2021/8/4-5 蝶ヶ岳

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)蝶ヶ岳山行計画書確定版
作成者:加藤

■日程 2021/8/4-8/5(水・木) 予備日なし
■山域 北アルプス
■在京責任者・助言者 新居
■在京本部設置要請日時 2021/8/5 19:30
■捜索要請日時 2021/8/6 9:00
■メンバー(4名)
CL加藤 SL岩瀬 影浦 鈴木

■集合
加藤/鈴木は小梨平キャンプ場で前泊
影浦/岩瀬は5:20上高地BT着のバスで当日着。前泊組と河童橋前で合流して出発

■交通(各メンバーで手段は異なります)
□行き
八王子―(JR中央線松本行)―松本
松本―(松本電鉄上高地線/710円)―新島々
新島々―(アルピコ交通上高地行/2000円)―上高地
□帰り
上高地―(アルピコ交通新島々行/2000円)―新島々
新島々―(松本電鉄上高地線/710円)―松本
松本―(JR中央線新宿行き)―新宿

■行程
○1日目
小梨平キャンプ場-0:50-明神-1:00-徳澤園-3:40-長堀山-0:45-妖精の池-0:15-蝶が岳ヒュッテ(山頂) 
計6:30

○2日目
蝶が岳ヒュッテ-0:25-横尾分岐(-0:25-蝶槍-0:20-横尾分岐)-1:50-槍見台-0:40-横尾山荘-0:50-新村橋-0:20-徳沢園-1:00-明神-0:50-上高地ビジターセンター
計5:55(6:40)
※余裕があれば蝶槍までピストン

■予備行程
A. 1日目の天気を憂慮する場合
〇1日目 河童橋-2:00-徳沢園
[計2:00]
〇2日目 徳沢園-3:40-長塀山-1:00-蝶ヶ岳-3:00-徳沢園-2:00-上高地ビジターセンター
[計9:40]
※徳沢園からはサブザック行動

B.2日目の天気を憂慮する場合
〇1日目 河童橋-2:00-徳沢園-3:40-長塀山-1:00-蝶ヶ岳-0:40-長塀山-2:20-徳沢園
[計9:40]
※徳沢園からはサブザック行動
〇2日目 徳沢園-2:00-上高地ビジターセンター
[計2:00]

■エスケープルート
一日目:徳沢経由で上高地バスターミナルに戻る。
二日目:そのまま進み、上高地バスターミナルへ
※万が一テントが張れなかった場合は横尾に下山。その場合のコースタイムは計(8:50)
※蝶ヶ岳山荘から横尾までは2時間20分。徳沢までは3時間。三股ゲートまで3時間20分。

■テン場・山小屋情報
・小梨平キャンプ場(予約済)‥テント泊1200円/人
・蝶が岳ヒュッテ‥‥テント泊2000円/人, 30張, 090-1056-3455, auは電波入る。
docomo,softbankは安曇野か上高地が目視できる稜線上で電波入る。
水200 円/1L・お湯300 円/1L・お茶400 円/1L
・横尾山荘‥‥‥‥‥テント泊700円/人,100張, 0263-95-2421, 水場あり。
・徳沢キャンプ場‥‥テント泊1400円/人,100張,

■地図
2.5万分の1「上高地」「穂高岳」
山と高原地図「槍ヶ岳・穂高岳」

■食当
0日目夜:各自
1日目朝:各自
1日目夜:影浦
2日目朝:鈴木

■共同装備
ステラリッジ4(本体+フライ):加藤
ステラリッジ4(ポール+ペグ):加藤→鈴木
ステラリッジ1:岩瀬
救急箱(有紗):加藤
鍋(雪月):岩瀬→影浦
調理器具セット(ガジャマダ):鈴木
ヘッド(緑1):岩瀬
ヘッド(緑9):岩瀬
ヘッド(加藤私物):加藤
カート(3つ):影浦・鈴木
カート(私物1つ):加藤
※ステラリッジ4は加藤私物。ステラリッジ1は渡邉私物。

