2024/11/3 和名倉山ハイク

和名倉山計画書 第二版
作成者:油井
■日程 11/3(日) 前泊日帰り 予備日なし
■山域 奥秩父
■目的 登頂、紅葉狩り
■在京責任者 小田
■在京本部設置要請日時 11/3 20:00
■捜索要請日時     11/4 08:00


■メンバー  ( 2人)
 CL 油井 SL 鈴木

■集合
11/2 17:50 分倍河原駅南口

■交通
□行き
分倍河原駅-国立府中IC-(中央道)-勝沼IC-柳沢峠市営駐車場(車中泊)1時間30分 1620円
柳沢峠市営駐車場-民宿みはらし(三ノ瀬登山口に隣接)30分
駐車料金1日500円、民宿のおばさんとのお話付き
※一ノ瀬林道を150mほど下った場所にも駐車スペースあり


又は
分倍河原駅-道の駅たばやま(車中泊)2時間45分
道の駅たばやま-民宿みはらし 30分

□帰り
民宿みはらし-国分寺駅or武蔵小金井駅or東小金井駅 3時間

■行程
三ノ瀬登山口-(2:25)-牛王院平-(0:08)-山ノ神土-(0:55)-西仙波-(0:15)-東仙波-(1:40)-二瀬分岐-(0:15)-和名倉山-(0:15)-二瀬分岐-(1:40)-東仙波-(0:15)-西仙波-(0:50)-山ノ神土-(0:08)-牛王院平-(1:45)-三ノ瀬登山口
【10:31/19.5km/↑↓1513m】

■エスケープルート
基本的に引き返す、そのまま下山
緊急時は将監小屋へ避難(牛王院平から15分で将監峠、そこから10分で小屋、小屋からは林道経由で2:04で三ノ瀬登山口へ下山可能)
山ノ神土到着が8:30を過ぎる場合、唐松尾山へ転進(山ノ神土-(0:55)-唐松尾山-(0:40)-山ノ神土)

■個人装備
□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/手袋 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋
□ライター □ヘッドランプ □予備電池 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス □筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書 □学生証
□保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め (□モバイルバッテリー □サングラス □トレッキングポール
□サポーター/テーピングキット □熊鈴 □熊ホイッスル □コンタクト/眼鏡)

車に放置
□シュラフ □マット □着替え・温泉セット □歯ブラシ □運転に適した靴 □初心者マーク

■地図
25000分の1:「雁坂峠」
山と高原地図:「雲取山・両神山」

■共同装備
救急箱
・苺:鈴木

■遭難対策費
100円×2名=200円

■悪天時
前日までに判断

■施設情報
□山小屋
将監小屋:70人収容、水場・トイレあり、テント場1000円50張
□トイレ
・民宿みはらし(駐車場の下)
□温泉
たばやま温泉のめこいの湯:18時受付終了、15時以降600円
■備考
□日の出日の入り(和名倉山)
日の出6:00
日の入16:55
□電波
不明
□連絡先等
【山梨県警】
日下部警察署0553-22-0110
神金駐在所0553-33-4441
【埼玉県警】
秩父警察署0494-24-0110
大滝駐在所0494-55-0020

11/3 和名倉山ハイク記録
作成者:油井
■日程 11/3(日) 前泊日帰り 予備日なし
■山域 奥秩父
■天気 晴れ
■メンバー
 CL油井(45) SL鈴木(45)
■共同装備
救急箱
・苺:油井
熊撃退スプレー
・イワウペツ:油井

■総評
天候に恵まれ、奥秩父らしい稜線歩きと紅葉を楽しむことができた。笹藪が酷いということだったので身構えていたがある程度荒れた登山道に慣れていれば問題ない程度だった。急登らしい急登がなく、奥深い山歩きを楽しみたい人には是非お勧めしたい。途中、林業用らしき道に入り込んでしまったので、地図にない分岐が現れた際は丁寧に読図して間違えないようにしたい。

