2025/7/27-29 白馬岳・五竜岳
白馬・五竜岳縦走計画書 第三版
作成者:油井
■日程 7/27-29(日-火) 二泊三日 予備日なし
■山域 北アルプス
■目的 登頂、大雪渓、不帰ノ嶮
■在京責任者 江川46
■助言役 桐原43
■在京本部設置要請日時 7/29 20:00
■捜索要請日時 7/30 08:00
■メンバー ( 2人)
CL油井(45) SL佐藤(46)
■集合
05:50 白馬八方バスターミナル
※油井は徒歩20分のれんが亭に前泊
■交通
□行き
7/27
23:05 バスタ新宿-アルピコ交通新宿白馬線5551便(栂池高原行)-05:44 白馬八方BT 7200円〜
06:00 白馬八方BT-(アルプス第一交通ジャンボタクシー)-猿倉
ジャンボタクシー1台深田予約済み
アルプス第一交通/7500円程度/担当:Ms.マツシタ
□帰り
山頂駅-白馬五竜ゴンドラ-とおみ駅 1800円(7:30-16:30)
※小遠見山通過時に間に合わないと判断した場合は0261-75-2101に電話して延長運転依頼(要割増料金)
…/12:20/…/15:00/15:30/… エスカルプラザ-無料シャトルバス-.../12:25/…/15:05/15:35/… 白馬五竜(神城駅)
①高速バス
15:27 白馬五竜-京王バス新宿白馬線-20:28 バスタ新宿 5200円〜
(17:32 白馬五竜-アルピコ交通新宿白馬線-22:28 バスタ新宿)
②信濃大町(または茅野)から特急
12:53 神城-13:25・14:09 信濃大町-17:25 新宿 学割乗車券4130円、特急券2550円
(16:04 神城-信濃大町乗換-18:59・19:09 茅野-21:14 新宿 乗車券4130円、特急券2240円)
③鈍行
12:53 神城-松本・小淵沢・高尾乗換-20:56 新宿 学割乗車券4130円
(16:04 神城-信濃大町・小淵沢・大月乗換-22:58 新宿)
※14:55 白馬五竜-アルピコ交通長野白馬線-16:10 長野駅東口 2900円
■行程:21:38/28.2km/↑3725m↓3444m
1日目:猿倉〜白馬岳頂上宿舎 6:23/7.2km/↑1703m↓229m
猿倉登山口-0:15-白馬鑓温泉ルート分岐-1:00-白馬尻小屋-2:20-岩室跡(葱平)-1:35-白馬岳頂上宿舎(幕営)-0:22-白馬山荘-0:20-白馬岳-0:15-白馬山荘-0:16-白馬岳頂上宿舎
※白馬三山縦走組と合同、白馬岳アタックはサブザック行動
※万が一大雪渓の状態が悪化した場合は栂池高原からアクセス(バスは9:00白馬八方発が初便なのでタクシー利用か)、6:38/10:00/↑1373m↓476m
自然園駅-0:07-栂池山荘-0:01-栂池登山道入口-1:10-天狗原-1:07-白馬乗鞍岳-0:35-白馬大池山荘-0:02-蓮華温泉分岐-0:45-船越の頭-0:50-小蓮華山-0:45-三国境-0:45-白馬岳-0:15-白馬山荘-0:16-白馬岳頂上宿舎
2日目:白馬岳頂上宿舎〜唐松岳頂上山荘 7:20/9.6km/↑1169m↓1269m
3:00発 白馬岳頂上宿舎-0:10-丸山-0:40-杓子岳分岐-0:20-杓子岳-0:15-分岐-0:45-白馬鑓ヶ岳-0:30-鑓温泉分岐-0:25-天狗山荘-0:25-天狗ノ頭-1:15-不帰キレット-1:30-不帰嶮(二峰南峰)-0:50-唐松岳-0:24-唐松岳頂上山荘
3日目:唐松岳頂上山荘〜アルプス平駅 7:55/11.3km/↑853m↓1945m
唐松岳頂上山荘-1:11-大黒岳-1:00-遠見尾根分岐-0:03-五竜山荘-1:00-分岐-0:02-五竜岳-0:02-分岐-0:45-五竜山荘-0:04-遠見尾根分岐-0:03-白岳-1:00-西遠見山-0:35-大遠見山-0:35-中遠見山-0:19-小遠見山(巻道あり)-1:16-アルプス平
※2日目が荒天の場合は天狗山荘にて停滞し、翌日八方尾根で下山
※2,3日目どちらも荒天の場合は2日目に猿倉へ下山
※大雪渓通行止めの場合は鑓温泉ルートで登り、1泊目天狗山荘/2泊目五竜山荘
■エスケープルート
〈白馬岳頂上宿舎から猿倉へ:3:55/5.4km/↑21m↓1495m〉
白馬岳頂上宿舎-1:10-岩室跡(葱平)-1:40-白馬尻小屋-0:50-白馬鑓温泉ルート分岐-0:15-猿倉登山口
※白馬尻小屋まで:2:50、白馬尻小屋から:1:05
※雪が緩むような日の午後には下らない!
