2019/7/21 シンナソー遡行・ヒヤマゴ沢下降
山岳愛好会雷鳥・ぶなの会 計画書 (7/19提出)
【シンナソー遡行・ヒヤマゴ沢下降】
作成者:丸山
■日程 2019/7/21 日帰り
■山域 奥多摩
■在京本部設置要請日時 当日 20:00
■捜索要請日時 翌日 10:00
■メンバー
CL丸山 SL迫野 豊永 河野
■集合
豊永:戸塚駅モリフルーツ前
迫野:ゴルフドゥ横浜町田店前
河野:北野 隆文堂前
時刻は未定
■予定時間
シンナソー遡行に4時間程度、ヒヤマゴ沢下降に3時間程度を見込む(かなり余裕あり)
■山行中の留意点、危険箇所、安全対策等
・滑落、落石、浮石、岩剥がれ
・滝を無理に登らない
・初心者のサポート
■エスケープルート
引き返すか、そのまま進むか、尾根の登山道に出る
■遡行図
シンナソー:東京起点120 p.33、日本の渓谷98/99 p.112
ヒヤマゴ沢:日本の渓谷98/99 p.112
■共同装備
救急箱(丸山私物):迫野
30mハーフロープ(雷鳥共装):丸山
ハーケン:丸山
ハンマー:丸山、迫野
お助け紐:丸山、迫野
■個人装備
□ザック □ヘッドライト □予備電池 □雨具 □防寒具 □飲料 □非常食
□行動食 □ゴミ袋 (□軍手・手袋) (□トイレットペーパー) □コンパス
□筆記用具 □計画書 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む)(□学生証)(□運転免許証)
□保険証 □現金 □ライター □常備薬 □ナイフ □笛
□地理院地図 □遡行図
□地理院地図をキャッシュ済の地図アプリが入ったスマートフォン
□沢靴 □ヘルメット □ハーネス □スリング □カラビナ □環付カラビナ
□確保器・下降器 (□登高器) (□ゴーグル)
□エマージェンシーシート
■遭難対策費(雷鳥)
100円×4人 計400円
■備考
・日の入(7/21) 18:58
・五日市警察署042-595-0110(計画書提出なし)
シンナソー遡行・ヒヤマゴ沢下降記録
作成者:丸山・豊永
■日程 2019/7/21(日)
■山域 奥多摩
■天候 曇り
■メンバー
CL丸山(35/OB)、SL迫野(35/D1)、豊永(41/B1)、河野(41/B1)
※豊永は初沢、河野は2回目
■総評
水の少ない沢で梅雨の増水を狙う、初心者への講習を行う、試験勉強のため早く終わらせるという全ての目標を達成できて、申し分ない山行だった。シンナソーも想像以上に優れた渓相の沢であった。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1938125.html
■時間
7:50 出発
8:01-8:17 シンナソー出合
9:32-10:03 2段3+8m滝
10:55-11:10 詰め終了点
11:18 ヒヤマゴ沢下降開始
13:44 下降終了
14:02 帰着
■ルート概況(敬称略)
※滝の落差等は自作遡行図に基づく。
※どちらかというとフェルトソールの方がよさそうだが難所はないのでラバーでも可。
○シンナソー
・出合の少し下流にある廃屋の脇から容易に北秋川へと降り、本流を少し遡行すると2段3m滝で出合うのがシンナソー。
・4段8mは2段目と3段目が比較的難しくIII程度。
・この沢の大滝ともいえる2段3+8m滝は上段が完全なシャワークライムとなるため、登攀グレードはIII-程度だが、慣れない人には厳しく感じる。平水時はシャワーにならないかもしれない。
・これら以外の滝は全てIII-以下で、容易。
・詰めは左へ左へと進んでいけば良い。比較的楽な詰め。
・残置支点等は全く見当たらなかった。
○ヒヤマゴ沢
・下降開始の斜面は植林地で、比較的下りやすい。
・本流筋と思われた谷には水が乏しく、750mで右岸から入ってくる谷に多くの水があった。この沢を遡行する場合にここで右俣を選択するのは難しいであろう。
・2段5mはクライムダウンも巻きもやや難しく、懸垂下降がベター。ご丁寧に捨て縄まで残置してある。下降後登ってみたらIII~III+程度。
・中央に大岩のある4m滝は大岩の右岸側から巻ける。
・これら以外の滝は全て容易にクライムダウン可能。
■行動記録(豊永)
5時台の電車で戸塚に向かい丸山さんの車に乗車。今回は早く行って早く帰る方針だったので、メンバーの始発に合わせた時間で集合になった。道中で迫野さんと河野さんと合流し奥多摩へ。公衆トイレ(とても綺麗。ウォシュレット付き)に寄るために一度車を降りると、川がかなり増水して草木が生えているところまで水が流れているのが目に入った。一瞬不安になったが、今回の沢は増水してちょうどいいところらしく、寧ろいいことだと聞いて安心した。
