2021/9/29 雄山ハイク

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
雄山ハイク計画書確定版
作成者:渡邉

■日程 2021/09/29(水) 日帰り・前夜泊
■山域 立山
■在京責任者・助言役 橋本
■在京本部設置要請日時 2021/09/29 18:30
■捜索要請日時 2019/09/30 9:00
■メンバー(2人)
CL渡邉 SL河野
■集合
立山駅 7:30

■交通
□行き 電車賃+3160円
立山07:40(8:00)-立山ケーブルカー-美女平7:47(8:07) 960円
美女平8:20-高原バス-室堂9:10 2200円

□帰り 電車賃+3160円
室堂(14:00/14:40/15:20/16:00/16:30)-高原バス-美女平(14:50/15:30/16:10/16:50/17:20)
美女平(15:00/15:20/15:40/16:00/16:20/16:40/17:00/17:30)-立山ケーブルカー-立山(15:07/15:27/15:47/16:07/16:27/16:47/17:07/17:37)

■行程
富山県山のグレーディングピッチマップ「03雄山→真砂岳」と同一のもの(URL→https://www.pref.toyama.jp/documents/8176/01399304.pdf)
室堂-0:10-室堂平-0:30-祓堂-0:20-一ノ越-1:10-雄山-0:20-大汝山-0:15-富士ノ折立-0:25-2855m地点-0:10-真砂岳-0:10-2855m地点-1:20-雷鳥平-0:40-らいちょう温泉雷鳥荘-0:20-みくりが池温泉-0:10-室堂
計6:00

■エスケープルート
大汝山まで:室堂へ引き返す 大汝山から:そのまま進む
※前日までの疲れも加味して、全く無理せず行けるところまでだけ行くという姿勢で山行を行う

■共同装備
・救急箱(苺) :渡邉

■個人装備
□サブザック □サブザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □帽子 □水 □行動食 □非常食
□ロールペーパー □ライター □新聞紙 □ゴミ袋 □軍手 □地図 □コンパス □筆記用具 □計画書
□遭難対策マニュアル(緊急連絡カード含む) □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □日焼け止め □タオル □エマージェンシーシート
□マスク(□アルコール消毒液)
※前日までの大ザックは室堂のロッカー等にデポ

■地図
山と高原地図:「37劔・立山」
2万5千分の1地図:「立山」
■遭難対策費
100*n円
■悪天時
前日中に判断

■日の出日の入(大汝山)
日の入9/28 17:46
日の出9/29 5:33

■各種連絡先
上市警察署 076-472-0110

□登山届提出先
・東大教養学部学生支援課
・コンパス https://www.mt-compass.com/

□東大連絡先
○教養学部学生支援課 ※開室9:00~16:50(平日)
 Tel: 03-5454-6074 Mail: shien-team.c(at)gs.mail.u-tokyo.ac.jp

○駒場正門守衛室 ※常時対応可
 Tel: 03-5454-6666

■備考
富山県山のグレーディング 雄山→真砂岳 3B  https://www.pref.toyama.jp/documents/8174/01399295.pdf

■コロナ対策 ※[raicho_all:75]より
1. 遭難などの緊急時を除き、山小屋の使用を控える。
2. 長期休暇中は平日の活動を中心にする。
3. 山頂付近などの人が多いところでは長時間滞在しない。
4. 最大5人程度のパーティーとする。
5. 常に、パーティー内の連携を損ねない範囲で十分に距離を取る。
6. 三密を回避できない状況ではマスクを着用する。(電車内、混雑した登山道、頂上周辺等)
7. 水や食料は事前に購入しておき、登山山域での買い物を控える。また、下山後の会食も控える。
8.テント内の人数は定員の半分程度とし、余裕をもって使用する。
9. メンバー全員が2週間前から当日朝まで毎日検温して担当者に提出。少しでも風邪の症状がある場合は参加を控える。
10.メンバー全員が 2週間前から行動記録をとって担当者に提出。
(9.10については担当者が管理し、必要があれば提出できるようにしておく)

2021/09/29 雄山ハイク記録
作成者:渡邉
□総評
立山では非常に人気のある,難所は特段ないコースであり,その一番紅葉が美しい時期に訪れることが出来た。記録を書いていてもその美しさは中々言葉にしづらいのでもどかしいのだが,また近いうちに必ず訪れたい。