〈白馬岳頂上宿舎から栂池高原へ:5:39/10.0km/↑476m↓1373m〉
白馬岳頂上宿舎-0:22-白馬山荘-0:20-白馬岳-0:30-三国境-0:45-小蓮華山-0:40-船越の頭-0:35-蓮華温泉分岐-0:02-白馬大池山荘-0:35-白馬乗鞍岳-0:52-天狗原-0:50-栂池登山道入口-0:01-栂池山荘-0:07-自然園駅
自然園駅-栂池ロープウェイ(5分)-栂大門駅-栂の森駅-栂池ゴンドラリフト-(20分)-栂池高原駅 2100円(つがいけロープウェイ、7:30-16:40)
※栂池高原駅から
白馬八方・白馬駅方面:9:35/10:46/11:40/14:00/14:21/15:26/17:21
バスタ新宿方面:17:00
〈鑓温泉分岐から猿倉へ:5:20/7.3km/↑204m↓1697m〉
鑓温泉分岐-0:30-大出原-1:20-白馬鑓温泉小屋-1:35-小日向ノコル-1:40-白馬鑓温泉ルート分岐-0:15-猿倉登山口
※白馬鑓温泉小屋まで:1:50、白馬鑓温泉小屋から:3:30
※小屋より上、雪渓注意
〈唐松岳頂上山荘から八方池山荘へ:2:31/4.6km/↑70m↓850m〉
唐松岳頂上山荘-0:06-分岐-0:40-丸山ケルン-0:15-扇雪渓-0:45-分岐-0:04-八方池(巻道あり)-0:07-分岐-0:10-八方山-0:02-分岐-0:12-分岐-0:10-八方池山荘
八方池山荘-グラートクワッドリフト(5分)-黒菱平-アルペンクワッドリフト(7分)-ゴンドラ(8分)-八方駅
2000円(八方アルペンライン、7:00-16:50)
※八方駅から白馬八方BTまで徒歩12分、そこから白馬駅まで徒歩22分
(.../8:12/8:20/9:59/… 白馬八方-アルピコ交通-.../8:17/8:25/10:04/… JR白馬駅前 180円)
・杓子沢コルまで:白馬岳頂上宿舎から猿倉へ(杓子岳は巻く)、12時までに下山を開始すれば当日中に下山可能、13時までであれば白馬尻小屋で1泊、それ以降は白馬岳頂上宿舎で停滞
※大雪渓の状況次第では栂池高原へ下山
・杓子沢コル〜天狗ノ頭:鑓温泉分岐から猿倉へ、11時までに下山を開始すれば当日中に下山可能、14時までであれば白馬鑓温泉小屋で1泊、それ以降は天狗山荘で停滞
・天狗ノ頭〜大黒岳:唐松岳頂上山荘から八方池山荘へ、14時までに下山を開始すれば当日中に下山可能、それ以降は唐松岳頂上山荘で停滞
・大黒岳以降:そのまま下山(五竜岳カット)、12時までに下山開始できない場合は五竜山荘で停滞
※猿倉以降
白馬駅や白馬八方BTまではタクシー
〈白馬駅から〉
7:43/10:35/12:46/15:57/17:06 白馬-14:03/19:32/20:26/22:58/23:56 新宿 学割4400円
〈白馬八方BTから〉
15:15/17:20 白馬八方BT-新宿白馬線-20:28/22:33 バスタ新宿 5800円
※東京方面への終電は17:45 白馬八方BT発の長野駅東口行き特急バス(新幹線課金必要)
■個人装備
□ザック □ザックカバー □シュラフ □マット □登山靴 □替え靴紐 □雨具 □防寒具 □帽子 □軍手/手袋 □タオル □水 □行動食
□非常食 □ゴミ袋 □カトラリー(フォーク、スプーン類) □コッヘル(食器) □ライター □トイレットペーパー
□着替え・温泉セット□ヘッドランプ □予備電池 □エマージェンシーシート □地図 □コンパス □筆記用具 □遭難対策マニュアル □計画書
□学生証 □保険証 □現金 □常備薬 □マスク □消毒用品 □日焼け止め □ヘルメット□サングラス
□トレッキングポール(□モバイルバッテリー □充電コード□歯ブラシ □サポーター/テーピングキット □熊鈴 □コンタクト/眼鏡)
■地図
25000分の1:「白馬岳」「白馬町」「神城」
山と高原地図:「白馬岳」「鹿島槍・五竜岳」
■共同装備
テント
・エアライズ3:油井
なべ
・小竹:飯豊から佐藤
ヘッド
・緑12:飯豊から油井
カート
・パワープラス×2:佐藤
調理器具セット
・ディド:飯豊から佐藤
救急箱
・苺:飯豊から油井
軽アイゼン
・snowspikequikfit赤(油井)
・QFM no.2(佐藤)
白馬組に渡すステラ4 no.1(佐藤)、no.2(油井)、カート2つ(佐藤)を忘れない!
■食当
1日目夜:深田
2日目朝:佐藤
2日目夜:油井
3日目朝:各自
アレルギー等:アーモンドを除くナッツ類、豆乳、モモ、サクランボ、メロン、大量のきのこ
■遭難対策費
400円×2名=800円
■注意点
・大雪渓での落石・濃霧
・軽アイゼンの付け方、装着時の歩き方
・不帰キレットの岩場
・15時までの到着
■悪天時
前日12時までに判断
■施設情報
□山小屋
山小屋
テント場
素泊まり
キャンセル
水場
トイレ
電波・充電
電話番号
猿倉荘
なし
9000円(予約なしは+3000円)、30名
前日16時まで無料、それ以降30%(系列小屋に宿泊先変更の場合はキャンセル料の代わりに2000円)
無料
100円
docomo ◯ 100円/60分
0261-72-2002(株式会社白馬館)
白馬尻小屋
1張1000円+2000円/人(予約なしは+2000円)、30張
なし
猿倉荘と同様
無料
チップ制
docomo ◯
0261-72-2002(株式会社白馬館)
白馬岳頂上宿舎
↑深田が予約済み(男3女1、テント1)
1張1000円+2000円/人(予約なしは+2000円)、120張
9500円(予約なしは+2000円)、280人
無料?
