2024/10/12-14 裏越後三山縦走

裏越後三山縦走計画書 第二版
作成者:油井45
■日程 10/12-14(土-月) 二泊三日 予備日なし
■山域 越後山脈
■目的 登頂、紅葉狩り
■在京責任者 小田
■在京本部設置要請日時 10/14 20:00
■捜索要請日時     10/15 08:00


■メンバー  ( 3人)
 CL 油井 SL 原 ◯ 佐藤

■集合
10/11 19:10 高井戸駅改札前

■交通
□行き
練馬IC-(関越道)-小出IC-銀山平登山口 3950円
魚沼市内で車中泊またはテント泊(道の駅ゆのたに、響の森公園が候補)

□帰り
行きと同様
所沢ICで降りる場合は新座駅・清瀬駅・武蔵小金井駅のいずれかで解散
練馬ICで降りる場合は練馬高野台駅・荻窪駅・高井戸駅のいずれかで解散

■行程(×1.1で算出、21:22/29.2km/↑3136m↓3136m)
1日目
銀山平登山口-(1:06)-前山-(1:06)-前嵓下-(1:17)-前嵓-(1:39)-荒沢岳-(0:55)-灰吹山-(1:12)-灰ノ又山-(0:55)-杜夢平
【8:10/9.4km/↑1636m↓718m】
※時間があれば巻倉山へ(往復30分)

2日目
杜夢平-(0:17)-巻倉山-(1:30)-兎岳-(0:30)-小兎岳-(0:39)-鞍部-(1:01)-池ノ段-(0:28)-中ノ岳-(0:07)-中ノ岳避難小屋-(0:33)-四合目-(0:39)-1860m地点-(0:11)-檜廊下-(0:44)-天狗平-(0:55)-分岐-(0:17)-分岐-(0:06)-越後駒ヶ岳-(0:06)-分岐-(0:17)-駒の小屋
【8:20/10.6km/↑1317m↓1108m】

3日目
駒の小屋-(0:22)-標高1755m地点-(0:33)-百草ノ池-(0:40)-小倉山-(0:53)-道行山-(1:23)-標高823m地点-(0:28)-分岐-(0:22)-石抱橋バス停-(0:11)-銀山平登山口
【4:52/9.0km/↑182m↓1308m】
※余裕があれば駒の小屋から越後駒ヶ岳ピストン(往復1時間)

■エスケープルート
銀山平〜荒沢岳:引き返す
荒沢岳〜巻倉山:基本的には杜夢平で停滞
巻倉山〜銀山平:基本的にはそのまま下山または中ノ岳避難小屋もしくは駒の小屋で停滞

※兎岳で緊急避難が必要な場合は丹後山避難小屋へ(1:13/2.4km/↑123m↓244m)
そこから下山する場合は3:25で車道へ、そこからさらに0:45で十字峡
※中ノ岳からも十字峡へ下山可能(4:13/5.5km/↑79m↓1714m)
※十字峡は電波が通じないのでタクシー要請は尾根上で行う



■個人装備
□ザック □ザックカバー □シュラフ □マット □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/手袋 □タオル □水 □行動食
□非常食 □ゴミ袋 □カトラリー(フォーク、スプーン類)  □コッヘル(食器)  □ライター □トイレットペーパー
□着替え・温泉セット□携帯トイレ×3 □ヘッドランプ □予備電池 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス □筆記用具
□遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め (□浄水器 □モバイルバッテリー
□サングラス □歯ブラシ □トレッキングポール □サポーター/テーピングキット □熊鈴 □コンタクト/眼鏡)

■地図
25000分の1:「奥只見湖」「平ヶ岳」「兎岳」「八海山」
山と高原地図:「越後三山」

■共同装備
テント
・ステラ4 No.2:油井
なべ
・桜:佐藤
ヘッド
・緑1:油井
カート
・大×1:油井
調理器具セット
・ディド:油井
救急箱
・アゲハ:油井
ヘルメット
・ゾーディアク(赤):油井
・mont-bell(ねずみ):佐藤
・◯◯:原

■食当
1日目夜:油井
2日目朝:佐藤
2日目夜:原
3日目朝:油井
アレルギー等:ナッツ、豆乳、桃、メロン、サクランボ、大量のきのこ、激辛

■遭難対策費
400円×3名=1200円

■悪天時
10/11 18時までに判断

■施設情報
□幕営地
・杜夢平:樹林帯と湿地帯合わせて10張以上可能、水場あり(陽の水)、トイレ(穴?)あり
□避難小屋
・中ノ岳避難小屋:10/15小屋終い予定、無人、40人収容、備品・水場なし、トイレあり
・駒の小屋:10月中旬まで管理人在駐、40人収容、1泊2000円、10張可能、テント泊500円、毛布・銀マットは少量あり、水場2箇所あり、025-792-9754
・丹後山避難小屋:10/15小屋終い予定、無人、30人収容、備品なし、雨水タンクあり、トイレあり
・十字峡登山センター:1泊1000円、30人収容、トイレあり、025-774-2200
□水
・陽の水(巻倉山手前の鞍部から5分)
・祓川(中ノ岳避難小屋から八海山方面へ45分)
・駒の小屋脇
・駒の小屋から北に5分下った地点
□トイレ
・杜夢平(簡易的な青空トイレ)
・中ノ岳避難小屋内
・駒の小屋内
□温泉
・かもしかの湯:600円(キャンプ場宿泊者は500円)、10:00-17:30、025-795-2448
・白銀の湯:650円、11:00-18:30、025-795-2611
□電波
・au:中ノ岳までは不明、中ノ岳以降は小倉山を除き利用可能
・docomo:前嵓から中ノ岳までほぼ利用不可、中ノ岳以降は一部利用可能(道行山は利用不可)
・softbank:

