2023/6/17 乾徳山ハイク

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
乾徳山ハイク計画書 第二版
作成者:吉田、白川
■日程 6/17(土) 日帰り 予備日なし
■山域 奥秩父前衛
■山行目的 登頂・雷鳥の山行に慣れる
■在京責任者/助言役 宰田
■在京本部設置要請日時 6/17 19:00
■捜索要請日時 6/18 8:00


■メンバー(12人)
1隊
CL吉田 SL朝倉 鈴木 油井 原 髙村 


2隊
CL磯貝 SL白川 今泉 石井 小田 斉藤 




■集合
塩山駅南口 8:15
(天気によってはバス激混みなのでできればお早めに)


■交通
山梨交通バスを利用
[行き] 塩山駅南口(8:30)-乾徳山登山口(9:02) 670円
[帰り] 乾徳山登山口(16:08)-塩山駅南口(16:40)
市民バスを利用(西沢渓谷線 山梨厚生病院行) 400円  
乾徳山登山口(16:51)-山梨市駅(17:23)
混み具合、遅刻などでタクシー利用もある


■行程
乾徳山登山口バス停-(0:30)-乾徳山登山口-(1:20)-国師ヶ原十字路-(1:20)-乾徳山-(1:20)-国師ヶ原十字路-(1:00)-道満山-(0:55)-徳和峠-(0:15)-乾徳山登山口バス停 
【計6:40/△1273m/▽1273m】


■危険箇所
岩場鎖場(鳳岩は迂回道あり)


■エスケープルート
・乾徳山山頂まで:引き返す
・乾徳山山頂〜車道出合:大平からタクシー
・それ以降:徳和峠へ




■地図
二万五千分の一地形図: 「川浦」
山と高原地図: 「27. 金峰山・甲武信」


■個人装備
□ザック(30~45Lくらい) □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □帽子 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □軍手 □地図 □コンパス □筆記用具 □計画書(要印刷) □遭難対策マニュアル(要印刷) □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □日焼け止め □エマージェンシーシート □マスク □消毒液 (□熊鈴)


■共同装備(調整済)
救急箱(苺・有紗):吉田→吉田・磯貝


■遭難対策費
100円×12人
計1200 円


■悪天等判断
前日正午までに判断


■周辺施設
トイレ:塩山駅、登山口バス停、高原ヒュッテ
コンビニ:塩山駅


■連絡先等
山梨県警察日下部警察署 0553220110
日下部警察署塩山駅前交番 0553332299
塩山タクシー 0553-33-3200
甲州タクシー 0553-33-3120


—
□登山届提出先
・東大教養学部学生支援課	:提出済
・お茶大	:提出済
・コンパス	:提出済
□東大連絡先
○教養学部学生支援課 ※開室9:00~16:50(平日)
Tel  :03-5454-6074 
○駒場正門守衛室 ※常時対応可
Tel  :03-5454-6666
□お茶大連絡先
学生・キャリア支援課 ※開室9:00-17:00(平日)
Tel  :03-5978-5147 
正門守衛室 ※常時対応可 
Tel  :03-5978-5128
□過去の記録
2022
2022
2019
2013

乾徳山ハイク記録
■日程
2023/6/17(土)
■山域
奥秩父前衛
■天気
晴れ
■メンバー
□1隊
CL吉田 SL朝倉 鈴木 油井 髙村 原 
□2隊
CL磯貝 SL白川 小田 今泉 石井 斉藤

■共同装備使用記録
救急箱(苺)     :磯貝
            (吉田私物)	:吉田


■タイムスタンプ(1隊)
09:19 乾徳山登山口バス停発
09:49 乾徳山登山口
10:36 銀晶水
10:47 発
11:12 錦晶水
11:22 発
11:47 月見岩
11:55 発
12:40 乾徳山
13:05 発
13:43 月見岩
13:49 発
14:48 乾徳山登山口
15:05 乾徳山登山口バス停着

■総評
梅雨時とは思えない快晴で、眺望や岩場など楽しみは大いにあった。技術的な面でも思い出的な面でもいい経験になったのではないだろうか。しかし、時間管理の甘さや道間違えなど問題点も散見された。

