2019/8/13-16 表銀座縦走

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
表銀座縦走計画書 確定版
作成者:新居
■日程
□8/13(火)~8/16(金)山中3泊4日
□前泊(8/12(月))
□予備日 8/17(土)
■山域 北アルプス
■在京本部設置要請日時 2018/8/17 19:00
■捜索要請日時 2018/8/18 9:00
■メンバー(2人)
CL新居 加藤

■集合
8/12 9:40 新宿駅南改札(改札外)集合
※乗車券込みの特急券を購入したため

■交通
□行き(8/12)
10:04新宿駅-(JR特急あずさ57号・白馬行)-13:26穂高 6930円(4430円+特急料金2500円)
14:50穂高駅-(中房線乗り合いバス(安曇観光タクシー))-15:45中房温泉 1700円
(あずさ2人分予約済)

遅れた場合
11:02新宿駅-(JR特急あずさ75号・松本行)-13:53松本
14:14松本駅-(JR大糸線・信濃大町行)-14:39 穂高 6930円(4430円+特急料金2500円)

□帰り(8/16)
16:15 上高地-(さわやか信州号)-21:02 バスタ新宿 7900円
(バス2人分予約済)

上記のバスに乗れなかった場合は
・上高地(17:25)―新島々(18:30) 1950円
・新島々(18:39)―松本(19:09) 700円
・松本(19:35)―乗り継ぎありー新宿(24:09) 3996円
これが新宿着の鈍行最終電車です。
また特急を利用した場合は
○特急あずさ(新宿行)
松本(19:28/20:10)
―新宿(22:07/22:46)
6496円(IC利用3996円+指定席券2500円)

■行程
1日目
燕岳登山口-2:50-合戦小屋-1:30-燕山荘-0:30-燕岳-0:25-燕山荘
[計5:15]
*万が一、燕山荘のテント場がいっぱいの時は大天荘へ行くことも考える。その場合行動時間は[計8:55]
2日目
燕山荘-1:00-大下りノ頭-2:00-喜作レリーフ-0:40-大天荘-0:10-大天井岳山頂-0:10-大天荘-0:30-大天井ヒュッテ-2:50-ヒュッテ西岳
[計7:20]
3日目
ヒュッテ西岳-1:00-水俣乗越-2:10-ヒュッテ大槍-0:50-槍ヶ岳山荘-(往復1時間)-槍ヶ岳山頂
[計5:00]
*槍ヶ岳山荘のテント場がいっぱい又は時間が余りすぎている時は、槍沢ロッヂまで下る事も考える。その場合行動時間は[計8:50]
4日目
槍ヶ岳山荘-0:30-ヒュッテ大槍-0:30-坊主の岩小屋-1:00-天狗原分岐-0:50-大曲-1:00-槍沢ロッヂ-0:30-一ノ俣-0:50-横尾山荘-0:50-新村橋-0:20-徳沢-1:00-明神分岐-1:00-上高地
[計8:20]

■エスケープルート
大天井ヒュッテまで:引き返す
大天井ヒュッテからヒュッテ大槍まで:水俣乗越から大曲経由で槍沢へ
ヒュッテ大槍以降:そのまま進む


■地図
2万5千分の1地形図「槍ヶ岳」「穂高岳」
山と高原地図「38槍ヶ岳・穂高岳」

■共同装備
テント(ゴアライト):新居
救急箱(アゲハ):加藤
鍋(月):加藤
調理器具セット(ガジャマダ):加藤
カート*2:加藤
カート*2:新居
ヘッド(緑9・チビ):加藤
ヘルメット(ゾーディアク赤):新居
ヘルメット(ゾーディアク橙):加藤

■個人装備
□ザック □ザックカバー □サブザック □シュラフ □マット □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □帽子□エマージェンシーシート □水 □行動食 □予備食 □非常食 □手袋/軍手 □ロールペーパー □ライター  □新聞紙 □コッヘル □ブキ □ゴミ袋 □地図 □コンパス□筆記用具 □計画書 □遭難対策マニュアル(緊急連絡カード含む) □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □日焼け止め□タオル □温泉セット □着替え(□カメラ □サングラス)