■備考
□日の出日の入り(中ノ岳)
日の出 5:47
日の入 17:17
□関連リンク
・南魚沼市内登山道の状況
・魚沼市登山情報

□連絡先等
新潟県警南魚沼警察署 025-770-0110
新潟県警小出警察署 025-793-0110
銀嶺タクシー 0120-40-2440

10/12-14 裏越後三山縦走記録
作成者:油井45
■日程 10/12-14(土-月) 二泊三日 予備日なし
■山域 越後山脈
■天気 3日間とも晴れ
■メンバー
 CL油井(45) SL原(45) ◯佐藤(46)
■共同装備
テント
・ステラ4 No.2:油井
なべ
・桜:佐藤
ヘッド
・緑1:油井
カート
・大×1:油井
調理器具セット
・ディド:油井
救急箱
・アゲハ:油井
ヘルメット
・ゾーディアク(赤):油井
・mont-bell(ねずみ):佐藤
・diamond (ねずみ):原

■総評
天候に恵まれ、秋深まる奥只見の大自然を満喫できた。飯豊や尾瀬、北アルプスまで一望でき、大変充実した山行となった。想像以上に険しい道のりだったので岩場以外にも注意事項がないか十分下調べする必要性を感じた。

■タイムスタンプ
1日目
06:15 銀山平登山口-06:59/07:08 前山-07:59/08:14 前嵓下-09:28/09:51 前嵓-11:11/11:41
荒沢岳-12:18/12:32 灰吹山-13:21/13:37 灰ノ又山-13:55 源蔵山-14:07/14:46
杜夢平-14:56/15:01 巻倉山-15:09 杜夢平
2日目
04:00 杜夢平-04:22 巻倉山-05:23/05:52 兎岳-06:15 小兎岳-08:23-08:44
中ノ岳-08:45/09:11 中ノ岳避難小屋-10:43/11:01 檜廊下-11:50 天狗平-13:02/13:39
越後駒ヶ岳-13:49 駒の小屋
3日目
05:05 駒の小屋-05:20/06:20 越後駒ヶ岳-06:30/06:53 駒の小屋-07:35 百草ノ池-08:06/08:18
小倉山-08:45/08:58 道行山-10:20 石抱橋バス停-10:31 銀山平登山口

■ルート概況
【銀山平〜荒沢岳】
・いきなり急登
・人の手はそれほど入っていないが、歩きにくさはあまりない
・キノコ王国
・前嵓下から前嵓にかけて続く岩場はとにかく長く、前嵓と荒沢岳を望める小ピークを境に第一ラウンド、第二ラウンドに分けられるが全て通過するのに1時間以上かかった
・登りでもやや取っ掛かりが少ないように感じられたので下るとなるとかなり慎重になる必要があるだろう
・前嵓からは再び急登
・山頂直下から岩場、ここもヘルメット着用した方が良いだろう
・山頂はそれほど広くない

【荒沢岳〜中ノ岳】
・いきなり道幅が狭まり、笹が体に当たる
・振り返ると荒沢岳がよく見える
・灰ノ又山手前の鞍部に草刈機が置かれておりそこから先は3人が横並びでも歩けるほどよく整備されていた
・灰ノ又山直下は草地の直登できつい
・灰ノ又山から巻倉山は杜夢平に代表される草原が点在し、心地良い
・杜夢平は陽の水方面の端が一等地?
・杜夢平の草丈は高いがテントを張ってしまえば気にならなかった
・「トイレ」は陽の水とは反対側(トイレ使用方法の張り紙がされた先の刈り払われたスペース)、備え付けのスコップを使い穴を掘り、使用後は埋め戻す
・トイレの隣に3張ほど可能な平場があるが枯れ枝が多い
・後から到着する人は一番平らな通路ギリギリに張っていた
・陽の水はかなりの急斜面を下った先、水量は豊富、浄水器なしでも問題なかった
・杜夢平以外でも登山道の平坦な場所に幕営している人はいる
・兎岳からの下りはかなりの急斜面
・小兎岳付近からトラバースの要注意箇所が増加
・中ノ岳へは急登
・山頂は狭い

【中ノ岳〜越後駒ヶ岳】
・中ノ岳避難小屋は広く、綺麗(天水タンクは撤去されていた)
・ここから駒の小屋分岐までは険路
・トラバース区間は道幅片足分ちょい、傾いており笹を掴みながら進む
・アップダウンがしんどい
・天狗平からは急登だが、歩きやすく楽
・駒の小屋分岐からは木道が出現
・山頂は広く、ベンチも多い
・日の出スポットとしても良い