テント場利用者無料
テント場利用者無料
docomo ◯ 、テント場利用者は充電不可
0261-75-3788(白馬村振興公社)
白馬山荘
なし
11000円(予約なしは+3000円)、800名
猿倉荘と同様
無料(スカイプラザ階下の自炊場で補給)
100円
docomo ◯ 、100円/30分
0261-72-2002(株式会社白馬館)
白馬大池山荘
1張2000円+2000円/人(予約なしは+2000円)、50張
11000円(予約なしは+3000円)、150名
猿倉荘と同様
無料(テント場横の給水所)
100円
×、1回100円
0261-72-2002(株式会社白馬館)
栂池山荘
なし
高い
当日・無連絡:100%
1日前:50%
3日前:30%
あり
あり
wifiあり
090-7708-6341
白馬鑓温泉小屋
1張2000円+2000円/人(予約なしは+2000円)、15張
12000円(予約なしは+3000円)、100名
猿倉荘と同様
無料
お気持ち
docomo ◯ 、100円/60分
0261-72-2002(株式会社白馬館)
天狗山荘
1張1000円+2000円/人(予約なしは+2000円)、50張
9500円(予約なしは+2000円)、90名
無料?
無料
100円
docomo ◯ 、充電無料?
0261-75-3788(白馬村振興公社)
唐松岳頂上山荘
↑油井が予約済み(1張2人)
1張2000円+2000円/人、50張
11000円、250名
前々日まで無料、以降2000円
300円/L(天水)、ペットボトル500円
テント場利用者無料(外来300円)
docomo ◯ 、充電無料?
090-5204-7876
八方池山荘
なし
9500円、50人
無料?
水不足のため無し?
宿泊者・食堂利用者のみ使用可
docomo ◯
0261-72-2855
五竜山荘
1張2000円+2000円/人(予約なしは+2000円)
12000円(予約なしは+3000円)
猿倉荘と同様
500ml/100円(消毒済み雨水、給水タンクから補給)
お気持ち
docomo ◯ 100円/60分
0261-72-2002(株式会社白馬館)
□水(小屋以外)
〈エスケープ〉
・杓子沢付近(鑓温泉ルート)
□トイレ(小屋以外)
〈エスケープ〉
第二ケルン付近、八方池山荘、うさぎ平テラス(八方尾根)
※Cafe Pilarは断水のため使用不可
□温泉
・竜神の湯(エスカルプラザ内):11:00-17:00, シャンプーなど完備, 800円(クレカ/PayPay対応)
〈エスケープ時〉
・鑓温泉:1500円(シャンプーなど禁止、現金のみ、小屋泊なら無料)
・八方の湯:10:00-21:00, シャンプーなど完備, 850円(クレカ/PayPay対応)
・みみずくの湯:10:00-21:00, シャンプーなど完備, 700円(クレカ/PayPay対応)
□電波
docomo:白馬尻付近・鑓温泉ルートの一部を除き良好
au:大雪渓・白馬岳頂上宿舎付近・鑓温泉ルートの一部を除き概ね良好
■備考
□注意点
▶雪渓の通過について(ヘルメット・アイゼン必須) ※チェンスパ不可
・フラットフッティング:原則として、雪面歩行時は足裏全体を上手く着地させるようにして歩行する。
・キックステップ:残雪箇所を登る際は、膝を支点として足を蹴りこむ形の「キックステップ」が有効。ただし、過剰にやると転倒リスクがあるので注意。
・ストック:議論の余地あり。しかしながら、使用しながら登ると安定する。コンディションにもよるが、白馬大雪渓の登りは無くても登れる。
・濃霧:霧が出てくると、雪渓上では一気に方向感覚を失われやすい。その場合、地面に撒いてある赤いマーク(ベンガラ)を頼りに歩くとよい。
・ベンガラ:赤い粉が雪渓に撒いてあり、それが道を示す。雪渓は崩落危険箇所も多いので、原則としてベンガラの道を外れてはならない。
・落石:雪渓を転がる落石はほぼ音を立てない。特に濃霧時は目視でも確認しにくいので注意する。
・サングラス:雪目になりやすいので、サングラスは必須。
□日の出日の入り(0728白馬岳/0729唐松岳)
日の出 04:41/04:42
日の入 19:10/19:08
□連絡先等
株式会社五竜(エスカルプラザ):0261-75-2101
八方の湯:0261-72-5705
みみずくの湯:0261-72-6542
アルプス第一交通:0261-72-2221
アルピコタクシー:0261-72-2236
白馬観光タクシー:0261-72-2327
白馬・五竜岳縦走記録
作成者:油井
■日程 7/27-29(日-火) 二泊三日 予備日なし
■山域 北アルプス
■天気 快晴
■メンバー
CL油井(45) SL佐藤(46)
■共同装備(持ち出し→持ち帰り)
テント
・エアライズ3:油井→佐藤
なべ
・小竹:飯豊から佐藤→油井
ヘッド
・緑12:飯豊から油井→佐藤
カート
・パワープラス×2:佐藤→油井
調理器具セット
・ディド:飯豊から佐藤→佐藤
救急箱
・苺:飯豊から油井→佐藤
軽アイゼン
・snowspikequikfit赤(油井)→油井
・QFM no.2(佐藤)→油井
■総評
天候に恵まれ、大雪渓・不帰ノ嶮・牛首という難所を無事に通過することができた。剱岳から槍ヶ岳までの稜線を一望でき、8月の長期縦走への期待が高まった。北からの不帰ノ嶮は技術的にはそれほど難しくなく、むしろ下りメインの牛首の方が怖かった。
