2019/10/16 マチガ沢遡行・東南稜登攀
山岳愛好会雷鳥・ぶなの会 計画書 (10/15提出)
【マチガ沢遡行・東南稜登攀】
作成者:丸山
■日程 2019/10/16
■山域 谷川連峰
■在京本部設置要請日時 当日 20:00
■捜索要請日時 翌日 10:00
■メンバー
L丸山 迫野
■集合・アプローチ
10/15 22:00 上野毛駅バス停(環八北行方面)
湯檜曽附近で前泊後、土合周辺駐車スペースへ
■ルート
マチガ沢を遡行し、東南稜を登攀して、登山道で下山
※余裕がなければ東南稜は登攀せず沢筋で稜線へ
※気が向けばロープウェーで下山(17時まで、片道1250円)
■予定時間
駐車スペース-0.5h-マチガ沢出合-1h-入渓-2h-四の沢出合-4h-オキノ耳-3h-駐車スペース (計10.5h)
■山行中の留意点、危険箇所、安全対策等
・滑落、落石、浮石、岩剥がれ
・滝を無理に登らない
・普段とは違うアルパインのロープワーク
■エスケープルート
引き返すか、そのまま進むか、枝沢で西黒尾根に詰める
■遡行図
http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/page062.htm#%E3%81%9D%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%9A
■共同装備
救急箱(丸山私物):丸山
50mハーフロープ:丸山、迫野
ハーケン8枚(ブレード7、アングル1):丸山
クイックドロー計6:丸山、迫野
ハンマー:丸山、迫野
テント:丸山
長スリング計6:丸山、迫野
短スリング計4:丸山、迫野
環付カラビナ計8:丸山、迫野
カラビナ計15:丸山、迫野
小さいカム3:丸山
ボールナッツ1:丸山
■個人装備
□ザック □ヘッドライト □予備電池 □雨具 □防寒具 □飲料 □非常食
□行動食 □ゴミ袋 (□軍手・手袋)(□トイレットペーパー)□コンパス
□筆記用具 □計画書 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む)(□学生証)
□運転免許証 □保険証 □現金 □ライター □常備薬 □ナイフ □笛
□地理院地図 □遡行図
□地理院地図をキャッシュ済の地図アプリが入ったスマートフォン
□沢靴(ラバーソール)□クライミングシューズ □ヘルメット □ハーネス (□たわし)
□確保器・下降器 (□登高器) (□ゴーグル)
□エマージェンシーシート □シュラフ □マット □お助け紐
■遭難対策費(雷鳥)
100円×2人 計200円
■備考
・日の出(10/16) 5:52
・日の入(10/16)17:08
・沼田警察署0278-22-0110
・群馬県谷川岳遭難防止条例に基づき、計画書は谷川岳ベースプラザに提出予定
マチガ沢遡行・東南稜登攀記録
作成者:丸山
■日程 2019/10/16
■山域 谷川連峰
■天候 晴れ時々霧
■メンバー
L丸山(35/OB)、迫野(35/D1)
■総評
時々ガスはかかったが、谷川連峰の代表的な沢を遡行し、代表的な山にも登れて充実した。初のアルパインクライミングとして楽しみにしていた東南稜がヌメヌメで不快だったのは期待外れだったが、下山の西黒尾根は想像以上に良かった。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2071720.html
■時間
6:01 出発
6:14-20 登山指導センター(計画書提出&トイレ)
7:10-27 入渓点で遡行準備
7:54 通常の入渓点
11:13 東南稜取り付き点
14:26-36 オキノ耳
14:48 トマノ耳
16:04 ラクダの背(1516m峰)
17:28 国道に出る
17:39 帰着
■ルート概況(敬称略)
※滝の落差等は自作遡行図に基づく。
※ラバーソール推奨。
※令和元年台風19号襲来4日後の状況。
○アプローチ
・土合霊園地の手前に無料駐車場あり。
・登山計画書は登山指導センターで提出可能。
・巌剛新道の下部は道が沢のようになっていた。
・960m地点でマチガ沢が近づき、楽に入渓できる。
○マチガ沢
・ゴルジュが始まるまでは美しい景観を楽しめる癒やし系。滝はIII程度まで。
・ゴルジュ最初の3段12m石積滝は登る気が起きず、左から巻く。
・次の2段6mCS滝は右から(IV-)、その上の3mCSは中央を登れる(III+A0)。まとめて左から巻けるが、草付のトラバースがやや悪い。
・その後も登れるか快適に巻ける滝が続き、小さいインゼル状となる。
・インゼルの上流端にある幅広の10m滝は残置が多く、様々なルートがあるようだが、中央部がIV程度。滝上で水量の多い四ノ沢が3:1で出合うが、本谷は右。