■個人装備
□ザック □ザックカバー □シュラフ □マット □雨具 □防寒具 □登山靴 □替え靴紐 □帽子 □水 □行動食 □非常食 □ブキ □サブザック□着替え(□サブザックカバー)
□コッヘル□ヘッドランプ □予備電池 □ゴミ袋 □トイレットペーパー □ライター □新聞紙 □軍手 □地図 □コンパス
□エマージェンシーシート □筆記用具 □計画書 □常備薬 □学生証 □健康保険証 □現金 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む)
□日焼け止め(□温泉セット) □マスク(□アルコール消毒液)

■遭難対策費
200円/人×4人
計800円

■悪天時
3日の12:00までにCLSL・助言役で判断して連絡。

■備考
※ 下記コロナ対策を遵守する。
※[raicho_all:75]より
1. 遭難などの緊急時を除き、山小屋の使用を控える。
2. 長期休暇中は平日の活動を中心にする。
3. 山頂付近などの人が多いところでは長時間滞在しない。
4. 最大5人程度のパーティーとする。
5. 常に、パーティー内の連携を損ねない範囲で十分に距離を取る。
6. 三密を回避できない状況ではマスクを着用する。(電車内、混雑した登山道、頂上周辺等)
7. 水や食料は事前に購入しておき、登山山域での買い物を控える。また、下山後の会食も控える。
8.テント内の人数は定員の半分程度とし、余裕をもって使用する。
9. メンバー全員が2週間前から当日朝まで毎日検温して担当者に提出。少しでも風邪の症状がある場合は参加を控える。
10.メンバー全員が 2週間前から行動記録をとって担当者に提出。 
(9.10については担当者が管理し、必要があれば提出できるようにしておく)

□日の出日の入
8/3日の入り(上高地)18:53
8/4日の出(上高地)4:58

□登山届提出先
コンパス https://www.mt-compass.com/ :提出済
大学(東大) :提出済

□東大連絡先
・教養学部学生支援課 ※開室9:00~16:50(平日)
03‐5454‐6074
shien-team.c(at)gs.mail.u-tokyo.ac.jp
・駒場正門守衛室  ※常時対応可
03-5454-6666

□警察
 ・松本警察署 0263-25-0110

蝶ヶ岳山行記録
作成:加藤

■日程 2021/08/4-5(水-木)
■メンバー
CL加藤(41/B3) SL岩瀬(40/B4) 影浦(42/B2) 鈴木(43/B2) 

■オーダー
一日目:加藤、影浦、鈴木、岩瀬
二日目:影浦、鈴木、加藤、岩瀬

■天候
1日目(8/4) 晴れ
2日目(8/5) 晴れ

■タイムスタンプ
□1日目
5:45 河童橋
6:28 明神館 
6:33 明神館発
7:17 徳沢園 
7:33 徳沢園発
10:39 2480m地点付近
10:49 2480m地点付近発
11:10 長塀山
11:20 長塀山発
11:42 妖精ノ池
11:47 妖精ノ池発
12:00 蝶ヶ岳

□2日目
5:34 蝶ヶ岳山荘
5:53 分岐
5:59 分岐発
6:07 蝶槍
6:33蝶槍発
6:39分岐
6:51分岐発
8:56 横尾
9:09 横尾発
9:55 徳沢園
10:17 徳沢園発
11:01 明神
11:18 明神発
11:57 河童橋


■記録
0日目(加藤)
鈴木君の最寄り駅である八王子駅で合流し、松本駅行きの電車に朝6時半ごろに乗り込んだ。松本駅到着予定は10時17分なので、同じ電車に約4時間揺られなければならない。鈴木君は文庫本を持ってきていたが、僕は読みたいものが特になく本を持ってこなかったので、バッテリーを消費してしまう事と引き換えにアマプラで映画を見て時間をつぶすことにした。某福山が父親になる映画は、のどかな夏の信州の景色を眺めながら見るのには無難だった。
どの駅だったかわからないが、長野と山梨の県境あたりで、中学生の集団が乗ってきた。電車に乗って松本へ出て買い物をしようとする彼らは、全力で夏休みを楽しんでいるようでとても輝いていた。
映画を一本みてしまえば鈍行の移動もそれほど苦にはならず、気づけば「まつもと~↑」の独特なアナウンスが流れるホームに到着。それぞれ装備に若干の不備があったので、輝きを放つ中学生達についていってパルコの好日山荘にお邪魔した後、松本駅舎の山賊焼きの店へ。

