する場合には十分な体力が必要だろう。分岐を越えれば残すはご褒美タイム。悲しいことに山頂を前にしてややガスが上がってきてしまったが、最後の稜線が美しいことに変わりはない。樹林にはえびの尻尾がびっしりと形成されており、普段は憎いガスも今回ばかりはきらめいて綺麗だ。ここで、2月の頭に友人と赤岳に行った際、その友人がシュカブラ(雪紋)をピッケルでずたずたに引き裂きながら「こういう陽キャが好きそうな光景を破壊するのが冬山のコツなんよ」と言っていたのを思い出し、えびの尻尾を引きちぎろうと試みるも、予想外に硬くて断念した。てっきりふわふわしているものだと思っていたのだが。山頂は人でごった返しており、この山の人気の高さをうかがわせる。とりわけ山頂奥のナイフリッジはひと一人分のスペースしかなく、撮影スポットとして数人が列をなしていた。我々はビビりなので落ち着いた(常識的な)ポーズしかとらなかったが、中にはかなり思い切ったポージングをする登山客もおり、勇敢というか無謀というか、形容に困るところだ。
下山は、久光さんのスパッツが不調で幾度か外れてしまったことを除けば、とりたてて触れることはない。13時過ぎ、途中の緩斜面で装備を下ろし、おまけとして企画した雪上訓練に取り掛かる。特に橋本くんはまだ滑落停止をきちんと練習する機会がなかったので、CLの持参したヒップソリも使い、初動停止及び滑落停止の訓練をまず行った。ヒップソリというと名前はかわいいが、本当にヒップの下に敷くと加速が速すぎて怖い。また、ハードシェル着用のCLや久光さんに比べ、レインウェア着用の橋本くんは明らかに雪面を滑るスピードが速い。CLが停止、久光さんがじんわりとしか進まないような状況でも、橋本くんだけがつるつると滑り落ちていった。「ハードシェルは表面がざらざらしている(アンチグリース加工)ため雪面で滑りにくい」などということはもちろん知っていたが、正直いって登山用品店の決まり文句みたいなもので、大した効果はないと決めつけていた。まさかここまで顕著に違うものだとは。
続いてスタンディングアックスビレイの練習を開始。CL持参の10.2mm *
50mロープとスノーバーを使い、支点構築とビレイの流れを練習した。CLも講習で習ったばかりの技術であり、一から実演して初めて気づく発見も多く、いい練習になった。流して止めること自体はクライミングに慣れていれば問題なく行えるだろうから、支点構築やルートファインディングの精確さが特に問われると思われる。次は実線と練習を兼ねてタカマタギあたりへ行きたいところだ。冠雪の浅間山を拝みながら満足するまで訓練を行い、適当なところで下山を再開。ついでに、駐車場に戻ってからはコンテのコイル巻きも練習した。ほとんど使う機会のない技術だと思うが、初心者連れで沢の高巻きをするときなどはアンザイレンしておくと不意の滑落にも対処できそうである。登山そのものも楽しく、雪訓も充実、いい山行であった。
■反省・雑感
・記録は早く書きましょう。
・異様に体力が落ちていた。山は定期的に入っていないとダメ。
・寒さでスマホの電池が突然死し、途中からログが取れなくなった。むき身で操作するのはあまりよろしくない。