2024/9/11-14 白峰三山縦走第2日程
白峰三山縦走②計画書
作成者:清野、朝倉
■日程 2024/9/11(水)-14(土) 三泊四日・予備日なし
■山域 南アルプス北部
■在京責任者・助言役 磯貝
■在京本部設置要請日時 2024/9/14 20:00
■捜索要請日時 2024/9/15 7:00
■目的 夏合宿、百名山踏破
■メンバー(6人)
CL朝倉SL小田◯鈴木◯田口◯江川◯東
■集合
甲府駅南口8:38
■交通
□行き
南アルプス登山バス 甲府駅9:05→10:58広河原 ICカード使用可
2400円+300円(協力金)
□帰り
2+2(※)パターンある
①はやかわ乗合バス利用(1480円至JR甲府駅)
奈良田温泉バス停→JR下部温泉駅:はやかわ乗合バス, 6:35, 9:50, 13:50, 15:55発, 7:44, 10:59, 14:59, 17:04着, 乗車時間1:09, 1000円+手荷物200円 現金のみ
※途中飯富ふれあいセンターバス停で新宿行高速バスとの乗継可(要予約), 3100円
JR下部温泉駅→JR甲府駅:1時間に1,2本ほど, 終電至新宿19:48, 680円
※東海道本線に出る場合は富士方面に乗車, 鎌倉などはこっちが早い
②タクシーで甲府駅まで
問い合わせ先:山梨県タクシー協会, TEL:0552621212
■行程
□1日目[計2:16]
広河原登山口-0:03-分岐-0:03-広河原キャンプ場-0:25-分岐-1:45-白根御池小屋(2200m)
□2日目[計4:02]
白根御池小屋-0:02-分岐-1:30-分岐-0:20-分岐-0:35-肩ノ小屋テント場-0:15-
両俣小屋分岐-0:20-北岳-0:20-吊尾根分岐-0:20-分岐-0:20-北岳山荘(2900m)
□3日目[計7:00]
北岳山荘-0:35-中白根山-0:55-間ノ岳-0:55-分岐-0:10-農鳥小屋テント場-0:50-農鳥岳(西農鳥岳)-0:35-農鳥岳-0:35-大門沢下降点-0:35-ゴーロ帯上端-0:50-標高2152m地点
-1:00-大門沢小屋(1776m)(14~16時までに到着)
□4日目[計3:15]
大門沢小屋-0:45-標高1504m地点-0:40-大古森沢-0:40-大門沢登山道入口-0:40-ゲート-0:30-奈良田バス停(820m)
【天候悪化時】
2日目および3日目の行程を長めに取り、2泊3日への変更をする。(過去記録参照)
□1日目[計2:16]
広河原登山口-0:03-分岐-0:03-広河原キャンプ場-0:25-分岐-1:45-白根御池小屋
□2日目 [計7:55]
白根御池小屋-3:00-小太郎尾根分岐-0:30-北岳肩ノ小屋-0:50-北岳-0:55-北岳山荘-0:40-中白根山-1:00-間ノ岳-1:00-農鳥小屋
□3日目 [計8:10]
農鳥小屋-0:50-西農鳥岳-0:40-農鳥岳-0:40-大門沢下降点-0:40-広場-0:50-河原-1:00-大門沢小屋-1:00-峠-0:40-岩-0:50-大門沢登山道入口-0:30-奈良田第一発電所-0:20-丸山林道入口-0:10-奈良田
■エスケープルート
1日目:広河原山荘に引き返す。
2日目:引き返す。
北岳以降:北岳山荘に進んで停滞もしくは引き返す。
※八本歯ノコルを通るルートは危険な為使用しない
3日目:出発前に予め悪天候が予測される場合は停滞する。
長引くようであれば広河原に引き返すことを検討する。
間ノ岳まで:北岳山荘に引き返す。
間ノ岳~農鳥岳まで:農鳥小屋へ
農鳥小屋以降:大門沢小屋へ
4日目:下山口まで降りる。
■宿泊施設
例: 〇〇山荘、電話番号 テン場料金(/人,〇〇張)、素泊まり料金、テン場予約要or不要(泊まる予定で予約要の場合、予約もする)
□広河原山荘 090-2677-0828 テン場代900円/人、101人、 素泊まり8000円 、水場あり、要予約
□白根御池小屋 090-3201-7683 テン場代1000円/人、80人、素泊まり7200円、水場あり(無料)、仮設トイレ(小屋泊者のみ施設トイレ利用可)、要予約(南ぷすリザーブ)
□北岳肩ノ小屋 090-4606-0068 テン場代1500円/人、50張、素泊まり8000円、水場あり(片道で徒歩15分、小屋販売:有料200円/L)、予約不要
□北岳山荘 090-4529-4947
テン場代1100円/人、80人、素泊まり9000円、水場あり(往復で徒歩90分、小屋内販売:無料)、自炊室、談話室、お茶・お湯(どちらも無料)、洗面所など小屋の中にある設備はテント場泊の登山客も利用可、要予約(南ぷすリザーブ)
□農鳥小屋 090-7635-4244 テン場代1000円/人、50張、素泊まり5000円、雨水タンクのみ、要連絡
□大門沢小屋 090-7635-4244 テン場代1000円/人、40張、素泊まり7000円、水場あり、予約不要
■注意すべき情報
□ 強風による転落:小太郎尾根分岐(以降稜線のため)
