2022/8/19-20 針ノ木岳・蓮華岳
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
針ノ木岳・蓮華岳山行計画書 メンバー・在京用計画書
作成者: 桐原、宰田、白川、加藤、磯貝、宮島、吉田
■日程 2022/08/19(金)-20(土)、予備日 なし
■山域 後立山
■目的 テント泊経験、アルプス登山
■在京責任者・助言役 山口
■在京本部設置要請日時 2022/08/20(土) 21:00
■捜索要請日時 2022/08/21(日) 9:00
■メンバー(7人)
CL桐原, SL宰田, 白川, 加藤, 磯貝, 宮島, 吉田
■集合・交通
□集合
8/18 新宿駅西口 23:00
□行き
新宿西口23:15-[京王バス]→5:32扇沢 7,500円(予約済み)
□帰り
<鉄道利用>
扇沢-[アルピコ交通 1,390円]→信濃大町駅
扇沢発(7:05/…/11:25/12:30/13:30/14:10/14:35/15:10/15:35/16:05/16:35/17:05/17:55)
信濃大町-[JR大糸線]→松本→[JR篠ノ井線・中央本線]→新宿方面へ 学割3,870円
※青春18きっぷ利用可
(アルピコ交通一般路線バス信濃大町駅 - 扇沢駅URL:https://www.alpico.co.jp/traffic/local/hakuba/ogizawa/)
<バス利用>
扇沢16:10-[アルピコ交通高速バス]→21:11バスタ新宿
■行程
□ルート・コースタイム
1日目(計5時間00分):扇沢-1:30-大沢小屋-3:30-針ノ木小屋(泊)
2日目(計6時間40分):小屋-1:20-蓮華岳-0:50-小屋-1:00-針ノ木岳-0:40-小屋-2:00-大沢小屋-1:00-扇沢
※針ノ木岳、蓮華岳のピストンはサブザック行動
※余裕があれば一日目にどちらかの山頂へアタックしてもよい
□目標通過時刻
1日目:扇沢6:00-大沢小屋7:45-針ノ木小屋11:45
2日目:針ノ木小屋5:00-蓮華岳6:30-小屋7:30-針ノ木岳8:45-小屋9:45-大沢小屋12:45-扇沢13:55
■エスケープルート
全区間を通じて引き返す、危険な場合は針ノ木小屋や大沢小屋に退避
■テント場・山小屋情報
□針ノ木小屋 090-2323-7145 http://www.harinoki.com/index.html
テント泊…約30張 1000円/人、予約不可、トイレ利用可、水200円/L
小屋泊…7,600円
その他…食堂・売店あり。
※水場は針ノ木谷上部の登山道途中にあり、そこで十分に汲んでおく。
□大沢小屋 0261-22-1584 http://www.harinoki.com/index.html
テント泊…約2張 1000円/人、素泊まり6,800円
■個人装備
□化繊の登山服 □ザック(最低でも60L〜のサイズ。夏合宿なども参加するのであれ
ば、75L前後を買ってしまったほうが良い。詳しくは店員さんに相談。) □ザックカバー(ザックに付属している事が普通) □雨具(登山用の雨具を必ず購入。ゴアテックス推奨) □防寒具(化繊のパーカーなど)□シュラフ(3シーズン用が良いが、どこに行くかを店員さんに伝えて相談。キャンプ用の大きいものは不可)□ マット(シュラフの下に敷く銀マットorエアーマット)□登山靴 □替え靴紐 □水 □行動食 □非常食 □ヘッドランプ □予備電池 □ゴミ袋 □ライター □地図(磁北線を引いた上で印刷or購入) □コンパス□食器□コッヘル □エマージェンシーシート □筆記用具 □計画書(要印刷) □常備薬 □学生証 □健康保険証 □現金 □遭対マニュアル(要印刷) □日焼け止め □マスク □タオル □消毒液orアルコール除菌シート□着替え□モバイルバッテリー □軽アイゼンorチェーンスパイク □軍手 □帽子 □新聞紙 □虫除け (□サブザック □歯ブラシ □サングラス □熊鈴 □アイマスク)