・非常に急で沢全体が滝のような沢を登っていくと、右側に残置スリングの垂れる岩壁が見つかり、その周辺が東南稜の取り付き点。
○東南稜
・登攀ルートは様々なバリエーションがあるようで、あちこちにハーケンが打たれ、残置スリングが下がっている。くぐれる岩の右側からも左側からも登れそう。右側のルンゼ状が通常のルートのようだが、ヌメリが酷く、A0を交えてのクライミングとなる。易しいところを選んで登るとルートは屈曲するのでロープの流れに注意。50mロープ一杯で2ピッチ登るとルンゼから小尾根に出るが、核心は終わっており、その後はしばらくはロープの必要性は感じられない。途中にV字状切れ込みがあり、ここだけはロープが欲しくなる。その先は、軽い藪を適当に漕いで登るとオキノ耳山頂附近に出る。
○稜線
・眺望の優れた登山道。人が多い。
○西黒尾根
・途中までは好展望、途中からはただの登山道。普通に整備されているが、下部はややぬかるんでいた。
■行動記録
◯マチガ沢
・入渓点にて、迫野のヘルメット忘れが判明。無駄に着てきていた綿入りのズボンをターバンのように巻くことになった。
・山頂附近にはずっと霧がかかっており、早く晴れてくれないかとずっと思いながら遡行した。
・ゴルジュの2つ目の2段6mCS滝は、登れなそうだと判断して迫野が巻き始めたところで丸山が直登できることに気付き、巻きと直登に分かれてお互いが見えなくなった。あまり良くなかった。
・ゴルジュ出口の10m滝は、丸山がノーロープで登った後お助け紐を出そうとしたが、長さが足りず、残置ボルトでセルフを取り、メインロープでボディビレイした。
◯東南稜
・東南稜は、全ピッチ丸山がリード。くぐれる岩の右側から登り、2ピッチで小尾根に出た。そこからもう1ピッチ続けたが、あまりに易しいので馬鹿馬鹿しくなり、そこでロープをしまったが、途中でV字状に切れ込んだ岩場が出てきたので再びロープを出し、ロープ長20mくらいはビレイして登った。登っている途中でガスが上がってきて完全に霧に包まれ、残念な気分になったが、もたもたしているうちに晴れてきて嬉しくなった。
◯稜線
・谷川連峰には何度も来ていたが、主峰とも言えるオキノ耳は初めてで、充実感があった。百名山7座目。
・稜線から見る東南稜は立っていて、これを登るというのはいかにも凄そうに見えるが、実際は大したことなかったなぁ、と思う。
◯下山
・ロープウェー下山と迷って西黒尾根を選択したが、途中までの景色はかなり良かった。また、岩場があるのも飽きずに良い。ただ、迫野の足への負担は大きかったようで、足が攣ってペースは上がらず、日没後下山に。
・遅くなったので、国道に出た時点で下山連絡。迫野と分かれて走って駐車場に戻り、ゲートまで車を回して時短を図った。
■備考
・下部も美しいナメがあり、足の揃ったパーティなら下部からの遡行を薦める。
・不快な藪や面倒な高巻は一切なく、快適な沢。
・沢自体は2級上?3級下程度の難易度。
・東南稜は、アルパインクライミングとしては微妙。ヌメヌメで不快だったが、台風による増水もあったかもしれない。
・マチガ沢の後に西黒尾根を下ると、登った沢が非常によく見えて感慨深く、お薦め。
・紅葉シーズンとあって、平日の遅い時間にもかかわらず稜線では10名程度の登山者と遭遇した。
・ヤマビルなし。分布がどんどん広がる丹沢と、谷川流域から広がらない谷川連峰との違いは興味深い。
■CL感想
・マチガ沢は、沢登りとして、もっと訪れられて良いルート。
・マチガ沢東南稜は、アルパインクライミングデビューとしてはあまり良くなかった。
・西黒尾根は好展望が長く続き、スラブ帯もあって、期待以上に良かった。
・やはり、ゆくゆくは一ノ倉沢を。
■丸山コメント
・集合場所はきちんと確認して下さい。苦手意識があるならなおのこと慎重になる必要あり。
・足の攣りには漢方薬の芍薬甘草湯がよく効くと言われる。攣りやすい人は常備しておくべき。
・忘れ物に注意。
■反省
-下の方から遡行開始したこと、アルパインクライミングの慣れないロープワー
ク、無駄な3ピッチ目、迫野が足を庇ったことによるペースの上がらない下山等
により、日の入後の下山となった。ライトはぎりぎり不要だった。
-迫野がヘルメットを車に、丸山がSDカードを会社に忘れた。
+混みやすい沢と山なので、平日を狙って行った。
■迫野コメント・感想
・ヘルメットを忘れたのは大反省だが、ズボンターバンのおかげで岩に頭をぶつけても痛くなかった。何か被るのと被らないのでは大違い。
・ターバンを被るとインド人の血が騒いでついつい歌って踊りたくなってしまう。
・ずっと見晴らしがよく解放的で実に私好みの沢だった。
・ロープウェイ乗りたかった。