■記録(油井)
8:30発の西沢渓谷行きのバスに乗るために8:15に塩山駅南口のバス乗り場3に集合した。メンバーの半分ほどが塩山駅7:51着の電車に乗車していたのでバス待ちの列の先頭付近を確保できた。僕もこの電車で行く予定だったが、前日早く寝たおかげか目覚ましが鳴る前に目が覚めたので5:30に家を出て一本早い7:22着の普通列車で塩山に入り、駅北側の千野地区にある慈徳院の甲斐武田氏9代目武田信春の墓前で山行の無事を祈願してから7:55頃に列に合流した。割り込む形になってしまったので寄り道をする時は電車の到着時間を気にしつつ早めに集合場所に戻るよう心がけたい。8:14着の電車で到着したメンバーもバス停まで駆け足で移動し、後ろの方々が合流を認めてくださったので全員揃って1号車に乗ることができた。
初対面の人が多かったので、バス発車前に簡単な自己紹介をし、車内では45期同士で会話をして親睦を深めることができた。乾徳山を山号とし武田晴信の菩提寺でもある恵林寺の前を通過し、出発から30分ほどでバスは乾徳山登山口バス停に到着した。自分たちと共に多くの乗客が下車した一方、テントを担いだ重装備の登山客はそのまま西沢渓谷方面に向かっていった。おそらく甲武信ヶ岳に登るのであろうが、僕は7/1~2の甲武信ヶ岳山行に参加する予定なので彼らを見て気分が高まった。

登山口でトイレを済ませると帰りのバスまであまり時間的余裕がないのですぐに出発した。45期の会話が弾むなか、しばらく舗装された車道を進み、砂防ダムを見下ろしながら徳和川沿いの砂利道を登った。「乾徳山登山口」と書かれた木製の看板前で一旦停止し、ここで記録担当を決定するとともに吉田さんを先頭とする1隊、磯貝さんを先頭とする2隊に分けてから山に入った。自分は1隊に属していたのでここからは主に1隊の出来事を記す。
登山道は徳和川に注ぐオソバ沢に沿って進むためぬかるんでおり、渡渉する場所もあった。吉田さんの水筒が空になり、補充する時間を確保するため林道にぶつかった地点で数分間休憩をとった。その間に2隊が到着し大人数で停滞していたため登山道を塞いでしまっていた。他の登山客の邪魔にならないよう休憩時にも注意を怠らないようにしたい。
休憩後は順調に進み銀晶水という水場で再び小休止をした。45期は持ち寄った菓子を交換し、先輩方は水を汲んでいた。2隊到着後、白川さんに集合写真を撮影してもらい、再出発した。僕が1隊の先頭を担い順調に進んでいるように見えたが2隊と差がついてしまったため駒止で時間調整を行なって2隊を先に通した。自分の所属する隊だけでなくパーティー全体のことを考えてペースを調整するのは難しいと感じた。これから徐々に適切なスピードで歩けるよう訓練していきたい。
次に錦晶水という水場で全体休憩をとった。出発から既に2時間半ほど経過しておりここからペースを上げることを決定した。出発しようとした時、鈴木さんが斜面にニホンジカを発見した。こぞって写真を撮ったがシカは逃げようとせず人間に慣れているようだった。気を取り直してハイペースで10分ほど登ると山小屋もある国師ヶ原に到着した。休むことなく登り続けると突然森を抜けて草原の広がる稜線に出た。梅雨時とは思えない快晴に恵まれ、稜線上からは富士山や南アルプス、眼下の甲府盆地の大展望が広がり息を呑む美しさだった。月見岩前の広場で数分間休みエネルギーを補給しこの先に控える岩場に備えた。ここから先は1隊が先に進み、2隊とは山頂まで別れた。
この間、2隊の小田が体調の変化に気づき、すぐに申し出たため小田と付き添いの白川さんは月見岩に引き返した。登頂したい気持ちを抑え安全を第一に考えてリタイアを決意した小田の選択は英断であり、小田のために残ってくれた白川さんにも頭が上がらない。いざという時の決断力が生死を分けるのが登山であると思うので、2人を見習って状況をよく観察し即決できる判断力を磨いていきたい。
稜線上の扇平には小さな黄色い花が一面に咲いており可憐だった。草原を抜け再び樹林帯に入ると最初の鎖場が現れた。吉田さんから簡単なレクを受けたこともあり鎖を使うまでもなく突破できた。ここからは岩稜帯が続き髭剃岩などの奇岩を見ながら足早に山頂を目指した。岩場では行き違いが困難なため一部区間では渋滞していたが、その間にスタミナを回復することができた。山頂直下の鳳岩は20mほどの長大な鎖場となっており、朝倉さんの動きを見て勉強し、頭の中でシュミレーションをしてから慎重に登った。今までこれほど登りごたえのある岩場は経験したことはなかったので、スリルと達成感の新鮮さを存分に味わうことができた。
鳳岩を越えた先はもう山頂であり、月見岩辺りから見えていた山梨方面だけでなく甲武信ヶ岳や金峰山など奥秩父の山々も一望でき、360°の大パノラマを堪能することができた。45期は鈴木颯人を意識した写真撮影を順番に行い、山頂で集合写真も撮った。山頂に十分なスペースがなく時間も押していたので昼食休憩は取れず、2隊の登頂後すぐに1隊は下山を開始した。また、本来なら道満尾根コースを下り道満山・徳和峠を経由する予定であったが帰りのバスに間に合わせるため行きと同じオソバ沢ルートを下るピストンに変更した。

