2025/3/12 白嶽ハイク
山岳愛好会雷鳥(東京大学・お茶の水女子大学公認サークル)
白嶽ハイク計画書 第二版
作成者:加藤(44)
■日程 3/12(水)日帰り、予備日3/11,13
■山域 対馬
■目的 登頂
■在京責任者 朝倉
■在京本部設置要請日時 3/12 19 :00
■捜索要請日時 3/13 8:00
■メンバー (確定 4人)
CL 加藤 SL 白川 ◯ 油井 ◯ 斉藤
以上
■集合 三寿を9:00ごろ出発する想定
■交通
□行き 民泊三寿-1:00-白嶽登山口(第一駐車場)、レンタカー利用、ルート詳細
□帰り 白嶽登山口(第一駐車場)-0:20-金田城、レンタカー利用、ルート詳細
■行程
1日目(CT3:55、10:00登山開始の想定)
第一駐車場-0:25-標高124m地点-0:50-分岐-0:55-白嶽山頂-0:45-分岐-0:40-標高124m地点-0:20-第一駐車場
ルート参照
■エスケープルート
引き返す
■個人装備
□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □ヘッドランプ □予備電池 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/手袋 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス □筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め □モバイルバッテリー (□サングラス □サンダル □歯ブラシ □トレッキングポール □熊鈴)
■地図
25000分の1:「白嶽」
■共同装備 調整済み
救急箱(エーデルワイス)斎藤くん持ち出し
■遭難対策費
100円×4名=400円
■悪天時
前日までに判断
■施設情報
□トイレ
・洲藻集落に登山者用トイレあり(トイレから登山口までは2.0km)
・登山道には公衆トイレなし
■備考
□日の出日の入り(@対馬市)
日の出 6:37、日の入 18:27
□連絡先等
対馬南警察署 0920-52-0110
一般社団法人 対馬観光物産協会 0920-52-1566
□注意事項(参照)
・山頂近くは急傾斜で、ガレ場や断崖があり要注意。
・植物採集・火気などは厳禁。
3/12 白嶽ハイク記録
作成者:加藤(44)
■日程 3/12(水)日帰り、予備日3/11,13
■山域 対馬
■天気 晴れ
■メンバー
CL加藤(44) SL白川(44) ◯油井(45) ◯斉藤(45)
■共同装備
救急箱(斎藤くん私物)
■総評
期待以上の山だった。CTは短いながらも海、山、空、岩すべてを一度に見渡せる贅沢な景色を望むことができる。また、岩場テラスからの景色も外せない。最後に、離島に行っても花粉からは逃れられなかった。もはや南極に逃げる他ない。
■タイムスタンプ
10:18 第一駐車場(登山口) - 11:01 白嶽神社鳥居 - 11:29 分岐 - 11:49 山頂-12:33 分岐 - 13:24第一駐車場(登山口)
■ルート概況
コース初めは人工林と原生林の混在する森が続く。比較的整備されており緩やかな道で歩きやすい。鳥居を通過すると原生林に変化する。また、登山道もガレており傾斜がきつくなる。最後に、山頂直下の岩場は注意が必要。しかし、三点支持を守れば特に問題はない。
■山行記
8:50ごろ、農泊でお世話になった三寿を出発し、車で登山口へと向かう。所要時間は約1時間。大人4名と、重い特大キャリーケースを4つも積んだ状態だった。ご老体のシエンタは、ヨイショヨイショと我々を目的地まで運んでくれた。トイレのある第二駐車場から第一駐車場(登山口)までの道は、舗装も不十分で悪路かつ山道。なかなかの運転難関コースであった。しかし、斎藤くんの安定した運転のおかげで、無事に登山口に到着した。
当日は晴れ。ほぼ無風で、心地よい春の天気だった。ズビズビ、ヘックショイ...。この時期は仕方ないとわかっているが、この離島対馬にも花粉が蔓延していた。そして全員がその洗礼を受けた。釜山で花粉を経験したメンバー曰く、釜山ではスギよりヒノキが優先しており、きっちり役目を果たしていたそうだ。話が脱線したので、軌道修正。
登山道は歩きやすく、沢沿いの苔むした道を進んでいく。植生は本州に比べてコケシダ植物が多く見られるといった印象。林床に届く光量も多く、管理の行き届いた森林のようだ。会話もほどほどに進んでいくと、眼前に巨石が現れる。昨晩やまねこ(最近の島山行の通例となったアレ)にネコパンチされて、みんなちょっとお疲れ気味で薄めのリアクション。その後も幾つもの大きな岩と対面したが、目玉は山頂だと歩みを進める。
