2024/7/14 一切経山・東吾妻山
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
一切経山・東吾妻山計画書 第二版
作成者: 桐原、河野、深田、矢島
■日程 7/14(日) 日帰り 予備日なし
■山域 磐梯・吾妻
■目的 登頂
■在京責任者 山口
■在京本部設置要請日時 7/14 19:00
■捜索要請日時 7/15 9:00
■メンバー ( 4人)
CL 河野SL 桐原 ◯ 深田 ◯ 矢島
■集合
浄土平駐車場 駐車台数:約300台、500円
※7/13安達太良山行より連続
■交通
□行き
カーシェア利用
車両:フィット(ハイブリッド) (品川 505 ワ 3033:シルバー)
安達太良高原駐車場から車で約40分
□帰り
浄土平から東北自動車道経由で新宿へ 約4時間半
■行程
□YAMAP(CT 6:53)
浄土平駐車場-0:03-0:14-吾妻小屋-0:51-鳥子平-0:04鳥子平登山口-0:25-景場平-1:20-東吾妻山-0:30-姥ヶ原-0:32-酸ヶ平避難小屋-0:45-一切経山-0:35-酸ヶ平避難小屋-0:44-浄土平駐車場-0:03-吾妻小富士登山口-0:30-吾妻小富士-0:27-吾妻小富士登山口
□ヤマレコ(CT6:05)
浄土平ビジターセンター-0:04-浄土平-0:14-吾妻小屋-0:34-鳥子平-0:03-東吾妻登山口-0:24-景場平-1;15-東吾妻山-0:28-姥ヶ原-0:07-鎌沼-0:14-酸ガ平-0:03-酸ガ平避難小屋-0:44-一切経山-0:26--酸ガ平避難小屋-0:02-酸ガ平-0:24-酸ガ平分岐-0:09-浄土平ビジターセンター-0:31-吾妻小富士-0:23-浄土平
■エスケープルート
吾妻小富士→引き返す
東吾妻山まで→引き返す
東吾妻山以降→酸ヶ平経由で浄土平へ
■個人装備
□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □ヘッドランプ
□予備電池 □エマージェンシーシート □軍手/手袋 □地図 □コンパス □筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証
□現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め (□モバイルバッテリー □サングラス □歯ブラシ □トレッキングポール
□サポーター/テーピングキット □熊鈴 □免許証 □タイムズカード □ETCカード)
■地図
2.5万分の1:「安達太良山」
山と高原地図:「磐梯・吾妻」
■共同装備
救急箱 有紗(深田→河野)
※以下の装備は前泊に使用
ヘッド 緑7(桐原→桐原)
緑1(矢島)
鍋*1 竹・小竹(矢島)
カート*2 (矢島)
調理器具セット ディド(深田)
テント VK-60(深田)
—
アレルギー、NGアイテム
生の玉ねぎ、ねぎ、にんにく
生卵
■遭難対策費
100円×4名=400円
■悪天時
前日までに判断
■施設情報
□山小屋
□避難小屋
酸ヶ平避難小屋 無人、トイレあり
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16035b/hinangoya-01-sugadaira.html
□水場
□トイレ
浄土平ビジターセンター
https://jododaira-rh.com/
□温泉
高湯温泉共同浴場 あったか湯 大人 250円 ※シャワー・ボディーソープなし
http://www.takayuonsen.jp/attakayu/index.html
■備考
□日の出日の入り(一切経山)
日の出 4:19
日の入 19:10
□連絡先等
・福島県福島警察署 024-522-2121
7/14 一切経山・東吾妻山山行記録
作成者:メンバー一同
■日程 2024/7/14(日)
■山域 磐梯・吾妻
■天気 晴れのち曇り
■メンバー
CL河野(41) SL桐原(43) ◯深田(46) ◯矢島(46)
■共同装備
□救急箱
有紗
■総評
慣れない枯沢沿いの登山道で難儀する場面もあったが、午後からの天候悪化を見越した早出が功を奏し、五色沼を見ることができ満足度の高い山行となった。
■タイムスタンプ(7時間35分)
4:50 浄土平駐車場
5:05 吾妻小舎
6:00 鳥子平
6:30 景場平
