2019/8/22 鹿納谷
鹿納谷遡行記録
作成者:丸山
■日程 2019/8/22
■山域 大崩
■天候 晴れ
■メンバー
L丸山(35/OB)、迫野(35/D1)
■総評
渓谷美、登攀の楽しさ、アクセスの良さ、どれをとっても素晴らしい沢を、好天の下楽しめ、最高であった。2019年ベストの沢。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2054483.html
■時間
7:04 出発
7:40 入渓
8:18 鹿納谷・宇土内谷出合
9:30-10:09 ボルト連打の9mCS滝
11:14 シカオテルンゼ出合
11:57-12:13 遡行終了点(堰堤下)で装備解除
13:01 鹿納谷・宇土内谷出合
13:39 帰着
■ルート概況
※滝の落差等は自作遡行図に基づく。
※絶対ラバーソール。
・地理院地図では実線路が途中までしか描かれていないが、実際は林道が宇土内谷・鹿納谷出合まで続いている。破線路の方は廃道(軌道跡)なので注意。
・地理院地図で700m計曲線附近からのナメ斜瀑も非常に美しいので、林道途中から適当に斜面を下ってこの辺りから入渓すると良い。
・鹿納谷に入ると暫くは岩畳状でパッとしないが、すぐにゴルジュとなる。最初の難所であるツルツルの4mCS滝は、右壁に連打された残置ボルトでA1して越える。ただし、取り付くためには激流を突破する必要がある。
・2条岩間4m滝は左の水線沿いにボルトが打たれているが、使わなくてもIV-程度。
・次の4mCS滝も右壁にボルトが打たれているが、水線をフリーで登れる(IV)。
・水流部分がハングした5m滝を越えるとこの沢で最大の2段15m滝。下段は傾斜が緩く水流左側をボルトに沿って登れる(III)が、上段は立っていて無理で、左を巻く。下段からまとめて左から巻くことも可能。
・9mCS滝は、左壁にボルトが20本程度連打されており、IV-A0程度で登れる。クイックドローを多めに用意しておくとよい。ロープは30mでぎりぎり。
・7m滝は左から(IV)、8m滝は右の凹角(旧流路と思われる)(IV)を登れるが、やや難しいのでお助け紐が役に立つ。下部に沢山あった残置ボルトは、以降の滝にはない。
・これ以降も堰堤まで非常に美しい沢が続くが特に難所はない。
・堰堤より上流はひたすらゴーロが続いており、遡行価値はない。
・下山は、しばらく林道を歩いてから宇土内谷・鹿納谷の出合へ伸びる尾根を下ればよい。途中までは踏み跡が明瞭だが、軌道跡と交差する辺りから不明瞭になる。薮はきつくないので適当に下っていくと、別の仕事道に出て、それを辿って出合に戻った。多くの径路があるので迷いやすい。
■行動記録
・地形図を参考に、鹿納谷出合附近へと伸びる破線路へ車で入ったが、途中の沢で通行不能になったのでそこで駐車。そのまま破線路を進んだが、藪がうるさい。我慢して進んでいくと藪は消え、幅は狭いがしっかり土工された森林軌道の様相となる。暫く進むと急に現役の林道に出て、駐車場所を失敗したことに気付いた。後で分かったことだが、地形図の破線路は廃道で、新道は地形図の実線路から先へと伸びていた。
・唯一メインロープを出したのは9mCS滝だったが、ボルトが大量にあるので、結構飛ばしてもスリング・カラビナが足りなくなり、たわしをつけていたスリングを中間支点に使うなどして無理やり足らした。
・お助け紐は数回使用した。
・下山後、再び森林軌道跡の藪を通るのを嫌って、杉の原の集落内を通って車に戻ったが、この方がだいぶ楽であった。
■備考
・アプローチも下山も楽で、沢中に平凡な部分も殆どない上に、超美麗で登攀も楽しめるという、至上の沢。超秀渓。
・登れる滝を全部登るとすれば2級上程度はある。適当に巻けば2級下程度か。
・1本の滝に打たれているボルトの数としては、この9mCS滝が日本一だと思う。目を疑うほど多い。沢の滝にボルトを連打することの是非については色々な意見があるが、ここでは論じないことにする。
・人との遭遇なし。
・ヤマビルなし。
・沢を繞るように森林軌道(鹿川林道)跡があり、それと戯れることもできる。廃線好きには興味深い。
・上部にあるポットホールは砂利に埋まっていて浅いが非常に大きく、屋久島安房川にあって日本一と言われているポットホールよりも大きいかもしれない。
・下山後に車を走らせていると、県道の脇の岩にボルトが打たれており、クライミングルートになっている模様。調べてみると、比叡山Ⅲ峰水場周辺というエリアであった。時間もあるし道具も(ハーフロープだが)あるので、一番易しい(10b/c)トリハダスラブというルートに、木口がトライ。しかし2ピン目に届かず敗退。それを見ていた丸山も登りたくなったので、木口にシューズを借りてトライ。4回くらいテンションして何とかトップアウト。TRにして迫野もトライするが、4ピン目くらいで敗退。このルートは難易度辛めの印象。綺麗なスラブでなかなか面白いルートだった。道脇にあって手軽に取り組めるのが良い。
■CL感想
・2019年でベストの沢だった。大崩恐るべし。この谷は日本の宝だと思う。
■反省
・新しい林道が描かれていない地理院地図を参考に駐車場所を決めたら、アプローチで時間をロスした。が、軌道跡歩きを楽しめたので良しとしておく。
■丸山コメント
・クライミングシューズを貸してくれてありがとう。 to木口
■迫野コメント・感想
・渓相も水も綺麗、登り応えもあって最高の沢だった。
・でかい蜂の巣があった。
・9m CS滝は楽しかったけどA0しまくりでヒヤヒヤしたような…。