【越後駒ヶ岳〜銀山平】
・駒の小屋は管理人がいて避難小屋らしくない
・トイレは小屋内にありペダルを漕いで攪拌するシステム
・水場は近いが水量の少ない水源からホースで繋いでいるからか500ml汲むのに3分ほどかかった
・下山路は歩きやすく、人も多い
・道行山からは荒沢岳の登山道程度の荒れ方、道は明瞭だがやや歩きにくい
・下りきってからゲートまでは長い
・途中の水場は水量豊富で美味しい


■山行記
【0日目:原】
 9時に高井戸駅前の都営団地のあたりで集合した。最寄りが三鷹台の私からすればとても助かる。待ち合わせ場所に行けば既にさらごんが待っていた。おはようございます、こんばんはと挨拶をしたが、新歓以来会うのは初めてなので少しぎごちなさが出てしまい、気まずい。少しずつ話を始めたが、46期だけれど3年生の彼女にはいきなりタメ口でいいのかよくわからず(周りの45期がタメ口で話しているのは知っていたが)、あまり語尾まで話さないような中途半端な話し方で口数を少なくしていたので、余計にきまずくなってしまった。(こちらは全然気まずさを感じませんでしたby佐藤)そうこうしているうちに油井が車に乗って現れた。3人になれば油井はタメ口で話しかけるので、私も便乗してタメ口で話していく。じゃんけんの結果、私が助手席に座ることになり、魚沼までの移動がスタート。環八道路を通って関越道に入って、小出インターまで向かった。車内では、いろんな話が弾んだが、とりわけ油井とドイツの話で弾んだ。油井は昨年の春と今年の夏にドイツを訪れ、私は今年の夏に大学の主題科目でドイツに行ったということがあり、さらにどちらも南ドイツのミュンヘンを重点的に回ってその虜になったということで楽しく話した。油井はミュンヘンといえばのオクトーバーフェストにも行ったらしく、とても羨ましい。お酒に飲みなれていないため、私は現地で飲んだドイツビールを特に美味しく感じなかったが、あの味もミュンヘン滞在の素敵な思い出を運ぶものとして、とても飲みたくなってしまった。ちなみに彼はベルギーからハンガリーに至るまでヨーロッパの数カ国を周遊したそうだ。私も学生のうちにこの60Lのザックであちこちバックパック旅行をするぞ!油井の話を聞いてその決意はさらに強くなってしまった。本家アルプスの山に登ったというのも羨ましい。お金はないけれど、体力と時間のある学生のうちにそういう経験を私も積んでおきたい。3時間ほどで小出インターを降り、降り口から数百メートルの場所にある「響きの森公園」に到着。運転どうもありがとう。ここでももう星がよく見える。空気も美味しい気がする(高速道路の横だが)。駐車場には同じような前泊勢がちらほらいた。我々と同じような登山客か雲海を見にいく人のどちらからしい。キャンプをする場所ではないが、キャンプに適した場所はたくさんある。「雪のコロシアム」という芝生の広場でコソコソテントを建てて、少しの後ろめたさと残りほとんどのワクワク感を抱きながら、11時ごろ就寝。芝生の上ということでとてもふかふかで気持ちよくすぐに眠りについた。ここの公園、星5です。



