2023/9/29-30 天狗岳・にゅう
天狗岳・にゅう山行計画書 第二版
作成:白川
■日程 2023/9/29-9/30(金・土) 予備日なし
■山域 八ヶ岳
■在京責任者・助言者 加藤
■在京本部設置要請日時 2023/9/30 19:30
■捜索要請日時 2023/10/1 9:00
■メンバー(5名)
CL 白川 SL小田 城所 茂木 西脇
■集合
茅野駅改札口 10:00
■交通
□行き 計3740円(3222円 ※学割利用時)
・[JR中央本線・松本行]【高尾】-【茅野】6:43-9:23
2590円(2072円 ※学割利用時)
・[アルピコ交通 奥蓼科渋の湯線]【茅野駅】-【渋の湯】 現金のみ9:25-10:17(/10:25-11:17/13:45-14:37)
1600円
□帰り
・[アルピコ交通 麦草峠線] 【麦草峠】 - 【茅野駅】(11:15-12:27/12:50-14:02/15:20-16:32) 2000円
■行程
○1日目
渋の湯-1:06-八方台分岐-0:22-唐沢鉱泉分岐-0:49-黒百合平-0:05-中山峠-0:13-にゅう分岐-0:35-にゅう-0:15-中山-0:15-にゅう分岐-0:15-中山峠-0:05-黒百合平
計 △721m ▽171m 道のり6.6km
黒百合ヒュッテにザックをデポ、中山まで向かい展望台へ。
○2日目
黒百合平-0:05-中山峠-1:20-東天狗-0:20-西天狗-0:20-東天狗-1:00-黒百合平-0:05-中山峠-0:20-にゅう分岐-0:50-にゅう-1:00-白駒池南岸-0:10-白駒荘-0:35-高見石-0:20-丸山-0:40-麦草峠
計7:10 △686m ▽967m 道のり9.6km
天狗岳へも黒百合ヒュッテにザックをデポして向かう。
希望・天候次第で白駒池入口経由の短縮もあり。
→白駒荘-0:20-白駒池入口-0:25-麦草峠 合計CT6:15
■注意点
・天狗岳-黒百合の往復の岩稜帯
・にゅう-白駒池の岩と木の根の多い箇所
・防寒対策
・天狗岳の岩稜帯の道迷い(印がとても見つけづらい)
■エスケープルート
・1日目 唐沢鉱泉分岐まで:渋の湯まで引き返す 唐沢鉱泉分岐以降:黒百合ヒュッテまで進むor引き返す
・2日目 にゅうまで:黒百合ヒュッテに引き返すor進む にゅうから白駒荘まで:白駒荘へ進む 白駒荘以降:白駒荘・高見石小屋・麦草ヒュッテの近い方へと引き返す
※白駒池入口経由の場合:白駒池入口まで:青苔荘に引き返す 白駒池入口以降:麦草ヒュッテへ進む
■共同装備
・テント
ステラリッジ:白川
ステラ4: 小田
・救急箱
エーデルワイス:白川
・鍋
梅・小梅:白川
・調理器具セット
ディド:白川
・ヘッド
緑1、緑11:白川
・カート×3:小田
■食当
1日目夜:茂木
2日目朝:西脇
■個人装備
□ザック □ザックカバー □シュラフ(□シュラフカバー)□サブザック □マット □雨具 □防寒具 □登山靴 □替え靴紐 □帽子 □水 □行動食 □非常食 □ブキ □コッヘル □ヘッドランプ □予備電池 □ゴミ袋 □トイレットペーパー □ライター □新聞紙 □軍手 □地図 □コンパス □エマージェンシーシート □筆記用具 □計画書 □常備薬 □学生証 □健康保険証 □現金 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む)□日焼け止め □歯ブラシ □充電バッテリー □タオル □消毒液 or アルコール除菌シート □温泉セット(□サンダル □着替え □サングラス □リップクリーム □熊鈴)
(サブザックに入れるもの)
□ザックカバー □雨具 □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □ヘッドランプ □地図 □コンパス □エマージェンシーシート □計画書 □学生証 □健康保険証 □現金 □遭対マニュアル(緊急連絡カード含む) □タオル(□サングラス □熊鈴)
