2024/7/13 安達太良山山行

山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
安達太良山計画書 第二版
作成者:河野、桐原、深田、矢島
■日程 7/13(土) 日帰り 予備日なし
■山域 磐梯・吾妻
■目的 登頂
■在京責任者 山口
■在京本部設置要請日時 7/13 19:00
■捜索要請日時     7/14 9:00


■メンバー  ( 4人)
 CL 河野 SL 桐原 ◯ 深田 ◯ 矢島

■集合
7/13 06:00 新宿 タイムズ第1スカイビル
https://share.timescar.jp/view/station/detail.jsp?scd=KM86

■交通
□行き
カーシェア利用
車両:フィット(ハイブリッド) (品川 505 ワ 3033:シルバー)
新宿→あだたら高原駐車場(約4時間)
(あだたら高原駐車場利用の場合、駐車台数:約1500台、無料)

□帰り
カーシェア利用
浄土平キャンプ場へ(約40分)

■行程
□YAMAP(CT 3:28)
ロープウェイ山頂駅-0:33-仙女平分岐-0:42-安達太良山-0:27-峰の辻-0:31-くろがね小屋-0:30-勢至平分岐-0:59-くろがね分岐-0:15-奥岳登山口-0:04-あだたら高原駐車場

□ヤマレコ(CT3:48)
山頂駅-0:34-表登山口仙女平分岐-0:53-安達太良山-0:25-峰ノ辻-0:26-くろがね小屋-0:06-塩沢分岐-0:16-勢至平分岐-0:18-八ノ字-0:29-烏川橋-0:20-駐車場

■エスケープルート
ロープウェイ山頂駅〜安達太良山〜峰の辻→引き返してロープウェイ下山
それ以降〜→そのまま下山

※牛の背、馬の背から沼ノ平方面は火山ガス発生のため立ち入り禁止

■個人装備
□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □ヘッドランプ
□予備電池 □エマージェンシーシート □軍手/手袋 □地図 □コンパス □筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証
□現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め (□モバイルバッテリー □サングラス □歯ブラシ □トレッキングポール
□サポーター/テーピングキット □熊鈴 □免許証 □タイムズカード □ETCカード)

■地図
2.5万分の1:「安達太良山」
山と高原地図:「磐梯・吾妻」

■共同装備
救急箱 有紗(深田→河野)
※以下は下山後の宿泊用、山行には携行しない予定
ヘッド 緑7(桐原)
    緑1(矢島)
鍋*1 竹・小竹(矢島)
カート*2(矢島)
調理器具セット ディド(深田)
テント VK-60(深田)

■遭難対策費
100円×4名=400円

■悪天時
前日までに判断

■施設情報
□安達太良ロープウェイ
8:30~16:30(上り最終15:50、下り最終16:20) 片道1,200円、往復2,000円
あだたら山ロープウェイご優待割引券で2,000円→1,800円
https://www.adatara-resort.com/green/waribiki.stm
□山小屋
くろがね小屋…※※老朽化による建替え工事のため営業休止中
https://www.tif.ne.jp/kuroganegoya/
□避難小屋
□水場
□トイレ
あだたら高原駐車場		
□温泉
岳温泉
https://www.dakeonsen.or.jp/higaeri
日帰り温泉施設 あだたら山 奥岳の湯 大人700円
https://www.adatara-resort.com/green/okudakenoyu.stm

■備考
□日の出日の入り(安達太良山)¢
日の出	4:19
日の入 19:09
□連絡先等
・福島県二本松警察署 0243-23-1212

7/13 安達太良山山行記録
作成者:メンバー一同
■日程 2024/7/13(土)
■山域 磐梯・吾妻
■天気 曇り時々晴れ
■メンバー 
 ◯CL河野(41) ◯SL桐原(43) ◯深田(46) ◯矢島(46)
■共同装備
□救急箱(有紗)

■総評(共通)
本山行は木曽駒の計画倒れから始まった遠征であり、色々あったが無事決行することができてよかった。計画に際して46期が積極的に意見を出してくれ、Lとしては大変ありがたかったし頼もしく感じた。
山中は泥濘や枯れ沢直登など大変なルートもあったが、見どころも多く、46期にとっても良いトレーニング・山行になったなら嬉しい。