コースの半ばに差し掛かると、苔に覆われた白嶽神社の鳥居に出会う。霊峰である白嶽を象徴するかのように、自然に溶け込んで神聖な雰囲気を醸し出している。ひとりずつ一礼し鳥居をくぐると、それを境に登山道の様子が変わった。今までの歩きやすい道から、ガレた急峻な道へと変わる。植生も変化し、背丈の低い木本が増えてトンネルのように頭上に葉を広げていた。後日調べたところ、鳥居が原生林の入り口になっているそうだ。岩も高度を上げるにつれ大きくなり、ついに岩場に差し掛かる。ここからが本番だ、とメンバーも目を輝かせつつ岩場を進む。足を置く場所はわかりやすいが、間隔が広く、大股になる必要がある。息が上がり、隊後方から花粉症の症状を訴える声が聞こえてくる。のんちゃんが、「後ろから花粉が迫ってきてるね」と、かなり怖いことを。
岩場も一区切りし、目の前に山頂にある石英斑岩の巨塔が現れる。花粉症と抗アレルギー薬の副作用で、気が緩んでいた筆者は、光に集まる羽虫のようにフラフラとその岩に近づいて手をかける。「岩場テラスっていうのがあるみたいですよー。」とナイス油井くん。山頂とは反対の方向へ進むと、開けた場所に出て、目の前の景色に圧倒された。対馬の南側に位置する山々が重なり、春霞がかかって、遠くの山々が薄衣をまとったように見えた。宣伝では浅茅湾の景色がよく取り上げられるが、筆者は南側の幻想的な景色も十分に魅力があると思った。
のんちゃんはミラーレスカメラで景色と人物を撮影していた。カメラマン姿もすっかり板についた様子、素敵な写真をいつも撮ってくれてありがとう。山頂に目を向けると、先に登頂したご夫婦が見えた。手を振ると振り返してくださり、ささやかな繋がりを感じた。また、その岩場も「テラス」と呼ばれる通り平坦で広々としており、寝心地が良さそうだ。45期同士で写真を撮り合っている様子を見守りつつ、筆者は寝る体勢に入った。ちょうどいい傾斜に、太陽に照らされて温かい岩肌が心地よい。あと数時間は寝られそうだ、と思いつつうつらうつらと眠りに落ちかけた。「ほら、行くぞ。」という声で目が覚め、登頂モチベが復活し分岐へ戻った。
山頂の岩場は本コースで最も難しい部分ではあるが、三点支持を意識すれば特に問題はない。最後の岩壁を登りきり、念願の景色が眼前に現れた。山頂に辿り着くと、まず目に入るのは双耳峰の片割れ。その周りには浅茅湾のリアス式海岸が複雑に広がり、地平線まで続いていた。海、山、空、岩、すべてを一度に見渡せる贅沢な景色だと改めて感動する。この短いコースタイムでこれほどの絶景が見られるとは思ってもみなかった。筆者はその情報量の多さに脳が追いつかず、登りきった実感も湧かず、ただ呆然と景色を眺めていた。
山頂は風を受けやすく、寒さを感じる。みんなも寒さを感じているようで、そそくさと撮影タイムに入った。各々が思い思いのポーズで撮影を続け、山頂には我々しかいない貸切状態だったので、思う存分その景色をカメラに収めた。
撮影が終わり、休憩タイム。斎藤くんが釜山で買ったスナックをみんなで頂く。ウォンを使いきるために大量にゲットしたらしい。釜山に行っていたメンバーは「맛있어요(美味しい)」と言いながら韓国語を楽しんでいた。筆者も便乗して、韓国にいる気分を味わった。その後も韓国ノリやお饅頭を堪能した。どれも美味しかった、どうもありがとう。
眼下にある岩場テラスでは、先ほど手を振り返してくださったご夫婦がのんびりとご飯を食べていた。お互いの場所が入れ替わり、再度手を振って挨拶を交わした。
下山は来た道をそのまま戻る。岩場が滑りやすいので、慎重に降りるようにと注意を促す。また、第一駐車場から第二駐車場の山道は電波が不安定なので、下山時の連絡は注意が必要だ。
最後に、2年生の初めに興味を持った白嶽。学生のうちに行くことはないだろうと半ば諦めていたが、本山行で長年の夢が叶い、嬉しく思う反面(交通も山行もあっという間だったので)、実感が伴わないまま、ふわふわした気持ちで終わったように感じる。また、1〜2年ぶりにCLを務めさせてもらい、自分の中で一区切りがついた山行となった。改めて計画立案をしてくださり、参加させて下さりありがとうございました。
■感想
CL加藤
・対馬のお水は軟らかくて喉の通りが良い。そのため焼酎も日本酒も飲みやすく広く好まれそうなお酒だった。
・山頂よりも岩のテラスの方が寝心地が良かった。
・皆さんの話を聞いてたら韓国に行きたくなりました。
SL白川
・モンベル刊行の『しま山100選』を読んでからずっと白嶽に憧れていた。一緒に行く仲間がいたことが嬉しい。
・岩場を存分に楽しめた。いくつかロープがある箇所があるが、これといった難所はない。
・「岩のテラス」で寝ている由梨さんとそのそばで立っている2人を収めた一枚が、この旅の個人的ベストショット。
・やまねこはまろやかな口あたりで飲みやすく、焼酎のイメージを変えてくれた。この日の夜に飲んだ「白嶽」も、島の魚料理がすすむ良い酒だった。やまねこにネコパンチ、されてたかもね笑
◯油井
・島山行デビューを白嶽で飾ってしまったので今後のハードルが上がってしまったかもしれない
・海の青、石英斑岩の白、木々の緑のコントラストが絶妙だった
・今後もヒノキセンサーとして活躍したい
◯斉藤
・西日本の山らしい緑の深い森林で、心地よかった
・頂上からの景色が素敵。対馬の広さと美しさを実感した。
・対馬は案外スギヒノキが多いらしく、花粉症で頭がぼーっとしちゃった