道迷い:北岳山頂まで複数の偽ピークあり
岩稜地帯での落石、滑落:農鳥岳
□防寒
9月の北岳では最低気温2.1℃、最高気温10℃
夜は冷え込むので防寒は徹底するように
ダウンか同程度の防寒具は必携
□高山病
3000m 北岳山荘に併設されている北岳診療所がある。
1日目はよく寝よう。寝不足は発症のもと。行動中でのこまめな水分摂取と栄養補給
[回避策] 少しずつ息を吐き、深くゆっくり息を吸う。
□ 午後の悪天候への対処
出発時間を早める
浸水対策を行う
■食当
1日目(夜):協力(チーズパスタ)
2日目(朝):江川(餅と野菜のスープ)
2日目(夜):東
3日目(朝):朝倉(トマトジュース/豆乳)
3日目(夜):鈴木(つまらん麺類)
4日目(朝):各自
■個人装備
□ザック □ザックカバー □シュラフ □マット □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/
手袋 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □カトラリー(フォーク、スプーン類) □コッヘル(食器) □ライター
□トイレットペーパー □着替え・温泉セット□ヘッドランプ □予備電池 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス □筆記用具
□遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め (□モバイルバッテリー
□サングラス □歯ブラシ □トレッキングポール □サポーター/テーピングキット □熊鈴 □コンタクト/眼鏡)
■地図
2.5万分の1:「鳳凰山、仙丈ヶ岳、間ノ岳、夜叉神峠、奈良田」
山と高原地図:「北岳・甲斐駒」
■共同装備 持ち出し済み
(持ち出し→山行中)
テント
• ステラ4 No.2(江川→小田)
• エアライズ4 No.2(深田(表銀座②)→田口)
鍋
• 梅(鈴木→深田)
• 小梅(鈴木→深田)
調理器具セット
• ガジャマダ(鈴木→鈴木)
救急箱
• 苺(深田(表銀座②)→田口→朝倉)
ヘッド
• 緑7(江川→江川)
• 緑8(江川→江川)
カート*3(通年用)(江川、鈴木→東、朝倉)
■登山届提出先
東大:提出済み
コンパス:提出済み
■悪天時
前日16:00までに判断
翌日の行動開始時刻は前日夜判断
■遭難対策費
600円×7人=4200円
■備考
□現地連絡先
○南アルプス警察署 Tel : 055-282-0110
□日出・日没時刻
9/19 日の出 5:31/入り17:48
(@甲府, 国立天文台 https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/2023/s2009.html)
□雨天時中止:前日12:00までに判断
□電波
白根御池小屋 : docomoは◯、au,は圏外、Softbankは電話のみ
北岳(肩の小屋):docomo,auは◯、Softbankは圏外
□温泉
奈良田BS近く:女帝の湯(奈良田温泉)700円(水曜定休)9時~
下部温泉駅前:しもべの湯(https://shimobenoyu.com/)930円(無休)10時~
■過去記録
2023年 記録
2019年 記録
白峰三山縦走記録
■日程
2024/9/11-14
■山域
南アルプス
■天気
1日目 曇り→雨
2日目 晴れ→曇り
3日目 晴れ→曇り
4日目 晴れ
■メンバー
CL朝倉(44) SL小田(45) 鈴木(45) 東(46) 江川(46) 田口(46)
■共同装備使用記録(持ち出し→持ち帰り)
テント
• ステラ4 No.2(江川→小田)
• エアライズ4 No.2(田口→江川)
鍋
• 梅小梅(鈴木→東)
調理器具セット
• ガジャマダ(鈴木→朝倉)
救急箱
• 苺(田口→朝倉→鈴木)
ヘッド
• 緑7・緑8(江川→朝倉)
カート*3(通年用)(江川、鈴木→鈴木、朝倉)
■タイムスタンプ
1日目 広河原山荘11:15 - 白根御池小屋13:32 (2:17)
2日目 白根御池小屋3:33 - 小太郎山分岐5:46 - 北岳肩の小屋6:29 - 北岳7:11 - 北岳山荘9:30 (5:57)
3日目 北岳山荘3:45 - 中白根山4:20 - 間ノ岳5:56 - 農鳥小屋7:12 - 西農鳥岳8:14 - 農鳥岳9:07 - 大門沢降下点10:00 - 大門沢小屋12:40 (8:55)
4日目 大門沢小屋5:00 - 奈良田8:00 (3:00)
■総評(文責:朝倉)