■反省(共通)
(1)計画無視
関越道の混雑により行動開始時間が想定より1時間程度遅延してしまい、宿泊先の受付時間を気にして計画に無いルートを現場判断で選んだ。受付時間は事前に把握しており、また行動開始時間の遅延も事前に予測できることであったため、そういった場合に備えたルート(エスケープ含む)設定を行うべきだった。

(2)体調管理
河野桐原の先輩2名の体調不良で色々と下級生に心配をおかけする場面があった。
運転が必要な遠征や共同装備の持ち出し・受け渡しが必要な泊まり山行などは特に体調管理に気をつけなければと反省…

(3)支度
夏の山は午後からの天候悪化の可能性を考慮して早出が基本となるため、朝の起床から行動開始までの時間を可能な限り短縮するよう心がけること。

(4)装備の準備
不要な包装をつけたまま装備を持参するメンバーや付属のサブザックの組み立てに時間がかかるといった場面がみうけられた。
初めて使用する装備は事前に使用方法を確認すること。
打ち合わせ時点でこれらの確認を怠ったことは反省。夏合宿前の期間などは特に新入生のフォローアップに気を使うべきだった。

■安達太良山総評
約4時間の短いハイクの中で火山らしい山容を楽しむことが出来た。下山ルートではぬかるみに苦しめられた。
計画無視など反省点もあったため、日帰りの短いハイクでも基本的なルールの順守を心掛ける。

■タイムスタンプ(4時間15分)
11:30 山頂駅
12:00 表登山口仙女平分岐
12:40-13:05 安達太良山
13:23 峰ノ辻
14:03-14:08 勢至平分岐
14:20 八ノ字
14:50 烏川橋
15:45 駐車場

■ルート概況
□安達太良山
・ロープウェイには100円引きの優待割引券が存在する。
https://www.adatara-resort.com/green/waribiki.stm
・ルート上で特段の危険個所はなし。八ノ字以降のつづら折りはショートカットの道がそこかしこに伸びている。
・両側に熊笹をはじめとする様々な植物が生い茂っており、早朝や雨上がりの登山は濡れそう。さらにこの日は前日の雨のためか泥濘がすごく、特にくろがね小屋から先の道が延々とドロドロだった。山行日以前の天気を確認し、必要に応じてゲイター長袖を推奨する。
・奥岳の湯の前に水場があり靴を洗うことが出来る。

□浄土平キャンプ場
・予約できるので予約しておくこと、Webサイトにはチェックインの時間帯の情報はないが、予約メールの返信では15-17時のあいだで受付をとのことだった。
・キャンプ場でSoftbank、Docomoの電波は通じなかった。
・ウッドデッキ付きのサイトが多く、スペースも広く確保されており非常に快適。また各サイトの距離が離れており、夜も静かだった。
・蚊が本当に多く一同悩まされたので、何らかの対策をするのが吉。


■山行記(文責:河野)
 イレギュラー続きの山行になった。
 もともとは高校の友人の山デビューのために日帰り木曽駒ハイクを計画していたのだが、色々あってキャンセルされてしまうところから端を発する。3連休に人間都合で山に行けなくなるのは癪なので、尾瀬の帰りに木曽駒に同行してくれるメンバーがいないかダメもとで聞いてみることに。その日11時間歩いた健脚者たちだ。3時間日帰りゆるハイクは彼らの需要に合わないだろうと半ば諦めていたが、桐原くんが木曽駒に行ったことがないということで誘いに乗ってくれた。嬉しくなりせっかくなら今年山を始めたばかりの現役生とかも参加してくれないかしらと思案しだす。しかし現役生との交流を怠っていたばかりに、知らない人との登山に対する彼らの教育方針や温度感を筆者は知らなかった。意気揚々と突っ込んで撃沈するのが怖かったので45期鈴木くんにお伺いを立ててみる。すると3連休前半に山を立てる需要と木曽駒の需要があるらしく、この2つの需要を本山行は満たしているということで予想以上に歓迎してもらえた。実際告知から2分で46期の深田くんが釣れた。そんなこんなで異色な4人パーティができあがった。
 しかし計画書作成やルート検討などを通して各々木曽駒へのモチベを高めていた矢先、県道駒ヶ岳公園線が土砂崩落により通行止めになってしまう。それに伴ってロープウェイが運休、千畳敷への道は絶たれてしまった。深田くんは部会メモのリクエスト山行に「木曽駒行きたい」と書くほどだったため、さぞ残念だっただろう。ただ決行日まで残り10日あまりと悠長にもしていられず、転進先の計画が急ピッチで立てられていった。この週も全国的にあいにくのお天気模様で上信越や北アの山行の中止連絡が流れる中、苦し紛れに選んだ東北は幸運にも悪天を免れた。