■共同装備(携行者は適宜調整)持ち出し→携行→下山後
救急箱(アゲハ):桐原→桐原→宮島
テント(ステラ4 No.2):桐原→桐原・吉田→桐原
テント(ゴアライト):加藤→宰田・加藤→宰田
テント(ステラ3):磯貝→宮島・白川→宮島
ヘッド(緑1):磯貝→磯貝→吉田
カート*2~3:磯貝→磯貝→宮島
鍋(竹・小竹):桐原→吉田→吉田
調理器具セット(キャサリン):加藤→加藤→吉田
軽アイゼン
黄:桐原→宰田
赤:加藤→白川
エ:加藤→加藤
4:加藤→磯貝
5:加藤→吉田
甲斐駒・仙丈へ…ステラ3,救急箱,カート*2
塩見岳へ…ステラ4,ゴアライト,ヘッド,鍋,調理器具セット
■食当
1日目夜:白川
2日目朝:宮島
※昼食は行動食、1日目朝の食事はバス乗車前に用意
■遭難対策費
200円×7人=1,400円
■決行判断
8/18 正午までに判断
■地図
2万5000分の1:「黒部湖」
山と高原地図:「36鹿島槍・五竜岳」
■注意点
・針ノ木雪渓は残雪状況が刻々変化するため要確認。例年お盆以降は残雪なし(夏道)の区間が多い。
・テント場は強風の場合があるので注意する。
■現地連絡先
長野県警大町警察署 0261-22-0110
富山県警上市警察署 076-472-0110
■備考
□日出・日没時刻 (8/20 針ノ木岳)
日の出5:01
日の入18:44
(参照:https://alumicase.com/acdc/mountain.html)
□交通機関
アルピコ交通:https://www.alpico.co.jp/traffic/ 0261-72-3155
□温泉
湯けむり屋敷 薬師の湯 7:00~21:00 750円 大町温泉郷
https://o-yakushinoyu.com/index.html
□ラジオ
NHKラジオ第一(松本) 540kHz
NHKラジオ第二(松本) 1,512kHz
□コロナ対策※[raicho_all:461] 5/26より一部改定
1. 遭難などの緊急時を除き、山小屋の使用を控える。
2. 長期休暇中は平日の活動を中心にする。
3. 山頂付近などの人が多いところでは長時間滞在しない。
4. 最大10人以内のパーティーとする。
5. 常に、パーティー内の連携を損ねない範囲で十分に距離を取る。
6. マスクを常用する。
7. 水や食料は事前に購入しておき、登山山域での買い物を控える。また、下山後の会食も控える。
8.テント内の人数は定員の半分程度とし、余裕をもって使用する。
9. メンバー全員が当日朝検温して担当者に提出。山行前の体調管理はしっかりと行い、少しでも風邪の症状がある場合は参加を控える。
作成者:桐原
文責:磯貝、白川
■日程 2022/08/19(金)~20(土)
■山域 後立山連峰
■天気 1日目:晴れ 2日目:曇りのち雨
■メンバー(敬省略)
CL桐原, SL宰田, 白川, 加藤, 磯貝, 宮島, 吉田
■タイムスタンプ
1日目
扇沢駅 6:15
休憩1回
大沢小屋 7:45
休憩3回
針ノ木小屋 11:20/13:00
針ノ木岳 14:20/14:30
針ノ木小屋 15:20
2日目
針ノ木小屋 03:30
蓮華岳 04:30/05:00
針ノ木小屋 05:45/07:50
大沢小屋 10:40/10:50
扇沢駅 12:05
■ルート概況
□扇沢〜大沢小屋
・植物の背丈が高く、特に雨だと隊の中での連携が取りづらいと感じた。
□針ノ木小屋〜針ノ木岳
・頂上付近はざれていて滑りやすい。
■記録(山行記)
<1日目>(文責:磯貝)
