2023/3/6-7 奥多摩三山縦走

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
奥多摩三山縦走計画書 第二版
作成者:吉田
■日程 3/6-7(月-火) 1泊2日 予備日なし
■山域 奥多摩
■山行目的 体力養成
■在京責任者/助言役 小西
■在京本部設置要請日時 3/7 19:00
■捜索要請日時 3/8 8:00
■メンバー(4人)
CL吉田, SL宮島, 小島, 桐原

■集合
3/7 8:10 ケーブル下 
■交通
□行き
御岳駅(7:30/7:55/8:32)-[西東京バス]-ケーブル下(7:40/8:05/8:42) ー284円
滝本(8:20/8:40)-[御岳山ケーブル]-御岳山(8:26/8:46) 600円
□帰り
温泉センター-[西東京バス]-武蔵五日市駅 ー954円
■行程
1日目
御岳山駅-0:29-御岳山-1:17-芥場峠-0:55-大岳山-1:03-オキノ中岩山-1:05-鞘口山-0:25-クロノ尾山-0:38-御前山避難小屋 【5時間52分(10.8km/↑1319m/↓823m)】
2日目
御前山避難小屋-0:12-御前山-0:25-惣岳山-0:55-小河内峠-0:55-月夜見山-0:41-風張峠-0:55-鞘口峠-1:18-三頭山-1:18-鞘口峠-0:30-都民の森バス停-1:17-温泉センターバス停 【8時間10分(16.4km/↑1194m/↓1896m)】
■エスケープルート
芥場峠より前:引き返す
芥場峠からオキノ中岩山:払沢の滝方面へ下山
オキノ中岩山から小河内峠:奥多摩湖バス停方面へ下山
小河内峠から先:都民の森方面へ下山
■地図
2.5万分の1「奥多摩湖」
山と高原地図「24. 奥多摩 御岳山・大岳山」
■共同装備(調整)
カート *2:小島
ヘッド(緑1):宮島
鍋(竹子竹):桐原
調理器具セット(キャサリン):吉田
救急箱(有紗):吉田
(軽アイゼン:)
■個人装備
□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □帽子 □水□行動食 □非常食 □ブキ □コッヘル □ロールペーパー □ライター □ゴミ袋 □軍手 □地図 □コンパス □筆記用具 □計画書 □遭難対策マニュアル(緊急連絡カード含む) □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □日焼け止め □タオル □エマージェンシーシート□シュラフ □マット □マスク □消毒液 □温泉セット  (□熊鈴 □トレッキングポール □ゲイター) 
■食当
6日夜:小島
7日朝:宮島
■遭難対策費
200円×4名=800円
■悪天時
前日までに判断
■施設情報
御岳ビジターセンター トイレあり
大岳山荘(閉鎖)   トイレあり
御前山避難小屋    トイレあり 水場あり(出ているかは不明、水質に不安)
■備考
□日の出日の入り(三頭山)
3/7 日の出 6:00  日の入り 17:51
□連絡先等
青梅警察署奥多摩交番 0428-22-0110
西東京バス
檜原温泉センター数馬の湯 042-598-6789

奥多摩三山記録
■日程
2023/3/6-7(月-火)
■山域
奥多摩
■天気
6日 曇り
7日 晴れ
■メンバー
CL吉田 SL宮島 小島 桐原
■共同装備使用記録
カート *2:吉田→小島
ヘッド(緑1):吉田→宮島
鍋(竹子竹):吉田→桐原
調理器具セット(キャサリン):吉田
救急箱(有紗):桐原→吉田
→熊野へ


■タイムスタンプ
1日目
08:39 御岳山駅発
09:00 御嶽神社
09:26/09:34 綾広の滝手前
10:00 芥場峠
10:27/10:40 大岳山荘
11:00 大岳山
11:56/12:09 オキノ中岩山
12:30/12:45 大ダワ峠
13:27/13:45 クロノ尾山
14:16 御前山避難小屋


2日目
06:45 御前山避難小屋
06:55/07:00 御前山
07:13/07:15 惣岳山
07:45/07:54 小河内峠
08:35/08:40 月夜見第二駐車場
08:50 月夜見山
09:18 風張峠
09:23/09:35 1249m峰手前
10:10/10:15 鞘口峠
10:47/11:00 見晴小屋
11:32/11:57 三頭山
12:40/12:42 鞘口峠
12:49/13:00 森林館(木材工芸センター)
14:00 数馬の湯


