2019/7/27 海沢川遡行

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
海沢川遡行計画書ver1.0
作成者:橋本
■日程 7/27(土) 日帰り・予備日なし
■山域  奥多摩
■在京本部設置要請日時 2019/7/27 20:00
■捜索要請日時  2019/7/28 09:00
■メンバー(計4名)
CL橋本 SL丸山 木口 梶原
■集合・交通
橋本:ゴルフ・ドゥ横浜町田に05:50集合
木口・梶原:北野の隆文堂に06:25集合
丸山車で海沢園地へ(約75分)
■行程
海沢園地(入渓)-60-大滝下-60-枠木沢出合-105-枠木大滝上-75-奥ノ大滝下-60-海沢探勝路(1100m付近で左岸の小尾根に詰める)-60-海沢園地(計7時間)
※余裕があれば,下部も遡行する
その場合,天地沢出合(入渓)-1:40-井戸沢出合(遡行終了)
■エスケープルート
上部:引き返すか、モノレール沿いまたは探勝路で下山
下部:右岸の林道へ上がる

■遡行図
 東京起点120 p.38-39

■共同装備
救急箱(丸山私物):丸山→木口
8.5mm×30mロープ*2(紫):橋本,丸山
ハンマー(共装ロカ,丸山私物):橋本,丸山
ハーケン,カム(私物):各自持参

■個人装備
□ザック □ヘッドライト □予備電池 □雨具 □防寒具 □飲料 □非常食 □行動食 □ゴミ袋 □軍手・手袋 □トイレットペーパー □地図
□コンパス  □レスキューシート  □筆記用具 □計画書 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む) □学生証 □保険証 □現金 □ライター
□常備薬 □ナイフ □笛 □遡行図 □沢足袋 □ヘルメット □ハーネス □スリング □カラビナ □環付カラビナ □確保器・下降器 □お助け紐 □登高器
 (□ウェットスーツ) (□カメラ)
※荷物の防水化
■遭難対策費
100円/人
計400円
■備考
悪天候の場合は前日中に判断
日没 18:53 (7/27奥多摩)
日の出 04:48 (7/28奥多摩)
青梅警察署 0428-22-0110

