2025/2/23 アリゾナ遠征(個人山行)

アリゾナ遠征(個人山行)計画書
作成者: 45期鈴木
■日時: 現地時間 2/24(月)
■山域: アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス
■目的: Camelback Mountainの登頂

※個人山行の計画書を、雷鳥の「計画書提出のガイドライン」に従い雷鳥MLに共有するものです。山としての難易度は高くないので、在京責任者は設置しておりません。

■メンバー(ソロ)
鈴木

■交通/Transportation
□行き/To
ホテルからバス停: 徒歩8分
  https://maps.app.goo.gl/LWA4tqq4tsJCc6bi8
バス停: 44th St & Van Buren St Stop #12969
  市内バス(Valley Metro Bus)を利用
Van Buren St – Valley Metro 44 Northbound -- McDonald Dr & 47th St
30分間隔で44th Stを走行
https://valleymetro.org/maps-schedules/44
・7:17発→7:42着
・7:47発→8:12着 (乗車予定)
・8:17発→7:42着
□帰り/From
McDonald Dr & 47th St – Valley Metro 44 Northbound -- Van Buren St
・11:05発→11:28着
・11:35発→11:58着
・12:05発→12:28着
□Valley Metro運賃
(最新情報)https://www.valleymetro.org/fares/pricing
(2014年の情報)https://ameblo.jp/tinyemon/entry-11910565047.html

■行程/Hiking Route
Trailhead (439m)  - Echo Saddle (515m)  - Camelback Summit (824m)
【about 4km/3hrs】

■エスケープルート/Escape Route
引き返す/Return to the trailhead

■個人装備/Personal Equipment
□ザック/Backpack □帽子/Hat □タオル/Towel □水/Water □行動食/Food □ゴミ袋/Trash bag
□地図/Map □コンパス/Compass □筆記用具/Pen and Paper □計画書/Hiking Itinerary (this
paper) □身分証/ID □現金/Cash □常備薬/Medication □救急セット/Fist Aid Kit
□日焼け止め/Sunscreen □モバイルバッテリー/Mobile Battery □サングラス/Sunglasses

■地図/Map
https://www.phoenix.gov/parkssite/Documents/PKS_NRD/PKS_NRD_Camelback_Mountain_Map.pdf

■悪天時の対応/In Bad Weather
当日朝に判断/Plans to be determined on the morning of the day

■施設情報/Facility Information
Trailhead: 4925 E McDonald Dr, Phoenix.
・トイレあり
・This trailhead has restrooms, benches and water. The parking lot is busy and will typically remain full from early morning throughout the day on weekends

■備考/Remarks
□Sunrise/Sunset Times(Phoenix)
https://www.timeanddate.com/sun/usa/phoenix?month=2
・日の出/Sunrise 7:02
・日の入/Sunset 18:20
□現地時間と日本時間
現地時間(MST)=日本時間(JST)−16h
現地 2/24 8:00 = 日本 2/25 0:00
現地 2/24 15:00 = 日本 2/25 7:00
□連絡先等/Contact Information
https://www.phoenix.gov/emergency/emergency-contacts
・For an emergency and need police or fire, call 911.
・For non-emergencies, call 602-262-6151.

□山の概要
・Camelback Mountain(キャメルバック・マウンテン)は、アリゾナ州フェニックスにある山で、その形がラクダに似ていることから名付けられた。フェニックス都市圏のランドマークであり、ハイキングやロッククライミングの人気スポットとなっている。
・先史時代のホホカム文化が14世紀まで聖地として使用していたことを示す洞窟が北側で発見された。1879年、アメリカ大統領ラザフォード・B・ヘイズはこの山を含む土地を先住民の保護区としたが、6か月後にアリゾナ準州議会がこれを撤回した。20世紀初頭から自然保護の取り組みが始まり、1968年にはフェニックス市の公園として保護されることになった。
・山頂部分は約15億年前の先カンブリア時代の花崗岩で構成され、ラクダの頭部にあたる部分は約2500万年前の赤色堆積砂岩でできている。
・年間を通じて乾燥しており、夏は気温が100°F(約38°C)を超えることもあるが、冬は比較的温暖である。年間降水量は約224mmと少ない。

