2024/9/15 Jungfrau Eiger trail

Jungfrau Eiger trail計画書 第一版
作成者:吉田
■日程 9/15(日) 日帰り
■山域 スイスアルプス
■目的 本場アルプスを体験する
■在京責任者 原
■在京本部設置要請日時 9/15 20:00
■捜索要請日時     9/16  8:00


■メンバー  ( 4人)
 CL 吉田 SL 白川 ◯ 油井  ◯ Ida

■集合
9/15 6:30 Grindelwald

■行程
Grindelwald(943 m) -2:00- Alpiglen -2:30- Eigergletscher(2319 m)
-1:00- Kleine Scheidegg

(後半候補1)
-Wengernalp - Allmend - Wengen - Lauterbrunnen +3:20
(後半候補2)
-Männlichen +1:30
(後半候補3)
-Alpiglen - Grindelwald +2:30

参考:Eiger Trail、Via Alpina 11/20



■エスケープルート
並行する登山鉄道に乗る
・CC64 Grindelwald-Alpiglen-KleineScheidegg 30min間隔 32min
・CC65 Eigergletscher-KleineScheidegg 30min間隔 18min
・CC63 KleineScheidegg-Wengernalp-Allmend-Wengen-Wengwald-Lauterbrunnen
30min間隔 41min
・GB2444 Eigergletscher-Grindelwald 20min間隔 20min
・GBGGM Männlichen-Grindelwald 1min間隔 20min



■個人装備
□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/手袋 □タオル □水 □行動食
□非常食 □カトラリー □コッヘル □ライター □トイレットペーパー □新聞紙 □ゴミ袋 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス
□筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め □モバイルバッテリー
□トレッキングポール

■地図
25000分の1

■遭難対策費
100円×4名=400円

■悪天時
前日までに判断
スイス気象台

■施設情報
各駅周辺に様々

■備考
□時差
日本の時刻-7時間(サマータイム中)
□日の出日の入り(スイス)
日の出   6:56	
日の入 19:49

□連絡先等
◎警察:電話117
◎救急車:電話144
◎消防署:電話118
◎在スイス日本国大使館(ベルン)
  電話: (市外局番031) 300-22-22
   国外からは(国番号41)31-300-22-22
◎在ジュネーブ領事事務所
  電話: (市外局番022) 716-9900
   国外からは(国番号41)22-716-9900

□参考リンク
スイス国鉄
スイスハイキングについて
Grindelwald
Eiger Trail
Jungfrau.ch
Via Alpina 11/20

9/15 Jungfrau Eiger trail記録
作成者:吉田
■日程 9/15(日) 日帰り
■山域 スイスアルプス
■天気 晴れ
■メンバー 
 CL吉田(44) SL白川(44) ◯油井(45) ◯Ida(46)

■総評(吉田)
スイスアルプスの北部に位置するユングフラウ地方の超有名峰アイガーのトレッキングルートを歩いた。海外旅行中の山行としてはちょうど良い難易度で景色はもちろん素晴らしかったが、軽アイゼンを持っていかなかったのは調べ不足だった。ぜひともスイスにはもう一度行きたい。
■タイムスタンプ
08:05 Grindelwald
10:05-10:10 Alpiglen
13:30-13:55 Eigergletscher
14:45 Kleine Scheidegg
■ルート概況
Grindelwald - Alpiglen 街歩きから高原歩きになる。道は広く歩きやすい。登山鉄道が並走。
Alpiglen - Eigergletscher Eiger Trail。積雪わずかにあり。アイガーの広大な斜面をトラヴァースしつつ少しずつ標高を上げる。
Eigergletscher - Kleine Scheidegg もはや観光地。

