2024/7/7 至仏山

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
至仏山ハイク計画書 第二版
作成者:斉藤
■日程 7/7 日帰り・予備日なし
■山域 尾瀬
■在京責任者・助言役  小田
■在京本部設置要請日時 2024/7/7 20:00
■捜索要請日時 2024/7/8 7:00
■目的 高山植物、北関東の山に登ろう


■メンバー	(確定 6人)
CL斉藤 SL 岩田 髙村 田中 油井 島崎
				
■集合
菅沼キャンプ場6:00

■交通
□行き
・自家用車
菅沼駐車場-尾瀬第一駐車場(国道120号経由) 駐車場代1000円
・尾瀬戸倉鳩待峠線 乗合バス
戸倉-鳩待峠(7:00/8:00/9:00-7:35/8:35/9:35)
1300円

□帰り
・尾瀬戸倉鳩待峠線 乗合バス
鳩待峠-戸倉(14:00/14:30/15:00/16:00/16:40-14:35/15:05/15:35/16:35/17:15)
・自家用車
尾瀬戸倉-沼田IC-練馬IC(国道120号、関越自動車道経由)

■行程
鳩待峠-60min-山の鼻-150min-至仏山-25min-小至仏山-20min-悪沢岳分岐-80min-鳩待峠(△899m▽899m 5:35)
※時間があれば、牛首を経由する
山の鼻-40min-牛首40min-山の鼻(△11m▽11m 1:20)

■エスケープルート
山の鼻まで:引き返す
山の鼻から先:そのまま進む
※山の鼻より先は逆走禁止

■個人装備
□ザック □ザックカバー □シュラフ □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/手袋 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □カトラリー(フォーク、スプーン類)  □コッヘル(食器)  □ライター □トイレットペーパー □着替え・温泉セット□ヘッドランプ □予備電池 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス □筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め (□モバイルバッテリー □サングラス □歯ブラシ □トレッキングポール □サポーター/テーピングキット □熊鈴 □コンタクト/眼鏡)

□ドライバーの人
油井と斉藤と岩田は、運転用の靴・免許証も持ってくること!
初心者マーク・ETC:油井

■地図
2.5万分の1:「至仏山」
山と高原地図:「尾瀬」

■共同装備 確定
・救急箱
エーデルワイス:斉藤
・なべ
月:田中
・ヘッド
緑12:油井
・カート
×1:油井
・調理器具セット
キャサリン:油井

■施設情報
・至仏山荘 tel: 0278-58-7311

■登山届提出先
東大: 提出済み
コンパス: 提出済み

■悪天時
前日12:00までに判断

■遭難対策費
100円×6人=600円

■各種連絡先
□東大連絡先
○教養学部学生支援課 ※開室9:00~16:50(平日)
Tel  :03-5454-6074 
Mail:shien-team.c@gs.mail.u-tokyo.ac.jp
○駒場正門守衛室 ※常時対応可
Tel  :03-5454-6666
□お茶大連絡先
学生・キャリア支援課 ※開室9:00-17:00(平日)
Tel  :03-5978-5147 
Mail:gakusei@cc.ocha.ac.jp
正門守衛室 ※常時対応可 
Tel  :03-5978-5128
□現地連絡先
・沼田警察署tel: 0278-22-0110
・日光警察署 tel: 0288-53-0110

■備考
□日出・日没時刻(@至仏山)
日の出:4:21 日没:19:15

7/7 至仏山 記録
作成者:斉藤
■日程 7/7(日) 日帰り・予備日なし
■山域 尾瀬
■天気 晴れ
■メンバー
 CL斉藤(45) SL岩田(45) 高村(45) 田中正(46) 油井(45) 島崎(44)
■共同装備
・救急箱
エーデルワイス:斉藤
・なべ
月:田中
・ヘッド
緑12:油井
・カート
×1:油井
・調理器具セット
キャサリン:油井

■総評
晴天のもと、尾瀬ヶ原の美しい花々や至仏山の荒涼とした稜線を楽しむことができた。こうも晴れると、やはり樹林のない山においてはじりじりと直に照りつける太陽が厄介で、帽子や多めの水、日焼け止めはもちろんのこと、サングラスなど万全の対策が必要と思われる。