余裕のあるコース設定のおかげで、立ち止まって景色に耽る時間も長く、各朝ベストタイミングで日の出を目にすることができたのも、3泊4日の日程でしか味わえない体験であったと感じる。白峰三山自体は特徴的な縦走路を有さないかもしれないが、3日目の行程中ふと後方に目をやると見える北岳や間ノ岳の姿は実に雄大かつ上品で、長大な南アルプスの一端を肌で感じることのできる経験であった。山行中の天候としては基本的に、深夜から夜明け直後にかけて晴天が広がり、日が昇り始めるとガスが湧き出すというのが常であった。事前の調べとは異なる経過を辿ることも多く、行程中の情報収集と判断が重要であるとの見識を得た。また、多くのメンバーにとっては初めての南アルプス山行で、その魅力を知り、かつ山域による山小屋や登山道の違いを意識するきっかけになったかと思われる。子雷鳥と遭遇した。
大門沢降下点からの下りで最後尾のメンバー(CL)が転倒したことで拳大の落石を起こし、あわや他メンバーに衝突するところだった。瞬時の周知と丁寧な足取りを徹底されたい。また、広河内では下山ルートとは関係ないピンクテープに翻弄され幾度か道を逸れた。事前に把握した地図上の地形との整合性を確認されたい。
■記録
◻1日目(江川)
白峰三山縦走の第2回。集合地点は甲府駅。中央線の見慣れた車窓を眺めながら、重大な失敗をしてしまったことに気がついた。
「食当の野菜、ザックに入れた覚えがない〜〜(汗)」
こうして二日目の朝食が「餅と野菜のスープ」から「餅のスープ」になることが決定した。車内では高尾で合流したへいすてぃさん、小田さんとおしゃべりしていたが、私は内心焦りやら情けなさやらで、どうにも落ち着かない。でもこうなっては仕方ない。初めから野菜はなかったものとしよう。
甲府駅到着は8:38。甲府駅出発は9:05。用意の悪い私は甲府駅で学割を使って帰りの切符を買わなければならなかったのだった。急いでみどりの窓口に駆け込み、5分ほど列に並んで切符を入手。5人は先にバス停へ向かっている。急いで後を追ってバス停を見つけると、そこには登山ザックを持った多くの人たちが行列を為している。全員が南アルプスに挑戦する登山者だ。5羽の雷鳥はちょうど列の半ばで待っている。6羽目の私は、少し罪悪感がありつつも、横からスッと群れに合流。5分ほどでバスは来て、我々登山者は路線バスに次々と押し込まれていく。
幸いにも私は座れたが、バスはぎゅうぎゅう詰めで荷物を置く隙間もないくらい。隣の朝倉さんと去年以前の雷鳥の話などして時間を過ごすけれども、車内の暑さと揺れで自分のHPが少しずつ削られていくのがわかる。身体の防御本能だろうか、少し眠くなったので、今日の行程に備えて寝落ちさせていただこう。起きたら登山口がある広河原はもう目前となっていた。
到着したのは11:00ごろで、太陽も空高い。同じバスから降りてきた大学生が奏でるリコーダーの音色を聞きながら急いで身支度を済ませる。広河原を出発してすぐに我々を巨大な吊り橋が出迎える。これを渡った先は別世界だと言わんばかりだ。この先にどんな景色が待っているのだろうか、緊張と興奮が混ざる。吊り橋を渡りきるまで約1分。気持ちを山に向けるには十分すぎる。
今日のゴールの白峰御池小屋は、広河原と北岳山頂のほぼ中間にある。1日目のコースタイムは2.5hほどと非常に短いが、登山者を最初に待ち受ける樹林帯は傾斜が急で、決して一筋縄ではいかない。9月も中旬なのに相変わらず猛暑が続いていることも相まって、はっきり言って結構きつい。行動食のミニバウムクーヘンは1日2個と決めていたのに、ついつい3つ目を口に運んでしまう。後から考えると、この登りは3日目のエンドレス下山に続くキツさだった。
ただコースタイムが短めなので、ペースを落とさず白峰御池小屋に到着する。ベンチに腰を下ろして辺りを見回すと、なんと小屋の入り口にソフトクリームの置物を発見!どうやらアイスが食べられるらしい。急いでテン場に移動してテントを設営し、45,46期の5人でアイスを買って小屋にトンボ返り、そしてアイスを購入。カップにストロベリーとバニラの二つが入っている。言ってしまえば普通のアイスだが、思いがけなかった甘味が全身に染み渡る。残念ながら急に雨が降り出してしまい、我々は食べかけのアイスを片手に急いでテントに向かう。
テン場では、一人残った朝倉さんが全員の荷物をテントの中に入れてくれていた。先輩カッコ良すぎるし、先輩を放ってアイスに飛びついてしまったのがちょっぴり恥ずかしい。みんなで一つのテントに入って雨をしのぐ。どうやら1時間ほどで雨は止むそうだ。男6人、話が尽きることはない。
雨が止むと、みんなで外に出て食事にする。今日のメニューはチーズパスタ。急遽参加を見送った深田くんの代わりに全員で協力して調理を進める。調理中も、食事中も会話は続く。先輩に白峰御池に突き落とされそうになるという本日最大の危機に見舞われるも、なんとか機転を利かせて回避に成功。平和は保たれた。
翌日は2時に行動開始ということで、食後準備ができ次第就寝する運びとなる。時計を見ると18:00になっていない。でも芝生のふかふかなテン場の寝心地は特上で、目を瞑ったらあっという間に寝付けてしまった。
◻2日目(鈴木)
2:00起床。ここは白根御池。周りのテントはまだあまり起きてないみたいだ。途中、東の理性的な寝言で何度か目覚めたが、地面がふかふかでよく眠れた。