【1日目:油井】
 4:30起床。雪のコロシアムの芝はテント泊に最高のふかふかな寝床を提供してくれたが、熟睡できたとは言えなかった。やはりこの後始まる複数泊山行に緊張していたのだろうか。禁止されていないとはいえキャンプ場でもない公園に勝手にテントを張ったことへの罪悪感からか。それとも夜の運転を終えてすぐ横になってもしばらく覚醒状態が続いて寝つきが悪いのだろうか。真相はわからないがそもそも23時就寝と睡眠時間短めなので仕方ない。体調は万全なので良しとしよう。テントを一瞬で片付け、駐車場に戻る。前夜には5台ほど車中泊のために停まっていたが、みんな出払っていた。随分と朝が早いものである。この時期の4時台は真っ暗なのにもう出発しているということは枝折峠で滝雲を眺める人たちであろうか。24時間使える管理事務所のトイレへ寄ってから車に乗り込み、彼らの後を追うべく銀山平へと向かった。最初に見つけたコンビニ(ローソン)に立ち寄り、1人店内へ。恥ずかしながら食当に使う食材を一つ忘れてしまったのだ。ごめんなさい。コンビニの向かいは道の駅ゆのたにらしいが真っ暗である。ローソンを後にして国道352号に入る。ずっと真っ直ぐ行けば初夏に燧ヶ岳へ登るために行った尾瀬御池・檜枝岐である。随分と遠いところまできたのだなと実感する。しばらく進んで奥只見シルバーラインに入る。奥只見ダム建設資材を運ぶために建設された道路で、全長22kmのうち18kmがトンネルであるから気合が入る。中央線がある上、この時間に銀山平から魚沼に抜ける人はほぼいないので怖さはない。ただ二輪車が通行禁止なほど路面は水滴で濡れているので注意が必要である。途中、素掘りのゴツゴツとした岩盤が剥き出しになる箇所もあり、ずっとトンネルの割には変化があって面白い。路面の整備状況は良くないのでめちゃくちゃ上下に揺れるのも含めて、長いトンネルは山奥に分け行っている実感を持たせてくれる。トンネル内に設けられた交差点を曲がり、銀山平へと出るとそこは一面の霧に覆われていた。すぐ目の前が荒沢岳のはずだが山肌は見えない。荒沢岳登山口に車を停めようとしたが5時台にして埋まっていた。想定内ではあったので少し戻り白光橋脇の駐車場に停める。近くの車の人が話しかけてくるのでさらごんが対応する。どうやら枝折峠へシャトルバスで向かう人もここに停めるようだ。支度をしていると観光バスも到着した。随分と賑わっている。登山者もそれなりに多いが随分と軽装だ。荒沢岳ピストンなのか、裏越後の山行記録の中で一際目立つ日帰り強行登山者なのかはわからない。流石にこの時間から日帰り強行での縦走は無理か。6時にはトイレを済ませて荒沢岳に向けて出発した。
 再び荒沢岳登山口に戻り、ルートマップを見てこれからの縦走路を再確認する。尾瀬も載っているマップだったので随分と短い縦走路のように見える。実際には30kmもあるのだが。気合を入れ直し、入山する。いきなりの急登である。今日こそコースタイムの1.1倍かけてゆっくり歩こうと決意し、先頭でスピードを制御する。いきなりの急登かつアルプスの樹林帯とは比べ物にならないぐらい未整備な登山道で先が思いやられる。実際にはこの辺りの道は今回の山行の中では平均的な歩きやすさだったようだが、女峰山・芦別岳のような二百名山ならではの人気の少ない山域の面影がある。すぐに尾根上に出て、30分ほど進むと徐々に青空が見えてくる。霧の区間を通過したようだ。いや、霧ではなく雲海だ。気づけば下界をもくもくとした雲海が埋め尽くしていた。これが有名な滝雲か、と感嘆する。奥只見湖から水分が供給され、銀山平が高い山に囲まれた閉鎖的な谷であることから日常的に大規模な雲海が発生するのだろうか。仕組みはよくわからないが圧巻の光景である。この辺りはキノコ王国と呼んでいいほど多種多様なキノコが群生しているが、雲海による湿度の高さが影響しているのだろう。あの先輩が歓喜しそうな登山道だった。熱中症による死者が多い山域ということもあり、こまめに休みを取りながら進む。確かに10月の半ばであるのに暑い。体感的には丹沢と同程度の暑さである。それもそのはずこの辺りは標高1000mちょい。最高峰の中ノ岳ですら2085mであるから丹沢よりは高いものの大菩薩嶺・乾徳山と変わらないのである。休みを挟んでいるうちにどんどん抜かされていくが気にしない。先程記したように、この山域にはしばしば30kmの縦走路を日帰りで走破するバケモノが出没するので、自分達が遅いのではなく周りがバカ速いのである。今夜幕営する杜夢平には15時に着けば十分なのでペースを維持してゆっくり進む。
 前山を越えて前嵓下に到着するとすぐ目の前に岩場が迫っている。ヘルメットを装着するために小休止していると後から来たおじさんに声をかけられた。このおじさんは熊撃退スプレーを装備しており、熊の話をふる。この近くの平ヶ岳の帰りに熊に衝突しかけたらしく、この辺りの山域にはスプレーを持っていくようにしているらしい。北海道から持ち帰り共同装備に追加した熊撃退スプレーはこういう山行で携行すべきなんだな、と勉強になった。3連休のため、ある程度人はいるとはいえ、人気の少なく、熊のテリトリーに人間が足を踏み込むような山行こそスプレーの出番である。今回は携行していないので遭遇しないことを祈りながら、岩場に取り付く。取っ掛かりは多く、岩も頑丈なのでそれほど難しくはない。最初はそう思っていた。鎖に頼らず、3点支持を意識して順調に進んでいたが、一つ鎖場を乗り越えたと思ったらまた鎖場、今度は梯子、というように無限に岩場が続く。一気に高度を上げることができて効率的なので鎖場や梯子は好きなのだが、これだけ連続すると流石に疲れる。後ろが詰まっていたので何とかスペースを見つけて先に行ってもらった。追われながらこの岩場を登り続けていたら途中でバテていたかもしれない。最初は余裕だった鎖場もだんだんと難易度が上がり、ボルダリングのような手足の使い方を意識しないと先に進めなくなってきた。今回は登りだったため、身の危険を感じることはほぼなかったが、赤岳の県界尾根と同レベルと言って良いであろう。岩場評論家のさらごんも同じような感想を抱いていた。そんな鎖たちも11/1には取り外されるらしい。豪雪に備えての冬支度のようだ。鎖が外されてからの入山は禁じられているので荒沢岳の登山シーズンも終わりが近い。標高は低いが登山シーズンの短さはアルプスと同等である。
 連続する岩場を越えると小ピークに出る。眼前にはゴツゴツとした前嵓、その先には荒沢岳が聳えている。振り返れば雲海がすっかり晴れて奥只見湖が見える。かなりの高頻度で遊覧船が運行されているようで船が行き交っている。ダム湖ではあるものの、周りに人工物が見えない奥只見においてはすっかり自然に溶け込んでいるように感じられた。小ピークで写真を撮り、長めに休憩を摂って岩場の疲れを癒したが、まだ岩場は終わっていなかった。ここからは第二ラウンドが始まる。一旦岩場を下るのだが、ここのロープ場は取っ掛かりがなく完全にロープ頼みである。ロープに必死に掴まりながら足の裏の摩擦力も使って慎重に下った。下っていると突然目の前にオニヤンマが現れた、と思ったら虫除けの鬼やんま君だった。誰かが落としていったもののようだ。帰りに気づくかもしれないと思って木の枝にぶら下げたが、危険な岩場の途中でこれを見つけたらどうしても一瞬ビビってしまうだろう。迷惑になりそうなのでさらごんが回収し、鬼やんま君には虫除けとして一仕事してもらうことにした。当初、この山行に参加予定だった後輩Tくんは蜂を警戒して参加を見送っており、ここで鬼やんま君が同行してくれるのは心強い。三人と二匹(さらごんのステゴザウルスと鬼やんま君)で前嵓によじ登る。とにかく鎖場が長い。断続的とはいえ50mは続いているのではないか。かなり高度感もあり、緊張が続くが楽しい。乾徳山の鳳岩を左右反転させたような岩もあった。