■タイムスタンプ
4:55 三ノ瀬登山口-6:50 牛王院平-7:00 山ノ神土-7:45 リンノ峰-8:10 西仙波-8:35 東仙波-9:05
吹上ノ頭-10:00 和名倉山-11:00 吹上ノ頭-11:35 東仙波-12:00 西仙波-12:15 リンノ峰-13:00
山ノ神土-13:10 牛王院平-14:10 三ノ瀬登山口
【9:15/20.2km/↑↓1415m】

■ルート概況
□三ノ瀬登山口〜山ノ神土
・歩きやすい林道でスタート
・未舗装で登山道と同じ感覚で歩ける
・林道区間に1箇所簡単な渡渉区間あり(大雨の後だったが問題なし)
・登山道に入ってからはなだらかな尾根を登る
・一部背丈ほどの笹藪があるが、基本は光が差し込む明るい森(今が紅葉のピーク)
・標高1770m付近に斜面に平行に東へと進む道との分岐あり(ピンクテープが正規ルート、黄色テープは別の道なので要注意)
・牛王院平の分岐に標識はない
・牛王院平から山ノ神土は鹿除けの柵で木々が保護されている
□山ノ神土〜リンノ峰
・背丈ほどの熊笹の薮が続く
・テープが多いので迷うことはない
・笹を掴んで足を滑らせても滑落しないように慎重に進む必要がある
□リンノ峰〜和名倉山
・コメツガの美しい森が広がる
・西仙波と東仙波の間にちょっとした岩場あり
・東仙波が一番の展望スポット(大菩薩連嶺越しの富士山や奥秩父の山々を一望できる)
・東仙波〜吹上ノ頭の間にある岩は和名倉山撮影スポット
・西仙波〜吹上ノ頭の先まではほとんどアップダウンがない
・和名倉山の山頂は周りと高さが変わらず山頂らしくないただの森、達成感のみ味わえる


■山行記
(0日目:油井)
 日が沈んですっかり暗くなってから家を出て、集合場所である分倍河原駅前へと車を走らせる。大雨で視界は悪い。予報ではこの先一時間が多摩地域の雨のピークのようだ。台風に伴う前線の影響で警報級の大雨が予想されていたため山行の実施は危ぶまれたが、山梨県内は夜には雨がやみ、ルート上に沢の影響を受ける箇所がほとんどないことを踏まえ、決行することにしていた。駒場で一仕事終えてきた相方を拾い、国立府中ICから勝沼ICまで中央道を進む。車内では他愛も無い話から受験指導の真面目な話までどんどんと話題が移り変わってゆく。運転中はこうやって色々と話してくれるとありがたいものだ。雨は降ったり止んだりを繰り返し、勝沼まで行くとほぼ止んでいた。晩飯は勝沼飯店という住宅街の中の町中華で頂いた。店内に入ると随分と賑やかだ。奥の席を貸し切って地元の複数の子供連れが会食中のようだ。無人の厨房前では子供が「コップください!」と連呼している。店員さんはそっちにいないよー。若干肩身が狭かったが店を切り盛りしているご夫婦に快く席に通され、定食を注文した。提供スピードが早く、睡眠時間を確保したい我々にはありがたい。食べながら登山の消費化について議論していると店のおばさんに話しかけられた。超地元密着型の店と思いきやICに近いこともあって登山客も数多く訪れるらしい。さらには芸能人も来店するようで色紙がたくさん飾ってあった。コスパもよく親切で、こういう町中華には末長く繁盛してもらいたいものである。
 店を出て前泊地の柳沢峠へと向かう。途中、真っ暗闇の大菩薩峠登山口を通過した。色々あった新歓合宿はもう半年も前のことである。いや、半年で46期があんなに頼もしくなったわけであるから驚きである。青梅街道末端部の大菩薩ラインはループ橋もあるなかなかの山道だ。昼間であれば楽しいのであろうが、雨上がりで靄がかかった夜道はただの運転練習といったところか。ぐんぐん登り、標高1472mと青梅街道最高地点である柳沢峠に到着。駐車場には車は一台も停まっていない。24時間使えるトイレがあり、駐車場もほぼ平ら、国道に直接面しておらず騒音も気にならない絶好の車中泊スポットであるからこれは意外だった。なるべく平坦なところを探し、奥の方へと駐車し車中泊の準備に取り掛かる。自分にとっては今年3回目の車中泊だが、相方は初体験のようだ。テントと同じぐらいの睡眠の質と伝えておいたが、寝れるか不安でやや緊張しているという。とはいえ5月の武尊山慰労ハイクではぎゅうぎゅうだった車内も2人なら快眠できそうだ。21時には就寝準備が整い、シュラフに入った。が、車を木の下に停めていたせいで枝から垂れてくる水滴がうるさい。睡眠環境にはこだわりたいので車を動かし、何にも邪魔されない場所で眠りについた。