■食当
                朝               夕
0日目:    ー               新居
1日目:    加藤              加藤
2日目:    新居              新居
3日目:    加藤              加藤
4日目:    新居              ー

予備食は各自でお願いします。

*宿泊場所では水の販売となるので、余裕のある人がいれば多めに持っていく。

■遭難対策費
600円/人×2人 計1200円

■備考
○日の出-日の入り
8/12 05:04-18:44
8/13 05:05-18:43
8/14 05:06-18:42
8/15 05:07-18:40
8/16 05:07-18:39
8/17 05:08-18:38
(上高地)

■決行判断
8/11正午までに判断

□参考
NHKラジオ第一(松本) 540kHz
NHKラジオ第二(松本) 1512kHz

○燕山荘 090-1420-0008 1人1000円 水1L200円 素泊まり7000円(学生証提示で500円割引)
○ヒュッテ西岳 090-7172-2062 1人1000円 素泊まり7000円
○大天荘 090-8729-0797, 1人700円 水1L200円 素泊まり5900円
○槍ヶ岳山荘 090-2641-1911 (受付時間:7:00~20:00) 1人1000円 水1L200円 素泊まり7300円
○槍沢ロッヂ 090-3135-0003 1人1000円 素泊まり 7300円
○横尾山荘 0263-95-2421, 1人700円
○徳沢キャンプ場 0263-95-2508, 1人700円

長野県警安曇野警察署 0263-72-0110
長野県警松本警察署 0263-25-0110

アルピコ交通新島々営業所 0263-92-2511
濃飛バス予約センター0557-32-1688 (9:00~18:00)
南安タクシー0263-72-2855
安曇観光タクシー0263-82-3113
京王高速バス 03-5376-2222
さわやか信州号カスタマーセンター0570-550-395

小梨の湯 600円 12:00~19:00
上高地アルペンホテル外来入浴 600円 12:00-14:30
http://www.m-kamikouchi.jp/alpenhotel/
上高地温泉ホテル 外来入浴 800円 12:30-15:00
その他 https://www.kamikochi.or.jp/enjoy/public_baths

表銀座縦走山行記録
■作成者:新居
■日程: 2019/8/12-14
■山域:北アルプス
■隊列
CL新居(40期/B2)加藤(41期/B1)
■タイムスタンプ
□1日目
4:30中房温泉出発
5:00-5:05休憩@第一ベンチ
5:40-5:50休憩@第二ベンチ
6:15-6:20休憩@第三ベンチ
7:00-7:05休憩@富士見ベンチ
7:25-7:40休憩@合戦小屋
9:05燕山荘着

