2019/9/26 西ゼン遡行
山岳愛好会雷鳥・ぶなの会 計画書 (9/21提出)
【西ゼン遡行】
作成者:丸山
■日程 2019/9/26
■山域 谷川連峰
■在京本部設置要請日時 当日 20:00
■捜索要請日時 翌日 10:00
■メンバー
L丸山 鶴田 梶原
■集合・アプローチ
9/25 22:00 順天堂大学医学部附属練馬病院の東側の路側帯
土樽附近で前泊後、仙の倉林道ゲート前へ
■ルート
西ゼンを遡行し、平標新道で下山
■予定時間
駐車スペース-1.5h-入渓点-1h-西ゼン・東ゼン出合-3h-二俣-1.5h-遡行終了-3h-駐車スペース (計10h)
■山行中の留意点、危険箇所、安全対策等
・滑落、落石、浮石、岩剥がれ
・滝を無理に登らない
■エスケープルート
引き返すか、そのまま進む
■遡行図
銘渓62選 p.225
■共同装備
救急箱(丸山私物):丸山→梶原
50mハーフロープ:丸山
ハーケン:丸山
ハンマー:丸山、丸山→鶴田
テント:丸山
■個人装備
□ザック □ヘッドライト □予備電池 □雨具 □防寒具 □飲料 □非常食
□行動食 □ゴミ袋 (□軍手・手袋)(□トイレットペーパー)□コンパス
□筆記用具 □計画書 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む)(□学生証)(□運転免許証)
□保険証 □現金 □ライター □常備薬 □ナイフ □笛
□地理院地図 □遡行図
□地理院地図をキャッシュ済の地図アプリが入ったスマートフォン
□沢靴(ラバーソール) □ヘルメット □ハーネス □スリング □カラビナ □環付カラビナ (□たわし)
□確保器・下降器 (□登高器) (□ゴーグル)
□エマージェンシーシート □シュラフ □マット □お助け紐
■遭難対策費(雷鳥)
100円×3人 計300円
■備考
・日の入(9/26) 5:35
・日の出(9/26) 17:37
・南魚沼警察署(計画書提出なし)025-770-0110
西ゼン遡行記録
作成者:丸山
■日程 2019/9/26
■山域 谷川連峰
■天候 晴れ
■メンバー
L丸山(35/OB)、梶原(40/B2)、鶴田(40/B2)
■総評
好天の下、谷川の名渓を味わうことができた。西ゼンのスラブは非常に幅広く立派なもので、一登の価値があるが、やや長いアプローチと藪漕ぎ、下山路は少々面倒であった。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2054432.html
■時間
6:02 毛渡沢林道ゲート前駐車スペース発
7:02-7:21 仙ノ倉谷渡渉点で入渓準備
8:20 西ゼン・東ゼン出合
9:45 第1スラブ終了
11:47 第2スラブ終了
12:13 二俣
14:30-42 詰め終わった池塘で休憩
16:05-16:23 仙ノ倉谷渡渉点で履き替え
17:17 帰着
■ルート概況(敬称略)
※滝の落差等は自作遡行図に基づく。
※絶対ラバーソール推奨。
○林道・登山道
・毛渡沢林道は、ゲートまでの間に洗い越しが一箇所あるが、普通の車で通行可。ゲートは施錠。ゲート先も車での通行に問題はなく、ゲートを開放して欲しい。
・仙の倉谷渡渉点までの登山道は、ぬかるみや渡渉が何箇所かあるが、気をつければ靴を濡らさずに通行できる。細かいアップダウンがありやや面倒。
・渡渉点で仙の倉谷に入渓すると、すぐにナメ滝があるが、その先はずっと単調なゴーロ。西ゼン・東ゼンの出合の直下でやっとナメ滝群が出てくるが、容易に登れるか巻ける。
