2024/9/24 八丈三原山
八丈三原山記録
■日程
2024/9/24
■山域
八丈島
■天気
晴れ時々曇り
■メンバー
CL朝倉(44) SL磯貝(44) 石田(44) 白川(44) 城所(44) 島崎(44) 谷本(42)
■共同装備使用記録(持ち出し→持ち帰り)
テント:
エアライズ4No.1(島崎→島崎)
エアライズ4No.2(島崎→朝倉)
鍋:
雪・月(朝倉→磯貝)
ヘッド:
緑7(朝倉→磯貝)
緑8(朝倉→磯貝)
カート:
×3(朝倉→島内で使い切り)
調理器具セット:
ガジャマダ(朝倉→磯貝)
救急箱:
エーデルワイス(磯貝→磯貝)
■タイムスタンプ
9:14 駐車場
9:24 登山口
9:35 無線中継所
10:19 八丈三原山
11:11 無線中継所
11:22 登山口
11:34 駐車場
■ルート概況
注) 八丈島へ渡航する際の注意点は八丈富士ハイク(2024/9/25)の記録に記載しているので、そちらも参照のこと。
駐車場〜無線中継所:車道(に準ずる道路)を歩く。歩道はなし。工事車両に注意。
無線中継所〜八丈三原山:登山道へ入る箇所がやや分かりにくい(まっすぐ進んだ突き当たりから左手に下る階段が登山道の入り口)。稜線に出るまではひたすら階段が続く。稜線手前は笹が茂っているため、長袖長ズボンを推奨。稜線に出てからは強風に注意。
■総評
天候に恵まれ、本土では味わえない島ならではの体験と景色に魅了された山行であった。山道は総じて平易な登りが続くだけで、笹が茂っていることを除けば雷鳥でよく登られる低山と比べても登りやすく、手軽にピークハントと景色が楽しめる良い山であった。
どうしても八丈富士の影に隠れてしまいがちなのは否めないが、三原山は登山道の大部分が樹林帯で風を避けられるので、予測しにくい島の天候に翻弄されず登れる山として重宝される。
■津波注意報への対応
9月24日8時14分に鳥島近海で発生したMw5.8の地震により、伊豆諸島と小笠原諸島の沿岸に津波注意報が発令された。我々が滞在していた八丈島でも、8時58分に50センチの津波を八重根港で観測した。この項は、それに際して我々がとった行動を簡潔にまとめるとともに、山行中の被災という極めて珍しいケースの蓄積とすることを目的にしている。
6:00 底土野営場にて起床
6:15ごろ 朝食の準備を開始
7:00すぎ 朝食が完成
7:30ごろ 一部がミツトヨレンタカーへ向かう
8:00ごろ 車を底土港に止め、底土野営場に戻る
8:14 島の防災無線が作動し、津波注意報が発令されたことを知る
8:24 暴風で計画変更の旨をMLに流す(津波注意報については少し触れた程度)
8:30ごろ 車を回収するために底土港へ向かう
8:30すぎ 車で三原山登山口へと向かう
8:14以降に取り得た行動には何通りかの可能性があった。
①計画通り動く(今回)
②津波注意報が解除されるまで港には近寄らずその場で待機する(山行は実施)
③終日港には近寄らず徒歩で移動する(山行は実施)
④山行中止
殊に防災のみを取り上げるならば、自らの被災リスクを可能な限り下げることが”正しい”行動である。それは言うまでもない。その上で山行の実施にどこまで固執するかは、被災リスクへの暴露量(=強度×時間)と山行の性質に従うだろう。今回は予想津波高さ1mの津波注意報であること、港の滞在時間も短く1日の多くを高台で過ごすことを念頭に、計画の変更は行わなかった。反省すべき点は、そうした意思決定を行うのに時間を要したということである。山行中に地震や津波といった自然災害に巻き込まれた際に自分ならどのように動くかということを、普段から少し考えてみると良いかもしれない。
■記録(石田)
記録者決めUNO対決で負けました、石田です。大富豪ならきっと勝ってました。
当初は八丈富士に登る予定でしたが、朝起きるとキャンプ場に謎の酔っ払いおじさんが出現(板前さんらしい)。八丈富士は今日の天気だと危険だというしまんちゅの言葉を信じ、急遽東山に計画変更。
登山口までの車道をひたすらに歩くのもなかなかに虚無であると判断し、登山口までは車を借りることに。運転は島崎くんが担当してくれました。最初、底土港の駐車場に駐車する際に後ろの壁にぶつかりそうになるというガチめのヒヤリハットもありましたが、無事故で運転してくれた島崎君には、心から感謝しています。
ニュースで見た方もいるかもしれませんが、我々がちょうど車に乗り込もうというときに、八丈島で津波注意報が発令されました。キャンプ場が海辺だったこともありかなり怖かったですが、高さが50cmくらいであるという情報と、山の方が津波は来ないだろうということもあり、出発することにしました。
登山口に向かう途中の山道で、工事で通行止めになっているところがありました。そこから歩いて行けなくもない距離だったので、交通整備のおじちゃんに通行止め手前の少し開けた所に駐車してよいか聞いたところ快諾してくれたので、駐車していざ出発というところで、後からやってきた別のおっちゃんが歩行者も通行しちゃダメだと言われました。引き返すときに交通整備のおじちゃんが気まずそうに笑ってたので、めちゃめちゃニコニコし返してやりましたよ、えぇ。
