2025/3/13 龍良山ハイク

龍良山ハイク計画書 第二版
作成者:白川(44)
■日程 3/13(木) 日帰り、予備日3/12,14
■山域 対馬
■目的 原生林を歩く、オソロシドコロに行く
■在京責任者  磯貝
■在京本部設置要請日時 3/13 19:00
■捜索要請日時     3/14 8:00

■メンバー ( 3人)
 CL白川(44)  SL斉藤(45)  ◯油井(45)

■集合
7:30頃に厳原を出る予定

■交通
レンタカーで龍良山麓自然公園センター駐車場へ。登山口まで原生林に沿った林道を歩いて7分ほど。


■行程
140m地点-0:10-龍良山登山口-0:10-裏八丁角-1:10-373m地点-0:40-龍良山-0:30-373m地点0:50-龍良山登山口-140m地点【計3:40/4.7km/△472m/▽472m】

※登山口に入ってまっすぐの方の道を行く(右側は進めない)
※上の行程の途中、オソロシドコロ(裏八丁角)に寄る。なお、この地点は登山道を少しだけ東に逸れる。

オソロシドコロについて
かつては「見るなの禁」「入るな」の厳しい禁足が敷かれていた……
オソロシドコロでは以下の項目を守ること。

1. 入域する際は塩を撒いて清めねばならない。
2. 転んではいけない。
3. 大声を出してはならない。
4. 草木を伐採してはならない。
5. いかなる物も持ち帰ってはならない。自分の物でも落としたら持ち帰ってはならない。
6. 天童法師の墓(八丁郭)では靴を脱がなければならない。
7. 天童法師の墓には決して尻を向けてはならない。去る時も後ずさりしなければならない。

■エスケープルート
引き返す

■個人装備
□塩□ザック □ザックカバー □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/手袋 □タオル □水 □行動食 □非常食 □ゴミ袋
□ライター □トイレットペーパー □着替え・温泉セット□ヘッドランプ □予備電池 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス □筆記用具
□遭難対策マニュアル □計画書 □学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め (□モバイルバッテリー
□サングラス □歯ブラシ □トレッキングポール □サポーター/テーピングキット □熊鈴 □コンタクト/眼鏡)

■地図
25000分の1:「豆酘」

■共同装備
救急箱(エーデルワイス):白川

■遭難対策費
100円×4名=400円

■悪天時
前日までに判断

■施設情報
□水
□トイレ
龍良山麓自然公園センター
※道中にはない

□温泉
■備考
□日の出日の入り(対馬)
日の出 6:35
日の入 6:28
□連絡先等
駐在所
一般社団法人 対馬観光物産協会 0920-52-1566

3/13 龍良山ハイク記録
作成者:白川(44)
■日程 3/13(木) 日帰り、予備日3/12,14
■山域 対馬
■天気 曇り
■メンバー
 CL白川(44)  SL斉藤(45)  ◯油井(45)
■共同装備
救急箱(斉藤私物):斉藤

■総評
心地よい原始林歩きをたっぷり堪能できた。手つかずの森林はいつもの山とは違い、どこか神聖な雰囲気があった。調べが甘く、オソロシドコロへの道に迷い、大きく道を外してしまったことは反省している。

■タイムスタンプ
 9:00 龍良山登山口
10:06 龍良山着
10:49 龍良山出
12:03 登山口

■ルート概況
登山口から山頂までのピストン。道なのか森の続きなのか、たまにわからなくなることがあるので、テープを探しながら歩くと良い。途中、ヒノキの植林地を通る。尾根に上がると、急登が続く。

■山行記 (文責:白川)
 対馬遠征の二座目はここ、対馬の中心地である厳原の南部に位置する龍良山。龍良山は、天道信仰の神体山とされてきたため、昔から人の手が加えられていない原始林が広がる。低地のシイ林から高地のアカガシ林までの連続した照葉樹林がよく残されている地域は、国内でも数少なく、貴重であるという。国の天然記念物に指定されている。