○西ゼン
・最初のナメ滝群もスラブ状で、右を登るが高度感あり。
・6m滝と10m滝を左から巻くと、第1スラブとなる。
・第1スラブは水線の右側ならどこでも登れそうだが、落ち口を目指して登らないと、上部でトラバースする羽目になり面倒である。左側も登れるらしい。
・第1スラブを越えると3つ小滝があるが、特に問題ない(III)。
・続くスラブ状多段50m滝は登れず、右から大きく巻くと、2段10m滝の下に出てこれは右コーナーを登れる(III)。徐々に沢床が広がって第2スラブとなる。
・第2スラブも水線の右側ならどこでも登れそう。やはり落ち口を目指して登るべき。
・第2スラブのすぐ上にある2.5m滝はやや難(III+)。場所柄、初級者にはお助け紐等を使用したい。以降は容易な小滝とナメのみで二俣に至る。
・左俣は藪漕ぎは比較的楽だが長く標高差が大きい、右俣は藪漕ぎは大変だが短く標高差が小さいらしい。今回は右俣だったが確かに笹薮がきつい。
○平標新道
・普通の登山道。岩場や鎖場などの難所もなし。
■行動記録
○駐車スペースまで
東上線の運転見合せ等により30分遅れて練馬高野台駅を出発。丸山の運転で土樽まで行き、前泊。朝起きると、寒い! そういえば、秋に前泊で沢へ行くと、朝はこんなもんだったよね、と思い出す。着替え等済ませてから毛渡沢林道ゲート前へ。
○入渓まで
林道は単調。ゲートを何とかして車で走りたい。登山道に入ると、まあ割と平坦だが所々にぬかるみや急登もありめんどくさい。鶴田はこんな登山道でも楽しんで歩けるそうで、曰く「細かいアップダウンや渡渉など変化があるのが良い」とのこと。世の中にはいろんな考えの人がいるものである。一方、モチベーションの上がらない梶原は、登山道入口と渡渉点とで先へ進むかどうか逡巡していたが、木口のような思い切りの良さはなく、何だかんだで入渓。
○西ゼン・東ゼン出合まで
入渓してすぐにナメ滝があるが、その後は単調。ダイコンオロシ沢やイイ沢の出合で読図して休憩しつつ、進んでいく。イイ沢を遡行する人なんていないだろうが、出合が随分手前にあったので意外だった(並行区間が長い)。西ゼンと東ゼンの出合が見えてくる頃、ナメ滝が出てきて漸く面白くなってくる。
○第1スラブまで
西ゼンは最初からいきなりのスラブ状滝。巻き気味に登っていくと、今度は滑りやすいナメ滝があって、落ちたら濡れそうなのでお助け紐を出した。6m滝を左から巻き気味に登り、10m滝を踏跡に従って巻いていくと、第1スラブとなる。素晴らしい景観。何度も振り返って写真を撮ってしまう。比較的のっぺりしたスラブだが、傾斜は緩く割とどこでも登れる。しかし右の方へ登った結果、上部でトラバースが必要になってやや面倒だった。気休めにお助け紐使用。
○第2スラブまで
第1スラブの上は登れる滝が続いたかと思うと登れないスラブ状多段50m滝が出てきて、踏跡に従って右から大きく巻いていく。途中不明瞭になるが、巻きすぎないように気をつけると2段10m滝の下に出た。これを登ると第2スラブ。景観は、第1スラブのほうが好み。第2スラブは、割とゴツゴツした感じだが普通に登れる。先程の反省を活かして今度は落ち口目指して登るが、途中トラバースの怖い場所があり、せっかく50mロープがあるのでここでロープを出す。1ピッチ一杯でスラブの終了点に至り、後続も上がる。
○詰めまで