■タイムスタンプ
1日目:11:21(うち休憩5:30)/8.7km/↑1823m↓350m
6:43 猿倉登山口-7:36/7:54 白馬尻小屋-11:22/11:39 岩室跡-13:23/14:11
白馬岳頂上宿舎テント場-14:28/14:35 白馬山荘-14:45/15:07 白馬岳-15:18/15:33
白馬山荘-15:49/17:28 白馬岳頂上宿舎テント場-17:39/17:55 白馬山荘-18:04 白馬岳頂上宿舎テント場
2日目:8:14(うち休憩2:15)/9.7km/↑1107m↓1214m
2:58 白馬岳頂上宿舎テント場-3:06/3:11 丸山-3:56/4:11 杓子岳-5:09/5:26 白馬鑓ヶ岳-5:58/6:22
天狗山荘-6:36/6:43 天狗の頭-9:52/10:04 不帰ノ嶮-10:26/11:04 唐松岳-11:12 唐松岳頂上山荘
3日目:9:13(うち休憩2:07)/11.6km/↑855m↓1935m
5:09 唐松岳頂上山荘-5:23/5:33 大黒岳-6:18/6:47 五竜山荘-7:28/8:02 五竜岳-8:43/9:18
五竜山荘-10:46/11:02 大遠見山-11:49/12:08 小遠見山-12:43/12:53 地蔵の頭-13:22 アルプス平駅
■ルート概況
〈1日目〉
・白馬大雪渓はベンガラがしっかり塗られているので道は明瞭
・月に数回は雪渓の状態についての公式見解が更新されるのでそれを参考にするとよい(6本爪軽アイゼンで登れることを確認)
・アイゼンの着脱に時間がかかるので時間は多めに見積もる必要あり
・頂上宿舎直下は花畑
・夕日を見るなら白馬山荘まで上がるとよい
・頂上宿舎から稜線に出たところでライチョウと遭遇
〈2日目〉
・道が太いので夜明け前でも迷うことはない
・杓子岳への登りは急登
・白馬鑓からの下りのガレ場は一つ一つの石が軽い
・天狗山荘手前に残雪、つぼ足で問題なし
・天狗の大下りは落石注意のガレ場
・カエラズの岩場は一峰を越えてから、キレットからは意外と距離がある
・カエラズは全て登りの岩場なのでボルダリング技術が役に立った
・唐松岳からは人で溢れている
・唐松岳頂上山荘のテント場は斜面にあるので上り下りが面倒
〈3日目〉
・夜明け前の牛首は下りの鎖場ということもあり怖い
・五竜への登り返しは標高差こそあるが比較的緩やか
・五竜山荘のトイレは必見
・五竜岳の岩場は難しくないが念のためヘルメットを着用した
・遠見尾根はアルプスの下山路あるあるだが飽きる
・下山地点の白馬五竜植物園は見どころ満載で楽しい
■山行記
0日目(油井)
ヤコバが嫌いなので自分だけ白馬に前泊した。記録の数合わせではあるが何かの役に立つかもしれないので1人だけの日記を簡単に記そう。
新宿白馬線のヤコバは7000円程度なので交通費と宿泊費を抑えれば前泊しても値段はあまり変わらない。とはいえ時期は7月後半、試験は既に終わっていたがレポートと在宅業務が山積していたのであずさで松本まで向かうことにした。秋田遠征で新幹線の暴力を体感してからは課金が当たり前になりつつある。山行準備と山行終了翌日からの旅行準備が終わらずえきねっとで何度も列車を変更する。全ては自分のスケジュールミスに起因するので過去の自分を恨む。結局、業務を車内でやることで元を取ることにした。
松本に降り立つと空気が随分と涼しい。行動食と1日目の朝食を買いにスーパーの中まで入ったが大糸線への乗り継ぎまで時間がないのですぐに駅は戻り大町のスーパーに賭けることにした。大町では夕飯に有名らしい町中華に入りたかったのだが、既にラストオーダーが終わっていて間に合わず。仕方なく近くのカツ丼屋、昭和亭にお邪魔した。白馬よりはマシだが強気な値段設定だったので観光地価格と思いきやボリューム満点で食べ残しを持ち帰る人もいた。4日分の肉と生野菜を摂取し、カーボローディングに成功した。昭和亭、大町で時間があればおすすめしたい。
大町市街では祭が行われていたが人は少ない。子供と東南アジア人が目立つ。特定技能による外国人就農者を受け入れているのだろう。スーパーは駅近にあって広い。色々見て回ったが長野名産のおやきはカロパが良く、常温保存できるので行動食としてかなり優秀だ。こういうご当地行動食を手に入れられるのが前泊の醍醐味である。そうこうしていると南小谷行きにはギリギリで乗車。白馬駅から前泊地のヴィラれんが亭へは徒歩30分である。ある程度の傾斜を覚悟していたがほぼ平坦で共同装備のほとんどを詰め込んだザックでも歩ける範囲だった。ただ、一部区間は真っ暗でスマホライトを頼りに進むしかない。前泊日とはいえ、ヘッデンをすぐに取り出せる場所に用意していなかったのは山ヤーとして恥ずかしい。明るい場所では優雅な別荘での休日が繰り広げられていた。星空が見えそうなガラス張りの書斎で本を読んだり、庭で家族とBBQしたり、と様々だ。その明かりのおかげで村は思いのほか明るい。それでも星は綺麗で気分はナイトハイクである。スイスにありそうな建物が見え、目的地かと思いきやその裏だった。ドミトリーに入ると既に消灯していて邪魔にならないようシャワーの支度をする。部屋の中は暑い暑い。消灯時間前なのに消灯済みだったことへの焦りもあって身体から汗が滲み出てくる。シャワーを浴びても意味をなさないほどの暑さだ。とりあえずシャワーを浴び、就寝した。ヤコバの方が快適だったかもしれない笑。消灯前であれば空調をいじれただろうが仕方ない。周りは相当朝が早いのだろうか。(自分がドミトリーを出た時にはまだみんな寝ていた、相当なロングスリーパーなのだろう)