山賊焼き定食を注文したのだが、この山賊焼きの量がなかなか厄介だった。二人前ではないかと疑う量の多さに後半はフードファイトと化し、加藤は焦って食べたために盛大に口の中を火傷してしまった。もちろん味は美味しかったのでそれなりに満足だったが。

昼食を終えると電車の出発時間が近づいていたので、上高地線の新島々行き電車に乗り込んだ。車内は上高地の観光客や登山客ばかりかと思っていたが、部活帰りの高校生など住民らしき人も多く、それなりに生活の足としても使われているようだった。
一年生の8月以来、二年ぶりの松本・信州。車窓からはのどかな田んぼとその奥に標高の高い山々が見え、鹿島槍や燕の思い出がよみがえって感傷に浸っていた。鈍行に揺られながらゆっくり山を目指すのも、ごくたまには悪くないかもしれない。
電車から新島々でバスに乗り換え、さらにさわんど温泉で上高地バスターミナル行のシャトルバスに乗り換える。午後から少し河童橋を観光するだけの人も多いようで、バス内は満員になっていた。バスは釜トンネルを抜けて上高地に入り、14時過ぎにバスターミナルへ到着。

登山を始めたきかっけとも言える上高地。来るのは10年ぶりだったが、穂高連峰・焼岳と梓川、そこにかかる河童橋と全く変わらない姿に安心したし、やっとこれた!という思いだった。上高地に来ただけで今回の山行の目的を8割達成したと言っても過言ではない。と勢い余って書いてしまったが流石にこれは嘘で、この山行のメインはもちろん蝶ヶ岳稜線である。
今回初めて利用した小梨平キャンプ場も、梓川沿いから穂高連峰が見渡せ、場内にも透き通った水の小川が流れるという最高のロケーションだった。旅行でも利用したいし、Wi-Fiさせあれば住みたい。実際に10連泊以上している人も少なくないようで、近くにテントを張っていた欧米人夫婦も、日の出の時間に起きて梓川沿いに椅子を持って行き、朝焼けに染まる穂高連峰を見ながら朝食をとる毎日を過ごしているようだった。最高。

さて、テントを張って時間が余ったので再度河童橋へ。橋の下の日陰で黄昏ながら、水切りをしてみた。僕も鈴木君も二人とも水切りはほとんどしたことがなかったのだが、僕は今までの最高記録1回から4回以上までできるようになり、鈴木君も何回かできるようになるという、大きな進捗を生むことができた。4回は全然大したことがないのではないかという批判を受けたが、梓川の川幅を考えれば仕方ないと言い訳しておきたい。
夕暮れになったのでキャンプ場に戻って湯を沸かして夕飯を食べ、食料を全て熊対策コンテナに格納して就寝した。