※燕山荘へのピストンは省略

□2日目
6:35燕山荘出発
7:05-7:15休憩@合戦小屋
7:55-8:05休憩@第三ベンチ
8:40-8:45休憩@第一ベンチ
9:15中房温泉着

■記録(新居)
・前日まで
NHKの北アルプスドローン縦走で見てから、燕岳にどうしても登りたいという欲が新居の中で高まっていた。そんな矢先、新居が夏合宿参加できないので別の山を立てたいという噂を聞いた41期の加藤くんから、槍ヶ岳に登りたいと言われた。「燕と槍と言ったらそれは表銀座じゃないか!」と思った新居は、浮き足だって計画を立てたのであった……
・0日目(中房温泉前泊、晴れのち曇り)
上の期の方から、「あずさはえきねっとで予約すると安く済む」というありがたい助言を頂いた新居はなんと30%引き!であずさの乗車券も特急券も予約できた。優しい先輩に感謝である。
当日は無事予定通り集合し、あずさに乗り込んだ。お盆の真っ只中ということもあったのだろう。車掌は放送で、あずさ57号の指定席は全て埋まっていると言っていた。新居と加藤、男二人なので当然歓談に興じることもなく、少し寝ていたら穂高に到着。バスの発車時刻まで一時間以上空いてるので蕎麦屋で昼食でも食べることにした。ところがこの蕎麦屋、いつまで経っても蕎麦が出てこない。新居は温かい月見蕎麦、加藤は温かい山菜蕎麦を頼んだのであるが、これがいけなかったらしい。新居がいつ蕎麦が来るのかと聞いたら店の人は、温かいのは時間がかかるが盛りそばなら2~3分と言う。ここで加藤の「盛りそばでいいです~」の鶴の一声で二人とも盛りそばに決定。その後本当に2~3分で蕎麦が出てきた。冷たい蕎麦は茹でてから冷ますから温かい蕎麦の方が早いだろう、という疑問を新居は抱えながらも素早く蕎麦をすすり、バスの時間には余裕で間に合った。(後で考えたら蕎麦は茹でてから流水で洗うから冷たい方が早いのも当然だった。)
バスに揺られること約一時間、中房温泉に到着した。この後素早くテントを張って朝食の準備にかかった新居、加藤両人だがなんと本日食当の新居、米一号の重さを180グラムだと思っていたのだ。180は体積である。180ミリリットルである。重さは150グラムである。この微妙に合っているようで間違っているところがなんとも新居らしい。そんなことは気にせず本日のディナー、トマトリゾットを作った新居だが、あまりに調査不足で微妙に芯が残った米になってしまった。ここでさっきのミスが響き、食べたくもないリゾットを、加藤は不満そうな口振りだったが二人で食べきった(反省しております)。とにかくも腹に飯を詰め込んだ両人は明日からの縦走に備えて眠りにつくのであった。
その夜新居はどうにも寝られなかった。疲れていないから眠くもないし、気温も寝るには微妙で、その上どこからか白い光がテントをずっと照らし続けているのである。中房温泉の建物が常に光を出しているのだろうか。あまりにも眠れない新居は、リフレッシュでもしようとついにテントの外に出た。出てみたらさっきの光は月ではないか。流石に月には文句のつけようがないと困った新居だが、これもまた一興である。帰ってきた新居は程なく眠りについた。
1日目(燕山荘へ、晴れのち夕立)
3時に起床した。前日はあまり眠れなかったものの、こういう時は眠くないものだ。星空は綺麗に輝いている。昨日は曇りであったが今日は晴れとは、なんとも運がいいではないか。新居は星空を見てオリオン座を探すがどうにも見つからない。木か山が邪魔でもしているのだろうか。何故新居はオリオン座を探すかというと、もちろんオリオン座とは因縁があるからである。新居は高校の時に出来た、下らない理由でオリオン座の名を冠したLINEグループに所属している。それに、去年の磐梯山の高速バス到着地点郡山駅で満点の星空を見ていたところ、オリオン座が目にはいったその瞬間、流れ星が横切ったのだ。新居がオリオン座には因縁があると思うのも当然だろう。
だいぶ脇道に逸れてしまった。本日の食当加藤くんの棒ラーメンは安定の味である。満足した二人は時間が有り余っていたので、予定の5:00では遅すぎると4:30に出発した。