テント生活は慣れが全てだろうか。46期がまだ慣れない手つきで荷物を整理しゆっくりテントを出る。慣れきった私はシュラフを詰めてさっさと外に出る。自分が1年生の頃、44期の代表にテントからさっさと出るように言われていたのが懐かしい。テント撤収やガスのセットなど、「自分のことの前にみんなのこと」。去年の自分を思い出すと、そういえば朝起きてテントを出るのもテントを撤収するのも大変だったように思う。今では何をどこに入れるか分かっているし夜寝る前に何をしておけば朝が楽になるか心得ているので、朝は決まった動きをするだけだ。先輩が山行記録で「山屋の朝は高度に自動化されている」とかなんとか書かれていたが、なるほどなと思う。山屋の朝は早いが、後輩の成長も早い。46期のメンバーもこの山行を通してテント撤収が素早くなっていった。慣れれば慣れるほど、テント生活は上手に、楽になる。
食当江川による餅のスープを頂く。昨日から一緒の行程を辿っている横国ワンゲルのパーティーも起床したようだ。そういえば、7月には笠取山で上智のワンゲルに会った。時々、こうして他大の山岳部やワンゲルと交流する機会があるが、我がサークルも全く負けたものではないと思う。今年の表銀座と白峰三山の縦走には延べ30人強が参加しているし、今年度の山行の数もいよいよ70に迫っている。山のレベルも団体としての規模感も、全く恥ずかしくない。この団体の代表をさせて頂いていることを誇らしく思った。
3:30ごろに白根御池を出発。草すべりを越えて稜線を目指す。稜線まであともう少しのところで空が朱色に染まり始めた。頭上ではオリオン座が輝いている。夏ではあるが早朝に動いているので、観察できるのは冬の星座がメインだ。なんだか不思議な気分。草すべりは厄介な箇所もいくつかあったが、とりわけ大変なルートではなかった。朝倉さんは昨年「北岳に来ただけ」の山行で同じルートに来ているので「この辺りまでくればもう大丈夫」と教えてくださった。
森林限界を超えてすぐ、日の出を望むことが出来た。よく晴れている。自分たちは運が良いなぁと思った。鳳凰三山、甲斐駒、仙丈がよく見えた。どれも今年行くはずだった山々だ。山行中止は悲しいが、下調べしていた山を実際に目で見て改めて羨望を抱くというのも、悪くないなと思った。
我々は順調に歩みを進め北岳肩の小屋に到着。テント越しの富士山がなんとも南アルプスらしくてよい。肩の小屋は例の「北岳に来ただけ」の看板がある場所だ。45期小田は「飯豊はいいで〜」とか「北岳に来ただけ!」といった山岳ダジャレ(?)が大好きなようで、北岳に来る前からよく口にしていた。とはいえ実際に看板を前にするとすこし恥ずかしそうで面白い。ちなみに、「北岳に来ただけ」と書いてあるが、この時点では我々はまだ登ってないので「北岳を見ただけ」だ。休憩がてら、広河原山荘でバイトをしており北岳がすっかり「推し山」だというおじさんと歓談をしてから再出発。北岳を目指し歩みを進める。
朝日の射す鳳凰三山を横目に、7:20頃、北岳登頂。ガスり始めるかと思われたがなんとか天気が持っており朝倉さんも満足そうな笑顔。ちなみに景色がいい時「きゃぁ!」と歓喜の声をあげる人と「にやにや」と静かに喜ぶ人がいると思うが、今回の山行メンバーは後者が多かった。ちなみに私は前者だ。
この日の行程は北岳山荘まで。北岳山頂からは北岳山荘が眼下すぐそこに見える。十分に時間の余裕があるということで北岳でゆっくりすることにした。朝倉さんは積み石をして絶妙なバランスを狙っている。完成した積み石は社基(社会基盤学科)的には「社会に必要不可欠」だという。見事なバランスの積み石は無事フォトアルバムに収められた。
甲斐駒、鳳凰三山、間ノ岳...。名だたる名峰たちを周りに従えながら、北岳山頂はそのどの頂よりも背が高い。感嘆しながら南アルプスの眺望を堪能していると、スマホを見ていた小田がなにやらぶつぶつと呟いている。聞けば、アメリカの大統領選討論会を見逃したと悔しがっているようだ。山に来てまでなんでそんなことが気になるのだろう。打って変わって今度はアイドルの話をし始めた。韓国の6人組ボーイズグループ「TWS(トゥアス)」のTHE FIRST TAKEがちょうど数時間前に公開されたのだという。あまりに気になったのか、なんとその場(北岳山頂!)で視聴し始めた。
小田のスマホから普通に音を出してTWSのメンバー挨拶を見ていると、我々を追う形で歩いていた横国のワンゲルも山頂に到着した。さすがの小田も恥ずかしくなったのか視聴は中断。このパーティーとはお互いの集合写真を撮ることになった。先方から「どちらの大学なんですか〜?」と聞かれたのだが、田口がなぜか大学名を言うのをためらい、数秒変な空気になった。こういう時はさっさと言った方がいいと思う。
北岳山頂もガスがかかり始め、景色も十分堪能したということで下山開始。ほどなくして北岳山荘に到着した。時刻は9:30。あっという間にこの日の行程が終了してしまった。