 関越道の渋滞に巻き込まれ、二本松ICを降りたのは10時頃だった。ヨークベニマルで2日分の行動食を買ったのち、さらに車を走らせあだたら高原駐車場に到着。幸い駐車スペースはまだ空いていた。準備にもたついたがなんとかロープウェイに乗車。コカ・コーラの協賛があるのには驚いた。
 山頂駅からはしばらく両サイドが植物で覆われたやや狭い道を歩いていく。熊笹が腕に擦れたりところどころぬかるんでいたりしていて、長袖とゲイターが欲しくなる。道は細いが丁寧な整備やすれ違う人の多さからこの山の人気の高さがうかがえる。標識は立派で、しっかり英語表記もついていた。山も雷鳥も国際化していますね。46期は運転中からずっと元気に談笑していた。会話の内容についていけず自分の歳を実感するばかりである。ALESとか数年ぶりに聞きました。
 しばらく歩くとすこしずつ視界が開けて、落ちている岩も大きくなってくる。そして徐々にトンボ(矢島くんいわくシオカラトンボのメス)の数が増えていく。動きは悠々、桐原くんは一匹捕まえてにっこり。空には霞がかかっており、暑すぎない気温でありがたかったが、展望は今一つで、山頂に着くころには晴れていてくれと祈りながら歩いていく。道中「どう森に咲いていそう」と形容した小さくてかわいらしい花は、後で調べてみたところヨウラクソウという名前だった。瓔珞とは仏像の宝冠や首飾りの装飾のことをさしていて、たしかに釣鐘のような形の花にぴったりの名前である。どう森といえば、以前礼文島に行ったときにレブンアツモリソウの存在を知った。自分が訪問した時には時期が終わっていて見ることが出来なかったが、いつかお目にかかりたい花の一つである。

 いつのまにか植生は熊笹からハイマツに変わっており、展望が出てきた。ガスで見え隠れする爆裂火口はまさに惑星のよう。なだらかな尾根からは雄大さが感じられる。歓声を上げながらザレ場を上がって山頂に到着。山頂は蜻蛉乱舞。雲が湧きたち視界が白むとその多さが一層際立つ。下の道標もよかったが、いわゆる乳首の山頂看板もなかなかに立派。祠の隅には火打の山頂に置かれていた水色の狛犬の置物があり、一年ぶりの再会に興奮した。乳首を見上げるアオリ構図と、乳首から惑星を見下ろすフカン構図の両方の写真を撮ることができてよかった。

 コースタイム自体は決して長くはなく足並みにも特段問題はなかったのだが、なにぶん出発が遅かったため、山頂を出発する時点で13時になってしまっていた。浄土平キャンプ場の予約完了メールには「17時には受付をするように」と書いてあり、16時過ぎには駐車場を出発しなければならない。入浴の時間も確保したかったため、峰の辻からくろがね小屋を経由せず駐車場へ直行するルートをとった。在京へ事前に連絡はしたものの、エスケープには「峰の辻以降はそのまま進む」と記載していたので、れっきとした計画無視であり不適切であった。CLの怠慢でした、すみません。
 そして核心はここからだった。危険箇所は特にないが前日の雨のせいか道はぬかるみにぬかるみ、とんでもないダート状態が小一時間続いた。八の字のショートカットはあまりにも汚くて先行パーティが5歩くらい進んだ後に引き返してくるほど。おとなしくつづら折りをニチャニチャ鳴らしながら歩く。滑るわ汚れるわで辟易した。後日ヤマレコで同日安達太良に登っていた登山者の記録をいくつか読んだが、同じルートを通った人は全員このぬかるみにげんなりしていて、みんなの気持ちが一つになっていた。結果論にはなるがこの日はロープウェイでのピストン下山が最適解だったのだろう。

