2022/8/22-24 表銀座縦走

表銀座縦走計画書第2版
■日程 2022/8/22-24(前夜発2泊3日、予備日8/25)
■山域 北アルプス
■目的 縦走
■在京責任者・助言役 渡邉
■在京本部設置要請日時 8/24 20:00
■捜索要請日時 8/25 8:00
■メンバー(募集中)
中田
■交通
[行き]
・新宿〜安曇野穂高
アルピコ交通 便番号5551 6,900円 予約済み
バスタ新宿(8/21/23:15)  - 安曇野穂高(8/22/4:27)
・安曇野穂高〜中房温泉
安曇野穂高から穂高駅まで徒歩約3分
南安タクシ-中房温泉行き定期バス1,500円
穂高駅(5:10/6:40/8:25)-中房温泉(6:05/7:35/9:20)
[帰り]
・上高地〜松本
アルピコ交通松本行き 要予約
上高地バスターミナル(12:05/13:20/14:05/14:40/15:15/16:00)
-松本(13:56/15:15/15:55/16:34/17:13/17:52)
*新島々で途中乗換
・松本〜新宿
特急あずさ新宿行き 6,620円
松本駅(15:10/15:50/…/20:10終) -新宿駅(16:24/17:23/18:04/18:43/.../22:45終)
*上高地BT〜新宿までのバスもある
[エスケープ]
・中房温泉〜穂高
南安タクシー穂高駅行き定期バス1,500円
中房温泉(9:00/10:45/12:30/14:15/16:15)-穂高駅(9:55/11:40/13:25/15:10/17:10)
■行程
[1日目] 計8:55
燕岳登山口-90-第二ベンチ-80-合戦小屋-90-燕山荘-30-燕岳-25-燕山荘-60-大下りノ頭-120-喜作レリーフ-40-大天荘
*燕ピストンはサブザック行動
[2日目] 計8:00
大天荘-10-大天井岳-10-大天荘-30-大天井ヒュッテ-130-ヒュッテ西岳-60-水俣乗越-130-ヒュッテ大槍-50-槍ヶ岳山荘-30-槍ヶ岳-30-槍ヶ岳山荘
[3日目] 計8:00
槍ヶ岳山荘-20-殺生ヒュッテ-20-坊主の岩小屋-60-天狗原分岐-50-大曲-25-2000m地点-35-槍沢ロッヂ-30-一ノ俣-50-横尾-70-徳沢-60-明神分岐-60-上高地バスターミナル
■エスケープルート
大天井岳まで:引き返す
大天井岳から水俣乗越:大曲から徳沢へ
水俣乗越から槍ヶ岳:坊主の岩小屋を経由して徳沢へ
■注意事項
・合戦尾根でのバテ
・東鎌尾根、槍山頂付近での転倒、滑落、落石
・雨天時の沢の増水
■地図
山と高原地図「槍ヶ岳・穂高岳」
■個人装備
□ザック□ザックカバー □サブザック□サブザックカバー□ヘルメット□テント□マット □シュラフ□雨具 □防寒具 □登山靴 □替え靴紐 □救急箱 □帽子 □水□行動食 □非常食 □コッヘル □ブキ □ヘッドランプ □予備電池 □スマホ□モバイルバッテリー □ゴミ袋 □トイレットペーパー  □ライター □新聞紙 □軍手 □地図 □コンパス □エマージェンシーシート □筆記用具 □計画書 □常備薬 □学生証 □健康保険証 □現金 □遭対マニュアル□日焼け止め □マスク □除菌シート □着替え
■遭難対策費
400円
■悪天等
前日中に判断
■山小屋情報
□燕山荘
電話: 090-1420-0008、診療所あり、docomo◯、水場なし, 小屋にて販売
□大天荘
電話: 090-9003-1253、テント1人2000円, 予約不要、docomo◯、水場なし, 小屋にて販売
□大天井ヒュッテ
電話: 090-1401-7884、docomo△、水場なし, 小屋にて販売
□ヒュッテ西岳
電話: 090-7172-2062、テント1人2000円, 要電話予約、docomo◯、充電60分100円
水場なし, 小屋にて販売
□槍ヶ岳山荘
電話: 090-2641-1911、テント1人2000円, 予約不要、水場なし, 小屋にて販売、docomo◯充電30分100円
□殺生ヒュッテ
電話:0263-77-2008、テント1人2000円, 予約不要、水場なし, 小屋にて販売、docomo◯
■現地連絡先
長野県警安曇野警察署 0263-72-0110
長野県警松本警察署 0263-25-0110
アルピコ交通新島々営業所 0263-92-2511
南安タクシー 0263-72-2855
■備考
□日出日没時刻(槍ヶ岳8/14)
日出4:55 日没18:52
□アルピコ交通松本行き予約サイト
https://secure.j-bus.co.jp/hon/Route/Highway?gpcd=160027&rocd=0201&_ga=2.261607755.737243659.1659438597-1808387778.1659437029
□コロナ対策 ※[raicho_all:461]
1. 遭難などの緊急時を除き、山小屋の使用を控える。
2. 長期休暇中は平日の活動を中心にする。
3. 山頂付近などの人が多いところでは長時間滞在しない。
4. 最大10人以内のパーティーとする。
5. 常に、パーティー内の連携を損ねない範囲で十分に距離を取る。
6. マスクを常用する。
7.水や食料は事前に購入しておき、登山山域での買い物を控える。また下山後の会食も控える。
8. テント内の人数は定員の半分程度とし、余裕をもって使用する。
9.メンバー全員が当日朝検温して担当者に提出。山行前の体調管理はしっかりと行い、少しでも風邪の症状がある場合は参加を控える。