前日の午後11時までに新宿駅西口26番乗り場に全員が集合し、扇沢行きの高速バスに乗車。扇沢へは午前5時半ごろに到着。荷物整理・トイレ・軽食を済ませ、午前6時20分ごろ扇沢を出発。出発後しばらくは樹林の中を進み、時折岩の上を進んだり沢を渡ったりした。天気は良好で気持ちよく進むことができた。出発から1時間半で大沢小屋を通過。小屋を通過してしばらく進むと道は樹林の中から沢・雪渓沿いへ変わった。さらに登ると途中登山道と雪渓が交差するポイントがあり、そこでは軽アイゼンを装着して雪渓を横断した。自分など今回初めて軽アイゼンを使用した人は加藤さんなど経験のある人に使い方を簡単に教えてもらった。軽アイゼンを使用する経験ができてよかった。雪渓を横断した先はひたすら針ノ木峠に向かって登り上げた。高度が上がるにつれて北アルプスの稜線の山々が大きく見えてきて、その姿には目を見張った。途中の水場で水を汲んだが、水は冷たく気持ちよかった。午前11時過ぎに針ノ木峠に到着した。峠からは槍ヶ岳、穂高岳、富士山などの山々がよく見えた。峠のキャンプ場にテントを張り、各自荷物整理を終えると、サブザックで針ノ木岳山頂を目指した。しかし、途中磯貝は息苦しさ、目まい、眠気に襲われ登山が難しくなってしまい、その場で休憩した上でCLの桐原さんと峠に下りた。残りの5人は登山を続け、無事登頂した。黒部湖や後立山連峰がよく見えたそうだ。全員がテント場に戻ったあとは全員テント場で休憩することにした。午後4時頃から夕食を作った。食当は白川さんで、カレーを作った。ガスカートは3つ持参したものの全て燃料は少なめで、朝食分までガスが持つか心配だったが、新聞紙による保温なども活用することで、辛うじてカート2つでカレーを完成させることができた。普段よく食べるカレーも、山の上で皆で作ったものは特別に美味しかった。午後6時40分頃に夕食は終わり、午後7時頃には眠りについた。夜は風が強く、テントが少し揺れることもあった。
<2日目>(文責:白川 )
午前3時に起床。ご来光を見るために蓮華岳に登る。外は真っ暗で少し風があった。ヘッドランプをつけてサブザックを背負い、3時半頃に針ノ木小屋を出発した。最初はちょっとした急登があったが、10分ほどで足場は石だらけのザレた道に。針ノ木岳とは違って大きな段差やゴツゴツした部分が少なく、穏やかな稜線歩きが続いた。ヘッドランプの明かりを頼りにしながらゆっくりペースで着々と進んでいく。あっという間に4時半に山頂に到着した。コースタイムよりも20分ほど早く着いた。風がとても強く吹いていて、飛ばされないよう岩に手を置いてしばらくご来光を待った。実は、ご来光ははっきりとは見えなかった。だが、空が少しずつ明るくなるのを感じることができたし、雲と雲の隙間にオレンジ色の朝焼けがうっすら見えたのはわかった。諸々写真を撮り終え、下山開始。ゴロゴロした石で滑らないように気をつけた。テント場までは45分ほどだった。次は朝ごはん。食当の宮島さんが棒ラーメンを作ってくださった。ガスが少ないのを心配していたが、奇跡的に麺はちゃんと茹で上がり、また、宮島さんセレクトのわかめ、煮卵、分葱などの具材たちのお陰もあり、とても美味しくいただいた。温かい朝ごはんは最高だった。食事の片付けとテントの片付けを終えると、まだ雨が降らないうちにと、早速、針ノ木峠から下山を開始した。スルスルと降りて行くので、後ろを振り返って「昨日はこんなに登ってきたのか…」としみじみ思う場面が何回かあった。だが同時に、辛い登りの感覚が蘇りそうだった。しばらくすると途中で雨が降りはじめた。進むごとにだんだん雨脚が強くなっていき、足場が滑りやすくなっているのを感じた。もともと登山道に水が流れていることがあったので、足元を流れている水がその沢なのか、それとも降っている雨からなのか、どちらかわからないくらい雨が降っていた。道はガレ場のため、十分に注意しながら足を置いていった。とくに苦労したのは、雨のために滑りやすくなっていた岩場である。実際、滑りそうなことが何回かあり、その度にとてもヒヤヒヤした。