■山行記(吉田)
スイス。憧れのスイス。国際機関、研究機関、金融、時計、製薬、ワイン、チョコ、そしてアルプス……
幸運なことに大学が主催するスイスのスタディツアーに参加することが叶い、せっかくだからアルプスを登るぜ!と雷鳥の友人に自慢していたところ、なんと自分以外に3人のメンバーと話がつき4人で現地集合してハイクするという流れになった。まったくこの会の人間のフットワークと旅行好きには驚かされる。
ルートとしては有名なユングフラウ三山(ユングフラウ、アイガー、メンヒ)の中腹をトラヴァースしていくものを選んだ。SwitzerlandMobilityというサイトで紹介されていた、“Via alpina Stage 11”というルートと“Eiger Trail”というルートを組み合わせたものだ。サイトを見てもらうとわかるが、今回行った超有名エリアに限らず、スイスの国土にはトレイルルートが張り巡らされており、登山がいかに国に根ざしているのかが垣間見える。なんでも山岳地帯に車道をむやみに増やさないようにと国民が直接民主制のなにかでどうこうした過去があるという。守りたいものを市民が守るという風土というか傾向はヨーロッパに特に見られるもの、と言うことができるだろうか。

さて、そんなこんなで私はスイスに渡り濃密な学びの一週間を過ごした後、山行の前日に拠点であるグリンデルヴァルトに乗り込んだ。ユングフラウ三山をはじめとするスイスアルプス北部の山々への拠点である場所だ。高原リゾートかつ山行のスタート地点というポジション的には上高地が連想されるが、こちらには列車が通っており人がひっきりなしに運び込まれている点、建物のデザインがある程度落ち着きのあるもので統一されており街並みそのものの雰囲気が美しい点、アイガーをはじめとした3000m峰を視界に収めることができる点(ここの標高は1000程度)など、ぱっと見て考えるだけでも両者には結構違いがある。とグリンデルヴァルトの特徴を先に書いてしまったが、スイスの山を見て一般に思ったことも挙げておくと、やはり傾斜の強さは印象に残る。山岳地帯に入ってくると、湖or川の辺に街があったと思えば、水辺から1kmもないところからグッと絶壁が現れ、視界に入る位置に山頂がある、というような急傾斜が作り出す景色が列車に乗っているとずっと続いているのがわかる。しかも山頂はみな甲斐駒のような尖り方をしている。山行が始まる前にすでに圧倒されていた。