さっとテントを立てて「真の暇」タイムに突入。私は、山で過ごすこの時間が大好きだ。現代人は暇な時間もインターネットに繋がれて、特に見たいわけでもないSNSを見続けてしまうのが常だ。こうしてある種のデジタルデトックス的な環境に身を置き、「真の暇」を堪能することの有意義さを再確認する。
次第にテント場のガスも濃くなっていき、日射が弱まって快適な環境が整った。あまりにやることがないので、山荘で売っているコーラを買うか買わないかという命題の思慮に時間を割くことにした。結局、江川と5回じゃんけんをして私が勝ったのでコーラを飲むことにした。美味い。しかし江川と東は「コーラはそんなに美味しくない」という。「三ツ矢サイダーの方がうまい」.......。う~む、まあ確かにそうかもしれない。コーラとはそれ自体が美味いのではなく消費者の側が美味いと信じているだけなのかもしれない。コカ・コーラが美味そうに見えるのはマーケティングが上手いからなんだろうなぁと、どうでもいいコーラ談議をした。
続いて、標高の話になった。今回縦走している白峰三山は日本第2位の北岳・3位の間ノ岳(奥穂と同率?)など高峰が多いのだが、山好きの人には、翌年の西暦と同じ標高を持つ山に登り、その山の写真を年賀状に使う人がいると聞く。最近では2017年の雲取山(2017m)あたりが知名度も高く年賀状にはぴったりだっただろう。今回縦走している北岳は3193m、間ノ岳は3190mなので、32世紀末の山屋の年賀状は空前絶後のクライマックスだ。東はこのために32世紀まで生きる決意をしていた。ちなみに、これから先数年でいうと、2026mの仙ノ倉山、2031mの乾徳山あたりが「アツい」。2026年の年賀状は仙ノ倉山にしようかな。
雑談で時間を潰しているとついにお昼時が近づいてきて、山荘のランチ提供が始まった!!お腹を空かせた我々は6人全員で山荘に突撃し、1100円のカレーライスにありついた。あまりの美味しさにあっという間に完食。この間、私は北岳山荘のオリジナルTシャツ(5000円)を買うかどうかとても悩んだ。なかなか決断できず、午後も悩み続けることにした。
テント場に戻ると江川、東と中高の文化祭の話になった。僕は高校で文化祭の実行委員長のような役職をやっていたので他校の話を聞くのも好きだ。江川の話を聞いていると、そのほぼ最後で私を強烈な眠気が襲ってきて、話が終わると同時にそのまま寝落ちしてしまった。申し訳ない。話の内容は、いちおう意識のある時に全て聞くことができたので許して欲しい。
目覚めた私は、ついに北岳山荘のTシャツを買いに行く決心をした。心して受付に向かう。「Mサイズの黒をください!」強い気持ちでそう伝えると、帰ってきた言葉は、「あ〜いま水色と緑色しか残ってないんですよね〜」。残念ながらお目当ての在庫は残っていなかった。こんなに悩んで在庫がないのはなかなかに沁みた。
山の時間は、過ぎるのが早いのか遅いのか分からない。山行が終わって帰ってきたらあっという間だったなという気もするし、でもたとえば下山時に出発時のことを思い出すと、もはや懐かしいくらい遠くに感じることもある。この日も早いのだか遅いのだか分からない時間が過ぎていき、夕食の時間になった。東によるトマトスープペンネを頂き、日の入りと共に就寝。さぁ、いよいよ明日は白峰三山縦走で最大の行程、2座を踏破するクライマックスdayだ!どんな一日になるのやら。おやすみなさい。
◻3日目(朝倉)
昨日に引き続き起床は2時。起きて早々、私のエアーマットから空気がなかなか抜けてくれず荷物の支度が遅れるというスタートを切る。何度も同じ問題に直面しては解決法を捻り出し、次の山行までには忘れているというのが常で、そろそろ自分用のマニュアルを作る頃合いかと思っている。さて、3日目の朝食の担当は私で、トマトジュースと豆乳を使い、2種類のパスタを作った。味のコメントは控えるが、とりあえずお腹は膨れたので良しとしておく。天気は相変わらずの快晴で、テン場から見える東の眺望には冬の星座たちが真っ黒な富士山と異色の共演をしていた。山小屋の出入り口付近では既にシニアのパーティが出発の準備をしていた。間ノ岳で日の出を狙うのだろうか。近くにテントを構えていた横国の学生たちも我々とほぼ同じタイミングで出発の支度を進めている。食材が無くなって幾分軽くなったザックを背負い、3:45ごろ北岳山荘を後にする。撤収はもう少し頑張れたんじゃないかということで見解は一致した。
先頭は途中まで私であったが、ペース配分を考え途中から小田くんに任せることになった。日の出前に歩く3000mの稜線上は流石に肌寒く感じるが、念のため持ってきたネックウォーマーのおかげで結構快適。上を見上げれば一点の曇りもない満天の星で、少しガレた足場を気にしながら歩くのが億劫になってしまうほどだった。中白根のあたりでは星空撮影タイムを挟んだりもした。カメラ特化のiPhone勢には少し嫉妬してしまうが、Pixelだって6秒ではあるが長時間露光は可能である。山際と星空の対比の秀逸さを少しでも写真に収めようとシャッターを下ろしてみた。暗くて画面は確認できないのでポケットにしまい、その景色を再び肉眼に焼き付ける。
