2022/5/2-4 奥秩父主脈縦走
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
奥秩父主脈縦走計画書
作成者:小西
■日程 2022/5/2-4 予備日なし
■山域 奥秩父
■在京責任者 山口
■在京本部設置要請日時 2022/5/4 20:00
■捜索要請日時 2022/5/5 9:00
■目的:体力維持
■メンバー
CL小西, SL中田
■集合
塩山駅8:30発のバスに間に合うように
■交通
□行き
6:35八王子発→7:49塩山着
8:30塩山発→9:30西沢渓谷入口
※交通系ICカード使用可
□帰り
17:00増富温泉郷発→17:57韮崎駅着
(13:40/15:00/終17:00)
■行程
1日目
雁坂峠入口-1:20-沓切沢橋-2:30-雁坂峠-0:40-雁坂嶺-1:20-破風山-0:35-破風山避難小屋
【6時間30分】
2日目
破風山避難小屋-1:05-2409m地点-0:15-甲武信小屋-0:20-甲武信ヶ岳-0:20-2353m地点-1:25-富士見 -0:30-両門ノ頭-0:40-東梓-2:20-国師ヶ岳-0:40-大弛峠【7時間35分】
3日目
大弛峠-0:30-朝日峠-0:30-朝日岳-1:30-金峰山-0:15-千代の吹上-1:05-大日岩-0:20-大日小屋-0:45-富士見平小屋-0:30-1802m地点-1:30-瑞牆山-1:00-1802m地点-0:30-富士見平小屋-0:40-瑞牆山荘-0:35-金山山荘-1:25-増富温泉 【11時間05分】
■エスケープルート
東破風山まで:元の道を引き返す
東破風山から東梓:近丸新道で西沢渓谷に下山
東梓から朝日岳まで:柳平に下山
朝日岳から先:みずがき山荘まで下山
※1日目に破風山避難小屋に辿り着けなさそうな場合は雁坂小屋に宿泊し、翌朝早めに出発する。
※計画に遅れる場合は適宜エスケープルートを使用する。
■注意事項
・メンバー間の綿密なすり合わせ
・防寒対策
・積雪
■個人装備
□ザック □ザックカバー □シュラフ □マット □銀マット □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □帽子 □水 □行動食 □非常食 □ブキ □食器 □トイレットペーパー □エマージェンシーシート □ライター □ゴミ袋 □地図 □コンパス □筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □日焼け止め □タオル□温泉セット □着替え□サングラス □チェーンスパイク □スパッツ(ゲイター)
■地図
25000分の1: 「雁坂峠」「中津峡」
エアリア:「雲取山・両神山」「金峰山・甲武信」
■共同装備
テント(ステラ3小西私物):小西
鍋(小西私物):小西
ヘッド(緑1):中田
ヘッド(緑4):中田
カート*4:小西2中田2
調理器具セット:小西
救急箱(苺):小西
チェーンスパイク(私物):小西、中田
■食当
1日目夜:中田
2日目朝:各自
2日目夜:小西
3日目朝:各自
■水場
雁坂小屋、破風山避難小屋、甲武信小屋、大弛峠、大日小屋、富士見平小屋、瑞牆山荘にあり
■遭難対策費
400×2=800円
■悪天時
前日18:00までに判断
■備考
□警察署電話番号
山梨県警塩山警察署 0553-32-0110
□施設情報
雁坂小屋 テント場 1000円
http://karisakakoya.blogspot.com/2017/10/blog-post_24.html
破風山避難小屋
https://www.yamareco.com/modules/yamainfo/ptinfo.php?ptid=3219
大弛小屋 テント場 800円
http://oodarumi.jp/
タクシー会社情報
塩山タクシー 0553-32-3200
甲州タクシー 0553-33-3120
□温泉
増富温泉 祝日は18時まで営業 830円
□5/2 日の出 04:53 日の入 18:33
□コロナ対策※[raicho_all:342]3/2より一部改訂
1. 遭難などの緊急時を除き、山小屋の使用を控える。
2. 長期休暇中は平日の活動を中心にする。
3. 山頂付近などの人が多いところでは長時間滞在しない。