■タイムスタンプ
7:34 鳩待峠登山口
8:20 山ノ鼻
8:47 牛首手前
11:36 至仏山
12:57 小至仏山
14:28 鳩待峠登山口

■ルート概況
鳩待峠〜山ノ鼻:大半が木道で整備されており、歩きやすい。樹林帯で涼しく、道中には湿原もある。
牛首周辺:両方向からの往来で木道は混み合っていた。ここから見る尾瀬ヶ原と燧ケ岳は本当に美しい。
山ノ鼻〜至仏山:延々と急登を登っていく。その地質のため至仏山は森林限界となる標高が低く、日差しと暑さとの戦いとなる。
至仏山~小至仏山:荒涼としていて幅のない稜線を辿っていく。交通量が多いと思うように進めず行程に遅れが生じやすい。
小至仏山〜鳩待峠:道中に花畑や湿原があるなど、飽きさせない景色。途中からは樹林帯となる。

■山行記(田中)
   6時40分頃我々は片品村の戸倉に到着した。天気は晴れで気温も朝なのでちょうど良かった。マイカー規制のため、戸倉から登山口のある鳩待峠までは片道1300円を払って専用のバスあるいはタクシーで移動する(バスもタクシーも同値段)。10年前に自家用車で鳩待峠まで行ったので時代の流れを感じた。また、正直片道1300円と聞いた時、私は値段が張るような気がした。ちなみに、乗車券売り場の券売機は5000円、10000円が非対応だったので、大人数で行く時は1000円札をたくさん持ってくると良いだろう。バスの運行時間は決まっているが、タクシーは満席になり次第発車するし、台数も十分確保されているので、戸倉での待ち時間はほぼゼロである(復路も同様)。戸倉から鳩待峠までは30分ほどで着く。鳩待峠には大きな休憩所があり、THE・山小屋というご様子の三角屋根がたまらない。どうやら休憩所は建て替えられるようなので、この休憩所をどうしても見たい人は今年中に尾瀬に行くと良いかもしれない。
 7時30分、我々は登山を開始した。開始地点には「国立公園 尾瀬」と書かれた看板があり、これから自分たちが踏み込む世界が非日常であることを感じさせてくれる。まず目指すのは山の鼻小屋だが、そこまでは林の中木道を進んでいく感じだ。木道は山の鼻小屋にかけて緩やかな下り坂で、かなり歩きやすい。木道についてうんちくを垂れると、尾瀬には合計65kmの木道が張り巡らされているのだが、木道に使われる木材は国産のカラマツで、耐用年数は10年程度だ。そして木道の改修には1Mあたり1万円以上するらしい。しかも尾瀬は地球温暖化により生態系の変化、シカの増加という問題に直面しており、純粋な動植物研究や木道の維持に加えてそれらも財政を圧迫しているということは言うまでもない。そう考えると、片道1300円のタクシー代も決して高く感じなくなる、むしろ尾瀬の貴重な自然を守るための然るべき財源だと思えてしまう。話を元に戻すと、山の鼻小屋までの道のりは「尾瀬らしい」景色ではないものの、普段見ることのまずない植物がたくさん生育し、川の流れる音も非常に心地よい。山の鼻小屋に着く時、今まで歩いてきた道が名残惜しかった。
 8時10分頃山の鼻小屋に到着したあとは、小屋内にある資料館で尾瀬の動植物について学びを深めた。植物に目を向けるメンバーが多かったが、昆虫や小動物の好きな私はそれらの資料を眺めた。
 午前8時40分ごろ一行は至仏山に向かう前に、尾瀬ヶ原を少し歩くことにした。尾瀬ヶ原は山の鼻小屋を出るとすぐに広がっており、そこは生物の楽園という言葉がとてもよく似合う。下界では生きられない、あるいは生きづらい生物が羽を伸ばして暮らしている姿は鳥肌モノである。木道の下を覗くと、大きな葉と、無数の突起が付いた棒のような部分(肉穂花序というらしい)がチャーミングポイントのミズバショウをはじめとした湿原に適応した生物が見られた。また、遠くを見れば尾瀬ヶ原周りの山では最も標高の高い燧ヶ岳が聳え立っている。どこに目を向けても美しい景色しか見えない。このままずっと尾瀬ヶ原を歩いていたいと思ったが、山の鼻小屋から至仏山に向けて9時には出発しないといけないということもあり、尾瀬ヶ原での散策時間は決して満足なものではなかった。絶対また行ってやる。
 午前9時に我々は至仏山へ向けて歩き出した。尾瀬ヶ原からは至仏山の姿も見えたのだが、どう見ても高い。気温も結構高かったので、途中でぶっ倒れて仏になるかもしれないとでもそんな心配をしているくらいなら楽しんで歩いたほうが良い。せっかくの尾瀬登山なのだから精一杯謳歌せねば。登山道を進むと最初にあるのは植物研究見本園だ。ここは、植物をニホンジカから守るために四方が柵に覆われている。見本園は尾瀬の湿原にあるので、ここにも無数の湿生植物が生育していた。