ここまで真面目に読んでいる方はお気づきだろう。山の話題に入るまでに色々書きすぎである。なんでそんなことをするかというと、山中で特に何もなかったから、としか言いようがない。なにせ男二人である。先程も書いたが、歓談で盛り上がるなどそうそうない。しかしそういう訳にもいかないので何か問題でも書こう。といっても結果としての問題は一つしかなかったのだ。それは新居が極度に疲労してしまったことである。原因は色々考えられるが、そもそも体力がない可能性が高い。新居は18キロのザックなど担いだことが無かった。前日に担いでみてこんなもの背負って1500メートル程度を4時間半?で登れるのかと思ったが深くは考えなかった。もっとよく考えたらパッキングを神がかり的にうまくやるとか、前日うまく寝られるようにするとか、持つ水を減らすとか、色々と対策を考えたのだろうが、これが失敗だった。あまりに疲れすぎたせいで加藤くんにポールを持ってもらい、休憩も頻繁にした。疲れすぎてメモしていない休憩も数回とってしまった。一応燕山荘には休憩を含めてコースタイムと同じくらいで着いたので悪くはないのであるが、新居は死ぬほどつらかった。ちなみに加藤くんは鹿島槍より楽だったと言っていたので、地味にショックを受けた。
燕山荘に着いてからはテントを張ったり、疲れすぎた新居は少し寝て体力を回復するなどし、11:30に燕岳頂上へ向かった。道中ではコマクサが綺麗に咲いているが、新居の目的は決して花ではない。雷鳥である。雷鳥の名を持つサークルに入って雷鳥なる動物を調べてみたとき、これは是非会ってみたいと思っていたのだ。なにやらハイマツの中に猿がいたが興味は無い(写真は撮ったが)。念願の燕岳の、白い花崗岩の山肌の美しさに感動しながら歩いていると雷鳥に出会った。なんと綺麗なのだろう。燕岳に登るだけでも嬉しいというのに、念願の雷鳥まで見られたのである。ちなみに鳴き声は汚かった。我が家の猫は容姿も声も美人だというのに…もはや新居の中で燕登頂への欲は薄れたが、それでも歩いて登頂。頂上はガスっていて展望はほぼ無かったが、北アルプスの山の初登頂は新居には地味に嬉しかった。
燕山荘に帰って正午を過ぎた頃、新居は燕山荘で昼御飯のビーフシチューセットを頂いた。加藤は行動食を減らしたいとかで不要なようである。その代わりに彼はいちごミルクを注文した。なんとも強靭な精神力である。行動食がよっぽど旨いのだろうと新居は勝手に思い込むことにした。昼食時、同期からLINEが新居に来たのだが、その内容がかねてから懸念していた台風が巨大化し危険だという情報だった。新居はこの夏表銀座を歩くことを待ち望んでいたので中止は非常に嫌で仕方なかったが、なにせ経験の非常に乏しい二人である。他のパーティーのなかには縦走を続けるパーティーもあったようだが、二人ですぐに中止を決定した。昼食を食べた後は各々適当に過ごした。暇をもて余した新居は水の補給に行ったのだが、1リットルあたり200円である。北アルプスの天然水がこんな山奥の山頂でこの値段とはなんとも手頃ではないだろうか。
夕食を作っていた16:30頃、急に土砂降りが始まった。前兆などは全く無かったので二人とも非常に焦ってテントに駆け込んだ。なんせ新居は余裕こいてダウンの防寒具を着ていたのである。これでは洒落にならない。二人で意気消沈しつつ夕飯作りを続行し夕飯のカレーは美味しく頂けた。新居は夕飯を食べて横になっていると、ひどく疲れていたのだろう、薄明るいうちにもう寝てしまった。
2日目(下山、曇り)
3時起床予定だったが、新居は2:30過ぎにはもう起きていた。今日は出発するまでに如何にいい景色が見られるかが勝負である。風の音を感じながらフライを開けると、そこは曇天であった。というか、ガスまみれ。燕山荘からの槍はのぞみたかったがこれはもう無理かと考えたものの、新居と加藤は日の出にかけていた。日の出頃、燕山荘からも続々と人が湧き出てはいたが、未だにガスが凄い。しかし太陽がのぼってくるにつれ段々とガスが晴れ始め、ついには360度の大展望となった。これには新居も加藤もにっこりである。新居のまわりの登山客などはガスが晴れた方面を探しては写真を撮るなど、あっちへこっちへと大忙しだ。そんなこんなで景色を楽しみ終えた二人はほくほく顔で下山した。大満足の山行であった。

■CLコメント(新居)
・体力不足は致命的
・パッキングも研究すべき
・加藤くんは体力気力共にあるし、既に北アルプスも二つ登っていて多少経験もあるので、次はSLを任せてもいいかもしれない。
・燕岳は本当にいい山だった
・天候判断は難しい