2020/1/26 六ツ石山・イソツネ山

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
六ツ石山・イソツネ山山行計画書 ver.1.0
作成者 橋本

■日程 2020/1/26 朝発日帰り 予備日なし
■山域 奥多摩
■在京本部設置要請日時 2020/1/26 20:00
■捜索要請日時 2020/1/27 9:00

■メンバー(2名)
L 橋本 鶴田

■交通
□行き
新宿05:38〜06:16立川06:21〜07:37奥多摩
※遅れた場合
新宿06:46〜08:21奥多摩など

□帰り
境橋13:16/14:12/15:11/35/16:02/29/17:21/18:30/19:04/44/20:24(終)〜奥多摩行
※エスケープ時
上記のバスはいずれも6分前に水根バス停を発車する。

■行程
奥多摩駅〜1h〜大沢〜3h〜六ツ石山〜3h〜イソツネ山(846mピーク)〜0.5h〜境橋
計7.5h

■エスケープルート
引き返すか、そのまま進むか、水根や境橋へ登山道で下山

■共同装備
救急箱(橋本私物):橋本

■個人装備
□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □地図!
□コンパス! □レスキューシート □筆記用具 □計画書 □遭難対策マニュアル(緊急連絡カード含む) □学生証 □保険証 □現金
□軽アイゼンorチェーンスパイク□常備薬 (□日焼け止め □帽子 □カメラ) □GPSを起動したスマートフォン

■遭難対策費
100円/人 * 2人 = 200 円

■悪天時
前日夕方までに判断

■備考
日の入17:04(1/26奥多摩)
日の出6:48(1/27奥多摩)
読図トレーニングが目的のため、多少ルートロスしてもGPSを使わない。

六ツ石山・イソツネ山山行記録
文責: 橋本拓,鶴田
作成日: 2020年2月13日

■日程 2020/1/26(日)
■山域 奥多摩
■メンバー(計2人)
L橋本拓, 鶴田

■総評
バリエーションルート(登山道のない尾根歩き)だが,ロープを使うような危険な場所はなく,進行方向や斜度の変化に富んでいるため常に地形を読み取る練習ができる。
夏は藪漕ぎになり辛いようなので,秋〜春に読図の練習をしたい時におすすめ。

■時間
9:56 取り付き
12:47 六ツ石山
14:54 イソツネ山
15:46 境橋バス停

■行動記録
□奥多摩駅〜取り付き〜989ピーク〜狩倉山〜六ツ石山
・日原街道を外れてから取り付き(地図上で「小菅」の左の神社の記号があるあたり)までの標高差が結構あり,分岐も多く意外と大変。
・尾根に乗ってしまえば,あとは尾根上を上へ上へ登っていくだけ。数百mおきに尾根の角度が変わるため,現在地特定がしやすい。
・1452mピークで登山道に合流したが,ちゃんと踏み固められている登山道はやっぱり歩きやすくて,その歩きやすさにちょっと感動した。
□六ツ石山〜1364ピーク〜イソツネ山(846.1mピーク)
・1280mの分岐で東へ入る。この道は地理院地図には載っているが,エアリアでは登山道として掲載されておらず,踏み跡もかなり薄くなっていたので,現在は利用者が少なくなっていると思われる。
・1280m分岐から少し行ったところで,前をちゃんと見ずに歩いていた橋本の左目に小枝が刺さり,痛みとコンタクトが外れたことによる視力の低下で,暫くの間橋本は冷静さを失っていた。そのまま歩き続けたが,注意が疎かになっていたのかルートを外してしまい,少し引き返す。痛みが引いたのでコンタクトを入れ直したら,冷静さを取り戻すことができ,現在地特定をし直して予定のルートに復帰した。

・地形図に記載のある登山道を外れて,イソツネ山のピークに向かうあたりは,尾根が広くなっているので現在地を把握するのが難しい。歩測(どちらか一方の足を前に出した回数を数える方法)を使って,何歩くらい進んだら登り返し/急斜面が来るはずだと考えるとうまくいった。イソツネ山はなんの眺望もない小ピークだが,無事たどり着いた時の達成感は一方ならぬものがあった。