ところで丸山さんの車に乗るのは今回が初めてではなくスピードが速いのには慣れていたのだが、山道も高速で走っていると曲がり角から突然対向車が現れるというハプニングが発生した。急にハンドルを切ってなんとか避けられたがタイヤが今まで聞いた事のない音を立て、かなり車体が傾くなど、なかなか刺激的な体験でした。去年のコナンの映画のカーチェイスシーンを思い出した。
入渓点近くに車を止め、入渓準備をする。私はこれが初沢で、クライミングジムでは必要最低限のギアを必要な時にだけつけるので、複数のギアのついたハーネスをつけることが新鮮で少しテンションが上がった。歩くたびにぶつかって音を立てるギア類がどうしようもなくカッコよく思え、入渓点まで歩く間他メンバーの後ろ姿(の腰のあたり)の写真をたくさん撮った。
一度見落としてしまったが、遡行図にある通りの廃屋を見つけその脇に北秋川へ下る道を発見。階段の後斜面となっているが、斜面はそこまで急ではなく、道に半分埋まっていたロープをつかむまでもなく容易に河原に降りることができた。
北秋川の対岸に渡るため足を流れに入れると、すぐに冷たい水が入ってくる。沢タビを使うのも初めてだったので、完全防水だったりするのだろうかと思っていたが期待はすぐに裏切られてしまった。増水しているはずだが深さはふくらはぎまで程しかなかった。すぐにシンナソーとの出合と思われる滝が現れる。コンパスと地図を使って正しいか判断するよう言われたが、コンパスの使い方がまだほとんど分からなかったので丸山さんに教えていただきながら確認した。最後にGPSも使い、本当に正しいと確認してから、滝に入った。
初めの滝も、その後続く数個の滝も、小さめで傾きもきつくなくて手足をつくことで簡単に登っていくことができた。岩はゴツゴツしていてどこも掴みやすく、自分でホールドを選んで登れるところがクライミングと違って自由で面白かった。迫野さんや丸山さんにお助け紐をたくさん出してもらっていたのであまり恐怖感もなかった。
4段8m滝では、丸山さんにリードして頂いてアッセンダーで登った。滝では岩が剥がれたりすろこともあるそうだが、シンナソーでは私が手をかけた岩は剥がれることがなく安心して登ることができた。水流の中を登って行くのは岩がよく見えないし水勢に流されそうだと思っていたが実際登ってみると案外気にならなかった。
この滝の上は突然伏流になっている。水量はそこそこあるのに不思議だった。まさかもう終わり?!なんて言いながら水のない石の道をすばらく進むと水流は復活した。
その後5m滝を左から登った。やはりそこまで難しくない。小滝もまだまだ多くあった。上流に向かうほど少しづつ難易度が上がっていっているように感じ、まるで少しずつ慣らしてくれているかのように思えた。
2段3+8m滝では、顔にかなり水がかかり目や口が開けづらく少し困った。こういう時のためにゴーグルがあると便利なのかな、と思ったがヘルメットをつけているとゴーグルはつけづらそうだし、潜るわけではないので私に水しぶき耐性がなさすぎるのかもしれない。
滝の上の立ち木にスリングが引っかかっていた。何かに使う用の残置というわけでもなさそうで、比較的綺麗だったので私より先に登っていた河野さんが喜んで回収しようとしていたが、私が(恐らく)羨ましそうな顔をしながらそこに追いつくとジャンケンで勝った方が貰おう、と提案してくれた。1回勝負だよ、と何度も確認しあって気合を入れてジャンケンするとなんと私が勝ってしまい、スリングの所有者となった。河野さんはその後1日中悔しがっていた…
これより上はほとんど大きな滝はなくスイスイ進めた。苔がびっしり生えてヌメっている倒木などを跨ぐことが何度かあった、普段の生活では絶対に触れたくないが沢の中だとあまり気にならない。
上流では分岐があるたびにコンパスで進む道を確認した。沢筋を大雑把に書いてしまっていて自分の地図は使いにくく、今度からはもっと時間をかけて書こうと思った。
分岐は基本的に左に左に進んでいく。するとあまり進まないうちに水が枯れ、ツメに入る。斜面の上が明るくなっていて尾根は見た目でわかりやすかった。適当な立ち木などを掴みながら進むと尾根に上がれる。ザックを下ろして休憩した。
尾根上でもコンパスを使った現在地の推定をしたが、近くに標識がありネタバラシされてしまった。
10分ほど休んだ後下降に入る。道無き道を行くのに少し驚いていたが、植林地は人が木を植えたんだから人が歩ける程度の斜面だ、と言われて納得した。降りている途中山椒の木があり、下は急斜面でなかなか危険そうな場所であったが4人で慎重に実を採った。(河野さんは持ち帰った山椒の実を後日そぼろに入れて美味しそうなおかずを作っていた!)そのまま口に入れるとビリビリした。
