2022/3/6 蓼科山
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
蓼科山山行計画書 第一版
作成者:橋本
■日程 2022/3/6(日) 朝発日帰り 予備日なし
■山域 八ヶ岳
■在京責任者 岩瀬
■在京本部設置要請日時 2022/3/6 19:00
■捜索要請日時 2022/3/7 9:00
■メンバー(計3名)
CL橋本 SL久光 小西
■集合・交通・車両情報
□集合
久光家@入間に前泊(寝袋・マット持参)。
□行き
久光車で白樺高原スキー場へ(8時着を想定)。
□帰り
往路を引き返す。
□車両情報
久光車
■行程
白樺高原スキー場ゴンドラリフトでゴンドラリフト上駅へ(片道600円(学生540円)、リフト営業時間8:30-16:30)
ゴンドラリフト上駅―(0:20)―七号目登山口―(0:20)―馬返し―(1:10)―将軍平―(0:40)―蓼科山―(0:30)―馬返し―(0:50)―馬返し―(0:15)―七号目登山口―(0:15)―ゴンドラリフト上駅(計4:20)
(コースタイムは山と高原地図の夏道コースタイムによる)
※途中(2100m付近?)で適宜雪訓を行う。
※14時までに山頂へ到着できない場合、その場で引き返す。
■エスケープルート
引き返す
■注意点
・凍傷(森林限界上に出る前に相互チェック)
・山頂直下での転倒・滑落(森林限界下で滑落停止の練習)
■使用する共同装備
救急箱(有紗):橋本
スコップ*2:久光、小西
ビーコン*2:久光、小西
ゾンデ*2:久光、小西
ワカン*2:久光、小西
(ピッケル(橋本私物):小西)
ツェルト:久光、橋本
■個人装備
□ザック □ヘッドランプ □予備電池 □重登山靴 □替靴紐 □インナー □中間着 □ハードシェル(or雨具) □防寒具 □目出帽 (□帽子
□ネックウォーマー) □ゴーグル (□サングラス) □手袋・オーバー手袋 □予備手袋 □スパッツ(ゲイター) □地図(ベアリング表)
□コンパス □水筒 □ゴミ袋 □タオル □筆記用具 □計画書 □非常食 □行動食 □常備薬 □身分証明書 □現金 □保険証の写し
□スマホ(GPS起動) □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む) □ロール □ライター (□ナイフ) □新聞紙 (□着替え □温泉セット)
□ピッケル □アイゼン □スコップ □ビーコン □ゾンデ □ワカン □レスキューシート (□カメラ) (□スリング)
■遭難対策費
100円×3人
計300円
□登山届提出先
・東大教養学部学生支援課(未提出)
・コンパス(未提出)
・ぶなの会(未提出、連絡先下記)
□東大連絡先
○教養学部学生支援課 ※開室9:00~16:50(平日)
Tel: 03-5454-6074 Mail: shien-team.c(at)gs.mail.u-tokyo.ac.jp
○駒場正門守衛室 ※常時対応可
Tel: 03-5454-6666
□ぶなの会 連絡先
東京都勤労者山岳会連盟加盟(橋本、久光が所属,保険適用のため計画書を提出する)
(代表)田中
※有事の対応は雷鳥が主体となって行う
■備考
悪天時,前日夕方までに判断
日の入(蓼科山 3/6)17:46
日の出(蓼科山 3/7)6:10
警察 ・茅野警察署 0266-82-0110
白樺高原スキー場
2018/12/29 蓼科山
2018/3/17 蓼科山
コロナ対策の実施
蓼科山山行記録
作成: 小西、橋本
■日程 2022/3/6(日)
■山域 八ヶ岳
■メンバー(計3人)
CL橋本、小西、SL久光
■総評(橋本)
惜しくも登頂できなかったが、予想よりは天気が良く、森林限界上の雰囲気も少し体感できたので良い山行になった。
■タイムスタンプ
08:44 ゴンドラ終点
09:30 発
09:55 七合目登山口
10:07 発
10:45 2100m付近で滑落停止訓練
11:32 発
12:12 蓼科山荘
12:31 発
12:51 樹林帯終点にて弱層テスト
13:34 発
13:55 2480m付近で撤退
14:20 蓼科山荘(通過)
15:10 七合目登山口
15:26 ゴンドラ終点
■行動記録