■地図
25000分の1:「蓼科」
山と高原地図:「33. 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰」
■現地宿泊先
黒百合ヒュッテ 小屋直通:090-2533-0620 事務所直通:0266-72-3613
http://www.kuroyurihyutte.com
50張, 1000円/1人+500円/1張, ポリタンクの水利用可(水場なし),トイレ有,予約不要
■遭難対策費 5人×200円=1000円
■備考
信州山のグレーディング:3B
□日出・日没時刻
日の入 17:43(天狗岳 9/29)
日の出 5:31 (天狗岳 9/30)
(参照:https://alumicase.com/acdc/mountain.html)
□電波
docomo◯
(https://www.docomo.ne.jp/area/mountains/individual/?id=tengudake)
au△
(https://www.au.com/content/dam/au-com/mobile/area/4glte/800mhz/mountain/trail/pdf/yatsugatake_tengudake.pdf)
softbank×
□温泉
ちのスカイビューホテル
アクセス:茅野駅から徒歩11分
料金:500円
営業時間:15:00~22:00
ちのステーションホテル
アクセス:茅野駅から徒歩2分
料金:500円、フェイスタオル付600円
営業時間:10:00~16:00。ただし最終受付は15:30。
□雨天時中止:前日12:00までに判断
9/29-30 天狗岳・にゅう山行 記録
作成者:城所、白川、西脇
■日程 2023/9/29-20(金-土)
■山域 八ヶ岳
■天気 9/29 晴れ
9/30 曇りのち晴れ
■メンバー(敬称略)
CL白川、SL小田、城所、西脇
■タイムスタンプ
1日目 計2:36
11:37渋の湯バス停
14:11黒百合ヒュッテテント場
【2:36△558m/▽10m】
2日目 計10:19
5:02黒百合ヒュッテテント場
5:05中山峠
5:22中山
6:04中山峠
7:05東天狗岳
7:39西天狗岳
9:35中山峠
9:43黒百合ヒュッテ
10:39中山峠
11:46にゅう
14:02高見石小屋
14:27丸山
15:19 麦草峠
【10:19△829m/▽1106m】
■総評
鳥のさえずりが鳴り響く森の道で、北八ヶ岳らしい豊かな自然を堪能した。天狗岳山頂は素晴らしく真っ白な景色が広がっていた一方、にゅう山頂からはなだらかな北八ヶ岳の森と白駒池などの眺めを楽しむことができた。メンバーの半分が久しぶりのテント泊であったが、とくに急登や険しい岩場はなく、難なく無事に登り切ることができた。
(以下、ヒヤリハット)
1日目に交通関係の調べ不足で平日は登山口までのバスが運行していないことが現地で判明。早速タクシーを使って登山口まで移動することになった。2日目には西天狗岳の下山中にメンバーの片方の登山靴のソールが剥がれた。靴の使用年数は浅く、前触れもなく突然剥がれた。応急処置として、携帯していた替え靴紐で縛って固定した。
■記録
〔1日目〕文責:城所
最寄りから5:00の始発に乗ってきた私は、茅野駅でパンを買い、とりあえず空腹と睡魔のうち片方を満たしていた。朝から快晴。久しぶりの山行に期待が高まる。しばらくして3人と合流した。まずはバスの乗車券を買うことになった。
バス会社の窓口に向かった4人だったが、予想外の展開になってしまった。なんと今日はバスが出ていないと告げられたのだ。予定していたバスは土日祝日のみの運行とのこと。時刻表を再度確認してみると確かに明記してあった。CLSLに任せきりにしないで、私も確認するべきだったなぁと反省。皆さん、アクセス面は複数人の目でチェックしましょう!