□メンバー(オーダーは適宜変更,敬称略)
(CL/B3)渡邉 (SL/B3)河野
□天候
曇り 時々霧雨 時々 晴れ
□タイムスタンプ
7:14 立山駅
8:50(臨時) 立山駅発
8:57 美女平着
9:08(臨時) 美女平発
9:58 室堂ターミナル着
10:04 室堂ターミナル発
10:09 室堂通過
11:03 一ノ越着
11:07 一ノ越発
11:57 雄山山頂着
12:25 雄山山頂発
12:59 一ノ越着
13:03 発
13:29 室堂着
13:35 室堂発
13:40 室堂ターミナル着

□記録 文責:渡邉
 前日の薬師岳山行のおまけのような形で計画した雄山ハイク。室堂からの紅葉さえ拝めれば……という節もあったので,2人のどちらかがもういいかなと軽くでも言った時点で,引き返すことにした。実際出発時点では2人の今後の予定的にも,周回かピストンか,6:4くらいの気持ちであった。東の空が朝焼けで紅くなる中,富山駅には虹がかかっている。河野さんと駅で合流したのち,6:07電鉄富山駅発,7:14立山駅着。
 到着してから,私の凡ミスでケーブルカーは事前にweb予約が出来る事を知り,その予約で埋まってしまった為に,当初予定していた7:40の便はおろか,以後数本が既に満員であり,次発が8:50の臨時便になってしまった。その為さっきまで幾分揺らいでいたのに,この時点でほぼ雄山ピストンが決定する。もう少し粘りたかったが,凡ミスしては仕方があるまい……。切り替えは割と早かった。
 仕方がないので1時間ほど駅周辺を散策。下界は晴れ間が割とあり,半袖でも軽く汗ばむ。地理で良く見る常願寺川や,上流に称名滝を有する称名川の川べりをうろつく。称名川は上高地の梓川のようなエメラルドブルーの水を湛えており,水を飲んだり,しばしぼーっとする。ぼくのなつやすみのような穏やかな景色と時間の流れであり,長い長い夏休みも終わる事に思いを馳せる。
その後は臨時便のケーブルカー,高原バスを乗り継ぐ。高原バスからは弥陀ヶ原や立山の山々の紅葉が大変美しく,相田ケンスケよろしく私は凄い凄すぎると沢山写真を撮っていたが,河野さんは隣で爆睡している。
 9:58室堂ターミナル着。少し肌寒い。展望台からは雄山や剱岳,その麓の赤黄緑の何とも絶妙な塩梅で入り混じっている紅葉を一望できる。まさに今が見頃であり,多くの人が見物している。この景色は人生で一度は見ておきたいものだ。一方下界では晴れ間のあったものの,ここでは曇り気味で,雄山や劔の上部はガスがかかる。時折青空を覗かせるとはいえ,なかなかスッキリはしない。
 10:04室堂ターミナル発,眼前に聳える色づいた雄山を眺めながら,草紅葉の間の石畳を歩いて,雄山へ向かう。室堂を過ぎ,10分くらい進んだところで,私が持つ水の量が不足していることに気付き,河野さんにはステイしてもらいつつ,室堂に戻り給水。私の凡ミス続きで実に情けない。
 高度を上げるにつれ,段々と天気は悪くなってゆき,11時前には霧雨気味の小雨が降ってきた。止まっているとすぐ冷える気温ではあるので,いそいそと雨具を着用。一ノ越までは石畳であるが,直下では勾配がややある。
 11:03一ノ越着。これまで見えていなかった裏銀座や薬師岳の方向の視界が開ける……はずであったが,ガスがままあるので,帰りにお預け。
 同11:07発。以後は岩稜帯でありかなりガレ場気味である。雄山は登山装備の方のみならず,これは良くないと思うのだが,結構軽装の方も少なくはない。ここにもそうした人はいるのだが,ラクすれば一発アウトなゾーンではあるので,自分が気を付けることのみならず,他人のラクにも注意すべきである。
 慎重に登ってゆくこと10分,遂に,遂に待ちに待った瞬間が。霧雨は止み,少しの間ではあるが,ガスが晴れた。眼下には室堂,地獄谷,奥大日岳方面が,赤・黄・緑につぎはぎが無く,ごく自然にグラデーションしている。紅葉といえば普通取り敢えずまっかっかになるもんだと,そういうふうにずっと思っていたのだが,こんなふうに上手く一緒に溶け込め合えるものなのか……とボーッと眺めてしまった。しかしまあ私の文章ではちょっと代替が効かないので,気になる方は画像でご確認いただきたい。
しかしすぐにまたガスがかかる。ある程度の標高以上はもう,眺望は望めそうにない。それでもこの眺めをずうっと見せられたのではCTがいくらあっても足りないのだから,これくらいで良いのかも。そして海側からの風が断続的に吹き付けており,寒い。
 人は割と多く登っている。5m間隔に1人はいるようなイメージである。スタコラと気を付けつつ登る。ちなみにそれまでガスの中で登った覚えのない私達は,ガスも満更でもないという感じである。
 岩稜帯も終わりに近づくと,遂に休憩所の建物が見えてくる。多くの人が暖をとる休憩所を通り抜け,鳥居をくぐり,11:57雄山山頂到着。見渡せば一面のガスではあるが,霞を食べて仙人になった私達には関係ない。実は雷鳥の山行として3000m峰に登頂するのは,いくつか潰れてしまったこともあって,私も参加した19年の白峰三山夏合宿以来2年ぶりだったり。記念写真を撮って頂くが,私のダブルピース癖が河野さんにもうつったらしい。ダブルピース派閥はなによりもその不恰好さから,某先輩ジャンプ派閥に比べればあまりにも零細となっており,ここに貴重な人材が加わった。
 すでに人で埋まった休憩所ではなく,適当なタンクの陰に入って風をしのぎつつ(正直あまりしのげなかった),温かい緑茶を啜り,お昼ご飯を食べる。その後ガスまみれであること,下界での2人の今後の予定を考えて,雄山ピストンで終えることとした。その後は来た道を降るだけだ。
 12:25山頂発。行きは赤ペンキで塗られたマーキングを目印にするが,帰りは黄色のそれを目印とする。行き来たガレ場を慎重に降る。気を揉みつつも,あーだこーだと話しながら,元気に降りる。ガスは一ノ越に降り切る手前で,ようやく晴れて行く。
 12:59一ノ越着。行きには見られなかった裏銀座の方面(しっかり見えたのはおそらく烏帽子岳)や薬師岳が,はっきりと見られた。
 13:03一ノ越発。ここからはもう,眼下の紅葉をひたすら焼き付けるだけである。奥大日岳・劔の方は晴れているのでいよいよ景色が良い。
 13:29室堂着。行きには素通りしたのだが,せっかくなので18世紀に建てられた日本最古の山小屋をしっかりと見物。室堂の中は資料館のようになっており,少し見学。
 13:40室堂ターミナル着。ここで下山連絡を一旦入れて頂き,時間が少々あるのでみくりが池の方を散策する。雄山や劔の方は,上部こそガスがかかるが,青空が今や広がっており,風も穏やかだ。そのため水面が随分と静まったみくりが池では,逆さ雄山も撮る事が出来た。水面には雲は映らないから,映る雄山もいい感じである。
 振り返って劔の方も見てみる。劔も一度こう鮮やかに裾野から紅葉すれば,なんだか誰でも登れるような,たいへん柔和な印象すら感じられる。当然,本当は全然そんなことはないのだが……。