その後なんやかんやあって登山口に到着し、三原山山頂を目指して登り始めると、大量の
アキアカネと青いカラスアゲハが出迎えてくれました。青いカラスアゲハは(今調べたところ)カラスアゲハの八丈島亜種らしく、もうこれだけでも八丈島に行った価値があったんじゃないかと思います。
三原山は、前半はひたすら石段、後半は藪まみれと、標高の割には過酷だったかなと思います。な ぜ か半ズボンで登ってた人がいて、後半の藪エリアは大変そうだなと思いました。みなさんも並々ならぬ事情がない限りは、特に初心者のうちは長袖長ズボンを持っていくようにしましょう。
頂上ではありませんが途中で視界の開けた場所があり、八丈富士や八丈島を取り囲む太平洋を一望することができました。富士山は登るもんじゃなくて見るもんだ、なんて言葉もあります(?)が、そこから見える八丈富士は雲一つかかっておらず、まさに富士の名を冠するにふさわしい美しき山でした。まぁ翌日登った時はめちゃめちゃガスってたんですけど…
山から下りた後は、海水浴(もちろん津波注意報解除後)をしたり温泉に入ったりと、離島を満喫しました。岩場ではそこそこでかいカラフルな魚がいっぱいいたり、温泉がちょっとしょっぱかったりと、島ならではの体験がたくさんできたかなと思います。なぜか高校時代の海パンで水泳帽子までかぶって、めちゃめちゃきれいなフォームで海でバタフライをしている磯貝くんが最高に面白かったです。あんなにいっぱい魚がいたのに、竿がなくて釣りができなかったのだけが心残りです。
完全に余談・蛇足ですが、八丈島の海鮮料理屋さんでおそらく店長の趣味で流れていたであろうライブ映像を見て、TUBEという(昔の)バンドにどハマりしました。「ガラスのメモリーズ」と「さよならイエスタデイ」、ガチで名曲だと思います!我々と同世代の人たちは名前も知らないかもしれませんが、よかったら聞いてみてください!
■感想
CL朝倉
・山頂手前の稜線から見える八丈富士と八丈小島の風景がずっと頭に残ってます。
・薮がかなり茂っている部分があったので長袖は必須だと思います。それ以外は特筆する難所もなく、風が避けられて景色も良いので、八丈島に来て富士だけ登って帰るのが物足りないと感じる人にはオススメします。
SL磯貝
・朝に出会ったおじさんに振り回された山行だったが、結果オーライだったなと思う。
・駐車場までの道が通行止めだったのは想定外だった。迂回できたので良かったが、下調べをしっかりすべきだった。
・八丈富士の円錐形がとてもきれいで、やはり富士は登るものではなく、外から眺めるものだよなと思いました。
・八丈小島って、石庭に置いてある大きな石みたいじゃないですか?(伝われ)
◯石田
・ミニバンで山道爆走してたしまざきくんすげーよ...
・前半は単調な階段、後半は藪の中を突っ切ると、標高の割には過酷な山だったかなと思います。景色はとってもよかったです!
◯白川
・山のあとには海に入ると決めていました。履いていた半ズボンは水着です。無傷です。
・薮漕ぎ楽しかったー!
・運転ありがとう、感謝します。
◯城所
いいお天気で登れました。上まで階段が敷かれてる分歩きやすかったですが、長袖は極力持ってきたほうがいいと思います笑。背の高い藪が強風を遮ってくれました。途中で八丈富士の勇姿を見れて嬉しいです。
◯島崎
・津波への注意を呼びかける放送、吹き上げる激しい風の中、太平洋、八丈富士と市街地を一望でき、離島を五感で堪能できた。八丈小島もいいアクセントになっていた。
・ルート自体は藪の中を階段で上がる冗長なものだったので、滝や沼を見れる南側から登ったらもっと楽しめたかもしれない。
・青ヶ島にも行きたかった、、簡単には人を寄せ付けないのも離島の魅力なのではないか。皆さんも離島山行に行きましょう。
◯谷本
朝、テントから出た直後に知らないおじさん(後に島で板前をやっている方だとわかった)に声を掛けられ、長々と話しこんでしまった。そして、「今日の天気では八丈富士は危ないから三原山にしなさい。」と忠告されたので、急遽三原山に登ることになった。朝から呑んできたという島のおじさんの見解によると、島に来たら山ではなく、海に入るべきとのことだった。明日葉摘みに行き、みんなが起きてきたら朝ごはんを食べ、登山口まで車に頼るかどうかなどを話した。そうこうしているうちに、津波注意報が発動...。山なら大丈夫、と急ぎめで車を走らせ、海抜0mの場所から三原山の登山口付近まで上昇した。登山道は階段があり、比較的楽な道だと思ったけれど、1ヶ月振りの登山だったからか、標高は高くない山なのにすぐに疲れてしまった。途中から藪漕ぎ状態になり、前回人が通ったのはいつだろう?という状態だった。しかし、登山中に後ろを振り返ってみると、青い海、八丈富士、八丈小島を眺めることができ、この山に登って良かったと思えた。