 合計1時間ほどの長い長い岩場区間を越え、前嵓に到着。ここからは「ただの」尾根の急登である。この山行においては急登が楽に感じられることがしばしばあった。普段の山行ではありえないが、ただ足を上に上げるだけというのは岩場の登攀、悪路の通過に比べれば大したことないのだ。標高が上がるにつれ、だんだんと彩りが増してくる。例年なら紅葉のピークだが、今年はやや遅いようだ。原は紅葉の魅力がわからないらしく、今回の裏越後も紅葉目的で参加したわけではないらしい。純粋に登山だけを楽しめるストイックさに驚くとともに、これを機に紅葉の魅力に気がついてくれたら幸いである。山頂が近づくと再び岩場が現れる。すれ違った人からこの先ヘルメットは要らないと聞かされていたが、落石の危険性はなさそうなものの滑落の可能性を考えたら着用した方が良いと判断し、付け直した。岩場を乗り越え、荒沢岳登頂!山頂標は石製で珍しいのではないか。これから先進む稜線が一望でき、今後の道のりに期待が高まる。
 一休みして山頂を後にする。急に笹が濃くなり道幅が狭まった。藪漕ぎほどではないが、今までの道とは異なるのは一目瞭然である。これから先は電波も通じない「真」の奥山だ。荒沢岳に隠されて奥只見湖も見えなくなると遂に視界から人工物は消えた。木道も送電線も建物も何も見えない。周りに広がるのはまさに大自然である。裏越後に行きたいと思った理由の一つがこの大自然に溶け込みたいと思ったからであった。笹原の背丈は低いので展望は極めて良好だ。原とはクライマックスシリーズの話で盛り上がる。この日はちょうどファーストステージの初戦だが、原と自分はそれぞれセパの2位チームのファンなのだ。電波が入らないから暫く結果を確認できないもののどちらも下位チーム相手なので気にする必要もない、と意気揚々と話していたが、これが原にとっては特大フラグになったことはまだ知る由もない。何はともあれ雷鳥で野球の話ができるのはなかなかないので趣味の話ができて嬉しい。山も野球もオフシーズンが重なるので冬に気軽にできる趣味があれば一年間のバランスが取れるのになぁとつくづく思う。原と野球の話で盛り上がる一方、さらごんは黙々と先頭を進む。3人だけなのに共通の話題を出せなくてごめんなさい。原とは同期(こんなに山に行っているのに45期と山に行ったのは2ヶ月ぶりなのでこれ大事)、実家(ルーツ)が播磨地域、ドイツ語選択と共通点が多く、ついつい2人で盛り上がってしまうことが多かった。
 灰ノ又山直下に差しかかると急に道幅が広がる。草刈機が置かれており、ここまで草刈りをしてくれたようだ。本当にありがたい。灰ノ又山へは草地の直登でなかなかしんどいが、笹に皮膚を擦り付けながらの登山よりはマシである。この日は大丈夫だったが、翌日の笹との過剰な接触で皮膚がかぶれてしまった。さらごんは初日からかぶれており、肌が弱い人はアームカバーをした方が良さそうだ。灰ノ又山からは草原歩きが続く。途中に「渡部の池」という札がかかった作業場もあった。気になって周りを散策してみたが池どころか窪地すらなくよくわからない。ところどころ広がる平地にはテントが何張りもできそうである。途中で追い越したおじいさんはどこに幕営するか決めていないらしい。雷鳥的にはNGだろうがそういう気ままな登山にも憧れる。源蔵山からの下りでは今日の幕営地の杜夢平が見下ろせた。実に美しい草原である。こんなところに自由にテントを張っていいなんて新潟県は随分と寛容である。国立公園ではなく国定公園だからなのかどうかはわからないが、この山域ではテント場指定地というものがなく、テントはどこにでも張れるのだ。しかし、杜夢平はリピーター続出らしく、実質的テント場として機能している。既に先客がいることを想定していたが、ほぼ一番乗りであった(樹林帯に1張あったがすぐには気づかなかった)。時刻は14時過ぎ。それほど早いわけではないが、地元民か前泊勢しかこの時間に着くことはできないのでこれから続々と増えてくることだろう。どこが一等地かはよくわからないが登山道のすぐ脇が一番平らで草も少ない。ただ動線に近いのはどうも落ち着かない。樹林帯も良いが、せっかくなら草原にテントを張りたいものである。結局、傾斜した草原の一番下側の端に張ることにした。草丈は30cm以上あるが、テントの中に入ってしまえば気にならない。テントの設営を済ませると交代で「トイレ」に行く。なんと杜夢平はトイレ付きだ。とは言ってもスコップと木々に囲まれた空き地があるだけだが、自然に溶け込むことをテーマにしたこの山行にはふさわしい。その後は、米の浸水待ち時間を兼ね、計画書に念の為書いておいた巻倉山までサブザックでピストンすることに。翌日の行程で通る山だが夜明け前で眺望は期待できないので今日のうちに眺めを楽しもうという算段だ。狙い通り巻倉山からは杜夢平を見下ろし、半分ほど雲に覆われてはいたが翌日歩く山々を眺めることができた。山頂から見たステラ4は随分と小さく、草紅葉に溶け込んで自然の一部と化していた。
 テントに戻ると今度は水場へ。陽の水は5分ほど下った先にある。斜面を下ってすぐに沢へ降り立つが、湧水は下流にあるのでちょろちょろと流れる沢を辿っていく必要がある。どこから湧いているのかはよくわからず念の為浄水器を使おうとしたのだがいくら力を加えても水が出てこない。まさかフィルターが詰まったか。書いてあった通りに手入れしていたのだが、うんともすんとも言わないので浄水器の使用は断念した。まだ芦別岳ぐらいしか本領を発揮していない高い高い浄水器はただのボトルに成り下がってしまった。沢の水をそのまま飲むことにしたが、一口飲んだだけで綺麗で美味しい水だとわかったので心配することなく各自目一杯汲んだ。翌日は長丁場になるが駒の小屋まで水場はないので1人2.5Lは用意しなければならない。テントに戻り、調理を開始する。テントの周りは草丈が高く、山火事になりそうなので近くの樹林帯を調理場に定めた。夕食は自分が担当のチーズリゾットである。具材に関しては事前に下処理を済ませてあるのでまずは米を炊く。火をあまり弱められておらずやや焦げついてしまったが、2人の協力もあり具材と混ぜ合わせて何とか完成した。自分で言うのもあれだが、かなり美味しかった。ちなみに当日に買い足した具材はチーズでした。前泊地の近くにコンビニがなかったら危うくチーズ抜きのチーズリゾットになっていたのは要反省だ。食後は朝食に使う水を汲む必要があるので再度全員で水場へ行った。まだ日没前なので明るかったのは助かった。水を汲み終わり戻ろうとすると原が突然靴と靴下を脱いで沢に入り始めた。足を洗わないと気が済まないらしい。水温は10℃前後だろう。見てるこっちまで寒くなる。
 テントへ戻り、本当はゆっくりと駄弁っていたいのだが、翌朝は3時起床なのですぐに就寝することにした。杜夢平に泊まる人は皆玄人であるからマナーがよく随分と静かである。光を当てられることもなく、風も穏やかで睡眠環境は超がつくほど良好だ。が、なぜか前夜に引き続き寝つきは悪かった。寝ようと思うほど寝られないものである。何も考えずに奥只見の大自然の中で目を閉じることにした。