下りでは鳳岩を梯子のある迂回路でパスし、すれ違った軽装のタイ人パーティーや足をつったメンバーのいるツアー客パーティーを心配しつつ急ぎ目に月見岩を目指した。月見岩で休んでいた小田と白川さんに合流して少々休憩し、小田の体調が回復していたのでこのまま一緒に下山することとした。塩山駅行きの最終バスが15:08発だと勘違いしていたこともあって1隊だけでもこれに乗るため合流後は猛スピードで下山し、国師ヶ原直下の石混じりのぬかるみに足を取られつつも順調に下った。オソバ沢では渡渉地点を見逃し、親子連れがいたコース外の沢沿いに誤って進路をとってしまった。これは急いでいたこともあってルート確認を十分に行わず前の人について行った結果起きてしまったミスである。後ろの別パーティーが正しいルートを進んでいるのが見えたので幸いにも自分たちのミスに気づくことができたが、誰も違和感を覚えることなくルート外の沢を下るのは危険に繋がりかねない行為であった。以後このようなことがないようテープ・地図の確認を怠らないようにしたい。
コースに戻った後は快調に下り登山口まで無事下山した。バスの時刻まで残り10分ほどしかなく駆け足でバス停に向かった。行きと同じルートを通っていたはずなのだが、45期の記憶になく、話に夢中で周りが見えていなかったことが確認された。元々周回ルートを取るつもりであったためもう一度通ることは想定していなかったが、もう少し周囲の観察をしつつ登ればよかったと感じた。

 15:07に乾徳山登山口バス停に到着し時刻表を確認して初めて15:08発が塩山駅行きの最終ではなく1時間後にもう一本存在することに気がついた。鈴木さんはこのことを分かっていたようだったが猛スピードで下山する必要がなかったことを知って一同落胆した。バス発車前に遭対費の回収を行い、2隊の帰りを待つ吉田さん以外の6人は塩山駅行きのバスに乗り込んだ。
6人は塩山駅前で解散し、45期の4人は10分ほど歩いたところにある完熟屋でほうとうを食べてから帰ろうとしたが、まだ16時頃だったため支度中であった。僕の下調べ不足であり無駄に歩かせて申し訳ないと感じている。ほうとうを食べるのを断念した4人は塩山駅のKIOSKでアイスを買おうとしたが、この店舗に冷凍コーナーは存在せず、駅前に他にコンビニもなかったので諦めて帰路についた。一方、2隊は1隊が塩山駅に到着した頃には下山し、16:08発のバスで塩山駅まで戻り無事解散したようである。

今回の乾徳山ハイクは天候にも恵まれ絶景を楽しむことができ、岩場にも挑戦できたため非常に充実したものとなった。一方、時間に追われながらの登山でゆっくりと展望を満喫することができずまとまった昼食時間もなかったので少々悔いの残る形となってしまった。これほどまでの快晴の日に巡り会えるかはわからないが、機会があれば余裕のある計画で再訪したい。また、個人的には下山後の観光や入浴、食事も楽しみたいのでこれからは入念に下調べをしておきたい。


■感想
CL吉田
・時間管理の甘さは反省に値する。中盤から後半にかけて急ぎ足になってしまった。
・山自体の魅力は十分に楽しめた。願わくばそれぞれのポイントでゆっくりしたかった。
・岩場での能力不足を痛感した。
・少し悔いが残ったのでまた来年にでも行きたい。