 疲れが出ていた由梨さんは宿で休み、残りの3人で行くことになった。ちなみに彼女は今回が人生初の飛行機だったそう。単独トランジットをこなしてここまで辿り着いた由梨さんは、すでに山一つ分くらいの冒険を終えていたのかもしれない。いつか龍良山リベンジしようね。
 9時前に龍良山麓自然公園センターの駐車場に到着。登山口へ行く道中、私たちは足をピタリと止め、雷鳥の先輩に会いにやまねこ野生順化センターに寄った。入口にいた職員さんにお願いしたら、37期の谷口さんがふわっと出てきてくださり、念願の対面を果たした。これを読んでいるみなさんもきっとびっくりしていることだと思う。対馬に来て、こんな出会いがあるなんて想像していなかった。雷鳥の人はどこにでもいるんですか…?必然なのか偶然なのか、本当に先輩に会えて、感動してしまった。軽くご挨拶し、また今夜ごはんを食べる時に会いましょうとお話して、行ってらっしゃいと!送り出してもらった。登山口に向かって再び歩きはじめてから、油井くんと斉藤くんと谷口さんの柔らかくてユーモア溢れる雰囲気が誰かに似ているんだよなあ…と話していた。二人と一緒に頭をひねってたどり着いた結論は「45期の清野くん×43期の中田さん×41期の山口さん」のミックス説。と書いてみたものの、期が異なるので、微妙に共感してくれる人が私たち以外にいない気がする。お三方、勝手にお名前を挙げてしまい失礼いたしました。この説には自信があります。雷鳥50周年パーティーの時に答え合わせをしたいです。
 今回は、計画書をMLに流したときに谷口さんが返信をくださり、お会いできる運びになった。計画当時はまだ対馬からどうやって帰るか決めていなかったところで、本州までのアクセス事情諸々を教えていただいた。結局、私は博多から東京まで18きっぷで帰った。日本海側をゆくルートは、1時間以上の乗り換え時間があるくらいどこまでものどかで、田舎の良さをじんわりと感じるものだった。
 駐車場から歩くこと約7分で登山口へ。
 一歩踏み入れた時、この森は「ホンモノ」だと感じた。森林についての特別な知識を持っているわけでもない私が言えるっこないだろうが、木の生えようが他の山とは違うのが一目瞭然なのだ。直立する木はなく、傾き具合も太さは一本一本異なっている。それでも、不思議と混み合ってはおらず、どの木もここにあるべくしてあると語っているような佇まいがある。無理せずありのままでいる美しさをこの森の木々から教えられたような気がした。同時に、自分がこの山に足を踏み入れたことも、どこかで受け入れてもらえているように感じられた。こんなふうに思わせてくれるのは、この森に宿る静かな意志のようなものなのかもしれない。落ち葉や根っこの上を歩きながら、そんなことをぽつりと考えていた。
 入ってすぐの印象は、山というより、森だった。少し先まで見渡せるようなほどひらけている。そして少し歩くと巨木が現れる。真っ二つに割れていて、なかなかのインパクトだ。記録用に身長150ポッキリの私と巨木のツーショットを油井くんに一枚撮ってもらったら、サイズ差がよくわかる。落ち葉が敷かれ、細い木と太い木がまばらに立つゆるやかな道を進むと、大きな木の前にご年配の女性3人組がいた。うち1人はガイドさんで、他の2人は三重県から旅に来た人だった。この豊かな原生林に関する解説が聞こえ、聞き耳を立てながら気持ちゆっくり歩いていると、「裏八丁郭さま見たかしら?」と聞かれた。実は、これが今回の山行の目的の一つである。裏八丁郭、別名「オソロシドコロ」を訪れること。ここに禁足地があることをネットで調べて知った時はワクワクがとまらず胸が熱くなったものだ。気にして歩いていたが行きではなぜか見つからなかったので、帰りに寄ろうと思う、と返事した。道中にはご神木らしき巨木もある。こちらは堂々とまっすぐ立っている。また、ここの登山道は落ち葉があるせいで踏み跡は見えない。歩く道と森との境界が見えない、その曖昧さは、また心地よい。昨日行った白嶽と比べると龍良山にはあまり人が入らないのだろう。
 途中、斉藤くんが土が盛り上がっているところを見て「鹿がいるっぽいね」と言った。確かに、地面に注目してみると動物の爪痕もちらほら見つかる。ここの道は本当にあるもの全てに興味を持ってしまう。例えば、立ち止まって木を見たら、これまで見たことのないような、引っ掻き傷のような模様が張り巡らされている。人の気配が少ない場所だからこそなのだろう。
 山頂手前はちょっとした急登だった。道が不明瞭だったところは、木につかまりながら駆け上がった。息を切らしながら、3人でグルテンフリーと油についての話題で盛り上がっていた。ついに558mの龍良山頂に到着。年季入りのこじんまりした山頂標識がいい味を出している。私のミラーレスカメラで三人の自撮りをするのは釜山に引き続き、斉藤くんが担当。今回は斉藤くんにピントが合った。
 そそくさと下山を開始。来た道を戻りつつ、いよいよ今日のメインであるオソロシドコロへ向かう。意気揚々と歩き始めたものの、結果としては、場所を勘違いして大きくルートを外れてしまった。事前にブログなどで情報収集をしたつもりだったが、どうやら読みが甘かったらしい。しかもそのブログ主が妙に大袈裟におそろおそろしく語るものだから、こちらの想像も膨らみすぎていたようで、いざたどり着いてみると、思いのほかこじんまりとしたところだという印象を持った。ブログに書いてあった掟を守る。鳥居の前で、持参してきた塩を盛る。靴を脱ぎ、声を発することなく鳥居をくぐったのは私と油井くんで、斉藤くんは鳥居の外から見守っていた。お尻を向けないように後退りし、何事もなく目的を果たせて安堵した。
 対馬には「オソロシドコロ」と呼ばれる場所が三つあり、ここはそのうちの一つ、「裏八丁郭」と呼ばれている。もう少し大きな「八丁郭」は、山を降りたあとに訪れた。正午を回った頃、下山を終え、在京の磯貝くんに連絡し、対馬初日にパンフレットで目にしてから気になっていた「ろくべえ」をお昼に食べた。さつまいもの澱粉で作られたこの独特の食感もまた、旅の思い出の一部となった。
 ひっそりと、けれど確かにそこにある自然のありようを肌で感じとった、不思議な体験だった。対馬を訪れることがあれば、ぜひこの森を歩いてみてほしい。

■感想
CL白川
・オソロシドコロのことで頭がいっぱいだったこともあってか、神聖なところに足を踏み入れている意識がずっとあった。
・この森の木々はまるで誰からの干渉を受けることもなく根を張っている。そのたくましさと自由さが何よりも心地よく感じられた。
・谷口さん、ありがとうございました!

SL斉藤
・本州では簡単に見られないレベルの原生林がしっかり残ってて本当に感動
・なのになんでここにもヒノキの人工林があるんですか...くしゅん。
・私はオソロシドコロには入らず、2人の写真を撮っていました!

◯油井
・スダジイの巨木に圧倒された
・序盤から原生林で油断していたが、途中からヒノキに苦しめられた
・オソロシドコロについてよく下調べしてから行くべきだった
・谷口さん、ありがとうございました!