表銀座縦走記録
■日程 8/22-23(月火)

■山域 北アルプス、槍ヶ岳・穂高岳

■天候 
1日目 晴れのち曇り
2日目 曇り時々雨

■メンバー
中田

■総評
槍に登れずエスケープする形となってしまったのは非常に残念だったが、ソロの縦走自体はとても楽しいものだった。

■タイムスタンプ
[1日目] 計5:53
6:06 中房温泉
6:32 第一ベンチ
6:52 第二ベンチ
7:17 第三ベンチ
8:02 合戦小屋
8:08 同発
8:52 燕山荘
8:58 同発 (燕岳へ)
9:16 燕岳山頂
9:20 同発
9:36 燕山荘
9:48 同発 (大天井岳へ)
10:25 大下りの頭
11:59 大天荘
(午後の晴れ間に大天井岳山頂へアタック。往復には10分程度を要した)

[2日目] 計9:25
4:45 大天荘発
5:15 大天井ヒュッテ
5:25 同発
6:26 赤岩岳山頂
7:15 西岳山頂
7:25 同発
7:35 ヒュッテ西岳
7:45 発
8:33 水俣乗越
8:41 同発 (大曲へエスケープ)
9:27 大曲
11:35 横尾山荘
14:10 上高地 (河童橋)

■ルート概況等
・中房温泉〜燕山荘
登山道はよく整備されていて登りやすく、勾配も北ア三大急登と誇張されるほどではない。所々階段が設置されている。休憩用のベンチが豊富。
・燕岳〜大天井岳
燕山頂付近は風化した花崗岩によってザレている。縦走路は歩きやすいが、稜線東側の登山道は道幅がやや狭いので行き交うのにはやや面倒。喜作レリーフ付近にはクサリ・ハシゴあり。燕山荘は特に電波良好(docomo)、大天荘はチャットぐらいは容易にできる。
・大天井岳〜西岳
大天荘から大天井ヒュッテまでの南ルートはガレ場。転倒に注意。全体的に道は狭い。
・西岳〜水俣乗越
クサリ・ハシゴあり。慎重に行けば問題ない。ヘルメット推奨。
・水俣乗越〜大曲
斜度が大きく、ガレ気味。下りに利用する際は転倒に注意。沢を何度か渡る。
・大曲〜上高地
危険箇所は特にない。横尾山荘まで来ると電波(docomo)は非常に良い。