日の出の時間の問題や登山鉄道でルートのどこでも引き返しが可能であるという事情もあり、駅に8時に集合した(そもそもスイスの山人は大体そんな感じで時間設定するという)異国の地で、しかも前日は皆別の場所にいた(研修終わりでジュネーブから移動してきた自分、チューリッヒ観光をしていた白川、ツェルマットで別の山に登っていた油井、在住しているチューリッヒから移動してきてバーゼルに泊まったIdaさん)のにちゃんと合流できたことに少し感動しつつ、そのまま歩き始める。
序盤は街歩きである。久しぶりにお会いしたIdaさんの生活の話や各人のここまでの旅程での出来事の話などをしながら歩く。道はまだ舗装路だが、民家がまだ多少あり牧草地帯といえるだろうか、羊やら山羊やらがちらほらいた。早朝にはあった雲も次第に晴れてきてアイガーの北壁やそれに連なる東側の山々もその全容を現しはじめ素晴らしいコンディションとなった。4人の足取りは軽快である。
しばらく行くと道は山道らしくなってきたがそれなりに広さはあって歩きやすい。それに周りは基本開けており正面のアイガーなど絶景が広がっている。そして前述の登山鉄道が並走しており、数十分の頻度で往来しているためやはり同じ3000m級だとしても日本のそれとは全く雰囲気が違う。同じ道を行く人もそれなりにいて、視界に必ず一人はいるので安心感はあった。途中駅であるアルピグレンに出発2時間ほどで到着し、駅前のレストランの横で休憩する。ここから今まで歩いてきたルート(Via alpina)から逸れて、Eiger Trailにはいる。難易度が一段階上がるようで、標識の色が変わっている。地面は薄く雪に覆われており軽アイゼンを持ってきていない我々は一瞬逡巡したが、道は顕になっていることと最悪引き返してくれば鉄道やらで上に行けるということで入ってみることにした。
改めてEiger Trailについて語ると、難関クライミングルートとして知られるアイガー北壁の直下、標高2000m前後を走るトラヴァースルートであり、アルピグレンからアイガーグレッチャーという超有名観光地ユングフラウヨッホへのルートの中継地までが指定されている。HPの情報だとアイゼンやハーネスなどの道具は要らないと書いてあったので選んでみた。選んでみたのだが…標高2000mを超えたあたりから登山道も雪を被りはじめた。下が凍っているところも少しある。まあ、歩くのに大きな支障があったわけではないし、他の登山者も普通の登山靴のみで歩いていたのでそのまま進んでしまったが、雷鳥の基準に照らし合わせれば軽アイゼンがあったほうがよかった状況であったので反省している。下調べと予測が足りなかった。ただ雪山の景色を味わえたのは最高だった。近づけば近づくほどわかる北壁の垂直さ、時々現れる鋭い滝や沢、そしてまだ姿を現さないユングフラウ、寒くなってきて口数はみな減っていたが、今まで行ったことのある場所とは全く異質なこの地をそれぞれの形で味わっていたと思う。自分はというと、前のプログラムも含めてもはや心のキャパオーバーだったのか、よくわからないもやもやふわふわした気分だった(英語ドイツ語フランス語に囲まれて悪戦苦闘して気づいたが、自分は日本語においても言語能力が低く表現したいことをちゃんと表現できる能力がないとわかった)
Eiger Trailの終わりにはまずアイガーエクスプレスという麓からのゴンドラのターミナルが見える。2020年開通だという真新しい施設を横切って進むと、ついにアイガーグレッチャーに到着。同時に今まで尾根に隠され見えなかったメンヒ、ユングフラウの山容が明らかになりつい声が出る。この地点はこれらユングフラウの山嶺から囲まれ見下ろされるような位置にあり、日に照らされた白銀とダイナミックな周辺の地形はもう筆舌に尽くしがたい様相である。写真をとりつつ休憩した後話し合って、ここから少し下ったクライネシャイデックという拠点駅で解散することにする。名残惜しいが時間が厳しいメンバーもいるので、ユングフラウヨッホへ向かう富豪たちとは逆方向へ進みはじめた。
観光客のためにものすごく広く作られた道をするすると下り、30分ほどでクライネシャイデックに到着。こちらはさらに観光地化されている。ホテルやレストランが立ち並び、登山鉄道の駅の周りには平日朝の自分の最寄駅と同じくらいの人数がいる。まあ標高は2000mくらいで富士山の五合目とかを思い出せば別におかしくはないのかもしれないが、なんとなく圧倒され乾いた笑いが出る。駅に着いた我々は電車の時間もあったので、お互いの旅の安全と健康を祈りつつサッと解散しそれぞれの道で下山した。こんな異国の地でもともに山に登れる仲間がいることに感謝。

記録に残せるようなことが多すぎて、根幹の部分だけ書こうとしたら逆にあっさりした記録になってしまった。興味がある人がいたらぜひ前後の旅行や研修、生活も含めてメンバーに聞いてほしい。きっと喜び勇んで思い出を語り、最後には一緒に行こうと誘ってくることだろう。


■感想
CL吉田
・まさかこんな人数になるとは思わなかった。ありがたい限りである。
・アイガーは傾斜が強すぎるあまり、自分がいるところから山頂までまだ2000もあるというのが信じられなかった。どのルートを登攀するのかも皆目見当がつかなかった。
・スイス研修は非常に実り多い体験だったので、ぜひ来年のプログラムに応募してみてください。
・今回の登山と研修に無理やり意義をつけるなら、今の自分でもこういった場所に「訪れる」ことはできるということを確認する旅だったと言えるかもしれない。もう一度来て今度はその先に踏み込めるような人間になれるように生きていきたいものだ。
SL白川
・アイガーは「壁」だった。この壁が太陽の光を遮る青白い世界の中で、冷たい空気を感じながらザックザックと雪に足を突っ込んで歩くのが今春のアイスランドでの滞在ぶりで、懐かしくて内心ほっこりしていた。
・可愛らしい家々が点在するグリンデルワルトの街並みと、その先にそびえる山々の景色がとてもマッチしていて何度も振り返ってしまった。
・Idaさんに久しぶりに会えてとっっても嬉しかった!
・これを機に、旅先では山に登るというのを恒例にしたいと思った。
◯油井
・アイガー北壁に圧倒された
・雪とゴンドラに囲まれてスキー場に来ているのかと錯覚した
・山は複数で行くのが一番、スイス遠征が実現してよかった