1日目(佐藤)
5時半、油井さん以外の5人は夜行バスから白馬八方に降り立った。目の前に現れた厳つい山々に圧倒される。白馬三山も五竜もよく見えた。下界から見ると白馬鑓ヶ岳の稜線は綺麗な三角を描き、鑓というネーミングにうなづける。前泊していた油井さんと合流し、タクシーで登山口へ向かった。今日は白馬三山組(深田・矢島・名手・田中)と同行程なので賑やか6人パーティ登山である。
登山口から1時間ほどはゆるゆると砂利道を登った。先頭の深田くんの足がよく回転しており着いていくのに若干疲れた。そして、かの有名な「おつかれさん!ようこそ大雪渓」と書かれた岩が現れる。いよいよ雪渓へ取りつこう、というときに事件発生。メンバーの1人が軽アイゼンに登山靴が入らないと言う。1週間前の飯豊縦走でも同様のヒヤリハットがあり、フィッティングの必要性は事前に強調した。また、本人も共同装備持ち出し時に登山靴を履いて片足軽アイゼンを装着したようだ。しかし、なぜか左右で軽アイゼンの幅が異なっていて、試していない片方の足が入らなかったのだ。"両足"フィッティングを強調すべきだった。どうにかならないか、と頭を働かせる。深田くんが予備で4本歯アイゼンを持ってきていたが、少し心許ない。周囲の登山者に六角レンチを持っていないか尋ねて周り、親切な方から借りることができた。最悪ここでの撤退もあり得たと思うと重大ヒヤリハットである。モンベルの軽アイゼンは六角レンチが付属しているが、どこ袋にも入っていなかった。この件は部会に持ち帰って対応せねばならない。
無事に全員軽アイゼンを装着し、雪渓へ。雪渓上は冷たい風と生ぬるい風が同時に吹いている。露天風呂みたいに、上半身が冷たく下半身は暖かい。落石が怖いので常に上部に注意を払いながら歩く。たまに後ろを向けば、広大な雪渓が下まで続いている。美しく、恐ろしい。雪渓は長いようで短く、あっという間に夏道に出た。白馬大雪渓ほどの長い道のりなら雪渓に飽きてくるだろうと思っていたのだが、そんなことは全く無かった。雪は楽しい。休憩中、ゴゴゴと重低音が響いた。板状の雪が折れて崩れる音だ。自然は大きく、人間は小さい。
頂上山荘までの登りはまだまだ続く。雪渓を無事クリアしたことで、明日の難所、不帰キレットへの期待と不安が頭を占領し始めていた。しかし辺りを見ればそんな緊張を忘れさせる一面のお花畑。種々の高山植物が咲き乱れ、白に黄色に赤に紫に、視界がカラフルだ。この花々をモチーフにしたドレスがあったら素敵だろうな、そしてそのドレスを岩稜帯で着て…、と想像を膨らませる。脳内もお花畑。
13時半前に泊地の頂上山荘着。先客は多かったが、なんとか隣接して3張のテントを張ることができた。サブザックで白馬岳ピストン。今日1日で一気に標高を上げたからか、高山病のような症状を訴える人が出てきた。本当はこれ以上標高を上げるべきではないが、ゆっくりとピークへ向かうことにする。本日初の稜線!登山道脇に群生している女王様方(コマクサ)にごきげんよう、とご挨拶した。どでかい白馬山荘を通り過ぎ、テント場から30分ほどで白馬岳山頂に着いた。残念ながらガスで展望はない。心の目で雪倉岳、朝日岳を望み、栂海新道への憧れを募らせる。帰りに白馬山荘の売店に寄った。飲食物、手拭いやTシャツなど豊富な品揃え。白馬山荘マスコットキャラクター雷蔵が可愛い。山荘前では名手が旭岳に惚れていた。正式な登山道はないが、yamapの人の軌跡を見るとそこそこ歩かれているようだ。午後はガスりがちだったが、雲の隙間から杓子岳方面の稜線が見え隠れする。どこまでも続く稜線、これぞアルプス。あ〜帰りたくない!と思うが、今回はカエラズを歩くので「帰りたくない」は禁句。喉まで出てきた言葉を飲み込んだ。
テント場への帰り道、雷鳥が現れた。オスだ。ガスってくれてありがとう。砂浴びをしているようだ。全然逃げないので、可愛い雷鳥に釘付けの我々はなかなかその場を離れることができず、暫く居座ってしまった。
テント場に戻ったのは16時前。あまりのんびりできない。テント場でのお昼寝が大好物だが、1日目は時間がなくても仕方がない。明日のお楽しみにする。夕食は三山組と合同で、深田くんのパエリアをいただいた。缶詰の海鮮をたくさん入れて具沢山だった。有難う。我々白馬五竜組は明日ガスが上がる前に不帰キレットを通過したいので、2時起き3時出発とした。三山組とはここでお別れだ。隊が途中で分離するのはこんなに寂しいものなのか…。お互いの無事を祈って別れを告げた。
気がつけば白馬岳頂上方面のガスが抜けている。自分以外の5人は景色を見に行った。自分にとっての本番は明日だし、8時間以上横たわるのが山中のマイルールなので先に寝床につかせてもらう。しかし緊張で幾度か起きてしまった。
いつも通り、基本に忠実に、丁寧に歩けばきっと大丈夫。そう言い聞かせて目を閉じた。
2日目(油井)