□イソツネ山〜境橋
・イソツネ山から先は,南東方向へ尾根を下った後,急な岩場になる手前で東北東方向の尾根に乗り換えて下山。最後,予定より少し西よりの急斜面を下ってしまい,少し苦労したが,無事に舗装路に降り立った。
・帰りのバスとホリデー快速のダイヤがドンピシャで,下山後2時間半で某所の我が家に帰り着くことができて,地味に嬉しかった。

■橋本コメント
・総評にも書きましたが,読図の練習向きの好ルートなので,そういうのを練習したい人は是非行ってみてほしい。
・ちゃんと前を見て歩く。
・更なる事態の悪化を招きかねないので,冷静さを欠いた状態で行動するべきではない。
・鶴田さん,ニッチな山行に付き合ってくれてありがとう。誕生日プレゼント美味しかったです。

■鶴田コメント
・読図が課題であるのを自覚しつつも、とりたてて改善に尽力することもなく怠惰に過ごしてきました。今回は自分の問題点を再認識する機会となりました。
以下、冗長に過ぎますが、私個人の反省を中心にコメントします。
>>>
まず今回の山行や書籍をもとにルートファインディングの基本をまとめてみる。
(1)行動開始前に先のルート状況を予測する。[尾根の合流点/谷/ピーク/コルなど特徴的な地形、進路が屈曲する地点]などを地形図から読みとり、手がかりとする。
(2)行動開始後、実際のルート状況をよく見て、分岐や進路の屈曲点などを見逃さないように注意する。また、地形図から予測した内容と照らし合わせ、ルート維持できているか確認する。予測と異なる地形であった場合はルートを外れている可能性を疑う。
(3)ルートを見失ったら、自分の行動を振り返ったり、見える特徴物を手がかりとしたりして、現在地を把握する。
(4)コンパスの活用
次に現状、私の問題点を挙げる。
①(1)が不十分。今回地形図上ではルートの状況を先読みできたので、今後意識して取り組みたい。尾根の合流点など目印でルートを区切っていくと予測しやすい。
②(2)において進行方向の数m先や足もとばかり見ていて視野がせまく、特徴的な地形や分岐に気づけない。また、できるだけ遠くまで視線を走らせる癖をつけたい。
③現在地の同定に時間がかかる。「地形図→実際の地形」にそれほど問題はないが「実際の地形→地形図」が極端に苦手というか。今回橋本くんに教えてもらう中で実際の地形が地形図上でどのように反映されているのか理解が深まった。
④大まかな距離を把握できていない。例えば「前の地点からだいたいどれくらい歩いたのか」「◯m程度緩やかなルートが続いている」といった内容に意識が及んでいない。
上記(1)~(4)を繰り返し、経験を積んでいきたい。

・その他反省点。地形図と実際の状況の相違に違和感をもったものの、すぐに立ち止まれなかった。等高線の幅が広い割に急な斜面だと思っていたら、案の定ルートを外れていた。
・地形図から細かく読み取ろうとすると1/25000地形図では小さい。
・橋本くんが試みていた歩測の有用性に驚いた。目的地までの距離、現在地を把握するのに役立つと知る。
・下降時は尾根が広がっていくので迷いやすい。コンパスで進行方向を確認しながら慎重に行動する。また、複数の尾根が派生する箇所では尾根の下り間違いに注意する。
・色々とサポートしてくれた橋本くんに感謝します。新しい気づきに満ち、とても楽しい山行でした。

以下、雑感
・新緑も良いですが冬木立も好きです。枝ばかりになった木々が軽やか。足もとは、積み重なった朽葉でふかふかしていたり、ささやかに雪が残っていたり。
・奥多摩駅そばに氷川工場。曇天の下で、年季が入った構造物は寂寥とした雰囲気。配管や建屋が入り組んでいる様は見ていて飽きません。大沢付近では曳鉄線のトロッコも見ましたね。