少しずつ歩みを進めるとともに、星は消えていき、次第に地平線が朱く照らされ始めた。我々が正面を向くと、左前方には不気味なほどに美しいシルエットをした富士山がどこまでも広がる雲海の上に浮かび上がり、それが否が応でも目に入る。名山の中でも、標高担当とビジュアル担当と登りやすさ担当が別々にあっても良いはずなのに、一つの山が全部請け負ってるのはズルすぎる。東くんもそう言っていた。私もそう思う。
中白根を少し過ぎた先にある小高いピークの上で小休止を取り、6人で寄って少しずつ明るくなるその眺望に耽っていた。当たり前だが、視界にあるほぼ全ての山は眼下にある。富士山から少し目を逸らすと、薄暗い空気の中にそびえる雄大な北岳の姿が見える。これはホームページ行きだろ、とみな口を揃えて言う。これほどの絶景を前にしても、仕事的思考がやめられないのは悪い癖である。少し違う角度からも見たいと思い、ひとりで近くの岩場をうんとこ登ってみると、南ア北部から富士山に至るまで一切の遮蔽物も存在しない筆舌しがたい景色が広がっており、まるで世界に自分しかいないかのような気分に浸れた。この時の様子を鈴木くんが写真に収めてくれたのだが、ナショジオあたりの表紙も飾れそうなほどの名ショットなのでぜひともアルバムに直行してもらいたい。
結局、日の出は間ノ岳手前の稜線上から眺めた。小田くんが、日の出よりも日の出前の数十分の時間が好きだと語りかけてきたが、激しく同意する。日が昇ると急に暑くなる。この辺りで先ほど山荘で見かけたシニアのパーティとすれ違った。終始にこやかに挨拶を返してくれ、さぞ良い日の出が見れたのであろうと想像する。(回想:しかしあのポンチョみたいなウェアは何だったんだろう)服装調整も挟みながら、6時前ごろに白峰三山二座目である間ノ岳山頂に辿り着く。ここまで来ると農鳥は目と鼻の先で、3泊4日に及ぶ縦走も終わりが見えてきた。山頂は広く平らで、鈴木くんがあの富士山をバックに写真を撮ってくれと言って、頂の淵の方まで2分ぐらいかけて歩いて行っていた。良い写真は撮れただろうか。後から登ってきて少し会話をしたご夫妻はこのまま北岳山荘方面に帰るのだという。つまり2泊3日で間ノ岳ピストン。かたや私たちは3泊4日で白峰三山縦走をしており、大学生の使える時間の多さを身に染みて感じる。ちなみにこの旦那さんは農鳥小屋の小屋主が引退したことを伝えたら酷くびっくりしていた。SNS以外で赤の他人に情報を発信するのも何年かぶりである。ここで例の如く山座同定タイムが始まる。日も出ており、山頂からは大変な眺望があった。槍も見えていたので表銀座組がこちらを望んでいる可能性にかけて手を振ってみたが、返答は確認できなかった。一番盛り上がったのは関東山地だった。奥秩父の南側に見える低いうねうねは何なんだというテーマで終始議論が交わされたが、最先端技術により丹沢ということが判明して決着がついた。そんなこんなで農鳥方面へと下る。
ここからは東くんが先頭を任された。元陸上部の健脚に引っ張られ快調に下りを進んでいく。意外にも、カールやU字谷といった氷河地形がここ南アルプスの地でもはっきりと残っていた。これを見てしまったら、もう共テの白黒写真では満足できない。と誰かの口からこぼれた。確かにそうだと思う。しかし下りというのは難しい。ましてや先頭を歩くことが多い身としては、間隔が空きやすい下りはペースの調整が難しく、速すぎるとよく言われる。個人的には、心が死んでしまう下りこそ会話を弾ませ交流を深めるベストな機会だと思うので、そのぐらい余裕のあるスピード感を心がけたいとは思っている。とはいえ遅すぎるとバスや小屋の受付時刻に間に合わなくなる心配があるので、その時々で良い塩梅を探る必要があるのだろう。長い下りで神経を擦り減らしたおかげで、農鳥小屋に着いた私たちはすっかり下山後の顔になっていた。オヤジ引退後の農鳥小屋にあまり興味がそそられることもなく、トイレの表示が黄色と赤の警告色で書かれていることを確認して、出発をした。宿泊できないのは残念だったが、どこかアットホームで、記憶にないノスタルジアを感じる小屋であった。オヤジさん、お疲れ様です。
ここからの登り返しは高度も相まって正直キツかった。やはり草スベリは早朝のバフがかかっていたとしか思えない。まるで高尾山の1号路を登るかのような足取りを披露する元陸上部の表情には一切の曇りもない。とんでもない人間である。彼に引っ張られて西農鳥に到着したのは8:14ごろ。山頂で厚着のお兄さんに写真を撮ってもらって、また農鳥岳で会いましょうと約束を取り付け、早々に出発をした。ちなみに写真撮影の時に決まって登場するのは田口くんのスマホ。理由は単純で、彼のスマホがタピオカのような3つのレンズを携えたiPhone15 Proであるから。本人は謙遜していたが、正直羨ましい。そういえばさっきのお兄さん、1泊2日で白峰三山縦走してるって言ってたな。とんでもない人間である。