第2スラブを越えると水は急に冷たくなる。すぐ上の2.5m滝では一応お助け紐を出し、それ以降もいくつかの小滝を快適に越えていくと、ヌメリが酷く藪っぽいゴーロとなる。二俣では、詰める標高差が小さい右を選び、空中写真で見えた筋を狙って楽に詰めようと画策して右往左往したが、時間と体力を浪費するばかりでそれらしき筋は現地では見当たらず、結局ただ藪を漕いで登った。振り返ればなかなかの景色が楽しめるとはいえ、結構辛く、特に梶原は滅入ったようだった。時間もかかって、漸く稜線の池塘に出ると、クロサンショウウオもいる美しい池塘で、周辺の景色も素晴らしく、暫し癒やされる。
○下山(渡渉点まで)
登山道を登るのは面倒だし、景色も十分堪能したので、平標山へは登らず、下山にかかる。平標新道は途中までは景色もよく、登った第2スラブや東ゼンも見え、それなりに楽しめる。降りてくるとただの登山道で面白くなくなるが、滑りやすいと聞いていたがそれほどでもなく、バリバリ下っていくと、1時間半もかからずに朝の渡渉点に出た。
○帰着まで
朝はそれほど遠いと感じなかったが、渡渉点からも意外と長い。とはいえ下り基調なのでまあただ歩けばよく、登山道は終了。林道も結構長くて、林道のカーブがある度に車が見えるかと期待するがなかなか見えず、やんなったころに車に到着。
○解散まで
トイレに寄り、鶴田に運転を交代。8月の万太郎谷ノゾキ沢のときに行こうとしたが、予約で一杯で入れなかった湯沢の「森瀧」へ。駐車場が激狭なので入庫のみ丸山に交代。名物のうどんすき鍋を食べたが、美味しくて量もあって、確かに人気なのも頷ける内容。高速道路は教習以来という鶴田の運転で関越を走り、梶原を自宅近くまで送り届けた。
■備考
・2級上と聞いていたが、易しめの2級上という印象。
・登れない滝には明瞭な巻きの踏跡がある。
・第1スラブより第2スラブの方が傾斜が強いという記録を多く見たが、そのような印象は受けなかった。第2の方がゴツゴツしていた。
・駐車場にて単独で西ゼンに入るという男性1名と話したが、沢中では人との遭遇なし。下山中、登っていく単独の男性に遭遇。
・ヤマビルなし。
・左俣を登ったほうが良さそう。
■丸山感想
・想像よりは易しい沢だった。
・やはりスラブは好き。
・谷川、巻機、越後三山のスラブ系沢に行きまくりたい。
■丸山コメント
・2人とも、標高差1200mもある日帰り山行を、それほど疲れる様子もなくやりきったのは期待以上でした。スピードもそれなりなので、殆どの日帰り沢は問題なさそう。
・余計なものを沢に持っていくのはやめましょう。2Lの水とか。
・梶原のお好みではない沢だったようでごめんなさい。
・一方鶴田はかなり気に入ってくれたようで良かったです。また似たような沢に行きましょう。
・バスも検索できる乗換案内アプリを使いましょう。
■反省
?詰めで迷走した。
■鶴田感想・コメント
・行く前からスラブに慄いていたが、ラバーソールに慣れて以降は思いの外楽しめた。フリクションの効き具合に感動して怖さを忘れていた。
・とはいえ相変わらず外岩やジムではスラブに苦戦しそう。自分の登攀力が上がった訳ではないので。
・薮漕ぎの煩わしさに慣れてきている自分に戸惑う。
・景色がとてもきれい。上越の山々に心惹かれている。来年は特に越後三山に行きたい。
・準備不足のためフェルトソールの沢靴、2Lの水を背負って登る運びとなった…。愚か。
・お疲れ様でした。個人的には沢モチベが高まるくらい楽しかったです。
■梶原感想・コメント
・1人戻って熊に遭遇するのが嫌で遡行したが、ノーロープのスラブはやはり怖いので好きではない。
・藪漕ぎでは心が荒んだが、下山は思ったより楽だった。
・景色は最高に良かった。
・バス検索用のアプリ入れました。