7:25-7:45 展望台
8:00 東吾妻山
8:37 姥ケ原
8:43 鎌沼
9:10 酸ガ平
9:55-10:15 一切経山
10:47 酸ガ平
11:10 酸ガ平分岐
11:25 浄土平ビジターセンター
12:00 吾妻小富士
12:25 浄土平ビジターセンター
■ルート概況
□浄土平~東吾妻山
・東吾妻山山頂までだいたい荒れた枯れ沢を直登する。増水時の通行は非推奨。崩落箇所が2箇所あり。景観の良い箇所以外はあまり整備されていない。
・細い道のトラバースがちょいちょいあるので注意
・浄土平から鳥子平までは基本あずまスカイラインに沿って登山道が敷かれている。有事はツメてあずまスカイラインに出るエスケープが取れる
・地名のあるポイント以外は視界がない
・展望台からは磐梯山、桧原湖が見渡せる
□東吾妻山~浄土平ビジターセンター
・鎌沼周辺から徐々に視界が開け、熊笹・針葉樹林・湖から成る高原風景を楽しみながら歩いていく。尾瀬より勾配のある見た目でこれはこれで素敵。
・この日は一切経山山頂以東で少しだけ硫黄のにおいがした。
・酸ガ平小屋から浄土平ビジターセンターまでの道は登山道上に岩が多いので転倒注意。
□吾妻小富士
・一般登山客が多くいる人気の山。転倒注意
□その他
・立ち寄ったあったか湯は大人ひとり250円と破格の料金だがシャワー、シャンプー、ボディーソープ、ドライヤーの設備はない。流し台は3台のみ
■山行記(文責:深田)
アラームの音で目覚める。季節もよく気温がそこまで低くならず、かといって寝苦しいほどの暑さもなかったため、過去一の睡眠を取れた。テント内の4人が各々のアラームに起こされ、もぞもぞと動き始める。
とりあえずテントの外に這い出して真っ先にコンロの火をつけてお湯を沸かし始める。前日の天気予報によると午後から天候が怪しくなるとのことだったので、少し早めの4:30行動開始を目指して急いで準備をする。やはり河野さんと桐原さんは自分の荷物をまとめるのが早い。経験の差を感じていると、ちょうどお湯が湧いたので各々用意していた朝食の調理に取り掛かる。私は前日に購入していたインスタントのカレーうどんにお湯を張り、食した。前日に星が綺麗だった事やカエルがいた事などを他のメンバーから聞きながら食事をする。こんな風に各自で用意した方が食当の手間が省けて朝は楽かな、などと思いながら食事を終え、荷物をレンタカーに積んで浄土平ビジターセンターへ向かう。5分くらいで到着したが、駐車場に係員がいない。出るときに駐車場代を払えばいいよね、なんて話をしながら駐車して登山の準備を行う。
行動開始。始めはビジターセンター近くの湿原の上に渡されたよく整備された木道の上を歩く。以前の尾瀬山行の事を思い出し、まるで尾瀬みたいですね、なんて話しながら歩いていると一つの案内板が目に入る。ふむふむ、「浄土平湿原は、地表付近に積もった火山灰層が風化して不透水層となり出来たもので、有名な尾瀬ケ原湿原とは出来方が違っています__」どうやら開幕早々私の思慮浅さが露呈してしまったようである。一人で勝手に気まずさを感じながら道を進む。10分程度で木道歩きが終わり、樹林帯に入る。ほぼ平坦な道だが、梅雨明け直ぐということも有り、若干のぬかるみがある。しばらく歩くと昨日宿泊したテン場に到着した。どうやらここを突っ切って行くようである。テン場を通り抜け、再び足元の植物を観察しながら樹林帯を歩いていると、遠くからバイクの音が微かに聞こえてくる。地図で確認するとちょうど磐梯朝日スカイラインが近くにあるようで、どうやら朝からバイクを走らせているバイカーがいるようである。空いてる朝の山道を飛ばしたら気持ちいいだろうな、などと思っているとついに上りが始まった。樹林帯の上りだが、所々足元に大きなサイズの岩が転がっていたりかなり大きなステップで上る場所もあり、ぬかるんだ地面も相まって思っていたよりも上るのに難儀した。樹林帯ゆえに景色も何も無いのでメンバーとの会話くらいしか楽しみが無い。そんな中、以前このコースを歩いたことがある桐原さんから「東吾妻山は登っても眺望は無かった気がする」という言葉を聞き、若干萎えながらも登り続けると、森林限界に達したようで一気に視界が開ける。桐原さんに教えてもらい、遠くに磐梯山を望むことが出来た。4人の影を写真撮影してスタンド・バイ・ミーごっこをしたりしながらしばらく歩き、湿地帯に渡された木道をで休憩していると、オレンジ色のビブスを着たトレラン大会の参加者の一人とお話が出来た。