■総評
適度な負荷がかかりつつ、避難小屋ではあるが今季初の山中泊ができて、熊野に向けたいい訓練となった


■ルート概況
奥多摩三山を縦走するとなれば、縦走路は一意に決まるだろう。健脚の人は日帰りか、そうでなければ今回のような御前山避難小屋泊が一般的。
道は、御前山〜風張峠を除けば広くてアップダウンも素直。御前山〜月夜見峠は細かい下りと上り返が続き、かつ雪の翌日だったため泥で滑って難儀した。月夜見峠〜風張峠は車道に絡みつくような巻道を行くことになるが、これが少し狭く若干の不安をおぼえた。
総じてベンチやトイレなどの設備も多い。なお、電波はなぜか山頂よりも峠の方がよく入っていた。


■記録
□1日目
熊野古道行きに備え、体力錬成と泊山行のあれこれの確認を目的に計画された本山行。CLの吉田くんと桐原さんが計画を詰めてくれたほか、前日には、小島さんを中心に食当や天候関連のやりとりも活発におこなわれ、私自身は感謝と期待と申し訳なさとを含んだたのしみな気持ちを抱えて臨んだ。
6日朝、8時10分にケーブル下に集合。1本早い電車で御嶽に到着した桐原さんは、ケーブル下(滝本駅)まで歩いて移動したそうで、バスに揺られて到着した他の3人よりも、一足先にウォームアップを完了させていた。いや、道の勾配を考えれば、一足どころではないように感じた。装備の確認ののち、ケーブルカーに乗り込む。昨年7月の週末に訪れた時と比べると乗客の数は半分以下だった。御岳山駅で再度準備をととのえ、まずは神社にお参りして2日間の安全を願う。どのような流れでそんな話題になったのかは忘れてしまったが、それぞれが受けてきた宗教教育についてざっくばらんに語り合ったりもした。その後もおのおの学期末や春休みに起きた大小のニュースを話しながら歩いていると、御嶽神社から30分で綾広の滝手前、さらに30分で芥場峠に至った。登山道には前日に降り積もったと思われる雪が残っていたが、歩くのに障るほどではなかった。11時を回るころ、大岳山山頂に到着。眺望はなく、10分ほど休憩を挟んで先に進んだ。ところどころに整備されている木製の階段には雪は残っておらず、特筆すべき滑りやすい箇所もない。下りの歩行技術にあまり自信がない私からすると非常に助かる。大ダワ峠の車道出合には水洗のお手洗いがあり、ここで小休憩をとった。1日目は行程にやや余裕があったためか、豊富に設けられた道標を眺めては、2日間の行程のどのあたりにいるのかを想像するのもたのしかった。大ダワ手前では5.7kmだった御前山までの距離は、クロノ尾山山頂で1.3kmまで縮まっていた。この時、三頭山までの距離にはなるべく意識を向けないようにしていたのはきっと私だけだろう。頼もしいメンバー揃いなのである。この日のコースは、多くの人が訪れる人気登山道なだけあって総じて歩きやすかったが、避難小屋直下の登りは融雪でややぬかるんでいた。
14時過ぎに避難小屋に到着。ガラス製の窓越しに外の景色が一望できるという魅力と引き換えに、外気温の影響をもろに受けそうな小屋である。15時前の時点ですでにかなり寒く、ダウンやシュラフにくるまってぬくぬくしながら、夕食の準備を進めた。食当の小島さんのザックから、計量された調味料やレシピのメモ、光量にすぐれたランプなどが次々と取り出されていく。そのレシピメモにあった、炊飯前に米を浸す際の水の量は、鍋に入れた人差し指の第一関節にさしかかるくらいがちょうどよいとの記述を受けて、4人で人指し指の先から第一関節までの長さを比べ合ってみると、なんと私が一番長かった。吉田くんが誰に頼まれるでもなく誤差を計算しはじめる。このパーティのメンバーは私以外全員理系学部に在籍しているのだが、彼らが繰り広げる理系トークには(残念ながら追いつくことはままならないものの)いつもワクワクさせられる。じっくり煮込まれたハヤシルーのいい匂いに包み込まれ、夕食の時間を迎えたのは16時半頃。トマト風味が効いたハヤシライスと滋味深い玉ねぎスープを、4人できれいに完食した。片付けを済ませたのち、外のようすや翌朝の起床時刻を共有し、晴れ予報の翌日の花粉の飛散量を心配しながら、19時頃には寝袋に潜った。