■その他の情報/Other Information
登山届の提出は予定していない.
□東大連絡先/University of Tokyo Contacts
○教養学部学生支援課/College of Arts and Sciences Student Affairs ※Hours9:00~16:50(平日)
Tel  :03-5454-6074
Mail:shien-team.c@gs.mail.u-tokyo.ac.jp
○駒場正門守衛室/Komaba Main Gate Guard Office ※Available at all times Tel  :03-5454-6666
□過去の記録/Past Records
https://www.youtube.com/watch?v=knWXUzkQKBU

2/23 アリゾナ遠征(個人山行)記録
作成者: 45期鈴木
■登った山: キャメルバック・マウンテン(Camelback Mountain)
■日時: 現地時間 2/23(日)
■山域: アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス
■天気 晴れ
■メンバー
 鈴木(45) ※個人山行

■総評
アリゾナ州フェニックスのキャメルバック・マウンテン(Camelback Mountain)に個人山行として登った。アメリカの山に登るという夢と、野生のサボテンを見るという夢が叶った。非常に良い山だった。そんな人いないだろうが、もしもアリゾナに行くという人がいたら、オススメできる山。

■タイムスタンプ
16:00 登山開始
18:30 下山
※ペース速め

■ルート概況
登山のレベルとしては大したことがないが、日差しがきつい。2月であるにもかかわらず日差しは非常に強く、外にいるだけで、自分の体が天日干しになるような暑さである。気温は20℃ほどと高くないのだが、とにかく日差しの強烈さが凄まじい。日陰に行けば快適なはずなのだが、この山はほとんど丸裸なので、日光を遮るものがなく、結果的にきつい。したがって、登る時期・時間をよく考えるべきだと思う。ルートとしては岩を手でよじ登って進むようなところが所々ある。日本にはないような砂質や岩質を感じられ、登っていて楽しかった。