どうやら48時間以内にゴールの磐梯山を目指すとのことである。ぬかるんだ山道を走るなんて自分には想像もできない世界で、ただ凄いなあとしか思えなかった。しばらく進むと展望台に到着し、磐梯山や西吾妻山、猪苗代湖やその周辺の市街地を一望できた。そのまま緩い登りを進み、しばらくすると西吾妻山の山頂に到着。想像よりも景色が良かったが、どうやら桐原さんが東吾妻山と西吾妻山を勘違いしていた事が発覚した。折角なので近くのおじさんに集合写真を撮ってもらい、鎌池方面へ下る。鎌池近くはまるで絵画の世界のようなのどかさがあり、美しい空間をのんびり歩けてとても楽しかった。しばらくするといよいよ一切経山の麓の酸ガ平小屋に到着。このあたりから一気に人の数が増えた。一切経山の上りは急登ではあるものの道も広く、しっかり整備されていたため特段大変ではなかった。山頂に到着すると沢山の人と共に大量のトンボが待ちかまえていた。天候が怪しくなってきていたため、急いで五色沼の方に向かうと何とか綺麗な五色沼を見ることが出来た。しばらく休憩していると次第に五色沼方面がガスり始めたので、ギリギリ間に合ってよかった(もっとも、近くにいたおじさんの話によれば晴れの日はもっと五色沼のコバルトブルーが綺麗とのことで若干未練はあるが)。一切経山は五色沼ばかりが注目されるせいか山頂の標識がとても地味で、山頂付近にある謎の「空気大感謝塔」の方が目立っていた。ガスってきたのでしばらく休憩したら下山した。下山の途中で川底が赤茶色に染まった川があり、恐らく酸化鉄によるものだろうと考えられたが、なぜここまで沈殿しているのだろうか。火山性ガスに含まれる硫酸イオンにより酸性度が高まることで鉄イオン(ⅲ)の溶解度が高まり、水で下流まで運ばれた、と一旦ここでは仮説を立てておこう。そんなこんなで浄土平ビジターセンターに戻り、最後に吾妻小富士のお鉢巡りをすることに。河野さんは渋そうだったが、救急箱が一つしかなかったため分隊不可の原則を盾に無事全員で登った。吾妻小富士は上までしっかり整備された階段が作られており、登山装備でない人々も沢山登っていた。河口付近まで登ると確かに雰囲気は富士山と似ており、なるほど、と思った。河野さんが「吾妻富士じゃなくて吾妻小富士と名乗っているのは謙虚だね」と言っていたが、個人的には全然吾妻富士でも良いと思う。そんなこんなで火口を一周し、下山した。
山行はここまでだったが、その後矢島君の提案で浪江町や福島第一原発を見に行くことになった。とりあえず腹ごしらえのためにソースカツ丼を食べ、太平洋側へ車で向かった。途中カーラジオでトランプ銃撃の情報を聞いて全員びっくりしたり、汚染土が入っているのであろう黒い土嚢を見たりしながら、道の駅なみえに到着。お土産を買ったり、大雨の中ラッキー公園を見たりしてから実際に浜通りを車で走って東京に向かった。民家などの建物は少なくなかったものの、そのほとんどは暗くなっても電気がついておらず人の住んでいる雰囲気が感じられず、やはり立ち入り禁止区域が解除されてもそこに戻る人間が少ないことを実感した。2日間本当に長距離を運転して頂いた河野さんと桐原さんには頭が上がりません。本当にありがとうございました。
■感想
□CL河野
・枯沢歩きや高原、五色沼、噴煙など変化にとんだ面白い山だった。
・午後に天気が崩れがちな夏の天候的には逆回りの方が良かったかもと思っている。計画時にもっと検討すべきだったと反省。
・福島の沿岸部がどうなっているのか確認したいと希望があり、帰りは浪江町を経由し常磐道から帰京した。桐原くんは道中たくさん勉強になる解説をしてくれて、ガイドさながらだった。道中含めて印象に残る東北遠征になった。
・豪雨の高速道路は視界不良すぎて怖い。
□SL桐原
・東吾妻山を勝手に(西吾妻と取り違えて)展望の無い地味な山だと勘違いして記憶していました。素晴らしい山でした。
・鎌沼周辺の雰囲気が好きです。
・運転が楽しかったです。
□深田
・湿原や森林、火口付近やザレ場など多様な道を歩けて飽きずに楽しめた。
・森の感じが普段登る山とは違い、東北の山の特徴を実感した。
・五色沼が美しかった。
・運転出来るように練習しておきます。
□矢島
・東吾妻山山頂までの登りはきつかった(枯れ沢は特に)
・磐梯山見れてよかった
・五色沼が本当に綺麗だった
・今思えば、温泉のあとの硫黄の匂いがすごかったかもしれない
・福島を満喫できてよかった
・二日間の運転ありがとうございました