SL朝倉
・昨年同時期に行われた乾徳山行の記録を見て漠然と登頂欲のあった山だったが、写真や文章から受ける印象を上回るほど良い山だった
・大岳山の7時間がキツかった思い出があるので、乾徳は思いの外歩けてたかなという印象だった
・いつもは拝みたくても顔を見せてくれない富士山だが、今回は終始バッチリ視界に入っていた。岩場で視界に入って来られると気が緩むのでぜやめてほしい
・下りのペース配分と道間違いについては課題があった

CL磯貝
・ペース配分がうまく出来ず、先に行き過ぎてしまったり、前半でゆっくりしてしまったりしたりしたので、後ろの人をもっと気にかけていきたい。
・下りで誤って沢の方へ降りてしまった。地図をこまめに確認したい。
・森林を抜けた先の景色が最高だった!岩場も登りごたえがあり、いい練習になった。

SL白川
・森林、草原、岩と変化に富んだ道で、歩いていてとても楽しかった。
・本格的な岩場は初めてだった。少し手間取ってしまったこともあったので、きれいに登れるようになりたい。
・いつかまた行きたい。

◯鈴木
・快晴の下、素晴らしい眺望を眺めながら登ることができて、非常に満足感のある山行になった。特に、頂上からは富士山や南アルプス、奥秩父の山々を一望することができ、感無量だった。
・個人的に今までで一番難易度の高い岩場だったが、三点支持に注意して登れば結構あっけなく登ることができた。
・乾徳山登山口の直前の沢沿いの道で登山道を誤って進んでしまった。地図を確認すれば、沢を横切って登山道が続いていることが分かったはずなのに確認を怠ってしまった。次回以降このようなミスがないように注意したい。

◯油井
・病み上がりで体力面に不安があったが無事登頂することができて安心した。月見岩辺りから展望と岩場を楽しむことができ、充実したハイクとなった。
・ペース調整や昼食のタイミング、下りのルート選択にミスがあったので山行経験を重ねて成長していきたい。

◯髙村
新歓行事を除き雷鳥での初めての山行だった。チェーンやロープが備えられている岩場が多くあった。自分は足を掛ける場所を見つけるのに苦慮したので、上手な人の上り方を真似することの重要性を身を持って感じた。天気も非常に良く、十字路のある開けた地帯やカミナリ岩付近、頂上から南アルプスの山々や富士山を完全な形で臨むことができ、大変良かった。一方下では若干バテ気味で、前の人についていくことに集中しきっていたため、周囲を見渡したり読図を行ったりする余裕がなかった。今後は体力作りにも取り組みたい。あと1ヶ月程で夏休暇が始まるが、多くの山に登り経験を積みたい。

◯原 
•自分にとって初めての本格的な(?)登山であったため、いたるところで登山の楽しさを実感することができた。色んなタイプの場所があり、歩いていても飽きなかった。岩場は怖かったが、楽しかった。何と言っても徐々に景色が素晴らしくなっていき、登山の気持ちよさを味わえた。
•下りは結構集中しないといけないんだなと実感した。
•ぜひ次は泊まり山行にも参加したい。

◯小田
・バテ気味だったので鎖場をぬけたあとのあたりで引き返して三叉路で休憩した。新歓合宿の大菩薩よりもあきらかに調子が悪かったが、これは食事が違ったからだろうと考えている。三叉路での眺望はほとんど雲が見あたらないほどの好天とあいまってとてもすばらしく、甲府盆地のひろがりや、雪もまばらとなりくろぐろとした富士山がよくみえた。時期をみてリベンジし、登頂をめざしたい。

◯今泉
・快晴の中、山の雰囲気や景色を楽しみながら登ることができた。岩場もスリリングで、非常に楽しかった。
・下りはハイペースだったが、無事に下山することができほっとした。地図の確認などを自分でも練習していきたい。

◯斉藤
・初めての岩場の多い登山であり怖いと思う場面もいくつかあったが、間違いなく今までで一番緊張と集中が必要であった山行であり、登り切った時の達成感も格別であった。
・体力面ではそれなりに余裕があったが、途中から右足の甲が痛くなってしまい歩きづらくなってしまった。次回の山行までにはもっと厚手の靴下を購入したい。