■山行記
アメリカで一人旅をしよう、とずっと心のどこかで夢見ていた。
そんななか、去年まで雷鳥で活躍していた45期のベン(Benjamin)がちょうどいまアメリカのシアトルに帰っているので、この機会にと思い、渡米することにした。シアトル行きは決定していたが、せっかくなのでその後米国内の各所を回ることにした。
さて、人生一度きり。アメリカに行くことにしたのだから、もう二度と来ないようなところにも足を運んでみよう。都市も良いが、少し内陸へ行ってみよう。できれば野生のサボテンを見てみたい。なんなら、登山もしてみたい。そんな思いで、アメリカ国内の山を選び尽くして見つけたのが、アリゾナ州のキャメルバック・マウンテンだった。アリゾナはアメリカ中西部に位置し、砂漠のような場所。日本では絶対に味わえないような気候と山を体感できるはずだ。なお、今回訪れるのは冬季なので、ヨセミテなど有名なアメリカの国立公園は極寒の雪山だし、それらは1人で行くところではない。1人で気軽に行けて、かつ空港やバスターミナルからのアクセスも比較的容易で、安全そうな低山。この全ての条件を満たしたのがキャメルバック・マウンテンだった。
私は海外の山に慣れ親しんでいる訳では無いが、日本国外の山だからといって、日本と全く様子が違うかというと、必ずしもそういうわけではない。意外にも、国を問わず、同じ気候帯だと同じような森林が広がっていることも往々にして有り得る。でも今回は違う。砂漠とサボテンのアリゾナ。太陽の谷、アリゾナ。きっと全てが違うはずだと期待して、フェニックスに降り立った。
と、フェニックスに到着した時点で、日曜日の午後3時。バスを降りた私を包み込んだのは、味わったことのない乾いた熱気と照りつける太陽光だった。私は当初、翌日の月曜日の日中に山に登ろうという計画を立てていたのだが、日中に登山などをしては死んでしまう、とこのとき咄嗟に思った。そこで急遽この日の夕方に山行を前倒しすることにした。計画変更であり、望ましいものではないが、それでもこの暑さを考えたら、今しかないと思い、素早く支度を整え、バスを待つ時間も惜しかったのでUberの配車を手配して登山口へ急いだ。
登山口(trailhead)にはあっという間に到着した。人気の山だけあって、駐車場はほぼ満車。下山してくる人もいれば、今から登るという人もそこそこいた。照りつける太陽を背に、はやる気持ちを抑えられず、トレランのようなペースで駆け上る。アメリカ人たちはたいていスポーツ用のトップスを着ており、まるで水着のような露出度高めのスタイルだ。日に焼けないのだろうか。
大小様々な岩を乗り越えて行くと、サボテンの生えている地帯に出た。ギラギラと光る太陽とサボテンの独特な佇まいはいかにもアリゾナらしい。ふと足元を見ると靴は赤土を纏って土汚れている。アリゾナ色だ!
ひとりで山に登るのは初めてかもしれない。私はいつも誰かと一緒にしか山に登ったことがなかったから、1人だと逆にペースがつかみにくいと感じた。少し焦りすぎたかもしれない。渇きに耐えかねて水分補給をとる。このとき、前方に山頂らしきピークが見えたので、それを指さして他の登山者に「あれが山頂?」と聞いてみた。「違うよ。もっと遠いよ。ここじゃまだ半分もきてないよ。」という。やれやれ。どの国にも偽ピークはあるようだ。がんばろう。
登山ルート上にはところどころに標識が立てられていて、登山口を1として順に数字が振ってある。どういう規則で振られているのか分からないが、降りてきた人の話だと36まであるそうだ。18に着いた。よし半分だ!行けそう!
登山者には若者グループや家族連れも多い。そして若者グループはしばしば大音量で音楽をかけている。”LIMIT YOUR MUSIC TO HEADPHONES”という標識があったがお構い無しだ。なぜだか分からないが、この国の人は音楽を聴くにも電話をするにもあまりイヤフォンやヘッドフォンを使わない。アリゾナに来た時の高速バスでもみな音を出していて賑やかだった。
トレラン風の人も多い。低山であるのと、市街から近いので、ほとんどの人はラフな格好だ。私も今回は登山靴を持参しなかったが、ナイキのスニーカーで問題なく登れた。
17:20、山頂に到着。日の入りは1時間後だが山頂は登山者で溢れ賑やかだ。テキサスから来たという若い男性に写真を撮ってもらった。彼のことも撮ってあげようかと尋ねたが彼のスマホは電池が切れてしまったらしい。可哀想に。
山頂からは、360度開けた申し分ない展望を堪能できる。とても景色が良い。ヤシの木が植樹された道路は整然と美しく、遠方にはビル郡が見える。フェニックスはシリコンデザートと呼ばれ、ハイテク産業の集積地でもある。また、市内のところどころに低山が点在しており、市街の縁を広く山脈が包み込んでいる。とても豊かな景色だ。
ところで、余談だが、この場所はまさに先程私が指していたピークであった。つまり、私が他の登山者に「あれが山頂?」と聞いた時の「あれ」は偽ピークではなく本当にサミットだったのだ。「それは偽ピークだよ」という例の登山者のアドバイスのほうが、偽物だったみたいだ。
日の沈む前に、下山を開始する。もちろん、下山時に暗くなることを想定して日本からヘッデンを持ってきている。登山者も多いし、少なくない人が山頂で日の入りを見てから下山するのだろうと推察された。最悪ヘッデンもあるし、ほかの下山者もいるから、そこまで焦らなくてもよい。とりあえず安全に下山するのみだ。
そそくさと下山し、あっという間に登山口へ。ここで日の入りを見た。まばゆい夕日の光線が、乾ききったアリゾナの空を、突き刺すように朱色に染めていく。素晴らしい一日になった。Let's call it a day.

■治安・移動手段について
アメリカ基準で言えば治安はいい方だと思った。フェニックスは空港周辺~スコッツデールあたりまでPoshな雰囲気なので治安が比較的いい。ダウンタウンのほうに行くと少し悪化する。アメリカではバスは車のない人(=貧困層)の移動手段というのが常識で、バスでトラブルに巻き込まれることもあるという。しかし、フェニックスのバスでは基本的には怖いと思ったことはなかった(私は滞在中4度バスに乗った)。ただ安さと引き換えにバスには遅延が付き物であり、コストのかかるUberの方が確実かつ安全であるかもしれない。バス利用の際は、Valley Metroのアプリを使うと便利。1回乗車2ドル。1日券4ドルだがアプリのQRコード乗車にしている場合、2回目の乗車以降勝手に乗り放題に切り替わる(便利!)。