□雑感
○渡邉
・途中で気付いたとは言え水の不足はあまりにも初歩的なミスなので,当たり前のことですが出発直前に確認する癖をつけます。
・上でつらつら書いたところですが,立山の生の紅葉がここまで美しいとは……。室堂からのライブカメラでは伝わらないものです。
・前から少し思っていた事ですが,改めて劔に登りたくなりました。それまでにもう少し色々な意味で強くなって,来年以降アタック出来るようにするのを,ひとまずの目標にしたいと思います。

○河野
・展望がない時間も多かったが、霊山とされるだけあって、ガスでけぶる雄山山頂は仙境のようで個人的にはまんざらでもなかった。ただただそこに大きくそびえたつ山、けぶる景色、人を寄せ付けないような山頂直下の岩稜帯、そこに神を見出したくなる気持ちもうなずける。下山してから晴れてきたのでツンデレな神様だった。
・一ノ越からのガレ場は浮石に気を付けつつもサクサク登れたが、そこまでの緩やかな傾斜の石段が本当にきつかった。毎日のスクワット回数が足りないみたいですね…増やします。
・行動食にとセブンイレブンで購入した焼き鯖と塩昆布のおにぎりがおいしかった(入山前日に完食)。北陸限定らしいであちらに赴く予定のある方はぜひコンビニをのぞいてみてください。
・贅沢にも前日に薬師峠キャンプ場で汲んだ湧き水と室堂の湧き水を飲み比べした。水温の違いがあるので明確に差を述べるのは不可能だが、前者はまろやかで深みがあり、後者は不純物を感じさせないきりりとした味わいだと感じた。後日実家から送られてきた新米をこれらの水で炊き優勝。
・帰りは渡邉くんが爆睡していた。山では終始頼もしい君の人間らしい側面がいっぱい見られて良かったです。