 見本園を5分ほど歩くと森林にぶつかる。目の前には階段が待ち構え、ついに登山が始まった感じがした。階段は基本的に木製で、朽ち果てているものもしばしば見受けられた。さらに進むと、前日に雨が降ったからなのか登山道に僅かながら水が流れるようになった。登山靴を極力濡らさないよう進むのは案外頭を使うもので、良い経験になった。50分ほど歩くと森林限界を表す看板が見つかった。ここが森林限界なのかと周りを見れば、やはり上の方に生えている高木の数は明らかに少ない。どうやら樹林帯とはしばらくお別れなようだ。
 森林限界を超えるとメラメラと燃える太陽が我々を待っていた。我々の体力を奪おうとしているのが伝わってきた。しかし、待っていたのは太陽だけではない。後ろを見れば雄大な尾瀬ヶ原と、どしんと構える燧ヶ岳も我々を待ってくれていた。やばい、美しすぎる。景色に対する感動が暑さに圧勝した。でも晴れていたからこその美しさなので、太陽にも感謝をしないといけない。振り向けば尾瀬ヶ原という最高の環境で歩を進めていくと、登山道にはお花畑が広がるようになってきた。私は高校生物でお花畑の存在を知って以降この目で見たいと心から思っていたので、それが叶って非常に嬉しかった。花の名前には疎いので、次そのような場所に行く時までに高山植物の知識をある程度つけたい。さらに登っていくと足元には岩がゴロゴロ転がるようになってきた。ただ岩はどれも大きめだったので、足場は基本的に安定していた。このまま山頂まで岩場が続くのだろうかと思ったら途中から木道に変わった。木道は森林限界のお花畑の中に引かれており、その光景は壮観以外の何物でもない。ずっと歩いていたかった。しかし名残惜しくも階段は10分ほどで終わり、普通の登山道に戻ってしまった。そして次は木の階段をいつ登れるかと期待させる間もなく山頂が見えてきた。
 至仏山の山頂は大勢の登山客で賑わっており、写真撮影にも昼食のスペースを見つけるのにもやや手間取った。しかしそれだけこの山が愛されている証拠だ。山頂からは尾瀬ヶ原、燧ヶ岳はもちろん前日登った日光白根山も近くに見える。遠くを見れば北アルプス、富士山もこちらを覗いていた。至仏山の守備範囲が恐ろしい。そして他の誰でもないこの私に快晴の中360℃の大パノラマを拝ませてくれたお天道様には頭が上がらない。
 山頂では40分ほど休み、隊は小至仏山を目指した。小至仏山までの道のりは30分ほどと案外長くはあったが、涼しい風に吹かれながら尾根を進むのは最高だ。しかもこんな贅沢なことを学期期間の土日にやっているのだ。私は自分が大学生になったことをようやく実感した気がした。小至仏山では小休止を取っただけなのでこのまま鳩待峠までの道のりを書いていこうと思う。尾根道はしばらく続くが、気がつくと大分山道を下っていた。振り返れば今まで歩んできた場所が見上げるほどに高くなっている。笹も見受けられるようになってきた。すると尾瀬ヶ原の見本園のように四方が柵に囲まれた池とその周りの土地が目の前に見えてきた。明らかに柵の内と外で植生が異なる。柵の内側には小さな沼があり、生育しているのも背丈の低い植物くらいしかないが、外側には針葉樹や笹が生い茂っている。そしてどうやら柵の中では植生の研究がなされているようだ。本当のことは分からないが、柵の中では植生の遷移が人為的に抑制されているのかもしれない。池を出ると我々が歩む登山道も頭を針葉樹に遮られようになった。森林限界ともお別れだ。鳩待峠までは緩やかな下り坂だったので他愛もない会話をしていたらあっという間に着いてしまった。到着したのは14時半なのでちょうど7時間ほどの山行だった。
 鳩待峠では鳩待峠休憩所の名物である花豆ソフトクリームを食べた。花豆は片品村の名産品でもあるようで、そのソフトクリームは甘さの中にほのかに豆の香りのする絶品であった。
 鳩待峠から戸倉に戻った一行は尾瀬ぶらり館で温泉に入り、2日分の汗を流した。入浴料も600円と良心的だ。ただバスタオルの貸し出しがないのでそこだけご注意を。
 温泉を出ると時刻はもう午後4時半を回っていたので、やや急ぎ足で車に飛び込んで我々は戸倉を後にした。途中沼田市の道の駅で各自お土産を買ったのだが、1人がぐんまちゃんの被り物を購入していた。早速買った張本人かぶってもらったら、あまりにも似合っていたので私もどこかで買いたくなってしまった。ともあれ、一行は関越自動車道を駆け抜けて、午後8時ごろに無事高井戸で解散した。