■記録
[1日目]
人生初の夜行バスでは何の感慨も覚えず3時間ほど眠った。高速バス停から穂高駅までは徒歩3分ほど。先頭から5番目に並んで朝食をとるなど準備を済ませる。前の方では、山は裸足で登るべきという話、世界中の岩塩をブレンドした“ありがたい”お塩の話をしているらしい。やたらと声が大きいのと、内容が内容なので良い目覚ましになる。バスは定刻より少し早く出発した。この季節だと始発の乗車人数は毎日多いのだろうか、当然のごとく増便されていた。
林道に入ると風は冷たい。まだ空は青く、初めての北アルプスへの期待はおのずと高まる。事前の天気予報では、昼ごろになると安曇野から雲が上がってくるということだった。果たして、この晴天は昼までもってくれるのだろうか。
中房温泉に到着するとすでに人は数十人、ほとんどみな自家用車で来た人たちだ。午前6時6分。軽くストレッチをしてそそくさと行動を開始した。合戦尾根は急登と聞いていたが、普通の登山道とさして変わらない歩きやすい道だ。5分10分の長い休憩は取ることはせず、マイペースに登った。ソロ山行の魅力の一つだ。
8時過ぎに合戦小屋に到着。木陰が涼しい空間を作って、多くの人の憩いの場になっている。ベンチの方からカタカタと鳴り響いてくるのは荷揚げ用のケーブルの音。これが重いスイカを懸命に運んでいるのだろう。提供されるスイカの一切れは想像以上に大きく見え、食べ切るには少し時間がかかりそうだ。僕にはそんなものを食べている暇はなかった。合戦小屋より上では灌木の割合が増えてきて青空がより強調される。振り返ると雲海。雲海より上は雲一つない晴天。北には鹿島槍の双耳峰が、西には槍ヶ岳の尖った山頂が小さく、しかしはっきりと見える。
9時前に燕山荘に到着。360度どこを見渡しても景色が素晴らしい。ここで、写真撮影に興じていたおじさんと言葉を交わす。この方も北アルプスは初めてらしく、景色に感嘆しきりだった。北燕までの往復を終えたので、これから中房温泉に下山するとのこと。明日以降は天気崩れますもんね、とおじさん。あれ、前線は降りてくるけどそんなに崩れる予報だっけと僕は思った。おじさんとの話を終え、サブザックに荷物を詰めて燕山頂へと向かう。道は花崗岩のザレ場、イルカ岩・メガネ岩を見て山頂に到着。山頂の標識はこじんまりとしている。ひとしきり山頂に滞在して山荘へと戻る。
さて、ここからが1日目の後半戦。大天井岳への縦走路を歩く。燕に登った人のうち、大半は下山するか燕山荘で泊まるようなので、この辺りを歩く人はそこまで多くない。縦走路は稜線の東側と西側を縫うようにつけられている。稜線東側の登山道は植生が豊かで色とりどりの花が咲いているが、朝露が蒸発して蒸し暑く、道は狭くなっている。一方、稜線西側の登山道は針葉樹の甘い芳香を含んだ涼しい風が吹き上げてくるのでたいへん心地良く、遠くには裏銀座の縦走路が見える。
道中、雷鳥の家族ともお会いし、燕山荘から歩いて40分ほどで大下りの頭に到着する。大天井岳が徐々に近づいてきた。いや、僕が大天井岳に近づいているわけだが、遠目でも威容が伝わってくる。縦走路の起伏は大下りを境として、前半は小さな起伏、大天井岳までの後半は大きな起伏となる。まず大下りから一気に下り、そして登り返す。喜作レリーフのハシゴ、山頂手前のガレ場を通過して、ちょうどお午ごろ大天荘に到着した。テント場は風が強かったが、なんとかテントを設営して一休み。その後、ガスの晴れ間を見て大天井岳山頂へ向かったが槍は見えなかった。予想よりも早く着いてしまったので堪えきれないほど手持ち無沙汰であったが、明日へ備えて早くに眠りについた。時折目を覚ますと風がかなり強く吹いていて、テントごと飛ばされるのではないかと肝を冷やした。後で聞いた話によると、テントの外には綺麗な星空が広がっていたらしい。