ここから先頭は46期初(後述:2番目らしい)CLを控えた江川くんにバトンタッチをする。西農鳥と農鳥の間は恐らくこの縦走路で一番の悪路で、いわば少々の岩場地帯である。行ったことのある者によれば、常念の雰囲気に似ているのだそうだ。残念ながら北ア経験のない私にその例示はピンと来ず、実にいたたまれない思いをした。農鳥岳の山体はキリマンジャロを思わせるようなこたつ形をしており、最後の登りは布団に沿ってテッペンまで伸びた真っ直ぐな道をゆく。あまり山にこういう登りは無いので少しテンションを上げながら登るとあっけなく白峰三山最後の峰、農鳥岳に到着した。振り返るとさっきまでいた西農鳥よりもこちらの方が低い。これを見た私たちは「白峰三山って誰が決めたんだろう」、「農鳥岳ではなく東農鳥岳なのでは?」と議論の種を撒かずにはいられなかった。しょうがない、素直にそう思ったのだから。付け加えると、特徴的な山体をしている農鳥岳の方が個人的には好みである。
山頂では先ほどのお兄さんが私たちを出迎えてくれた。親切にも西農鳥と続けて集合写真を撮っていただき、しばらく言葉を交わした。今までで一番キツかった山はという話になり、このお兄さんは「トムラウシ日帰りかなぁ、、、」と言葉を区切った。そういえば雷鳥でも2022年の夏に大雪山系に遠征に行った先輩がいr、「冬のね」。
お兄さんは奈良田に向かって歩いていった。
いつのまにか先頭は鈴木くんに変わっていた。しばらくしない内に大門沢小屋への下りの途中でライチョウと遭遇した。晴れ渡る空の下の、1匹の子ライチョウだった。ライチョウと呼ばれる鳥は世界中に生息しているが、その南限はここ南アルプスらしい。はじめまして。思いの外大きくて、警戒心がなくて、可愛いですね。世の中には山で見た野生動物ビンゴなる物があるらしく、私のカードはまだシカとオコジョとライチョウしか空いていない。コンプリートのためにはヒグマを如何に軽くあしらうかが大事になりそうである。
大門沢小屋まではひたすら下る。小田くんの言葉を借りるなら、3時間以上下山マシーンとして膝関節を肩甲骨を酷使し続けた。かなりの斜度により足元を滑らせる者も多く、その度に江川くんが”bless you”と言っていたのが印象的だった。以後私も使おうと思う。
大門沢小屋着は12時40分であった。水場から徒歩3秒のサイトにテントを立て、しばらく山談義に花が咲いた。印象的なのは南アルプスと北アルプスの話。私がこれまでに聞いた北アルプスの様子は、山小屋がデカくて、トイレが綺麗で、登山客がキラキラしていて、山体は煌びやかというもの。対して南アルプスの個人的印象は、人肌感じる山小屋、人肌感じるトイレ、登山客は玄人気質で、山がデカい。これらを比較してどっちが好きかという話題に対して、今回の縦走で南アルプスが好きになったという人もちらほらと。完全に偏見だが、北アルプスと比較して南アルプスが好きな人は、うどんではなく蕎麦が好きそうな感じがする。ところで、これを読んでる人は自分が北ア的な人間か南ア的な人間のどちらになりたいか、考えたことはあるだろうか。山ですることが無くなったら、山を人に見立てると時間が無限に潰せることが分かったのも、今回の気づきの一つである。
こうして長々話をしていた私たちは、いつの間にか小屋の席に着き、力ラーメンを6人分注文していた。面白いメニューがあるんだなぁと思いつつ食べてみると、もちろんというか当たり前のように美味い。餅にちょっとした工夫が施されているのだが、気になる人はぜひ白峰三山縦走の暁に食べてはいかがだろうか。
夜は鈴木くんが王道棒ラーメンとうどんの二品を作ってくれた。明朝のご飯は各自用意してあるので、これが最後の食当となる。美味い。明日は奈良田の里温泉の開店に間に合うような時間に出発をする。時刻表が嘘じゃなければ、明日の昼前には甲府に着いているだろう。時刻表と温泉の開業時間が嘘じゃないことを祈りながら目を閉じる。おやすみなさい。でも、ちょっと暑いな。
◻4日目(小田)
夢をみていた。セブンティーンの東京ドームのチケットが当たる夢だった。すでに大阪ドームは押さえてあるが、やっぱり東京ドームのほうがうれしい。メンバーがなかなか覚えられない。チェスンチョル、ユンジョンハン、ホンジス、ムンジュンフィ、クォンスニョン、チョンウォヌ、イジフン、ソンミョンホ、キムミンギュ、イソクミン、ブンスングァン、チェハンソル、イチャンの13人を覚えるのはなかなか難しい。
4時のアラームがなって、隣の朝倉さんがお湯を沸かしに出て行った。私も起きて上着をきて外に出てお湯を沸かした。鍋を火にかけてテントにもどって寝袋をねじこんでいるとき、なんか変だと思って隣を見ると、朝倉さんの荷物がなにひとつない。先に起きて荷物を全部しまって外に出していたらしい。
前日よりだいぶ早くテントをたたんで各自で朝ごはんをつくって食べた。毎朝おもっているのだが、星や朝焼けが美しく、現実感がない。まるで映像作品のワンシーンのようで、グリーンバックに合成しているだけなんじゃないかと思ったりする。ずっと見えている富士山はやたらと平面的で、背景美術みたいな感じ。ちょうど5時くらいに出発した。なかなか迅速な撤収でよかった!