■感想
CL斉藤
・晴れてくれて本当に良かった。曇りの尾瀬ヶ原は以前にも見たことがあったが、晴天のもとの尾瀬ヶ原は比較にならないほど美しく、感動してしまった。
・鳩待の花豆ソフト美味しかった。
・北関東は名山ばかりでうらやましい。
・ぐんまちゃんは、人間でいうと7歳くらいらしい。
SL岩田
・夏が来たらまた思い出しちゃう。いいとこ!
・水芭蕉はなくともいろんな植物が咲き誇っていた。美しい
・登る途中で尾瀬ヶ原を一望できた。
・意地を張って日焼け止めを塗らなかったら案の定灼けてしまった。
〇高村
・人生初の尾瀬。水芭蕉は既にシーズンを過ぎていたが、たくさんの花を見ることができた。次は燧ヶ岳に登りたいので、そのついでに尾瀬を東西に全部歩きたい。
・山の鼻ビジターセンターでは尾瀬の動植物を展示していた。特に植物に疎いので、非常に勉強になった。
・平地を歩いたのちの登りは基本水が流れていて歩きにくかった。
・山頂で食べたカレーメシ、酷暑にも関わらず味最高でした。
〇田中
・森、尾瀬ヶ原、お花畑、岩場、尾根とさまざまな環境を歩くことができる「欲張りセット」のような山であった。登山道や山頂から見られた絶景の数々も晴れているからこそだと思うので、お天道様には感謝してもしきれない。また、高山植物や湿原の植物をもっと知りたいと思うようになった。次尾瀬に行く時はある程度予備知識を蓄えて、尾瀬ヶ原をのんびり歩いたり、燧ヶ岳に登ったりしたい。
〇油井
・快晴也
・尾瀬大好き、高山植物も名前がわかると見てて楽しいね
・日焼け止めを塗ったのに首が焼けてしまった、今後は塗り直します
・帽子が似合わないのを何とかしたい、これからは手ぬぐいにしようかな
〇島崎
・水が足りずに分けてもらって申し訳なかった。
・東京に戻ったらとても暑く、蝉が鳴き始めていたので稜線の涼しさを感じることができたのは贅沢だった。