1日目(鈴木)
上高地の小梨平キャンプ場で前泊をしていた私と加藤さんは朝食をとり、テントを撤収し、荷物の整理をして、5時20分到着の夜行バスで来た影浦くんと岩瀬さんと5時半頃河童橋近くで無事合流した。雲一つない快晴であったため、河童橋から見る北アルプスの山々の景色がとても映えていた。そこで共同装備の受け渡しや靴紐の結びなおしを行い、5時45分頃明神へ出発した。
小梨平キャンプ場から明神までの道は非常に平坦だったので、楽に歩くことができた。私は影浦くんと初対面だったので自己紹介をし、横浜の異質さ(?)について話しながら歩いていると、6時25分、明神に到着した。小休憩をはさんで、6時35分、徳沢園へ出発した。
明神から徳沢園への道もこれまた非常に平坦で、距離が長いだけで楽に歩けた。第二外国語についての話が盛り上がり、きれいな山並みを左に見ながら歩いていると、7時20分、徳沢園に到着した。ここで夜行バス組は朝食をとった。地図でルートの確認をし、長塀山までのルートで徳沢園からの登り始めが一番急な登りであることを確認した。オレンジ色の玉ねぎの形をした常設のテントを横目に、7時35分、長塀山へ出発した。
長塀山への登山の前半は、徳沢園での休憩中に確認した通りかなりの急登だったが、皆元気があったので、ドラマの「相棒」や「ガリレオ」の話で盛り上がりながら歩いていた。長塀山への登山の後半は、前半の登山道より少しなだらかだったが、皆疲れてきてあまりしゃべらず、黙々と歩き続けた。長塀山までは合計4回の小休憩をとって、11時9分、長塀山に到着した。長塀山の山頂は周りを木々で囲まれており、眺望がほとんどない。そのため水分補給や行動食を口にして、11時19分、妖精の池へ出発した。
妖精の池までのルートの途中で小さな池を1つ見かけた。池の周辺にはいろいろな花が咲いており、特にオレンジ色の花がきれいであったが、肝心の池は黒く濁っており、醤油ラーメンを食べた後のスープの残りのようであった。妖精の池をこんな感じなのかと思いながら歩いていると、11時43分、妖精の池に到着した。案の定、妖精の池も先程の池と同様に醤油ラーメンのスープみたいであった。特に見る要素がなかったので、短めの小休憩を取り、11時47分、蝶ヶ岳へ出発した。
蝶ヶ岳への登山道の途中で森林限界を越えて、道の周りはハイマツだらけになった。そして、12時3分、蝶ヶ岳に到着した。
蝶ヶ岳到着当初、周辺が雲に覆われていたため、眼前にそびえたつであろう北アルプスの山々はほとんど見えなかった。しかし、10分ほど待っていると北アルプスの山々にかかる雲の多くがなくなり、きれいな山並みを見ることができるようになった。だが、いまだに槍ヶ岳は見えない。さらに5分ほどその場で待機したが、見えるようにならなかった。岩瀬さんの高校の先輩曰く、「山はツンデレ」(?)らしい。
そこで先にテントを立てることにした。前日に設営するのに悪戦苦闘したテントを立て、その後の予定について確認した。蝶ヶ岳ヒュッテで何か食べ物を食べようということで、皆で蝶ヶ岳ヒュッテへ行き、3人はおはぎを、1人はおでんを食べた。私はおはぎを食べたのだが、東京で食べる一般的なおはぎと違って周りにきな粉がついており、さらに温かく、とてもおいしかった。食事も終わって蝶ヶ岳ヒュッテから出ると、雲が少し消えており、眼下に安曇野市街がきれいに見えていた。その後、蝶ヶ岳ヒュッテ近くの展望台のような場所で北アルプスの山々を見ていたが、一向に槍ヶ岳は見えてこない。その場にずっといると暑かったので、日陰を探し回ったり、持参したトランプでババ抜きや七並べをしたりして時間をつぶしていると、槍ヶ岳が見えているということで、急遽先程いた展望台のような場所に行った。すると槍ヶ岳の鋭くとがった山頂が見えているではないか…。私は初めて槍ヶ岳の山容を見たのだが、あれは「槍」という名に恥じない立派なトンガリであった。槍ヶ岳の圧倒的な存在感に感動するのと同時に、先程聞いた「山はツンデレ」という格言(?)はあながち間違いではないのではと思った。
景色に見とれていると、時間が過ぎるのもあっという間で、夕食を作り始める予定の4時になった。食当は影浦くんで、夕食はカレーであった。ニンジンを大きく切りすぎたり、水で戻す高野豆腐の量を間違えたりとハプニングはあったものの、岩瀬さんが上手に米を炊いてくれたおかげもあって、カレーをおいしく食べることができた。食器や鍋などの後片付けをしていると、急に黒い雲が上空を覆い始めた。みそ汁のもとを持参していた私と岩瀬さんは急いでお湯を沸かし、みそ汁を飲むことにした。カレーを作った鍋でお湯を沸かしたので、カレーの風味が味噌を凌駕するのでは、と少し心配しながらも、味噌の力を信頼してみそ汁を飲んでみるとやはり味噌の味が勝っていた。味噌の偉大さを実感した瞬間であった。
一雨来るかもしれないと思い、急いでテントに戻ったが、幸運なことに雨は降らなかった。テントの中では、明日の朝食の準備をしたり、シュラフを出して寝る準備をしたりしながら日没を待った。19時頃日没だったので、18時50分頃に蝶ヶ岳の山頂に登ってみると、赤やオレンジに染まった雲と緑色の山々のコントラストがとても美しく映えて見えた。また、天狗岳の山行の時にも見た「半薄明光線」をまたもや見ることができ、感慨深かった。これだけでも登ってきたかいがあると思える景色であった。きれいな夕焼けを見終わった後は寝るだけであったので、明日のご来光を拝むためにも19時半頃には全員床に就いた。

