2019/7/20 滝口沢右俣遡行・中俣下降

山岳愛好会雷鳥・ぶなの会 計画書 (7/19提出)
【滝口沢右俣遡行・中俣下降】
作成者:丸山
■日程 2019/7/20 日帰り
■山域 西丹沢
■在京本部設置要請日時 当日 20:00
■捜索要請日時 翌日 10:00
■メンバー
CL丸山 SL朝倉 鈴木 大山
■集合
セブンイレブン伊勢原桜台一丁目店 時刻未定
■予定ルート
https://www.yamareco.com/modules/yr_plan/detail-821218.html
※滝口沢中俣は遡行記録の見当たらない沢
■山行中の留意点、危険箇所、安全対策等
・滑落、落石、浮石、岩剥がれ
・滝を無理に登らない
■エスケープルート
引き返す、右岸尾根、沢見沢右岸尾根など
■遡行図
丹沢の谷200ルート p.185
■共同装備
救急箱(丸山私物):丸山
30mハーフロープ(雷鳥共装):鈴木→朝倉
45mハーフロープ(雷鳥共装):鈴木→丸山
ハーケン:丸山
ハンマー:丸山、鈴木→朝倉
お助け紐:丸山、朝倉
■個人装備
□ザック □ヘッドライト □予備電池 □雨具 □防寒具 □飲料 □非常食 
□行動食 □ゴミ袋 (□軍手・手袋) (□トイレットペーパー) □地図 □コンパス
□筆記用具 □計画書 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む)(□学生証)(□運転免許証)
□保険証 □現金 □ライター □常備薬 □ナイフ □笛
□地理院地図 □遡行図
□地理院地図をキャッシュ済の地図アプリが入ったスマートフォン
□沢靴 □ヘルメット □ハーネス □スリング □カラビナ □環付カラビナ
□確保器・下降器 □登高器 (□ゴーグル)
□エマージェンシーシート
※荷物の防水化、ヤマビル対策
■遭難対策費(雷鳥)
100円×4人 計400円
■備考
・日の入(7/20) 18:58
・松田警察署0465-82-0110(計画書提出なし)

滝口沢右俣遡行・中俣下降記録
作成者:丸山・鈴木
■日程 2019/7/20(土)
■山域 西丹沢
■天候 曇り時々小雨
■メンバー
CL丸山(35/OB)、SL朝倉(36/M2)、鈴木(41/B1)、大山(41/B4)
※鈴木、大山は沢2回目、丸山は150回目(?)
■総評
登れないが迫力のある大滝と、登れる大滝の両方があり、小滝の連続するゴルジュもあって、なかなか楽しめた。沢2回目の2人の実践練習や、未知の中俣の探索もでき、様々な面で充実した山行であった。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1938115.html
■時間
9:19 出発
9:25-10:20 大滝前衛滝の登降および大滝見物
10:33-11:33 大滝の高巻
12:52 右俣出合
12:57-13:44 右俣大滝登攀
14:25-32 詰め終了点
14:48 滝口沢中俣下降開始
15:39-58 中俣大滝懸垂下降
16:12 中俣・左俣出合
16:32 沢下降終了
17:02 帰着
■ルート概況(敬称略)
※滝の落差等は自作遡行図に基づく。
※ぬめりは少なくフェルトでもラバーでもよい。
○右俣出合まで
・大滝前衛の2段8×10m滝は、下段は易しい(II+)が上段はぬめりの多いIIIでやや難しい。右岸のスラブ状を登る(ホールドが乏しい)か、水流をまたいで登るか(右岸の岩が脆い)の選択肢がある。
・井戸底状ゴルジュに落ちる15m大滝は登れない。右岸の滝は送水路から漏れる水による人工的なものらしい。通常は前衛滝を降りてから左岸尾根を巻く。前衛滝を懸垂下降するために、よく効いているハーケン1枚と捨て縄が1本残置されている。
・左岸支流(「滝口沢南沢」とする)の最初の2.5m滝(III)を登ってすぐに左側の尾根に取り付いて大滝を巻くべきである。(今回はこれを逃し、5m斜瀑手前のナメの下側辺りから巻いたところ、悪かった)
・大滝を巻き終えてすぐの滝と堰堤群は容易に越えられる。
・ゴルジュ内の5m斜瀑(III-)はシャワークライムとなる。
・4m滝は右岸に高巻用残置ロープが垂れているが、水線右を直登できる。狭いバンドに乗り込む部分が難しくIV-。
・綺麗なナメの後、インゼルがあり平凡になる。この先、左俣は源頭までずっと平凡らしい。
○右俣
・2段20m大滝は、水線右を登ればそれほど濡れない。上部がやや難しい(III+)上に脆いので要注意。40m以上のロープが欲しい。
・後藤さんの遡行図(丹沢の谷200)にはこの先ナメが続くように描かれているが、実際には断続的である。
・滝もなく、比較的楽な詰めで林道と登山道の分岐点に詰め上がる。
○中俣
・上部は殆ど何もない。
・途中からナメが増えてきてまあまあな渓相になる。