[2日目]
2日目。3時起床。もはや眠くもないので、行動開始を予定している日出時刻までの2時間をもぞもぞとして過ごす。朝食は決まってお茶漬けとスープ。とにかく速く済ませられるのがメリットだが、この際、迅速性は無用だった。大天井山頂からのご来光は望むべくもなかったので山頂ピストンをすることもなく、日出前にはテント場を後にした。
大天井ヒュッテに到着すると早くも小雨が降り出す。このままでは東鎌尾根は登れそうにない。僕はここでヘルメットを装着して、ひとまず西岳へと向かった。赤岩岳手前に差し掛かったところ、道中はガスガスで30m先も見えない状態、前方から聞いたこともない大きな奇声が突然聞こえた。その一瞬で僕は不安になった。何らかの動物の声であることは間違いなかったし、熊鈴をチリンチリン鳴らしていた僕に対する威嚇のようにも思われたが、なにせ姿が見えない。それにソロだ。ひとまず熊鈴を外し、引き返して後続の人を待つ。1分ほど待っていると、僕と同い年ぐらいのお兄さんがやってきた。事情を説明し一緒に歩いてもらう。のそのそと慎重に進むと小さな猿たちが前方を駆けていく。奇声の主は彼らだった。早くここを通過したい思いで、様子を伺いつつ足速に歩いた。先導するように先を歩く彼らをなんとか追い抜く。後で知ったのだが、野生の猿と目を合わすことは敵対的なメッセージになりうるので、彼らと遭遇した時は知らぬふりをして歩かなければならないらしい。
さて、猿たちを通過したあと、そのお兄さんと僕はなぜか一緒に行動することになった。
お兄さんからは昨晩の星空が綺麗だったこと、昨年9月の槍ヶ岳の地震の際にちょうど槍にいた話などを聞く。7時半ごろには西岳に到着。西岳は登山道からは少し外れているので下にザックをデポして登る。ヒュッテ西岳からはクサリ場・やや高度感のあるハシゴを通過して水俣乗越へとたどり着く。この時点で、東鎌尾根を進むのかエスケープするのか判断を迫られた。雨は強くなっていたし、風が強くなる可能性も排除できなかったので、僕はすんなりエスケープすることにした。同行していた彼は槍を諦めきれずにいるようだったが、大曲まで下山してから槍登頂を検討するらしい。大曲への登山道は急でガレているため何度か転倒。また事前のリサーチ通り、雨天時は増水気味だった。
大曲に到着して在京に一報する。この後の行程に槍登頂を組み込むと不都合が生じるし、明日の槍が晴れそうなわけでもないので、そのまま上高地へと向かった。お兄さんも同様。残念だが仕方がない。上高地への緩やかな傾斜がかかった道は、最初のうちこそ梓川のみごとな淡青の水色に惹かれるものの、一旦飽きるとその後はほぼ虚無である。
午後2時過ぎ、4時間以上歩き続けてやっと上高地に到着。ここまで来ると観光客も多い。僕は温泉へ、僕よりずっと年上で社会人であることが判明したお兄さんはバスの早便で松本へ向かうことになった。お礼の言葉を告げ、再会の機会を願ってお別れした。

■感想
・槍を登る方法を検討中です。
・ソロ山行も楽しい。