4. 最大10人以内のパーティーとする。
5. 常に、パーティー内の連携を損ねない範囲で十分に距離を取る。
6. マスクを常用する。
7. 水や食料は事前に購入しておき、登山山域での買い物を控える。また、下山後の会食も控える。
8.テント内の人数は定員の半分程度とし、余裕をもって使用する。
9. メンバー全員が2週間前から当日朝まで毎日検温して担当者に提出。少しでも風邪の症状がある場合は参加を控える。
10.メンバー全員が 2週間前から行動記録をとって担当者に提出。
(9.10については担当者が管理し、必要があれば提出できるようにしておく)
奥秩父主脈縦走記録
文責:小西、中田
□総評
行程はアップダウンに富み、4000mの累積標高差を記録した。残雪により歩きにくかったところもあったが、3日間を通じて好天に恵まれ充実した山行となった。
□タイムスタンプ
1日目
9:36 雁坂峠登山口
9:59 休憩
10:09 発
10:41 踏切沢橋
11:07 沢の合流地点(1480m付近)着
11:13 発
12:18 休憩
12:32 発
12:52 雁坂峠着
12:58 発
13:28 雁坂嶺着
13:39 発
14:25 東破風山山頂
14:33 発
14:58 破風山山頂
15:05 発
15:35 避難小屋着
2日目
4:32 発
6:06 甲武信岳着
6:18 発
7:30 休憩(富士見-両門ノ頭間のコル)
7:40 発
8:36 東梓着
8:46 発
9:48 国師ヶ岳前ピーク(2465m)着
9:58 発
11:13 国師ヶ岳着
11:43 発
12:16 大弛小屋着
3日目
3:10 大弛峠発
4:07 朝日岳山頂
4:13 発
4:55 金峰山
5:24 発
6:14 休憩
6:24 発
7:12 大日岩着
7:32 大日岩発
8:30 富士見平小屋着
8:53 発
9:52 休憩
9:57 発
10:07 山頂
10:18 発
11:36 富士見平小屋
11:51 発
12:20 瑞牆山荘
12:27 発
13:10 途中で一本
13:15 発
13:57 増富温泉着
□記録
1日目
高尾駅で、8:12塩山着の中央線に乗り込んだ。車内は登山客ばかりである。このうちの何人かとは登りを共にするのだろう。塩山駅で光基と合流する。ザックの見た目は自分のそれとあまり変わらないが、私のが70Lなのに対して彼のは48L。共装から察するに多分重さが1.5倍くらい違うのではないか。1番バス乗り場は長蛇の列で、早々に増便が決まったようだ。8:30発のバスに乗って西沢渓谷へ向かう。降車は終点の西沢渓谷で、と考えていたが、登山口への近さを考慮して道の駅みとみに変更した。運転手さんが道の駅みとみで降りる客を募ってくれるのでその時に降車ボタンを押せば良かった。それにしてもこのバス、乗客の層が多種多様で乾徳に登る人、笠取に登る人、雁坂に登る人がいたようだ。人数比的には乾徳はほとんどおらず、笠取雁坂は半々といった感じであった。
沓切沢橋までは林道歩きで、そこから登山道に入る。沢沿いを登っていくだけなので道迷いの心配はほぼない。ただ、前日の降水で沢が増水しており、4度の渡渉には苦労した。CTを若干巻いて雁坂峠へ。ここからは雪が残るがまだまだ少ない。雁坂嶺、東破風山、西破風山とアップダウンを繰り返して避難小屋へ向かう。雪がぱらついたのと、荷物が重かったこともあり意外と時間を食った。
3時半ごろに小屋に着いて、私は水汲みへ、光基は炊事をした。水場までは片道20分、かなり急斜面なので下り登り共にきつかった。ただ水は美味しいので行った甲斐はあった。
夕飯は光基が担当でシチューを作ってくれた。とても美味しかった。新歓合宿でも食当をお願いしておいて正解だった。このクオリティの夕食を見れば入会間違いなしだろう。
避難小屋に泊まっていた社会人の方と歓談したうえで、19:00ごろに就寝。国師ヶ岳の登りから金峰山にかけて雪が多く、踏み抜きがあるということで翌日は多少時間がかかってしまうだろうと半ば不安になりながら眠りについた。
2日目
3時半ごろ起床。-10℃くらいまで下がる予報を見てそれなりに準備はしていたがそれでもそれなりに寒い。光基はもっと寒そうだった。もう少し防寒対策を徹底してもらったほうが良かったかもしれない。あまり時間もないので早速湯を沸かし朝食をば。僕はトムヤムメシで、光基は味噌汁と赤飯。気温のせいで割と芯が残っていた。昨日お話しした社会人の方と無事を誓い出発する。彼が向かうのは我々と逆方面、将監小屋だそうだ。