海沢川遡行記録
作成者:梶原
■日程 2019/07/27
■山域 奥多摩
■天候 晴れ
■メンバー(4人、敬称略)
CL橋本(40期/B2)、SL丸山(35期/OB)、木口(39期/B3)、梶原(40期/B2)
■総評
登攀と泳ぎ両方が楽しめる、満足度の高い沢。帰りは飛び込みとウォータースライダーで遊ぶことができる。沢の上部は虫(特にブヨ)が多いこともあり、刺されると一気にテンションが下がるようなので虫対策をしていくと安心。
■時間
8:30 入渓
8:54-9:37 ネジレの滝
10:13 大滝
11:38 枠木大滝
14:58 下山開始
16:38 駐車スペース
■ルート概況(丸山)
・海沢園地までの道路は舗装はあるが、狭くやや荒れている。
・海沢園地は路肩駐車5台程度可能、簡易トイレ(2K:臭くて暗い)が2基ある。
・三ツ釜の滝は左壁が容易(Ⅲ-)
・その上の4m斜瀑はスライダー状で、滑ったり飛び込んだりと釜遊びが楽しめる。泳いで直登するのもよい(Ⅲ)。
・インゼルの左側の3m斜瀑は残置ロープがあるが、使わなければⅢ程度。
・次の2mCS多条滝も、登り方次第で面白い。
・ネジレの滝は圧巻のゴルジュ。威圧されて巻きたくなるかもしれないが、Ⅲ+程度と難しくはなく、残置もあり、楽しめるので直登するほうが良い。
・大滝は直登できそうにない。少し戻り、右岸の小尾根に乗って巻く。結構な大高巻きとなるが、遅くともモノレールが見える辺りでトラバースを開始すると、岩茸石沢の15m斜瀑上に出る。ここからさらにトラバースし、最後は立木からの懸垂下降またはクライムダウン(Ⅲ-)で不動滝の上に降りる。
・暫くは癒やし系ゴルジュ。途中の2m滝(水線Ⅲ+)は右から小さく巻くと容易。
・730m二俣で右へ入れば平凡なまま探勝路に出て終了できる。枠木大滝を見るなら左。
・枠木大滝は、東京起点120に詳細な巻き方が書かれているが、実際にはそれほど難しくない(Ⅳ程度)ので、簡略化可能。左岸斜面を登ってからロープを出してトラバースし、2mCS滝の下に降りればよい。この岩場はⅢ程度あるので懸垂下降のほうが無難だが、斜め懸垂となる。
・枠木大滝の上は長い平凡区間となり、退屈する。
・奥ノ大滝手前の小滝群は容易だが、倒木がうざい。奥ノ大滝は上部がハングしていて直登できそうになく、左から巻く(Ⅲ)。そのまま次の2段5×8mナメ滝も左から巻いてしまうほうがスムーズである。
・6m樋状滝はⅢ+~Ⅳ-程度あってやや難しいが、突っ張りで登るのが面白い。
・この沢最後の2段7mナメCS滝(Ⅲ)は、上段でCSの右下を潜るのが面白い。
・上部ゴルジュを突破したら、適当なところで右上にある尾根を目指して登ると、僅か2,3分で探勝路に出る。
・探勝路は登山道程度に整備されているが、梅雨の増水時だったためか部分的に水が流れていた。
■行動記録
・入渓まで
集合時間の少し前に着き、木口さんと単位の行方について話していると丸山車が到着。運転手の橋本くんは華麗なる停車を試みるも、少々位置に失敗。そのまま橋本くんの運転で海沢園地まで走る。
入渓点の側にある簡易トイレに行って入渓準備。トイレは吐き気がするレベルの悪臭。
・ネジレの滝まで
入渓後すぐ現れた三ツ釜の滝のすぐ横には階段が。正規のルートを横目に滝の左壁を登る。橋本くんがトライするも一度戻って来たので丸山さんが代わりに登り、その後続いてフリーで登る。
三ツ釜の上段の滝は釜を泳がないと直登できないようだ。木口さんが先頭切って泳いで登る。続いて丸山さん、梶原と登りにかかるが、梶原は滑って一度ドボン。二度目のトライ中に横から木口さんがダイブしてきてびっくりした。
次の小滝と2mCS滝を登って少し歩くとネジレの滝が見える。
・ネジレの滝
大きな釜で、滝の水流も強く、泳いで取り付いた後に登るのは難しそう。1段目は横から登ってトラバースで突破。結構怖かった。2段目は橋本くんがリードで登る。寒さに震えながら待っていると、後ろから単独の沢屋の方が来た。4人が登る間待たせてしまうのは申し訳ないと、木口さんがジェスチャーでお先にどうぞと合図してみるがなかなか伝わらない。結局全員が登り終わるまで待ってもらい、上で抜いてもらった。激強の風貌。ネジレの滝は初め少し迷うが、そんなに難しくはなかった。
・大滝まで
