2019/5/4-5 笠置山ボルダー
笠置山ボルダリング記録
■日程 2019/5/4-5
■天候 1日目:晴れ/2日目:晴れ
■メンバー(4人)
佐々木(33期)、大塚(34期)、川名(34期)、木口(39期)
■岩質 溶結凝灰岩
■記録
佐々木、川名、木口は前日に東京を出て現地で前夜泊。笠置山は他の車の邪魔にならなければ駐車場にテントを張ることも許可されている。大塚は朝に合流。
◯慈英 5級
アプローチ敗退。歩き回ったが見つけられなかった。
◯レゴ 4級
初手核心。フィンガージャムができると楽なようなあまり変わらないような。
◯積木 1級
大塚は完登済みだったので、皆が初手ムーブに悩むのをしばらく眺めてニヤニヤした後にムーブを教えてあげた。
◯ジェンガ 初段
ムーブは何通りもありそうだが、いずれにせよ体幹が必要。
◯ナナメ 3級
ナナメに走るクラック。核心は前半だがマントルも下地が悪くて怖いらしい。
◯坂の上の雲 初段
かなりのハイボルダー。比較的ポジティブなホールドをバシバシ登っていくが、足技も必要だったりする中身の濃い課題。
◯ダイヤモンド 初段
スラブのハイボルダーだが、細かいフットホールドへの乗り込みといったスラブらしい動きは出てこない。低い体勢のトラバースをこなせるかがポイント。
◯エル 3級
どっかぶりのガバホールドを登る、ジムっぽい課題。近くにいたお兄さんが楽なムーブを教えてくれた。
■備考
・フリクションの良いフィジカル系課題が多く、ジムクライマーにも馴染みやすい岩場だと思う。
・グレーディングの辛い課題が稀に混ざっている印象。
・宿泊場所のゲストハウスで肉を焼く計画をしていたのだがやり損ねた。
・2日目はみんな朝から疲れていた。笠置山で3連登するという人の話も聞いたが信じ難い。
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[笠置山での開拓備忘録]
※笠置山での開拓行為は、笠置クライミングクラブのメンバーとその同伴者に限り許可されています。
ベテランの方に教わりながら2人で開拓を行い、話も色々聞くことができました。開拓自体は地味な土木作業で、初登した岩も人気課題になるとは思い難いですが、初登者として自分の名前が残るのは感慨深いです。
●開拓の流れ
0. 地権者の許可を得る
地権者は個人のときも自治体のときもある。登る許可、木を切る許可、エリア公開の許可が必要。
1. 登りたい岩を探す
最初に岩を発見して岩の掃除を始めた人が初登権を持つというのがマナー化しているのだが、見栄えの良い岩は某大先生がほとんど発見済みの印を付けてしまっていた。今回は、まだ誰も手を付けていない岩を同行者に紹介してもらった。
2. アプローチの整備
石をどける、木を切り倒すなどして岩までの道を作る。チェーンソーではなくノコギリで切ったのだがかなり苦労した。ノコギリの腕は8級と評された。
3. 下地の整備
落ちたときに危険要素となる岩や木をどかす。どこまで危険を容認するかは個人の好みが出る。
4. 岩の掃除
ラッペリングやユマーリングしながら苔と泥をワイヤーブラシで落とす。ワイヤーではなくナイロンで掃除する人もいるらしいが常人向けではない。
5. 初登
初登時にはもろいホールドがそのまま残っているので登っているときに壊れることも多い。自分も握り込んだ薄カチが剥がれてひどい落ち方をした。
5級と6級の2課題を初登し、それぞれ岩と課題に名前を付けた。もうひとつ岩を掃除したのだが、これは時間内に登ることができなかった。
●開拓と地元とのトラブル
かつての開拓は、「山で法律は適用されない。他人の所有地であろうが、立ち入るのも木を切り倒すのも岩を登るのも自由。」という意識で行われた例も多く、「公開エリア」だからといって地元の同意が得られているとは限らない。開拓に携わらないクライマーも、継続的に岩場を利用していくためにどうするべきか考えて行動してほしい。
●開拓とチッピング問題
近年、チッピング(故意にホールドを加工・破壊すること)が多く報告され、どうすればこれを防げるのかクライマーの間で議論になっている。地権者の協力のもとで開拓が進められた笠置山クライミングエリアでは、地権者の同意のもとで「チッピング目的の入山を禁じる」と明示しているため、チッピング犯を法的に裁くことも可能である。効果のほどは分からないが、抑止力を期待したい。