2022/12/10 川苔山ハイク

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
川苔山ハイク計画書 確定版
作成者:山口
■日程 2022/12/10(土) 
■山域 奥多摩
■目的 登山
■在京責任者・助言係 中田
■在京本部設置要請日時 2022/12/10 17:00 
■捜索要請日時 2022/12/11 9:00 
■メンバー(6人)  
CL山口, SL小島, 桐原, 宰田, 磯貝, 加藤

■集合
JR青梅線 奥多摩駅 8:22

■交通
□行き
6:46 新宿―(JR特別快速ホリデー快速おくたま1号・奥多摩ゆき)―6:59 三鷹―7:15 立川―7:32 拝島―8:22 奥多摩 
※ 拝島で「あきがわ」武蔵五日市ゆきと切り離しのため注意

西東京バス 奥21系統 東日原ゆき 8:35 奥多摩駅1番のりば―8:48 川乗橋 [IC: 263円・現金: 270円]
次) 9:40 発

□帰り
JR青梅線 鳩ノ巣駅解散

■行程
川乗橋バス停―(0:55)―細倉橋―(0:50)―百尋ノ滝―(1:05)―足毛岩分岐―(1:00)―川苔山―(0:25)―舟井戸―(0:20)―大ダワ分岐―(0:55)―大根山の神―(0:45)―鳩ノ巣駅
計 6:15 

■エスケープルート
引き返す,orそのまま進む

■地図
二万五千分の一地形図:武蔵日原・奥多摩湖
山と高原地図:奥多摩

■共同装備
救急用具 アゲハ 磯貝

■個人装備
□ザック □ザックカバー □雨具 □防寒具 □登山靴 □替え靴紐 □帽子 □水 □行動食 □非常食 □ヘッドランプ □予備電池 □ゴミ袋 □トイレットペーパー  □ライター □新聞紙 □軍手 □地図 □コンパス □エマージェンシーシート □筆記用具 □計画書 □常備薬 □学生証 □健康保険証 □現金 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む) □日焼け止め □虫除け □マスク

■遭難対策費  6人×100円=600円

■備考
日の入: 16:30 (鳩ノ巣駅 12/10)
日の出: 06:43 (鳩ノ巣駅 12/11) 
※ https://sunrise.maplogs.com/ja/hatonosu_station_japan.37988.html

悪天時: 前日昼頃に判断

※ 下記のコロナ感染症対策を遵守する。
1. 遭難などの緊急時を除き、山小屋の使用を控える。
2. 長期休暇中は平日の活動を中心にする。
3. 山頂付近などの人が多いところでは長時間滞在しない。
4. 最大10人以下のパーティーとする。
5. 常に、パーティー内の連携を損ねない範囲で十分に距離をとる。
6. マスクを常用する。
7. 水や食料は事前に購入しておき、登山山域での買い物を控える。また、下山後の会食も控える。
8.テント内の人数は定員の半分程度とし、余裕をもって使用する。
9. メンバー全員が2週間前から当日朝まで毎日検温して担当者に提出。山行前の体調管理はしっかりと行い、少しでも風邪の症状がある場合は参加を控える。

□お茶大連絡先
○学生・キャリア支援課 ※開室9:00~17:00(平日) 
Tel: 03-5978-5147 Mail:gakusei@cc.ocha.ac.jp
○正門守衛室 ※常時対応可 
Tel: 03-5978-5128

□その他連絡先
青梅警察署:0428–22-0110
西東京バス(五日市):042-596-1611

□参考
・奥多摩ビジターセンター
https://www.ces-net.jp/okutamavc/

川苔山ハイク 記録
編集:山口
■日程 2022/12/10(土)
■山域 奥多摩

■天候 
快晴

■メンバー(4名)
CL山口, SL小島, 桐原, 磯貝

■総評
道幅の狭い箇所が続くため,ある程度山道慣れしていることが望ましい場面はあるが,体力面で困難はない.百尋ノ滝は幅広の大きな滝で圧巻.川苔山山頂の展望よし. (山口)