2時起床。前夜の就寝遅れをストイックな後輩に怒られないか心配だったが特に指摘されずホッとした。非常によく眠れたが2人とも緊張気味だ。過去最高難度のコースに挑むのだから無理もない。満天の星空の下でペンネを頂く。飯豊の朝ごはんに作ったものが刺さったようで具沢山になって帰ってきた。ほぼ具なしペンネを作った自分が恥ずかしい。朝食当も頑張らねばならない。ここからは2人だけだがこの方がかえってテキパキ進むのか3時前には出発の用意が整った。隣の白馬三山隊のテントからは朝食準備のために田中が出てきて見送ってくれた。「カエラズから帰る」ことを約束し、暗闇の後立山の南下を開始する。なるべく明るくなってから動きたい派であるが、今回は目的がカエラズ。本来であれば大雪渓などには構わず1泊目は天狗山荘とし、天気が崩れる前に通過してしまうのがセオリーであるから仕方ない。こんなに朝早く出たのは宿泊地の違いによる遅れを少しでも縮めるためであった。
歩き始めてすぐに丸山に登頂。ここは行き止まりなので注意が必要である。道はガレ場中心だが歩きやすい。進行方向に明かりが見える。こっちに向かうには早すぎないだろうか。結局この後白馬鑓まですれ違いは発生しなかったのでカエラズへ先行していた人の明かりが強かったのだろう。さっきまでは怒られないか心配していたのに、前夜の夕暮れの美しさを見ずに寝ていた相方に自慢する。後悔はないらしい。流石だ。安全第一の心掛けとしては模範的だ。勿論自分も必要な睡眠時間は確保していたことは念の為記しておく。
杓子岳へは巻道との分岐を過ぎると鬼の直登である。足場不安定かつ道もやや分かりにくいので疲れる。やっとの思いで登頂。ここで疲れてはならない。山頂で大休止予定も風が強かったのでちょっと休んで先を急ぐ。巻道に合流し、今度は白馬鑓ヶ岳を目指す。白馬鑓手前の広場で日の出を見るために大休止した。いつも通りお天道様にご挨拶する。今日はお手柔らかにお願いします。ここで自分はアームカバー大捜索を始める。なかなか見つからない。毎回何かを行方不明にしているが、紛失はしない。結局この日も見つかってくれた。
白馬鑓では絶景が待っていた。白馬、立山は言うまでもなく白山も遠くに望むことができる。そこから天狗山荘までの下りはガレ場だが、砂混じりで歩きにくい。天狗山荘手前には雪が残り、チングルマやウルップソウがまだ見頃だった。小屋でトイレ休憩、水分補給を済ませていよいよ破線ルートへと突入する。天狗の大下り手前でヘルメットを被り、無事の生還を誓った。序盤は鎖場の下りで間隔を開けながら慎重に下る。アルプスの岩は頑丈なイメージを持っていたが、ここの岩は脆く頼りがいがない。鎖場を過ぎると九十九折りのガレ場をこれまた慎重に下る。前の人が落石を起こす音が聞こえる。自分たちは石を動かしてしまうことこそあったがこの山行を通じて一つも落とさなかったはずなので緊張感を持って臨めたと思う。時折立ち止まってはだんだん近づいてくる不帰ノ嶮を撮影する。今からここを登ることが信じられないくらいの壁だ。思わず苦笑いしてしまう。一峰まで登るとついに目の前には壁のみとなった。鞍部で呼吸を整え、お互い気合いを入れ直す。登る時に頼りになるのは自分一人だが、一緒に難敵を乗り越えようとする仲間がいるのは心強い。この日は自分が先頭を歩いたが、振り返ると百戦錬磨の後輩がいるのは実に頼もしかった。
二峰北峰に向けて鎖場に取り付く。初めのうちはウォーミングアップといったところで特に難しいところはない。既に6時間ほど歩いている上に天狗の大下りで鎖場を通過しているのでウォーミングアップなど不要だろう。核心部はまだかまだかと待ちわびているとだんだん身体を預けられるスペースが少なくなり確かに難度は上がっている。動画で何度も予習したので想定通りだ。振り返るとガスの切れ目から剱岳がこちらの様子を伺っている。ここで音を上げていては翌月の剱岳では門前払いといったところだ。自分たちと同様に南進する人が多数派のようで、すれ違いがほとんど発生しなかったのは助かった。有名な空中梯子はそれほど高度感はないので恐れることはない。登り詰めると巻くように進み、側面から北峰を目指す。デカザックを背負っているので身のこなしが難しい。とはいえ全て上りなので進行方向と取っ掛かりを目視しながら通過することができ、ひやっとすることもなく北峰に登頂した。意外となんとかなるものである。
核心部はここまでだがここで気を抜いてはいけない。ヘルメットは被ったまま、写真撮影と休憩を済ませて続く南峰を目指す。垂直移動と単純な活動時間の問題でここからは疲労との勝負だ。重い足取りで南峰を越え、唐松岳に登頂!カエラズから帰った、その達成感は計りしれない。2人とも喜びを爆発させていた。ようやくヘルメットを脱ぐことができたが長時間被っていたため前髪はぐしゃぐしゃだ。山頂で写真を撮り、難所を越えた安堵感に包まれながらまったり過ごすことにした。唐松岳に登る人の大半は八方尾根ピストンのようで、軽装者の中でデカザックが目立つ。そのためかよく声をかけられて白馬岳から来たことを説明する。今日ばかりは自分を甘やかし、自慢しても良いだろう。