ネジレの滝を過ぎて5分ほど歩くと、かなり流れの激しい滝が現れる。「これ登れるのか…」と弱気でいると、木口さんが簡単そうに泳いで取り付き、スイスイ登っていく(ラバーソールはよくきいたらしい)。意外にも簡単なのかと思っていると、丸山さんが二段目で5メートルほど流される。後続の橋本くんが笑っていてなんだか嬉しそう。梶原はなんとか取り付くも、強い流れに足を剥がされてなかなか登れない。しかしもう一度取り付くのは大変そうなので頑張って登る。流されるのを恐れて二段目は逃げた。橋本くんは取り付くもなかなか登れず、5回ほど流される。流れていく橋本くんを見て、今度は丸山さんが楽しそうに笑う。結局橋本くんはツッパリで強引に突破し、横に逃げた。
少し進んで次の滝を登っている途中、橋本くんがカメラを落としたことに気づく。先ほど何度も流された滝で落としたのだろう。「取りに戻りたいです」という橋本くんのために登るのを中断して引き返す。偶然梶原が持っていたゴーグルと丸山さんのヘッデンを使って泳ぎの得意な木口さんが探してくれる。割とすぐに見つかり、橋本くん大喜び。今度何か奢るらしいです(フレンチかな?)。
その後簡単な滝を登りつつ進むと、大滝が現れる。どう見ても登れそうになく、右岸から巻く。レールが見える場所まで上がってから降りたが、結構な大高巻きとなった。ちょうどその地点に赤リボンがあった。
・枠木大滝まで
大滝を巻くついでに不動の滝も巻く。巻いた後懸垂下降で降りようとするも、ローブがからまっていてなかなか降りられない。ようやくセットが完了し降り始めると、橋本くんの「あーー!!」という声。どうやらまたカメラを落としたようだ…。
学習しない橋本くん。カメラセルフ必須ですね。また木口さんが取りに行く。2回目なのに嫌な顔一つせず取りに行ってくれる木口さんはやはり優しい。今回も割とすぐに見つかってよかった。
その後は小滝が連続する。途中残置ハーケンを2つ発見し、鮮やかな色の方のハーケンを丸山さんが回収した。
・枠木大滝
枠木大滝の前に着くと、東京起点120に事細かに書かれた巻き方を一応確認する。が、さして気にせず左岸を登り、橋本くんがトップでロープを出してトラバースする。続く梶原がトラバースの途中でA0しようとしたら背が足りず、丸山さんがスリングを追加してくれた。橋本と梶原はA0したが、木口さん曰くここはパワフルなはしごのような場所でA0しなくてもいけるらしい。その後はクライムダウンで降りたが、懸垂下降の方が適していたかもしれない。二段目は右岸から簡単に上がれた。
・奥ノ大滝まで
小滝を登りつつ平凡な沢を歩くと二俣に到着。二俣を過ぎて少しすると廃わさび田を発見した。丸山さんが「ちょっとわさびとって来るー」といって網の中に入っていく。廃れてからあまり経ってないようだ。木口さんも楽しそうに葉をちぎっている。最初は面白がって写真を撮っていた橋本くんも「えーおれもとろうかな〜。今度半額の刺身買って食べよ」と言って中に入っていった。10分程して3人が満足して戻ってきたところで再出発。
しばらく平凡な沢歩きが続き、たまに小滝を登りつつ進む。
・奥ノ大滝から下山まで
奥ノ大滝は直登できそうにないので、橋本君がロープを出して左を登る。
次の6m樋状滝は橋本君がフリーで登りお助け紐を出してくれる。滝の上は虫が大量に飛んでいたようで、梶原が突っ張りで登っている最中橋本くんは耳をやられた。すまん。
ラストの2段7mナメCS滝は特に難しいところはなく、洞窟みたいで面白かった。
木口さんは両方巻いたが、意外にも巻きが悪かったようで途中で停滞。橋本くんがお助け紐を出すも上がるのに苦戦。その間丸山さんと私は虫と格闘する。
しばらくすると2人が上がって来たので15m程の詰めを開始する。3分ぐらいで終わった。最高に楽だった。
下山中、ブヨに刺されてテンション激下がりの橋本くんと巻きでお疲れのご様子の木口さんが今回の沢をディスりまくる(木口さん曰く上部の沢評価0)。
そんな2人だったが、三ツ釜の滝で滑り台をしたり、飛び込んだりして遊んだ後は少し元気を取り戻したようで良かった。
■感想(梶原)
滝の登攀が面白く、遊び場所もあって大満足。虫はうざかったが自身は被害を受けなかったので単純に良い沢という印象。初めての飛び込みとウォータースライダーとても楽しかったです。
■CLコメント・感想
・登攀、巻き、泳ぎと色んな要素が入っていて、いい勉強になった。飛び込み楽しい。
・カメラを落とさないように気をつけます。木口さん2回も探し出してくださってありがとうございました。
・僕はブヨのアレルギーがあるようで、上部ゴルジュで噛まれてから1時間くらいは、パンパンに腫れるし痒いし大変だった。上部を遡行するなら虫除けスプレー必須。
■感想(丸山)
・奥多摩の入口的な近場にあるのに内容の濃い良い沢だった。途中のゴーロさえなければ最高なのだが。
・支流にも大きめの滝があるようなのでそのうち遡行してみたい。簡単な泳ぎ沢として知られる林道沿いも機会があれば。