(1日目:鈴木)
時の代表・副代表が二人で行く山行というのはなかなか珍しいのではなかろうか。少なくとも45期としては初めてである。ここは柳沢峠。都会の喧騒から離れた森の中で、油井家の車中で目を覚ます。相棒はあまり眠れなかったみたい。僕は初の車中泊だがむしろよく眠れた。
星空のもと準備を整え、登山口兼駐車場の「民宿みはらし」にアクセス。途中10頭近くの鹿に遭遇。奥秩父は鹿の楽園だ。カーブだらけの山道を抜けると駐車場に着いた。すでに止まっている車は一台のみ。混んでいることが多い駐車場らしいのでラッキーだ。
5時前、暗闇の中を歩き始めた。今回挑む和名倉山は玄人好みのマニアックな二百名山。白石山とも呼ばれる。行き先がこの山に決まったのは、僕の「行きたい山リスト」の中で油井が目をつけたから。「奥秩父といえば山梨県」という一般論に反し、山頂一帯が埼玉県秩父エリアに属する不思議な立ち位置の山だ。今回は、山梨県サイドから入山し、「金峰山ー甲武信ヶ岳ー笠取山ー雲取山」と続く奥秩父主脈線を跨ぐように超えて、(そして気付かぬうちに県境も超えて)さらに北側にある2036mのピークを目指す。
歩き始めは将監峠に続く林道から始まり、途中で登山道に入る。牛王院平手前は少し笹藪。顔面に迫ってくる笹は少し不快......。藪を抜けることをモチベに進む。笹藪はすぐに終わり、樹林帯を進むうちにだんだん夜が開けてきた。気温と日の出の遅さで季節の移ろいを実感する。針葉樹林の向こうの空がオレンジに染まり始め、木立から富士山も姿を見せる。昨日の大雨とは一転、美しい奥秩父の朝だ。晴れ渡る空に秋の心地よい風が吹き抜ける。
山ノ神土手前、一気に視界が晴れた。おお、これぞ奥秩父だ。奥秩父主脈線に接するポイントでもあるのだが、やはり僕はこの景色が大好きだ。開放感のあるなだらかでたおやかな山肌に熊笹の床面が広がり、まばらに高木が立つ。
景色に見惚れていたら、道を誤ってしまった。ある地点から明らかに二つの道に分岐しており、尾根を進む方と斜面をトラバースする方があったのだが、「山頂を巻くのかな」と思ってトラバースの方を選んでしまった。よく整備された道だったので何の違和感も持たなかったが、明らかに尾根に戻る様子がない。少し進んでYAMAPを見返したところ正規の登山道ではなかったことが発覚。引き返して尾根上の登山道に無事復帰した。わかりにくい分岐があるもんだなあ、と思うとともに景色に見惚れてうっかり注意が散漫としていたことを反省した。強い朝日に照らされながら、主脈線との分岐地点である山ノ神土に到着。
ここから和名倉山名物の「笹藪」に入る。YAMAPでも”熊笹地獄”として有名なスポットだ。成人男性の身長にも迫るほどの熊笹を掻き分け、山側の笹を鎖場の鎖のように掴みながら進む。僕自身、薮はあまり好きではないが、アスレチックのようで意外と面白かった。昨日の大雨で状態が悪くなるのを心配していたが、ゲイター・レインコート・ザックカバーの完全防水状態で突っ込んだので濡れた笹藪もそれほどの不快感なく通過できた。