【2日目:佐藤】
3時起床。低反発クッション(身長30cmほどの草)のおかげか、よく眠れたようだ。食当の自分はテントから離れた調理場で一人ポツンと、湯を沸かす。二人のヘッデンの光も、テントを片付ける音も届かない。怖さを紛らわすため、目の前のアルミニウムに話しかけていた。ささっと煮麺を完成させ、二人の所へ運ぶ。朝露対策のレインパンツを履き、4時前には出発した。
兎岳までは穏やかな草原歩きである。陽が出たら黄金に輝くのだろう。兎岳山頂で日の出を拝みたかったが、生憎の天気だ。明日も御来光チャンスはあるので落ち込むことはない。うさぎのイラストつきの山頂標識でうさぎポーズで記念撮影。次なるピーク、小兎岳へ向かう。兎岳・小兎岳がそれぞれうさぎの耳で、合わせて1匹の個体を構成しているのか。いや、両側に名無し小ピークがあるから、兎岳と小兎岳は別個体の耳なのか。とある人のブログには「南魚沼郡誌続編によると、山名の由来は『山頂一帯が熊笹、岳芝等に蔽われ野兎の生息が多いことからこの名がある。』と記されていました。」と書かれている。真偽のほどは定かではない。小兎岳は山頂標識がなく、あっさり通過する。(子うさぎポーズしたかったのに…。)小兎を越えると途端に歩きにくくなった。ドロドロな急坂で滑る。常に右側が切れているし、たまに現れる岩が濡れていて恐ろしい。ガスが抜けて目の前に現れた中ノ岳はどっしりとしている。鞍部から約350mの登り返しだ。高尾山1本分もない。高尾山に換算すると楽に感じられる。歩きやすいとは言えない道を黙々と登ると避難小屋が見え、2座目の中ノ岳に登頂。昨日今日歩いた縦走路が一望できた。荒沢岳にいたのが遠い昔のように感じられる。ここから見ると槍っぽい。また、雲の隙間から見え隠れする八海山の峰々が険しく、格好良い。同日程で越後三山縦走をしている先輩方はあそこから来るのか……。やはりすごい。山頂近くの避難小屋に小屋利用記録ノートがあったので我らの存在を残しておいた。憧れの先輩方は気がついてくれただろうか。
ここから更なるアドベンチャーの始まりだった。同じ道を歩いた先輩方がこの道をどのように評価したのか気になるが、少なくとも私にとっては悪路であった。登山道は足幅分しかない上に、崖側に傾いている。バランスを崩せば笹薮に落ちていくだろう。亀のようにゆっくり、着実に、歩みを進める。トラバースでない箇所は滑落の心配はないものの、ジャングルのようだった。道は明瞭だが常に笹や松が体を擦る。笹でかぶれて徐々に赤くなる腕を気にしている余裕はない。しかし、このような道は初めてで興奮している自分がいた。他の2人も楽しんでいたようだ。天狗平でようやく座れるスペースがありホッと一息。相当神経をすり減らしたのか、3人揃って無言だ。行動食をつまむ手が止まらない。避難小屋からここまで160分かかったが、︎yamapコースタイムは115分だ。yamapさん速いって…。まあでも、無事通過できたことが何よりである。「あとはただ登るだけ」という油井さんの言葉にうなづく。標高差300mの登りで喜べるとは悪路さまさまだ。駒の小屋からの道と合流すると、木道が現れた。も、木道!?
なんだこの歩きやすい道は!計6つの目が一斉に輝く。登山道整備の有難さが身にしみた。
越後駒ヶ岳山頂では達成感を味わいながらまったりとした時間を過ごす。我々の他に山頂にいた2組は北鎌尾根や伊藤新道に行ったことがあるらしい。昨日も百名山踏破済みの方に出会ったし、客層?の違いを感じる。お腹が空いてきたので駒の小屋のテン場へ。芝生が生えている場所を選んでテントを張る。3日間連続で芝のお布団で寝られる幸せよ…。沢に水を汲みに行くと、上流の方から繋がっているであろうホースからチョロチョロと流れ出ている。3人全員汲むのに30分ほどかかった。夕食は原さんによる炊き込みご飯である。お米うれしい。ここで、白米は各自食べたい分持ち寄るのはどうだろうか、という話になる。そうすれば重くて避けがちな炊飯を積極的にできそう。(お米を忘れた場合の対応が問題だけれど。)食事を終えた頃には太陽が山に隠れ、昨日より冷えこんでいた。とっととミノムシになって目を閉じた。