2日目(影浦)
・蝶ヶ岳ヒュッテ
3:00頃起床。結局夜の間も雨は降らなかったようだった。テントの外を出ると満点の星空が広がっている。1週間後に極大のペルセウス座流星群が活動していたのか、自分は流れ星も見ることができて大満足だった。朝の食当は鈴木くんで、塩ラーメンを作ってくれた。温まることもできてとてもおいしかった。
テント撤収後は山頂に移動し、日の出を待つことにした。すでに東側は雲海が明るくなってきていて、西側は槍穂連峰がはっきり見える。日の出が近づくにつれて槍穂側の空も徐々にピンクに染まり始め、皆絶景を堪能していた。先輩2人は奥の方に水晶岳や鷲羽岳が見えるという話をしていたが、私は全然わからなかった。ついに日が出ると一気に東側からガスがかかり、槍穂もかすんでしまった。その後はガスが出たりまたきれいに晴れてモルゲンロートが見えたりといった様子だったが、加藤さんと岩瀬さんはジャンプで、鈴木くんと私は槍ポーズ(?)で写真をとったりして山頂の時間を満喫できた。さらに、なんと山頂のすぐ近くで子連れの雷鳥の姿を見ることができた。雷鳥を見るのは初めてだったが、話に聞く通り近づいたり写真を撮ったりしても全然逃げようとする気配がない。まさかここで出会えるとは思っていなかったのでとてもうれしかった。

・蝶ヶ岳ヒュッテ~横尾山荘
横尾までの下山は私が先頭を歩くことになった。まずは横尾分岐まで進み、サブザックで長槍を往復したが、往復45分というコースタイムにしてはだいぶ早く長槍まで到達できた。稜線上で比較的道がわかりにくかったが、蝶槍の手前で巻くルートがあり、先輩の指摘がなければ巻いて上り返す羽目になるところだった(実際後続の登山者はそちらを通ってしまったようだった)。こちらでも槍穂の景色を見ることができ、常念方向も一望できた。長槍で話していると、私の高校の部活の2個上の先輩が岩瀬さんと同クラであったことが判明した。
横尾分岐まで戻り、名残惜しいが稜線を去ることにする。少し下るとすぐに樹林帯に入り、その先は一本調子の急坂になっている。途中、上りの登山者にも何人かあったが、徳沢からのルート以上にきつそうだと思った。樹林帯を歩いていると、しばらくして鈴木くんが足を軽くひねってしまったようで、靴紐を結び直して再出発。標高が下がるにつれ、どんどん気温・湿度が高くなっていく。休憩のときはまだ大丈夫だが、下山中は本当に暑い。そのまま下山しているとベンチと開けた場所が見えて、あれが槍見台に違いないと休憩。ここから約30分横尾まで頑張ろうというところで、地図を見ていた加藤さんから「ここはまだ槍見台ではないのでは」という指摘が。20分ほど歩くと本当の槍見台にたどり着き(槍は雲で見えなかった)、そのまま横尾まで下りた。