前日21時ごろに久光さん宅に集合。ベアリングの確認等を済ませて22時過ぎに就寝した。翌朝は4時台に起床して身支度を済ませ、5:20頃に車で出発した。ヤマテンの前日予報では強風、視界不良などのリスクが高い大荒れ警報だったこともあり、森林限界の外には出られないのではないか、という一同の見立てだった。駐車場に到着したのは8時ごろで、服装を整えて不要な荷物を車にデポしたのちにゴンドラに乗った。ゴンドラの往復料金は1600円だが、帰り際に返還するカードの補償金として500円を払わなければならない(もちろん最後に返却がなされる)。
ゴンドラの終点から少し行ったところで、ビーコンチェックとワカンの装着を行い、出発する。トレースが少ない場所もあり、前日に作成しておいたベアリング表が有効だった。ワカンを装着して歩くのは初めてだったが、つぼ足だと深くまで突っ込んでしまいそうなところでも安定して歩けて快適だった。もっとも、それなりに雪が硬いところではただのおもりに過ぎなくなってしまうのでつける場面の判断は必要だと感じた。途中の2100m付近で滑落停止訓練をした。先月の赤城山では紐を足にくくりつけて引っ張って転ばせる形式で行ったが、今回は後ろから相手を押し倒すやり方で行った。ピッケルの扱いにはだいぶ慣れてきたと思うが、それでも時折持ち方の向きが逆だと注意を受けてしまうので完全に扱えるにはまだ時間がかかりそう。滑落停止訓練を行ったのちには200mほど高度を上げて蓼科山荘に向かう。
蓼科山荘はほとんどが雪に埋もれ、わずかに入り口と2階の窓のみ姿を見せていた。それなりに開けた場所だったが、風はほとんど吹いていなかった。山荘を過ぎても20分ほど樹林帯は続いており、その終点で積雪観察(弱層テスト)を行うことになった。積雪観察は雪崩のリスクマネジメントのために重要で、コンプレッションテストやハンドテストがあるという。コンプレッションテストとは、雪面を直方体状に切り開き、その上からシャベルを乗せて叩いていくものだ。この時、徐々に叩く強さを強くしていって(初めは手首を支点に、次に肘、肩)雪面が破壊されるかをチェックする。結果区分は5つに分類でき、切り出しの最中の破壊、手首を支点にした際の破壊、肘を支点にした際の破壊、肩を支点にした際の破壊、破壊が起らない場合、がある。今回は大きな破壊が起こらなかった。ハンドテストとは、雪面に拳、指、ペン、ナイフなどを差し込んで雪の硬さを見る、というものだ。通常、上からの圧力の大きさで雪は下に行くほど硬くなっていくが、例外的に途中に柔らかい層があると雪崩のリスクが大きくなる。今回は下に若干柔らかい層があった。とはいえ、テストの結果全体的に危険は少ないだろうということで、アイゼンを装着し先に進んだ。しかし、少し進んだ2480m付近で久光さんが雪質の変化に気づく。撤退のタイムリミットであった14時が迫っていたほか、リスクが高いということで撤退となった。夢中に登っていて雪質の変化に全く気づけない中、即座に気づいて的確な判断を下す先輩方に感心した。
撤退後の下りは、雪が強まったほか、途中で深雪にはまる場面がありながらも、1時間30分と非常にスムーズだった。また、標高によって雪の硬さが全然違うことに驚いた。ゴンドラを降り、駐車場についても雪は相変わらず強い。ザックやウェアについた雪を落として急いで車に乗り込み、スキー場を後にした。帰りは高尾駅まで乗せていただいた。長時間に渡り運転をしてくださった久光さんに感謝したい。
■個人コメント
□橋本
・前回の赤城よりは少しレベルを上げた形。冬型の気圧配置でもそこそこ天気が良い(可能性もある)八ヶ岳はやはり初心者向きだなと思った。
・山頂直前で雪質がモナカ雪に変わり、雪質の安定性に自信がなく、また上記の通り時間がなかったので、山頂手前で撤退した。休憩時間やアイゼン、ワカンの着脱時間を区切って時間の管理を徹底するとともに、雪質の判断力を磨いていきたい。
・久光さん、サポートと運転ありがとうございました。
□久光
・冬型がばっちり決まった中だったが、思ったほど天気も悪くなく楽しめた。下部から雪も多く、例年この時期は夏道が見える箇所でもちょっとしたルートファインディングが必要になるなど、トレーニングとしても良かったと思う。
・久光含め、タイムマネジメントが反省点。装備着脱に時間がかかったりトラブルがあったのもあったが、レクチャー等にも時間をかけすぎた結果、時間切れになった。(もっとも山頂付近は条件も悪かったので、引き返した判断は悪くなかった)
□小西
・2回目の雪山で前回より慣れたものの、まだまだ成長の余地がたくさんあると思う。
・基本的な操作をもっと早く正確にできるようになりたい。
・久光さん、運転とご指導ありがとうございました。
・橋本さん、事前の計画とご指導ありがとうございました。
・今後もより良い山行目指して精進したい。