【3日目:原】
 4時に起床した。昨日より1時間遅いし、寝たのも18時とかだったので、十分に睡眠時間は取れているはずだ。ただ、かなり寒かったりしてちょくちょく途中で起きたというのもあり、昨日の寝覚ほどの爽快感はない。さすが横の二人は撤収が早いなあと思いながら私もテントを出ようと靴を履くと、とても濡れていて、すぐに足まで水分がやってきた。自称末端冷え性なこともあり、指先がとても痛く、あまり気分は良くなかった。しかし、上を見れば綺麗な星空が広がっていて、気持ちはすぐに和む。泊り山行で星空を見るたびに、「あぁ山登りをはじめてよかった」と感じる。この日は前日の杜夢平で雲がかかって何も見えなかったから一層感じた。遠くには魚沼あたりからの光も見える。これもまたいい。テントをたたんだり、ザックの中身を入れ替えたりしているうちに油井が作ってくれたラーメンが出来上がった。寒く、山であり、真っ暗であり、そんな中で食べるご飯は一層美味しい。スープは鶏白湯味らしいが正直よくわからなかった。食事後トイレを済ませてまずは駒ヶ岳の頂上まで登って日の出を見ることに。日の出の30分前くらいに到着したが、冷たい風が激しく吹いており、いかに体を温めるかに苦心した。無駄に飛んだり動いたりして寒さに対抗しながら待つこと30分、ようやくお日様が現れた。いつも日の出を見るたびに思うが、太陽の動きはものすごく早い。太陽が出てくると途端に暖かくなってきた。八海山の方まで日光が届くのを見てから、今頃こちらまで細い道を歩かれているであろう越後三山組に向かって、「桐原さ~ん」と叫び、駒の小屋まで下りはじめた。駒の小屋でザックを回収し、そこから下山をスタート。いつものことだが下山中はただの消化時間的な感じで、あまり口も開かず淡々と降りていった。昨日までの行程とは一変し、道中で行き違う登山客がものすごく多い。休日の思い出に、越後駒ヶ岳に日帰りピストンする人たちだろう。だんだんこんにちはを言うのも疲れたきた。睡眠によって体の疲れは特段感じないが、気持ちはなかなか上がらずあまり楽しめなかった。理由の8割はこのイベントも4日目に差し掛かり、旅疲れのような感じになってきたからで、残りの2割はなんで阪神負けたねん(CS惨敗)というやるせなさだった。紅葉は遠くから見ると確かに澄んだ色をして綺麗だが、近くのものを見るとくすんだ汚い色をしており、幻滅する。進みは案外早く、あっという間に下界の平坦道に降り、そこからは気も抜けて行動食を食べ歩きしたりしながら1時間少しテクテク歩くと、1日目に車を停めた駐車場に帰ってきた。縦走コースを一周した達成感を感じた。その後はそこから2km程度行ったところにある「白銀の湯」に行き、開店したての綺麗な湯にじゃぼんと浸かり、4日分の垢を洗い流した。露天風呂からは裏越後三山を一度に見ることもできた。こう見ると長い稜線だなあ、我ながら頑張ったななどと思いながら静かにゆっくり浸かりたかったのに、信じられない数のカメムシが露天風呂の上を住処としているようでそれどころではなかった。カメムシのせいでここの温泉は星4.2くらいかな。お風呂では縦走路を同じ日程で歩いた人とも少し話ができたし、駒ヶ岳に登られた方にも話しかけていただいた。いきなり山岳部かと聞かれたので、大学の登山サークルですと答えると、「そうか、登山道で何回か見て、そこに規律を感じたもんで」と言われた。このサークルにとっては褒め言葉ではなかろうか。温泉を出た後は、奥只見のこの地を後にし、奥只見シルバーラインという名の、10何キロにもなる手彫りトンネルの中へと進んでいった。そのトンネルを抜けると、もう魚沼市の温泉街である。このトンネルがいい味を出していて、異世界から帰ってきたような寂しさを感じさせた。さて、そこは「魚沼」である。昼ごはんを食べるなら、やっぱりお米を食べたい。ということで、南魚沼の道の駅によって定食を食べた。案外値段もはらず、美味しい定食を食べることができた。なんと言っても南魚沼の新米コシヒカリ。車から見えた一面の田んぼと八海山を思い浮かべながら食べたら、より一層美味しかった。そこから東京までの帰りは三連休の最後ということで非常に混んでおり、先ほど道の駅で買った新潟ローカル米菓「サラダホープ」をボリボリ食べながら凌いでいたが、車内の沈黙に耐えかねたのか山岳しりとりが始まった。何せ私は山の名前など全然知らないので、かなり辛かったが、一向に終わる気配はなく、みんなすごいなあと思うと共に、もう少し勉強した方がいいなと痛感した。図書館の山と渓谷でも読んでみようかな。東小金井駅に到着して解散。長くて充実した四日間が終わった。何より油井ずっと運転してくれてありがとう。