・沢がゴルジュ状になると、1.5m滝と2m斜瀑はクライムダウンできるが、11m大滝はできない。右岸の立木で懸垂下降。この滝は遡行の場合、登攀は厳しく、高巻も面倒そうである。
・大滝より下にも容易に下れる小滝やナメがある。
○下山ルート
・ナメが続く350m附近の沢床から右岸を上がると、すぐに尾根に出て、鞍部には切通しがある。
・この切通しから続く径路を辿っていくと、順調に神縄方面へと下っていくが、小さい沢筋にぶつかったところで先が分からなくなり、適当に下って集落に出た。小さい沢筋にぶつかったら沢沿いに下るのが正解らしい。
■行動記録(鈴木)
・入渓まで
伊勢原の駅近くのセブンイレブンに集合。朝倉さんの遅れるという連絡を受けてゆっくり出た丸山さんがさらに遅れた。8時前に無事集合し、丸山さんの運転で一時間ほどで滝口橋手前の入渓点に到着。交通量は少ないが路肩は狭く、山側のヤマビルにおびえながら準備。橋の脇から入渓。
・大滝の巻きまで
入渓後すぐに大滝の手前の2段10m滝の登場。増水して水に勢いがあった。朝倉さんがとりつくものも、二段目で詰まる。右側がぬめるらしい。最終的には丸山さんが登った後にロープを出す形で全員が釡に到着。しぶきを浴びながら2本の滝を楽しむ。その後、10m滝を懸垂下降して、左岸側に分かれた支流から大滝を高巻く。2.5mの滝をお助け紐を出しながら突破。5mの滝の手前で右岸の尾根に上がることを試みるものも傾斜が急で滑るため諦め、少し戻って斜面にとりつく。梅雨の合間で足元は悪く結構な時間を取られた。メインロープでゴボウしたりお助けを出したりしながら巻いた。後半にこれがあったら嫌だったと思う。
・2段20m滝まで
本流に戻った後は複数の堰堤を超えることになる。左に梯子のかかった堰堤は、梯子が固定されておらず注意する必要があると登った後に話した。その後はちょくちょく滝が出てくる。右岸に残置ロープのある滝は登らないと楽しくないといいながら丸山さんが登っていった。上部がせり出してきていて狭く登りにくい。これ以外は特に難しい滝などもなくナメが出現。私はナメに特別な感情を抱かないなと思いつつ、楽しそうな人々を見ながら僕も楽しくなる。歩きながらインゼルという言葉を学んだ。
・大滝から林道に出るまで
大滝も丸山さんのリードで登る。上部は脆かった。私はここで沢初フォール。振られるし濡れるしロープにダメージもかかるのでやっぱり落ちるべきではないと思った。ラストの大山さん曰く、上部の岩もそんなにはがれるわけではなかったようなので私たちが剥がし切ってしまったのかもしれない。その後は断続的なナメが続いた後ツメに入る。水が流れてないので暑いしツメは好きではないとか思っているうちに林道に出た。位置としては予定通りの場所だった。
・下降から解散まで
ツメ上がった林道から登山道に入り予定より少し手前から谷に向かって斜めに下りて行った。初めての沢下降だったので濁った水に驚く。途中11mの滝は45mのロープで懸垂下降した。それ以外は特に何も問題はなく下った。倒木が多かった記憶がある。右俣と合流した先で右岸の尾根にツメた。尾根の手前に石垣のようなものを発見して道っぽくなっているところに出たが、これをたどって下ろうとしたところ、道がわからなくなる。最終的に方角を頼りに集落に出た。ここでひとまずヒル退治をして駐車地点へと戻った。駐車地点でもヒルと闘いながら着替えなどを済ませた。帰りは大山さんの運転で新松田駅まで行き解散。行きに開いていた道の駅の売店は閉まっていた。
■備考
・増水していて滝に迫力があり良かった。
・人との遭遇なし。
・ヤマビルが多い。朝倉は2か所ほど吸血され、しかも家まで3個体持ち帰った。他の3人は被害は無し。
・記録の見当たらなかった中俣は、大滝の直登や巻きが厳しい点と詰めが右俣・左俣に比べ面倒である点がマイナスだが、ナメや滝など変化はあるので左俣よりは遡行価値が高いと思われる。右俣左沢を遡行して中間尾根に詰め、枝沢から中俣に下降するルートが良いかもしれない。
・公共交通でのアクセスも良いのでお勧め。
■丸山感想
・ナメが思ったよりしょぼかったのが残念。
・滝口沢南沢もそのうち遡行してみたい。隣の沢見沢のゴルジュも気になる。
■朝倉感想
・快適に登れる滝が多く,ヒルが多かったことを除いては楽しい沢遡行だった
・なぜ私にばかりヒルが寄り付くのか,理解に苦しむ
・ヒルがいる沢にはしばらく行かない
■大山感想
・大滝前衛の2段では前の2人に盲目的についていった結果かなり苦労したため、より柔軟な考えで登れるようになりたい
・遡行前半ではサワタビに足が馴染まない感覚があったので、そろそろ自主購入すべき
・その他懸垂下降など基礎事項が抜け落ちている箇所もあり、個人的に反省の多い沢であった
■反省
-大滝の巻きと下山路の2か所でルートミスをした。いずれも下調べを十分にしていれば防げたミスであり、やはり下調べは重要である。このミスのおかげで悪い巻きの練習ができたのは、結果論としては良かった。