甲武信小屋までは、登りとはいえ緩傾斜で残雪もそんなになかったが、倒木が多く、回り道をしなければならない場面もあった。このような傾向はその後も続き、全体的に荒れた登山道が続いた。光基によると、これは鹿が多すぎるせいらしい。木の下の方の皮を鹿が食べて、上への吸水機能がなくなってしまうそうだ。
甲武信小屋を素通りして山頂に向かった。山頂は晴れており谷川苗場、八ヶ岳、南アルプス、富士などが綺麗に見えた。甲武信からは、アップダウンを経て国師ヶ岳に向かう。アップダウンだけなら良かったものの、東梓を1時間ほどすぎたあたりから急に残雪が増え、踏み抜きのあとも増えた。これは、すれ違った時に何人かから聞いていたので覚悟はできていたが、予想以上ではあった。しかし、前日かなり冷え込んだのもあってか雪が締まっており、ほとんど踏み抜かずに山頂まで行けた。ただ最後は結構な傾斜で、ペースが早すぎたこともあり光基はかなり体力を消耗したようだった。
この日の行程はほぼ終わりなので、国師ヶ岳では30分近くの休憩をとった。国師ヶ岳からは甲武信岳からよりも南アルプスを克明に見ることができた。国師ヶ岳から大弛峠までは40分ほどの下りである。この頃には雪がだいぶ緩くなっており、何度か足がハマった。疲れた。
大弛小屋は幕営1人800円で、美味しい水付き。小屋主さんも優しく、テント場は雪解けで少しぬかるんでいたが快適な夜を過ごせそうだ。夕飯は少し早めで3時前から食べはじめた。キムチ鍋にソーセージやワンタン、餅、ラーメンなどを入れ、贅沢した。光基も満足してくれて良かった。翌日の行程を加味して、この日は早めに寝た。
3日目
肩を叩かれて起床したのは午前2時を回った頃であった。エマージェンシーシートは驚くほどの快眠をもたらしてくれた。簡素な朝食とテント撤収を手早く済ませ、3時を過ぎた頃には大弛峠のテント場を後にした。峠という地形のせいか南方からは強い風が吹き寄せ、遠く山梨の街明かりがときどき瞬いている。朝日岳までの道は雪深いが、よく締まっていて歩きやすい。1時間ほど単調な登りを続け、朝日岳山頂に到着した。東の空はすでに明るく、四方の山々のシルエットが見える。金峰山に向かって速い足取りで30分ほど歩くと、樹林帯から一面雪が積もった開けた場所へと抜け出した。後方には2日間歩いてきた縦走路が見えている。パノラマを楽しみながらのそのそと歩き、ガレ場を経て山頂へと到着した。我々は巨石の積み重なりの一番高いところへと這い上がり、朝日を背景に写真を撮った。わずかに霞んではいるものの、富士、南アルプス、八ヶ岳が遠くに見える。今回の山行を通して一番の展望だったと言えるだろう。荘厳に構えた五丈岩を途中まで登って諦め、休息をとったのち下山を開始した。金峰山からの下りは存外長く、切れ落ちた斜面を横目にスタスタと歩く。すれ違う登山客は多く、なかにはチェーンスパイクは必要だったかと不安げに尋ねてくる者もあった。大日岩でまた少しの休憩を挟んで、富士見平小屋に下ったのは9時過ぎだっただろうか。富士見平のテント場は広く、たいへん賑わっている。サブザックに必要なものを詰め、瑞牆山へと向かった。飯森山と瑞牆山の間を流れる天鳥川を渡ると、いきなり急な岩登りが始まる。山頂までのいくつかの鎖場を注意して登り、わずか1時間ほどで山頂に着いた。きつい。山頂はというと、富士見平小屋の客がみな引き込まれたのかと思われるほど混んでいる。ボロボロになったドーナツだけムシャムシャと食べ、そそくさと富士見平へ下山を始めた。後で気づいたのだが、瑞牆では一枚も写真を撮らなかった。富士見平の陽光とテン場の賑わいになんとなく満たされた感覚を覚えつつ、名残惜しくはあったが、ますます痛みが強くなってくる足で増富温泉へと向かった。
□感想
CL小西
・3日とも晴れてよかった。
・今後もより良い山行を目指して精進したい。
SL中田
・山行を通じて非常に天気に恵まれ、奥秩父縦走の醍醐味を存分に味わうことができた。夜明け前の行動は、心が澄み渡るような感覚になり、特に印象深い。
・結果論として格別の支障はなかったものの、シュラフについてはこの時期に使用するものとして性能が不十分であり、主要な反省点の一つと言える。