■感想
CL油井
・360°のパノラマ、岩場、山深さなど自分の好きな山の要素が全て揃っていた
・荒沢岳の岩場は危険度が県界尾根レベルでとにかく長い、岩場好きにオススメ
・現実逃避したい人は杜夢平で泊まろう、全てを忘れられます
・ハイレベルな山行だったが二人とも楽しんでくれたようで良かった
・下山後の白銀の湯と道の駅南魚沼が最高だった
・連休最終日の運転は辛い
SL原
・奥只見のロマンを存分に感じられた山行だった。こういう類の山にもっと行きたい。
・場所は割と離れているが、稜線からぼんやり景色を見ていると、前々から抱いていた「只見線に乗りたい!」という気持ちが再燃してきた。
・SLなのに何もしてなくてごめんなさい。
・やっぱり山は電波が通じない方がいいかも。
・紅葉の魅力を少しだけ理解できた気がする。
・これで阪神が勝っていれば、満点の山行だったのに...。
◯佐藤
・悩んで参加を決めた山行だったが、心の底から行ってよかったと思う。
・緊張を強いられる山行だからこそ、無事に三座を踏んだ後の充足感はたまらない。
・本当に素晴らしい縦走路。楽ではないが、岩場も草原もアドベンチャーな道もあって飽きない。さらに紅葉付きという贅沢…。
・蜂に刺されまいと、黒い長袖インナーを着なかったら笹でかぶれて腕が痛痒い。他の二人はそんなことなさそうだったので肌の弱い人は注意。
・カイロ、ダウン、フリースを着たのに寒くて悪夢に苦しんだ。一晩で、5本の鋏を持つ男と格闘し、レポートを出さずに退学させられ、ベンチに頭をぶつけて失神した。防寒対策を考えねば。