・横尾山荘~上高地
最初からわかってはいたが、やはりこの下山から3時間の平坦な道がしんどい。あと少しと自分に言い聞かせながら徳沢、明神と進んでいく。途中、徳澤園で加藤さんがアイスクリームを買い、それにつられて岩瀬さんも買いに行っていた。川沿いの日陰で思ったほど暑くなかったのだけが救いだった。ようやく上高地に到着するとちょうど12時ごろ。鈴木くんと加藤さんは温泉に入ってから遅いバスで帰るようだったが、岩瀬さんと私は直後のバスで東京へ出発。汗をかいていたので本当は温泉に入りたかったのだが、泣く泣く着替えだけして乗車した。目立ったトラブルもなく景色を満喫できて大満足の山行であった。


■感想・コメント
□加藤(CL)
・天気も良く、期待していた稜線から穂高連峰への景色を満喫することができてよかった。
・しっかりとしたテント泊装備で山に登るのは久しぶりだったので、上りも下りもかなり疲れた。体力のみならず、筋力の維持も重要だと痛感した。
・下山中は自分も含めてパーティー全体としてバテ気味だったが、早く横尾まで降りてしまいたいという気持ちもあり、やや急ぎ目で降りてきてしまった。下りは事故が起きやすい上に、無理してついてきている人がいても気付きずらいので、もう一段階注意して休憩を入れたりペースを落とすように言う必要があったと思う。
・全体的につい岩瀬さんに頼ってしまいがちなので、体力・技術面でももっと成長が必要だと感じました。
・テン場の高校生達が眩しかったです。
・水切り上達しました。

□岩瀬(SL)
・反省点として歩くスピードにはより一層の配慮を心がけたい。集中力が切れた時などの休憩や行程中の休憩の配分など、下りの際は特に各メンバーの様子を見ながら行っていきたい。
・テント場が稜線上の、しかも山頂の直下ということもあって、日没と日の出の槍穂は写真では収めきれない圧倒的なパワーだった。空の様子が1秒ごとに変わっていったことや高校生たちがそれを体を揺らして喜んでいる姿も印象的だった。暑く辛い思いをして登り、下る、その営みは非生産的だ。あちらの方へ行けば違う景色が見られるかもしれないという不確定な望みで歩を進める。そういう営み自体が楽しい。それに、景色、体験、時間と空間を仲間と共有できる、仲間がいるからこそ一人の時間も楽しめる、そういうことにも山登りの楽しさを僕は見出しているんだと、仲間の命日を前に改めて感じた。今回の山行にも彼が一緒に来てくれていること、そしていつか今回の景色を分かち合えることを信じて。


□鈴木
・山行中ほぼ全てで晴れていたので、とても美しい景色を見ることができて良かった。また、幸運にも雷鳥の親子を初めて見ることができて感動した。上高地での水切りや外来温泉の入浴も楽しく、最高の山行になった。
・朝食を作っている間、2回もヘッドライトについて注意されてしまった。次回の泊まり山行以降は、他人のテントに向けてヘッドライトの光が当たらないように、ヘッドライトの向きや光量などに十分に気を付けたい。
・1日目の夕食の材料となる具材が少し分厚く切ってあったため、火が通るのに時間がかかった。自分が食当になり、何か食材を持参する際には薄く切って調理をしやすくすることを心掛けたい。
・下山時、個人的に速度が少し速いと思ったが、先頭のメンバーについていけてしまったため、何も言うことなくただ付いて行った。無理に前の人に付いて行って途中で怪我などをしたらほかのメンバーに迷惑をかけてしまうので、歩く速度が速いと思ったら、遠慮なくそのことを伝えるべきだと思った。

□影浦
・自身でも久しぶりで雷鳥では初めての泊り山行だったが、槍穂連峰の絶景や雷鳥に巡り合うことができ、天候もよく充実した山行だった。一緒に登った3人にはお世話になり、本当に感謝している。
・1日目の登りはコースタイムと比べて早いわけではなかったが、かなり疲れてしまったので、体力づくりに取り組みたい。
・1日目夜の食当だったが、分量や作り方などに問題があって先輩方にかなり手伝ってもらってしまったので、しっかり作れるようにしたいと思う。