また、途中で私は進む場所を間違えてしまい、足をかける箇所が見当たらず、そのまましばらく動けなかったことがあった。なんとか踏ん張り、鎖のある正規ルートに移ることができたが、足元に気を取られすぎずに前の人の進みをよく確認しなければならないということを改めて学んだ。行きと同様、アイゼンを装着して雪渓を渡り、また岩だらけの道に入った。その次の木や草の間を歩くルートは、躊躇せず水溜りに足を入れてしまうくらい、まるで川を歩いている感覚だった。たまに滑って尻餅をつくことがあった。土砂降りの中、やっと大沢小屋に着いて休憩をした。びしょびしょだったので小屋の中に入れたらよかったのだが、小屋に入るには商品を何か購入しなければならなかったため、皆、小屋の外で休んだ。登山道を塞ぐ枝やすべすべの岩の上を超え、車道を歩き、やっと扇沢に着く。ちょうど正午だった。大きなザックを背負ったびしょびしょ7人組が、ベンチで待機していた子どもの前を通りかかった直後、その子どもの口から「かわいそう!」という一言が発せられた。少し荷物の整理をしてバスのチケットを買った。帰りは電車に乗る。最寄りも信濃大町までは片道1390円(現金)。35分間、バスに揺られた。信濃大町駅に着いて精算を済ませてからは40分ほど電車を待った。その間、私は近くの売店に行き、お土産を買った。店の中には雷鳥グッズがあり、バッチ、キーホルダー、ぬいぐるみ、お菓子などが売られていた。北アルプスがよく見える電車に乗って1時間7分で松本に着き、それからそれぞれ帰路についた。
■感想
〇桐原
・針ノ木峠周辺の景色は素晴らしかった。また初夏に登りたい。
・高山病を発症した方が出て、対応や準備について考えさせられた。
〇宰田
・日差しがきつかったが、さすがはアルプスだなという眺めを見ることができて良かった。
・針ノ木岳に全員で登頂できなかったのが残念だった。
・食事が美味しかった。食当の白川さん、宮島さんに感謝したい。特に1日目夜にお米を食べることができたのが新鮮だった。
〇白川
・1日目の針ノ木峠までの急登はキツくて諦めそうになりましたが、美しい景色のおかげで登りきることができました。針ノ木も蓮華も、山頂からの眺めは最高で、ずっとそこにいられるくらいでした。
・岩場は通過するのに時間がかかってしまったので、上手に登る技術を身につけたいと思いました。
〇加藤
・集合場所が見つからず、パニック。皆さんのお陰で、無事バスに乗車することが出来ました。ありがとうございました。今後は、集合場所の確認を十二分に行います。
・久々に44期と山行。各々の個性を知ることが出来、楽しかったです。
・山での炊きたてご飯に感動。棒ラーメンも美味しかったです。
〇磯貝
・新歓以来初の泊まり山行でした。日帰りの時より大きい荷物を背負って登山する良い経験となりました。
・まさか山頂の近くで体調を崩すとは思いませんでした。おそらく高速バスでの睡眠不足が響いたのだと思います。山へ行く前はしっかりと休息が取れるように努めないといけないと実感しました。隊の皆さんにはご迷惑をおかけしました。
・軽アイゼンや食事のことなど、メンバーのお力添えのおかげで無事帰ってくることができました。本当にありがとうございました。
〇宮島
・好天にめぐまれた1日目には各方面の山々を望むことができ、感動の連続でした。針ノ木岳・蓮華岳を経由する魅力的な縦走ルートがいろいろあることを知ったので、いつか別の形で再訪できたらいいなと感じています。
・増量した荷物のコントロールに精一杯で、下山の際の足運びがやや雑になってしまったことが反省点です。少しずつ改善したいです。
〇吉田
・初めて北アルプスを広く眺めることができたので、感動とともに今後の山行への期待が高まりました。
・終盤に右の股関節に少し痛みが生じていたので、歩き方を修正するべきだと感じました。
・自分の防水の甘さを痛いほど思い知らされました。