■タイムスタンプ(着/発)
9:55 川乗橋
10:30/10:35 川苔山登山口
11:15/11:25 百尋ノ滝
休憩1回
12:00 足毛岩分岐
12:45/13:20 川苔山
13:35 舟井戸
休憩1回(標高853 m地点)
14:45 大根の山の神
15:10/15:20 登山口
15:25 鳩ノ巣駅
[総行程:5:30]

(桐原)

■記録
諸般の事情により,メンバーが予定の3分の2に減り,かつ計画より1本遅いバスで入山することになった.「ホリデー快速おくたま」の車内で4人が合流し,奥多摩駅から日原方面のバスに乗る.丹波山方面と比べれば圧倒的に空いていたが,それでも座席はほとんど埋まった.薄暗い渓谷をくねくねと進むバスに揺られながら,年越し山行をどうしようか,という話をしていた.山へ向かう道中で次の山のことを考える,良くある光景だが冷静に見ると奇妙だ.

川乗橋バス停で下車.ややこしいことに,ここは川“苔”では無く川“乗”になっている.そもそも苔と書いて「のり」と読ませる一見さんお断りの地名である上に,表記ゆれまで付きまとう,厄介な山名だ.だが確かに,“川乗山”では凡庸だし,“川海苔山”では美味しそうだし,ここはあえて“川苔山”と外して抜け感を演出するのが最適解なのかもしれない.

登山口で集合写真を撮るおじさん二人組を見送りつつ,私達も準備を整えて出発する.しばらくは林道を歩く.“警笛鳴らせ”の標識を見て,小島が「あ,車校でやったやつだ!」と言った.進研ゼミ現象である.私も教習に通い詰めた時期を懐かしく思い出した.懐かしく思い出すほど昔ではないはずだが,とても遠い昔のことに感じる.山口さんはもう更新の通知が来たという.そして磯貝君は,ちょうど先月末に免許を取ったところだそう.雷鳥の運転要員として活躍してくれることを期待したい.林道は谷底からかなりの比高を稼いだかと思えば,にわかに本気を出して滝を積み重ねてきた川にあっさり追いつかれてしまう.ヘアピンカーブで必死の抵抗を見せるも,まもなく,太刀打ちできない傾斜に直面する.万策尽きた林道はここから大きく向きを変えて右岸の山腹に取り付くが,登山道は川沿いにそのまま続いている.登山道入口には分かりやすい看板と水車小屋があり,見逃す心配はない.

軽く休憩を取り,林道に別れを告げる.登山道はしばらく狭い谷の右岸左岸を行ったり来たりする.川を渡る橋が心もとなくて少し怖かった.ふと下を向いてしまって,朽ち落ちた先代の橋が目に映ってしまった時の後悔.橋以外の区間も細い道で気が抜けない.降雪のあとなどは控えた方が良いかもしれない.

落ち葉の積もった崖道を慎重に進んでいくと,不意に空間が開けて,大きな滝が現れた.今回の目的の一つ,百尋ノ滝だ.たしかに大きい.窓のようにくぼんだ滝口から,まっすぐに水が落下する.これぞ滝という,子供が絵に描くような滝の形だが,俗っぽさはない.薄暗い滝壺まで行くと,さらに迫力が増した.来られて良かったと思った.

百尋ノ滝で記念写真を撮ってから,東側の斜面に取り付く.滝下では荷物を下ろす場所が無かったので,尾根に上がったところで休憩を取った.クリームパンに含まれるクリームの量がだんだん減っている問題について議論した.小島曰く,「昔はこんな余白無かった」と.クリームパンの余白は目を離した隙に大きくなり,暮らしの余白は日毎に削られていく.世知辛いものである.磯貝君によれば,カントリーマアム1個の重さは線形に(時間の1次関数で)減少しているらしい.そう遠くない将来,虚空を指してカントリーマアムと呼ぶ哀れな人類の姿を,あるいは,負の質量を得て地球から全力で逃げていくカントリーマアムの群れを,想像して,暗澹たる気持ちになった.