気を取り直して、夕食の食材を調達しに出かけた。まだ10:00前だったのでちょっと歩いて9:00開店の西友へ。豚汁+ごはんを献立に考えていたが、ちょうど良い食材が見つからず計画変更。直感を頼りにお鍋をチョイスした。個人的には、10時過ぎにデカザックを背負って西友でお買い物している状況、交通手段も確保してないのに夕食の心配をしている状況に、先行きの不安を通り越して面白がっていた(次回は計画的に行こうね)。
駅に舞い戻ったとき、ロータリーでタクシーを発見。一般的な車種のタクシーだったが、4つのザックはトランクにすっぽり収まってくれた。
車窓には八ヶ岳連峰が見え、青空に映えていた。途中、御射鹿池の横を通過した。この池は東山魁夷の代表作《緑響く》のモデルになった地である。運転手の方に教えてもらえて良かった。1時間ほど揺られて渋の湯登山口に到着。結局計画書通りの時間に到着できたので一安心。下車すると硫黄の匂いに包まれた。八ヶ岳連峰制覇を目論む白川氏によると、硫黄岳より硫黄の匂いがするとのこと。渋の湯でトイレ休憩を挟み、いよいよ出発した。
登り始めてすぐに、苔と岩の世界になった。もののけ姫が暮らす森に分け入っているようだった。合宿にありがちな序盤の急登がなく、またすれ違う登山客もわずかだったため、素敵な森を独り占めできた。苔の保水力のおかげか、多種多様なキノコも見られた。登山口から1時間ほどで、傾斜が緩くなり歩きやすい道になった。登りながら、小田くんと熱力学大変だよねという話をした。物化が非常に苦手な私は彼の話にとても共感してしまった。途中からは、山行の話題に移った。表銀座・槍ヶ岳、南八ヶ岳、北岳、明神明星など各々の夏山行の話を聞かせてくれた。私がいなかった間に夏山を満喫していたようでちょっと羨ましくなった。
約1時間、苔むした直径1mくらいの岩が連続する道を進んだ。足場の悪い道だったが、しっかりついてきてくれた西脇さんに頼もしく嬉しく感じていた。いつの間にか、今回の幕営地である黒百合ヒュッテに到着。行程中は登山客が少ない印象だったが、テン場にはすでに先客が5~6組いた。テン場の一部のスペースにはすのこが用意されていた。私たちは2張のうち一方をすのこの上に設営することにした。CLSLが譲ってくれたので、このVIP席をありがたくいただいた。地面の冷気は伝わってこなくて快適だった。2人ともありがとう。一段落ついたあと、ヒュッテ内を視察。オリジナルの登山バッチや手ぬぐい、Tシャツ、タンブラーなどが販売されている。テン場は圏外だったので、電波を求めて中山方面に行くことに。木道を数分行った先の中山峠で4Gをゲットできた。在京に連絡したあと明日のご来光をどこで見るか相談した。最終的に、当初の予定通り行程が短い中山を選択した。テン場に戻ったら、ゆるゆると晩ごはんタイム。午前中に仕入れた食材でお鍋を作った。白川氏推薦のストレートタイプ寄せ鍋つゆにカット野菜、ベーコン、お餅を投入。出来合いのダシは重いけど美味しい。沸騰を待つ間に白川さんが北岳山行のときのシェフたちの話をしてくれた。なんでも、美味しい創作料理ばかりだったという。ぜひ私も食べてみたいなあ。
6時半頃、中秋の名月が林のほうから上ってきた。テントの中でライトが必要ないほど明るく輝いていた。
〔2日目〕文責:西脇花帆
2日目は3時15分起床の予定だったのだが私は寝坊してしまい、3時半に同じテントに泊まっていた城所先輩に起こして頂いた。大変申し訳ない。
当然ながら外はまだ闇に包まれており、風が強く吹いていて大変寒い。朝食はテントの中で作ることになった。寝袋ごともう一方のテントに持ち込んで、昨日山小屋のポリタンクで汲んでおいた水を沸かす。今回の食当は私だったのだが、初めてだったのでなにぶん勝手が分からず、とりあえず棒ラーメンとねぎ、コーン等を持って行ったのだがやはり華やかさに欠ける。次回の山行までに山料理を研究しておこうと決意。全員お腹を満たし、まずはご来光を見に展望台があるという中山に向かう。
サブザックを持って黒百合ヒュッテを出発し、にゅう分岐を過ぎてしばらく経った頃、段々と辺りが明るくなってきた。眼下に広がった雲海の切れ目から太陽が徐々に登ってくる様が大変幻想的で、いつの間にかこんなに高いところに来ていたのだなあ、と実感。
中山の山頂を通り過ぎしばらく歩くと、ひらけた場所にある展望台に到着。しかし、一面ガスっており、真っ白で何も見ることが出来ない。しばらく休憩してから天狗岳に向かおうとしたのだが、10分程度経つと霧が晴れてきた。おぼろげに見えてきた空は薄い桃色をしており、その上を雲が横に長くかかっている。そして、月は見事な満月であり、これ以上ないほど明るく輝いている。疲れからすぐに寝てしまったため見ることはできなかったのだが、昨夜は中秋の名月だったらしい。