斜面を下りきり石だらけの道を進んでいくと、水が出てくる。先輩方曰く平凡な渓相らしかったが、沢の景色を見慣れない私は滝のない沢を歩くだけでも十分癒された。しかし泥が巻き上がって水はミルクティー色に濁り、水中を進むと足元はほとんど見えなかった。
2段5mで初の沢での懸垂下降をした。支点が自然のものであるという少しの不安と、下る壁面が平らでなく崩れる土や砂利でジムよりかなり下りにくかったので少し緊張した。
その他の滝は小さめで、大体全てクライムダウンした。高さがないため怖くはなかったが足場があまり見えないこともあり、慎重に下る。
道中で岩の上にカエルを見つけると、迫野さんが飛びついて至近距離で楽しそうに写真を撮り始めた。不思議なことにカエルも全く逃げず、大人しくポーズをとり続けるため鑑賞&撮影会は5分ほど続いた。カエルをまじまじと見ることは今まであまりなかったが、改めて見てみると確かに円らな瞳が可愛らしい。
倒木だらけの部分もあった。ただ単に通りにくいだけでなく蜘蛛の巣だらけで、壊しながら進むのはなんだか申し訳ない気もしたが顔にかかるとかなり鬱陶しいので結局壊す。
脱渓点付近に廃屋、というほどでもない屋根のある人工物がある。この辺りはワサビ田だったらしいが、残念ながらワサビらしき植物は全く見当たらなかった。道は踏み固められていて歩きやすく、そのまま進むと駐車場らしきところに出た。そこから車まで15分ほど歩いて装備を解除した。とてもいい初沢体験になりました。有難うございました、そしてお疲れ様でした。
■備考
・シンナソーは、III以下の小滝が連続し、アプローチや詰めも短い、初心者にはちょうど良い沢。初沢にも良い。ただし、平水時は水が少なくて寂しそう。また、経験者のみで行くと物足りないだろう。
・ヒヤマゴ沢は、比較的平凡だが初心者の下降練習にはちょうど良い。
・人との遭遇なし。シンナソーには単独先行者がいたらしい。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1934766.html
・ヤマビルなし。
■CL感想
・シンナソーはかつて雷鳥の記録で酷評されていたが、昨年久しぶりに再訪され、見直された沢である。今回はそれなりの期待を持って行ったものの、それでも期待以上に良い沢だった。
■CLコメント
・また一緒に行きましょう。成長を楽しみにしています。2人の積極性に期待。
■反省
+適切な沢を選択し、メンバーの希望通りに早く下山した。
-そういえばブリーフィングするの忘れたような。
■迫野感想・コメント
・豊永さんも河野さんも沢登りを始めたばかりにも関わらず、臆することなく滝を登っていて感心した
・スリングじゃんけんは端から見ていて面白かった
・山椒は刺激が強くて美味しかった。今でも調味料として重宝している
・カエル沼へようこそ
■河野感想・コメント
・斜度緩めの滝が多く、恐怖することなく登攀できて楽しかった。
・ツメが楽で嬉しかった。全部の沢がこんな感じならいいのに。
・そぼろは甘じょっぱさの中に山椒のさわやかな風味がきいて美味しかった。ご飯のお供にしたい一品。
・迫野さんのカエル愛がすごい。いつかカエルの観察に連れてってほしいです。あと一緒に虫取り網持って駆けずり回りたい。
・丸山さんの運転がめちゃくちゃ怖かった。
--以下再掲--
ところで、ウェブサイト更新の不備が先程の[raicho 13256]や[raicho 13230] によって指摘されていますが、その背景として、雷鳥で行われる山行の数が以前に比べて多くなっていて手が回りきっていないということがあるのではないかと思います。
実際、中止した山行も含めた総数では、2018年度は5年前2013年度の2倍以上もあるようです。
ウェブサイト係の仕事量が他の役職に比べてもかなり多くなっているのではないかと思いますし、近々Yahooジオシティーズ終了に伴う移転を機に、ウェブサイト係の負担が軽くなるような手立てを考えられないでしょうか。
例えば、ウェブサイト更新用アカウントを信頼の置ける主要メンバーで共有し、細かい修正はいちいちウェブサイト係に頼まず、気づいた人で出来るようにするとか、単純にウェブサイト係を増員するとか、いろいろな手はあると思います。
この提案は、中止山行を含めて今年度だけで35回もCLをやった上、さらにクライミング記録のウェブサイト掲載も求めている私だからこそ、担当者の負担を気にしてするものです。
現在の雷鳥は会報も発行していないため、ウェブサイトはそれに代わる重要なものだと思います。
1人に負担がかかりすぎずにクオリティーを維持し、そして高めていくことが出来るように、ご一考願いたいです。
宜しくお願いします。