 下山後はダッシュで温泉に入り、桐原くんの運転で浄土平へ。全部で15ほどあるテントサイトから好きな場所を選ばせてもらうことができ、我々は吾妻小富士が見えるウッドデッキのサイトを選んだ。幕営準備中、吾妻小富士から「ヤッホー」と叫ぶ声がしきりに聞こえた。
 最近新たな共同装備として加わったVK-60は6人用で高さもあり、さらには両側に出口が用意されている。直近の2山行は41期加藤のステラ4(借りすぎてもはや40期〜43期専用の共同装備みたいになってきている。そして当の本人は山に来ない)にぴったり4人寄り添って入っていたので、より広く感じる。居心地の良さについダラダラしてしまう。途中行動食に何を携行するのが良いかという話になったが、深田くんがヨークベニマルで購入した南部せんべいが700kcal/100円という破格のコスパを叩き出しており即優勝が決まった。

 夕飯は矢島くんが棒ラーメンを振る舞ってくれた。標高が高いと沸点も低くなるのに、その上雷鳥の人たちは完全に沸騰するのを待たずに食品を投入しがちだよねと桐原くんがぼやいていたこともあり、しっかりと全体が沸き立ってから麺を投入する。正しい手順で作った棒ラーメンはとてもおいしかった。個人的にはせっかくの遠征だし夜は外食でも良いのではと思っていたものの、こちらの不手際によりディスコミュニケーションが発生してしまい矢島くんに食当が押し付けられる展開になったのだが、初めてにも関わらず上手に食当をこなしてくれました。ごちそうさまでした。

 次の日は午後から天気が下り坂になる予報だったため、3時半起床4時半出発ということにして7時過ぎに就寝。寒さは感じず快適だった。深夜1時頃に一度外に出たが、テントから出て空を見上げると星が本当に綺麗で、流れ星なんかも見ることができた(桐原くんは人工衛星も発見したらしい)。それと、炊事場ではアズマヒキの包接を見ることができた。そんなコンクリートの上でどうするんだ。こいつらは朝の4時になっても同じ場所に止まっていて乾燥が心配になった。


■感想
□CL河野
・木曽駒の中止は残念だったが、東北は学部1年のときに行った前川大滝沢以来だったので、これを機に山の新規開拓をすることができて良かった。
・安達太良山を調べる過程で高村光太郎が『智恵子抄』で「阿多多羅山の山の上に毎日出てゐる空がほんとの空だといふ。」という文章を残したのを知った。自分は近代の日本人洋画家が好きなので、山を通して彼らの足跡に触れられるのが嬉しい。安達太良山全然関係ないが、東京都近代美術館では高村光太郎の《手》を見ることができる。日本史をやってた現役生の方はぜひ見に行ってみてください。
□SL桐原
・道の特性や時間のことを深く考えずに周回を提案してしまった。最近情報収集が疎かになりがちなのを自覚しているので姿勢を改めたい。
・たくさんの家族連れで賑わっていて、よく親しまれている山なのが身をもって感じられた。
□深田
・登山客が非常に多く、人気の山である事を実感した。ロープウェイもあり、100名山の中でも特に整備がされていると思った。
・山頂に近づくにつれて蜻蛉の数が劇的に増えていた。餌の数は足りるのだろうか?
・登山道は普段登る山と違って、火山灰質で濡れていると滑ったりぬかるみやすく、その上大きな岩が道の真ん中に転がっている事が多かったため、歩きにくかった。
・温泉の時間を考えると早めに下山したかったが、下山道のぬかるみが酷く、手こずったり上に、転倒もしてしまった。急ぐ時ほど慎重に、を痛感した。
□矢島
・とにかくトンボの数が多かった
・下りはぬかるみが多くて大変だった
・初めての食当だったけど、うまくいってよかった
・夜、星が綺麗だったらしいが、見ないで寝ていたのはもったいない