中山からにゅう分岐に戻り、次は天狗岳に登る。何回か休憩を挟みながらしばらく岩場を登っていく。1日目に歩いた森の中とは違い、一面真っ白だ。霧に覆われた山の中を登って行くってなんだか修行みたいだなあ、とぼんやりと考える。岩場を登るのは初めてで1つ1つを超えるのにかなり体力を使ってしまったのだが、他のメンバーの方々はそれをものともせず、自分の背丈ほどもある岩々の上を軽々と渡って行く。私もいずれはこうなりたいものだと思った。
2時間弱ほど登り、東天狗岳の頂上に着いた。標高を示す看板が建っていたので、みんなで記念撮影。しかし、こちらもすでにガスっていて、景色は何も見ることができない。怪我の治療なども兼ねて30分ほど休憩し、天狗岳のもう1つの頂上、西天狗岳まで歩みを進める。東天狗から西天狗までの道のりは私が思っていたより短く、下って100m程度歩いたのち、少し急な斜面を登るともう頂上だった。ここでもやはりガスっていて、周りの景色を見ることは叶わなかった。また、この時点で私はバテてしまい、サブザックの中の行動食も切らしてしまっていたのだが、それを見た小田くんが自分のカロリーメイトを分けてくれた。曰く、「シャリバテに1番早く効くのはカロリーメイト」だそうだ。
その後、メンバーの登山靴のソールが剥がれてしまうというトラブルもあったが、靴紐で固定して処置し、無事黒百合ヒュッテまで戻ることができた。
しばらく休憩を挟み荷物をまとめた後、にゅうへと歩みを進める。下の道は開けていた先程までとは違い木々に囲まれており、地面も一面葉の影に覆われている。
1時間ほど歩きにゅうに到着したのだが、頂上は少し気を抜いたら落ちてしまいそうな細い岩山であった。なんだかとても高い山に登頂したような気分だ。記念撮影用の看板も置いてあったのだが両手を地面から離すことが出来ず、私は撮影を遠慮させていただいた。
そこからさらに歩いたのだが、時計を見てみると現在時刻は14時過ぎ。15時20分に麦草峠から最終のバスが発車するのでこのままだとマズイ。ということで、途中から走りながら下山、白駒池を過ぎてその勢いのまま最後の丸山に突入する。
ヘロヘロになりながら、(先輩曰く、オリンピック選手の気持ちで!)自分の最高速で登り、高見石小屋に到着する。ここでは揚げパンが名物らしく、時間が押している中でも食べたいと思っていたのだが、私達が来た数分前に今日の営業は終了してしまっていた。さすがに落胆する気持ちを隠せず、山小屋を去ろうとしたのだがなんと、近くに座っていらした方がそれを見て揚げパンを2つ私たちに譲って下さった。大変ありがたいことだ。メンバー4人で半分ずつ分け合い、エネルギーを補給して丸山を登りきった。揚げパンは、フカフカのパンに砂糖がしっかりとまぶしてあって、とても美味しかったです。ゆっくり休む間も無くそのまま進み続ける。少し道間違いなども経て、最後はメンバー全員で麦草峠までダッシュし、なんとか発車1分前に乗り込むことが出来た。1時間半ほどバスに揺られ茅野駅に到着、少しの別行動を経てから高尾駅まで約1時間半、共に中央本線に乗って帰宅した。
■感想
○白川:
・行きの運休、帰りの発車1分前乗車と、バス関連でバタバタしてしまいメンバーにはご迷惑おかけしました。以後気をつけます。
・靴紐は靴紐以外にも用途があり何かと便利なことがわかりました。
・45期には夏のテント泊を経験してもらえて嬉しいです。
・苔やきのこが豊富で、特に渋の湯からの緑の美しい道が印象的でした。この前の南との比較もでき、歩いていてとても楽しかったです。八ヶ岳、全部行きたいです。
○小田:
・渋の湯→黒百合ヒュッテの道の苔、あれは最高ですね。
・天狗岳から景色が見られなかったのがとても残念。南八ヶ岳をみたかった。
・この次の週に行った北横・蓼科の山行を終えて、八ヶ岳全山をやりたくなった。
・にゅうの眺望はよかった。おもに小海町がみえた。
・バスがぎりぎりでちょっとあせった。
・白駒池って山歩きしなくても行ける感じなのかな?
・高見石小屋のおやつ
・茅野には温泉なさそう
○城所:
・苔に覆われた世界を歩くことができてとても満足です。北八ヶ岳の魅力を再確認しました。他の登山客の方の優しさにも触れることができました。
・かほちゃん、食当を引き受けてくれてありがとう。具だくさんで美味しかったです。
・次回の個人目標
→ケガに気を付ける(岩ゴロゴロの道で転んで膝を痛めてしまいました…)・CLSLでなくても念のため計画書に不備がないか確認する(これ大事)・時間に余裕をもって動く(これも大事)・登山靴のメンテナンスをする(応急処置してくれてありがとう。これからもヘルプ頼むことになりそうだけど許してね。)
・3人ともお疲れ様でした。CLSLのお仕事もありがとう。