沢に沿って下っていく。心が死んだままたんたんと歩いていると、昨日ちょっと話にのぼった「北アルプスみたいな男と南アルプスみたいな男、どっちがいいか」ということを考えてしまう。南アルプスみたいな男のほうがいいというので結論は変わらないので、考えても仕方ないのだが、暇なので5回くらい考えてしまった。あと塩見岳いきたい、かっこよかったので。
下山マシーンとなり2時間くらいくだっていると林道にでる。あと4kmくらいで奈良田らしい。ゲートわきをとおって車道にでてさらにあるき、トラス橋や吊り橋をわたって案外すぐに奈良田のまちに着いた。
温泉が8:30に開くまでだらだら過ごしていた。油井がスイスから写真を送ってくる。斉藤や清野は槍ヶ岳にいるらしい。在京の磯貝さんは自宅かな。
シャワーの水圧が弱いのは興ざめするが、シャワーがあること自体が革命なので許せる。ほっそい穴から水だしたら便利だとは、さすが人類よく考えたな。温泉はアルカリ性だそうでぬるぬるする。さっきまで自分だったものがぬめりになっていくのを肌で感じる、気がする。休憩所で三ツ矢サイダーを飲めば、リラックスモードに入ってしまう。朝倉さんが迷彩柄みたいな派手なシャツを着ている。ソウルで陽気な台湾人に煽られて買ったらしい。ああいうシャツ好きです。早川町がやっているらしい「モノノケのムスメ」なる広報プロジェクトがあるらしく、美少女のパネルがある。萌え系の広報はいまや全国どこの田舎でもやっているのか?
9:50発のバスで下野部まで出る。道中は早川ぞいをひた走る。いつのまにか富士川に変わっていて、あれ?と思っているうちに駅に着いた。初めての身延線だと思ってワクワクしていたのに、時刻表を見たら盛り下がる。次の列車が特急で、その次の普通列車は1時間以上あとだった。結局は特急に乗ることにしたのだが、特急券の買い方がいまいちわからない。調べてもネットに出てこないのだ。JR東海が全部悪いので電話して聞いてやったところ、やっぱり車内で現金で自由席券を買えるらしい。そうならそうとネットに書いておいてほしい。こうして、わたしのはじめての身延線は特急ふじかわとなった。
昼飯を甲府で食べようと、駅の中のサイゼリヤに行った。でかいザックを持っているのにまったく動じずに接客されて、渋谷じゃこうはいかないねと話していた。幸い、6人で一緒に座ることができた。南ア全山はやばいねという話をした。雷鳥の2022年の記録を読んでビビっていた。前に読んだ時よりも、実際に行っただけリアリティがあってより一層面白い。CLのありかたとかなんかいろいろ話していた。だんだん調子が上がってきて、どんどん追加で注文した結果、なんだかんだで6人で9700円つかった。あと300円分食べればよかったな。
かえりは鈍行で、いつも通り。複数泊の山行は今シーズンはもうたたないだろうな。
P.S. ユニクロのエアリズムメッシュデオドラントタンクトップを下に着ておくと快適でした
■感想
CL朝倉
・複数泊CL、メンバーの助けもあって無事全うすることができて感謝しております
・去年は見ただけだったあの白峰三山の稜線を1年越しに踏破したことが何よりも感慨深い
・北ア行ったことないですが、僕は南ア派だと思います。
・しばらくデスクトップはナショジオ仕様になっていることかと。あの写真、本当によい。
SL小田
・南アルプスはでかい。たぶんデカさで標高を稼いでる。
・だいたい晴れていたのでうれしかった。
・ゆるふわ山行だと思っていたが、実際はのぼりが辛かった。急登ばかり。
・北岳や間ノ岳からの眺望はめちゃめちゃよかった。名だたる高山が雲海に浮かんでいる様は圧巻。たぶん白山まで見えてた。
・山から見た山には行きたくなるのが人の性で、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、塩見岳や赤岳に行きたくなった。また次のシーズンだろうか。
・農鳥でであった35歳トムラウシ日帰り(厳冬期)お兄さんが何者なのか気になるところ。
・くだりは下山マシーンになりがちだが、楽しむ方法がないものか?
・今回は小屋メシを色々食べちゃった!
◯鈴木
・北アルプス派ではあるが南アルプスみたいな男になりたい。
・白峰三山、とても良かった
・農鳥岳~奈良田は長すぎると思います。そして槍ヶ岳~上高地よりもはるかに歩きにくい。
・朝倉さんとCLのあり方を談義できて嬉しかったです
・朝倉さん優しい。。。お世話になりました
・46期がどんどん育っている。みんながどんなにリーダーになって行くのか楽しみ。
・なにより、白峰三山も表銀座もみんな行けて本当に良かった。縦走が印象的な素晴らしい夏山シーズンになっております。ありがとうございます。
◯東
・10の夜に帰省から戻ってきて、バタバタしていた。
・表銀座に行ってからの今回で、北アと南アを今夏に行けてよかった。
・富士山が綺麗すぎる
・自分の食当のレベルを上げたいと思う。
◯江川
・初めての複数泊、初めてのアルプスで、始終楽しかった
・稜線から見る景色は絶景だった。特に朝焼けの中の富士山&オリオン座はずるい
・今回の成長は朝の身支度を早められたこと
・とりわけ下山がきつかった。今後技術を高めていきたい
◯田口
・初の南アルプス、口コミ通り長大な景色を楽しめた、天気も予報より良くて運がいい
・今回の下山は体力的にも精神的にもキツかった
・ポールの使い方が個人的にうまくなっていた気がする
・小田さんとKpopの話で盛り上がれて嬉しい。朝倉さんも沼に引きずり込みたい