山頂での時間も良いがテント場でのまったり時間も良い。ということで11時には山頂を後にして頂上山荘へ向かった。多くの軽装者とすれ違うが、みな疲れた顔をしている。自分たちの方が遥かに元気だ。小屋で受付すると1番の札をもらった。どうやら一番乗りのようだ。テント場は小屋から下った斜面に展開しており、なるべく上段の広いスペースを押さえた。まったりしつつも小屋周りの散歩や煮沸作業などやることは尽きない。晩ご飯には青椒麩絲(読み方は正しくないがチンジャオローフ)丼を作った。先週の飯豊で学生パーティーが大量の麩を使って何かを作っていたのに触発された形だ。タンパク源に欠けるが味は良かったと自負している。2人だけということでコッヘルで米を炊く試みもしてみた。火加減が難しく、吹きこぼれてしまったが、炊くことはできた。少人数山行ではありかもしれない。食後は恒例になりつつある夕日タイム。斜面のコマクサがユキヒメドリに啄まれていた。高山植物が生息域を広げる鹿に食べられてしまうのはよろしくないがこればかりは自然の摂理なのだろう。太陽が沈むあたりは雲に覆われていて日没を見届けることはできなかった。それでも淡く赤色に染まる後立山は絶景だ。ただ、一番美しい時間帯を佐藤はまたしても逃してしまっていた。遅れをとるまいとすぐにテントに戻り、眠りについた。
3日目(佐藤)
3時起床。
最近山中での目覚めが悪い。バイブレーションを感じてから起き上がるまでに10秒ほど時間がかかってしまう。寝れないよりマシか。見上げると今日も美しい夜空。ほぼ新月で、星々がポテンシャルを最大限発揮している。各自朝ごはんを済ませ、3:45にザックを背負い小屋へ向かう。テント場は小屋のだいぶ下に位置しているので、下っていて違和感を感じた。お恥ずかしいことにテント場で道迷い。気を取り直して小屋へ戻り、テントにつける札を返却した。唐松岳山頂へ向かう人々のヘッドランプの灯が見える。
今日の難所、牛首へ。ある程度長さのある区間の中で、所々危険箇所が現れる。鎖に頼らねばならなかったり、足場の岩が崖側に傾いていたりする。登りの不帰より未明の下りの牛首のほうが難しいという見解が2人で一致した。同日に牛首で滑落事故があり、ヘリで搬送されたようだ。最近の雷鳥では岩場へ行く前にボルダリングやロープクライミングをしようという風潮があるけれど、ボルダリングは真面目に下らないんだよなあ。だから下りが苦手なんかな。ロープダウンしてもらわなければいい?などとブツブツ言いながら降りた。牛首の途中でまん丸朝日が顔を出す。安全な場所で立ち止まって拝んだ。先週の飯豊縦走から太陽さんに挨拶をするのが恒例となっている。「太陽さんおはようございます。今日もよろしくお願いします。」礼。ご挨拶の甲斐あってか、立山連峰、薬師岳、水晶岳など、稜線が一望できる。この方向から見える劔がかっこ良い。油井さんは来月の劔→槍縦走、自分は裏銀座縦走への期待が高まる。これ以上ない景色を噛み締めながら歩いた。朝日に照らされる五竜岳と前を歩く油井さんが絵になる。そういえば油井さんはポカリの方が好きらしいが、1Lの水溶液を作るのに必要な溶質の量を比較して、軽量化のためにアクエリアスの粉を持ってきている。さすが山人だ。
唐松五竜間の最低鞍部に着いた。この辺りは少し樹林帯を歩く。ここから五竜山頂まで高尾山一本分!急登でもないのに登りが辛い。足がまだ寝ている。一方の油井さんは1回目の休憩を挟むとエンジンがかかるようで、スタスタ登っていく。亀ののろさで申し訳ない。梅ミンツ(本名:シモツケソウ)や赤いイモムシ(本名:カライトソウ)を愛でながら頑張った。
6時半前に五竜山荘に到着。山荘の壁に武田菱が描かれている。春先に五竜岳の山頂直下に現れる雪形が武田菱に見えるからだそう。その山を領主様の家紋、つまり御菱(ゴリョウ)と呼ぶようになり、それが転訛して五竜になったという説がある(諸説あり)。そういえば外トイレをお借りしたらびっくりした。西向きに設置されており、目の前に絶景が広がる。これではお手洗いの回転率が低下してしまうのでは。
サブザックで五竜岳へ出発〜。亀の自分が先頭を歩いた。なだらかな道のあとは山頂まで岩場が続く。やはり岩場は楽しい。ストックは少し邪魔になったので持って行かない方がよかった。重い荷物から解放されたからか案外時間がかからず、山荘から約45分で山頂についた。お〜、八峰キレットと鹿島槍ヶ岳!次は八峰キレットが目標かな。(そしていつか大キレットへ。)また歩きたいところが増えちゃった。ここまで歩いてきた白馬岳方面の稜線もバッチリ見える。この大パノラマを飽くまで堪能したく、12:20エスカルプラザ発のバスを諦めて好きなだけのんびりした。五竜岳からの下り、登山道南東に見えるゴツゴツの黒い岩肌が格好いい。岩場を過ぎてなだらかな道を軽快に歩き、五竜山荘に帰った。写真を見ると前を歩く油井さんがスキップをしているかのようだ。山荘に戻って水の購入ついて話し合った。消毒済み煮沸推奨水
or 高級な煮沸済み飲用水。2人合わせて水の残量は2Lと少しなのでさすがに買わなければならない。煮沸の面倒臭さから、煮沸推奨の水を煮沸せずに飲むことにした(残るは下山だけだし)。これはよくない行為だったのだろうか。消毒済み天水を煮沸するのは、主に塩素消毒の残留塩素を飛ばすためだと思っている。たしかに塩素に耐性があり煮沸消毒により死滅する耐塩素性病原生物(クリプトスポリジウムやジアルジアなど)もいるが、沢水でもないしそこまで対策する必要があるのだろうか…。天水を販売している他の小屋が煮沸滅菌をしているとは思えない。煮沸推奨の正確な理由を知りたい。