□2日目
朝5:30に起きる。山としてはかなり遅めの起床なので、空は白みはじめている。御前山の避難小屋は相当快適だったが、朝の冷え込みは強く、寝て寒さで起きての繰り返しだった。5時頃にあと30分寝れると思い、うつ伏せになったのだが、その体勢がとても心地よく、もっと寝ていたかったのが正直なところだ。時間になってアラームが鳴ると、他の3人はガバっと起きだして支度を始める。今回の山行の中で、3人が最も山人らしく見えた瞬間だった。僕がまだぐずぐずしている中、宮島さんがてきぱきと朝食の準備を始めてくれている。ジャガイモを切っているようだ。出来上がったスープは、味付けこそシンプルだが、歯ごたえのある葉物とジャガイモのハーモニーで、おいしい。他の3人はあっという間に食べ終わり、山人たるスピーディーさを見せてくれた。小屋を出発すると、前日の悪天、濃霧が嘘のように空は晴れ渡り、朝日がさして風も心地よい。吉田くんが登山ポールを貸してくれたので、ありがたく使わせてもらった。歩き始めて15分くらいで御前山山頂に到着。他に登山者はいないが、山頂の隅にあるベンチにスマホをセットし、記念写真を撮る。木々に葉がついていないため、隙間から景色が見えるのがこの時期の山行のメリットだ。御前山から月夜見の駐車場を目指して下っていくが、山頂付近にもあった雪が気温の上昇とともに解け、ドロドロ地獄を作っていた。結構な急斜面に階段がほとんど整備されていないので、泥の斜面を滑り降りていくような感じだ。桐原と宮島さんはほとんど転ばずに進んでいくが、僕と吉田くんは何度も派手にバランスを崩しながら降りていく。靴はドロドロで少し暑く、三頭山も遥か遠くに見え、メンタル的にもトレーニング満載の区間だった。月夜見山を過ぎると、車道と登山道が交差することが増え、足元に気を使う必要のない車道のありがたみを感じていた。もちろん黙って歩いていたわけではなく、いろいろ話していたが、記憶の扉の奥にしまわれてしまったので、割愛する。風張峠を過ぎてしばらく行くと明らかに三頭山が近づいてきた。花粉交じりの涼しい空気の後押しを受け、鞘口峠に向けて歩いていく。鞘口峠に着いてほっと一息。同じ場所に戻ってくるので、荷物を置いていこうか、という話にもなったが、あくまでトレーニング山行なので、荷物は持った状態で頂上を目指すことに。鞘口峠からの道は、それまでとは打って変わって、きれいに整備されている。順調につづら折りを繰り返し、最初のピークに到着。三頭山の山頂はたくさんの人がいたので、写真を取ってもらい、下山した。


■感想
CL吉田
・泊まり初CLでしたが、問題なく山行を終えられて嬉しく思います
・時間管理があまりうまくできませんでした。休憩適地ちゃんと把握して計画的に休憩をとるべきでした
・本番を考えるともっと荷重を増やしていった方がよかったかも…
SL宮島
・泊まり山行という形でトレーニングやメンバーとの交流ができ、熊野に向けてモチベが高まりました。引き続き体力向上に取り組みたいです。
・2日間ずっと笑っていました。熊野ではどうなってしまうことやら...
◯小島
・食当に慣れてなかったので、ハヤシライスが上手くできて良かったです。
・避難小屋がとても快適でした。
・丹沢、奥多摩、熊野古道の中では、奥多摩三山が一番きつかったです…
◯桐原
・熊野に向けて自分やメンバーの泊まり山行スキルを確認するよい機会になりました。
・二日目後半は花粉に苦しめられ集中力・判断力が低下しているのを感じました。怪我等しやすい状況だったと思います。この時期に奥多摩を歩くことのリスクを計画時により深刻に考えるべきでした。