そんなことよりも、足元が見えないのが難しい。うっかり枝を踏んでしまえば滑って転びそうになるし、脆い斜面を踏み抜けば笹藪へのダイブは避けられない。そして何より、熊笹の根っこが非常に滑りやすい。足だけで体重を支えようとするとそのまま笹藪斜面を滑り落ちそうになるので、引っ張っても折れないよう何本かの笹を束ねて鎖代わりに掴み、「三点支持」で進んだ。笹藪にもこの歩き方が適用できるとは思いもしていなかった。
リンネ峰手前で笹藪は終了。やっと視界も晴れ、大菩薩と富士山を横目に西仙波・東仙波とピークを進んでいく。この一帯の眺めは非常に素晴らしかった。甲武信ヶ岳や金峰山といった奥秩父のメジャーなピークの他、一座で巨大な山体を持つ和名倉山山頂が確認できる。一つの山とは思えぬほどの広がりを持っていて何とも不思議な山容だ。東仙波山頂からは、紅葉の斜面も見渡せた。実は今回のルートで眺望を期待できるのはここまで。せっかくなので、東仙波の山頂で休憩中だったおじさんに相棒とのツーショットを撮ってもらった。
その後は細かいアップダウンを繰り返し最後は一気に登り詰め、10:00ちょうどに和名倉山登頂。「やった〜!でも、意外と大したことなかったね」、というのが正直な感想。もっときついと思っていた。山頂は樹林帯の中。眺望は皆無なので少しの休憩を経て下山を開始した。正午ごろ、空は登ってきたときよりも晴れており、より良い眺望を楽しむことができた。岩場ではお互いに写真を撮り合い、笹藪を超え、富士山を遠くに望みながら、あっという間に牛王院平。笹藪はすっかり乾いていて朝より遥かにマシになっていた。また、朝は真っ暗で何も見えなかったが樹林帯の中は紅葉が綺麗だった。14:00すぎ、下山完了。民宿みはらしのおばあちゃんに駐車料金500円を支払い、お茶とお菓子を出してもらった。ありがたい。登山者とお話をするのが生きがいだというおばあちゃんと楽しく雑談を交わし、お茶を二、三杯飲んだところでいい頃合いになったので失礼した。これをもって山行は終了。充実した楽しい同期山行になりました。相棒ありがとう。

■感想
CL油井
・修行ハイクになると覚悟していたが、良い意味で裏切られた
・奥秩父独特の笹原が広がり木々が疎の稜線は美しい
・富士山が近くに見えると冬を感じる、昨年度の山行の影響だろうか
・針葉樹の紅葉は今まであまり見たことなかったので新鮮だった
・こんなに傾斜の緩い山はないのではないか
・博識なヘイスティと話すと自分の教養のなさを痛感してしまう、恥ずかしい

SL鈴木
・山岳しりとりで有名な和名倉山、いい山でした。
・紅葉の休日なのにこんなに空いている山はなかなかない。人間よりも鹿に会った。人は10人くらい、鹿は12頭くらいのイメージ。
・空気が澄んでいて、この時期の山は気分も晴れる。
・奥秩父や丹沢の森の開放感が好きです。
・油井君は人文科学の視点から、一方僕は社会科学の視点から、いろんなことを語らいあった。
・西洋の思想、ドイツの特異な歴史、登山・旅行の醍醐味などについて、闊達な意見交換を行った。
・運転ありがとう!