白岳の三角点を踏んでから遠見尾根で下山。「これより岩場」の案内板が置いてある。しかし岩場が見当たらない。まだかなまだかな。しばらく歩いてようやくロープがついた岩場が登場。濡れておらずあっさり通過した。遠見尾根は細かなアップダウンはあるが、ここの岩場以降は歩きやすい。地面にも話にも花が咲いていた。後方には多分唐松五竜の稜線が見えるはずだが、今日はガスの中。本日最後の登りの小遠見山は巻道もあるが、折角なので約80m階段を登ってピークを踏むことにした。巻道の分岐手前に五竜岳登山口の看板がある。なぜこんな中途半端なところに登山口の案内が設置してあるのか疑問だったが、小遠見山から下はよく整備されたハイキングコースになっていたのだった。だから小遠見山山頂は多くの人で賑わっていた。煮物が入ったお弁当を食べている方を見て、羨ましくなる。下界戻ったらいっぱいお魚とお肉食べるもん!ほのぼのした空気が流れる山頂ではデカザックが異様に見えた。小遠見山からはスニーカーでも歩ける道で、お散歩気分であった。しかしこういうところで事故りそうなので気をつける。次第に暑くなってきた。丹沢の標高だもんな。しかし時折どこからか涼しい風が吹いてきて心地よい。空への滑走路みたいな道があり、離陸できそうな気分だった。町の方ではパラグライダーが飛んでおり、いつかやってみたいなあと思った。
地蔵の頭から街を挟んで東側の山々がよく見える。ここで五竜山荘で買った煮沸推奨の水を口にした。ほぼ下山したから今からお腹下しても大丈夫(?)。塩素がキツイことを覚悟したが、案外普通の水の味だった。(裏銀座で飲んだ烏帽子小屋の塩素消毒水より全然美味しい。もちろん水があるだけで有難いんですが。)下界を見ればゴンドラに乗らずとも降りられそうに思えて、道を探したが見つからず…。
下山先は白馬五竜高山植物園で、ここがなかなか良かった。重いザックを背負いながら一周し、今年見た花々の名前を勉強した。今日の道中で名付けた梅ミンツの本名はシモツケソウだった。また、珍しい白いコマクサを見ることができた。でもやっぱり山中で見つけたいかな。植物園の一角に「白馬五竜岳」と書かれた山頂標らしきものがあった。「一段したから見上げるように写真を撮ると本物の北アルプスの山頂で撮ったかのような写真が撮れます!」とのことだ。我々の今回の縦走路にピッタリの名前なので、この偽山頂でパシャリ。植物園を一周して満足し、ゴンドラのアルプス平駅へ。2日ぶりに無料の水を発見!消毒済み!煮沸不要!と2人で大興奮した。北アルプスへ行くと水の有り難みが身に染みる。ゴンドラに乗らず歩いて降りたい気持ちを抑えて、四角い箱に乗った。視界に雪のないゴンドラは違和感しかない。乗車時にお兄さんがおしぼりをくれた。きっもちい〜!
スキー場併設の温泉に入ってサッパリした。体重計に乗ると二人ともだいぶUL化していた。水分不足もあるが、今月の山行強度&頻度が高いから仕方がない。下界でたくさん食べよう。エスカルプラザからバスで神城駅へ行き、神城駅から電車に乗った。車内で西に見える北アの山座同定をする。見えた山に登りたくなるのがいつものことで、この日見た餓鬼岳に惹かれ、9月に計画を立てることになった。蓮華岳もどっしりしていて良いね。あと、大町山岳博物館と鷹狩山(北アの眺望が有名)に行ってみたい。
松本駅での乗り換え時間で、駅から徒歩4分に位置するどんぐりという洋食屋さんでお腹を満たした。2023年後立山縦走の秀逸な山行記録と比較されるのが辛いなあ、と話した。あのようにイケメンな書き出しや、うっとりする情景描写をできるようになりたいものだ。未読の方には是非読んでもらいたい。(https://raichohp.stars.ne.jp/records/2023/230913_1/
)
松本駅に戻って展望スポットから北アを望む。ここから見る常念が好きだ。今まで特急や新幹線は使わない派だったが、9日後に院試が控えているのでお金で時間を買う決意をし、初めてあずさに乗った。東京へ強制送還。車内で何回帰りたくないとつぶやいただろうか。(カエラズを無事通過したからもう言ってよい。)最近の課題は自力でザックを網棚に上げられるようになること。山で足は強くなったが腕力はつかない…。やはり平ヶ岳で44期朝倉さんがやっていたように、山頂で腕立て伏せをするべきか。車窓からは夕暮れに美ヶ原や八ヶ岳が見える。さすがに少しは院試の勉強をしようと勉強道具を広げるが、案の定山行後の興奮状態の頭に入るわけがない。潔く勉強は諦め(油井さんに唆された)、余韻に浸ることにする。軽量化の信念に反して持参した216gの紙の束は無駄になった。目の前に文字の羅列があっても脳内スクリーンにはこの3日間の山が映ってしまうのだ。白馬大雪渓、お花畑、芸術的な不帰キレットなどなど…、どの一瞬をとっても語れる濃密な3日間だった。
気がつけば脳内映画館の幕が閉じて、幸せな眠りに落ちた。
■感想
CL油井
・過去一の山場を越えた、自分の成長を感じて嬉しい
・大雪渓では久々に46期たちとワイワイ登って楽しかった
・下りの鎖場はまだまだ怖い、精進します
・カエラズの達成感は半端じゃないがそれ以外の時間の充実度もなかなかだった
・人に影響を与えすぎたかもしれない
SL佐藤
・濃厚すぎて、楽しすぎて、ノルアドレナリン出過ぎて、頭と心が爆発しそう。
・不帰から帰った!目の前に現れたキレットは芸術的で、そのスケール感と垂直に見える壁に圧倒された。
・不帰を超えて唐松に着いた瞬間の感動は過去一。
・後立山縦走後半戦〈五竜〜鹿島槍〉をやりたい。
・下山先の植物園で癒された。
・山に関わると人は少なからず変わる。
・院試前に山に行きすぎました。
・油井さんと登ると、知らぬ間にハードな山行を立てることになっている(飯豊も餓鬼も、今思えば去年の馬蹄形も!)。魔術師か!!