登山道は尾根には乗らず,山腹を巻きながら登っていく.途中で足毛岩回りの道を分け,杉林の登りをもう少し頑張ると,再び谷に出る.川苔山の北側直下の谷で,日差しは届かないが広葉樹林に変わるので印象は明るい.そして,地面が白い.遠目にはホオノキの葉が落ちているのかと思ったが,近づいてみるとそれは雪だった.週初めの冷たい雨が,山の上では雪になっていたのだろう.思わぬところで今冬最初の雪に触ることとなった.感じ方は人によるかもしれないが,雪にはやはり,特別感がある.今年の東京も去年のようにしっかり降ってくれたら良いなと願いながら,雪と霜柱を踏み踏み最後の登りを詰める.稜線に出ると,南からの暖かい木漏れ日が身を洗い,北の樹間には真っ白な上越国境の山々が見えた.わずかな登りを経て,川苔山山頂に到着.

文句無しの快晴だった.日原川の谷を隔てて正面に雲取山が聳えている.私の知る中では,雲取はここから見るのが一番に思える.西以外の視界は少し木々に邪魔されるが,それでも奥多摩三山はもちろん,丹沢の山並みなども確認できた.コースタイムよりかなり巻いていて日暮れの心配も無さそうなので,気持ちの良い山頂で長めの休憩をとる.磯貝君が,祖父母の家でとれたというみかんを振る舞ってくれた.山の上で漂う本物の柑橘の香りに,言いようのない幸福感を得た.とても美味しかった.

昼休みを終えて,下山にかかる.分岐が多いのでその点は注意しなければならないが,特に危ない箇所はない.さらに,正直に言ってしまえば,特に見どころもない.山頂直下から最下部まで,おおむね杉の植林の中を,ひたすら単調に下る.舟井戸から南東の斜面へ落ち,広い谷に出たところで大ダワへの分岐を分け,853 m地点で折り返すとしばらく長いトラバース道になる.CLの山口さんは下りが速いことで良く知られており,この日も深山の細流のように淀みない下りだった.案外このぐらいのペースの方が疲れないものである.下りの標高差は1000 m以上あるが,その実感がないままに気付けば半分以上歩いてきていた.道はやはり単調だが,単調ゆえに,歩くことそのものだけで十分に楽しめるのだという事実に気付かされる.

標高700 mを割り込んだところで林道に出合い,お社の脇から再び登山道に戻る.多摩川の深い谷めがけてなおも下っていくと,鳩ノ巣の直前で道が二手に分かれる.これはエアリア(山と高原地図)には記載のない分岐だが,どちらから下っても大差ない.お手洗いに寄っていくなら左(東)の道をとる.集落に出たところで小休止.この山の適度な歩きごたえが,下りきったメンバーの笑顔にあらわれていた.坂道を道なりに降りていくと,唐突に踏切が現れる.渡った先を左に折れれば,すぐに鳩ノ巣駅に着いた.

不運の連続から波乱の幕開けとなったこの山行にも,最後は運が巡ってきたらしい.丁度,私達に合わせてくれたかのように青梅行きの電車が滑り込んできた.

(桐原)

■感想
□CL山口
・はじめに行きたいと思った直後,台風被害があり,バス道・登山道の封鎖・修復をへて3年,ついに叶った川苔山山行である.明らかに新しい林道斜面の保護ブロックなどから,被害状況が垣間見えた.
・日没の早い冬季のハイクで,出発を1時間遅らせる対応は,通常避けるものだが,山・参加者のレベルと参加人数を鑑み,今回は判断した.結果としては予想通り,時間に余裕を持って問題なく行動を終了できた.

□SL小島
・遅刻してしまい,迷惑かけてしまいすみませんでした...フォローしてくださり,ありがとうございました.
・百尋ノ滝は横幅が広い美しい滝で,久しぶりの滝巡りということもあり,癒やされました.
・意外とコンパクトなコースで変化に富んでいて楽しい山行でした.季節を変えてまた楽しみたい山です.

□桐原
・気持ちのよい登山でした.
・いろいろな表情のある楽しい山でした.また季節を変えて訪れてみたいと思います.
・財布を忘れました(ヒヤリハット案件).同じことのないよう気を付けます.

□磯貝
・久しぶりに少しきつい山に行けました.
・百尋ノ滝は大きくて見応えがありました.
・山頂は快晴で,山々がよく見えて良かったです.
・最後の登りで少し疲れたので,体力作りはしていきたいと思いました.
・先輩方といろいろ話せて楽しかったです.